“夜泣き”というと、赤ちゃんが起こすものというイメージがあります。でも、3歳や4歳の幼児でも夜泣きをするのは珍しいことではありません。
この年齢になると体力もあり泣き声も大きいので、夜泣きのたびにママやパパは、精神的にも体力的にもへとへとになってしまいますね。
赤ちゃんの夜泣きは睡眠サイクルが未発達なため起こることが多いものですが、幼児期の夜泣きには様々な原因が考えられます。
そこで今回は、3歳~4歳頃の幼児期の夜泣きの原因と、その対処法についてまとめました。
昼間の不安な体験
昼間、何か不安なことや嫌なことが起きたときに夜泣きをする子供は多くいます。
幼稚園や保育園に通いはじめたタイミングや、園でお友達とトラブルが起こった時。
あるいは家庭内でもママやパパが叱りすぎた時や、強い刺激を受けた時にも夜泣きが起こることがあります。
<対策>
泣いて手が付けられない場合は、一度しっかりと起こし、落ち着かせてください。不安や恐怖などから怖い夢を見ていることもあります。
「大丈夫だよ」「ママが側にいるよ」など声をかけて、抱きしめて安心させてあげることが何よりも大切です。
昼間何かがあり夜泣きしそうだな…と思う時は、寝る前に抱っこしたり十分に甘えさせてあげたりすると、夜泣きの予防につながります。
お風呂の時間が遅い
寝る直前のお風呂は夜泣きの原因となります。深い睡眠を得るためには、就寝前に体温を下げる必要があります。
ところが睡眠直前のお風呂は体温下降を妨げることになってしまい、眠りを浅くし夜泣きにつながってしまうのです。
<対策>
寝る2時間前にはお風呂は済ませておくといいでしょう。どうしても直前にお風呂に入らなければならない時は、温度はぬるめ・短時間の入浴を心がけてください。
幼稚園や保育園に通う幼児はバタバタとした夕方~夜の時間を過ごすことも多く、お風呂時間も遅くなりがちです。帰宅後すぐに入浴するなど、リズムを変えてみるのも一つの手です。
赤ちゃん返り
弟や妹が産まれると、不安や愛情不足を感じて急に夜泣きが始まる子がいます。この場合の夜泣きは、いわゆる赤ちゃん返りの一つと言えます。
3歳~4歳になると、「お兄ちゃん・お姉ちゃんとしてがんばるぞ」という気持ちも芽生えているため、日中は甘えたい気持ちや泣きたい気持ちを我慢することも多いようです。
ところが、やはり寂しさや不安はあり、それが夜泣きという形で出てきてしまうのです。
<対策>
とにかく甘えさえてあげること、抱っこなどのスキンシップを積極的にすることが大切です。
下の子が小さいうちはママは赤ちゃんのお世話にかかりっきりになってしまいがちですが、お兄ちゃんお姉ちゃんをなるべく優先させてあげるように心がけてみてください。
赤ちゃん返りへの対処は一筋縄にはいかない難しいものですが、「あなたが大好き」というママの思いをしっかりと感じるとおさまることが多いようです。
関連記事:赤ちゃん返りとは?2歳児の対処法は?いつまで続くの?
成長痛
幼児期から小学生くらいまでの子供が訴える“成長痛”が、夜泣きの原因になることがあります。
この成長痛、以前は成長に伴う足の骨のきしみのようなものだと考えられていましたが、実は足の疲労や炎症だという説が有力となっています。
夜は激しく足が痛みますが、朝になると痛みは消えるというのが特徴です。
<対策>
痛がり始めたら、手でさすってあげるのがいいでしょう。血行をよくして痛みを軽減するという効果だけでなく、子供は安心感を得られ、落ち着いて眠ることができます。
一時的に痛みを訴える成長痛は、病気ではないので治療は必要ありません。激しい運動をする前と後に、十分にストレッチをすることで痛みを防げます。
ただし、あまりにも痛みが継続する、日中でも痛みがあり歩行に支障が出るなどした場合は、成長痛ではない可能性もあります。その場合は小児科や専門医に相談してください。
関連記事:成長痛とは?痛みを和らげる為の対処法は?治すことはできるの?
夜過ごす部屋の照明
夜、寝る前に過ごす部屋の照明が明るすぎると、子供は覚醒状態になりやすくなります。眠気を誘うメラトニンというホルモンの分泌がされにくくなるのがその理由です。
本を読んだり、お絵かきをしたりすることも増える幼児期。目のことを考えて室内を明るくしている家庭も多いと思いますが、快眠を得るためには暗め照明がベストです。
<対策>
光を弱めるのに抵抗がある場合は、優しいオレンジ色の照明にしてみてください。
蛍光灯の青白い煌々とした光は、就寝前には刺激が強すぎます。
お昼寝時間が遅い
お昼寝の時間が遅いと、夜の睡眠も浅く夜泣きにつながりやすくなります。
平日、幼稚園や保育園に通っている間は比較的お昼寝リズムも一定ですが、休日になるとお昼寝が夕方にずれ込んでしまうという家庭も多いのでは。
<対策>
お昼寝の開始は、遅くとも午後3時頃までが望ましいと言えます。
お昼寝から就寝時間までの間隔は、目安として5時間以上あけるといいでしょう。
これより少ない時間だとなかなか寝付けず、睡眠も浅くなりがちです。
日中の運動不足
日中十分に遊べていない、室内でばかり過ごした…など、疲労感がない時には眠りが浅くなります。
また、深く眠るためには昼と夜の体温差が大切になりますが、日中の活動が不足して体温を十分に上げられないままだと体温差が生じません。
その結果、睡眠の質が低下し、夜泣きの原因となります。
<対策>
日中は屋外でたくさん遊ぶと、適度な疲労を得られます。室内の遊技場等で遊ぶより、日光に当たり体を動かす方が運動量はアップします。
天候が許す限り、屋外で思いっきり遊ぶことが夜泣きの予防となります。
関連記事:幼児の運動によって期待できる効果は?年齢別の運動方法は?
就寝前のテレビやスマホ
寝る直前にテレビやスマートフォン、PCを見せていると質のいい睡眠は得られません。電子機器のディスプレイは、脳を覚醒させてしまうと言われています。
ディスプレイの光が覚醒させる要因なので、たとえ見ている内容がリラックスできるようなものでも、夜泣きを引き起こす可能性があります。
<対策>
最低でも就寝1時間前からはテレビ、スマートフォン、PC画面は見せないようにしてください。
夜泣きを防ぐためには、「○○時からは一緒にご本を読む時間にしようね」など声かけをして、寝る前は静かに過ごす習慣を作るようにしてみてください。
まとめ
3歳~4歳頃の夜泣きは、日中や就寝前の過ごし方が大きく影響するものです。そのため、赤ちゃん時期の夜泣きより予防できる可能性が高いと言えます。
また、原因は何であれ泣いてパニックを起こしているような時は、お茶を飲ませるなどして一度落ち着かせてあげるといいでしょう。
夜泣きは子供の成長とともに落ち着いていくことも多いもの。睡眠不足は辛いですが、“明けない夜はない”という心構えで過ごせるといいですね。