メロンは高級なフルーツとして知られていますが、漢字でどのように表記されるかご存知ですか?
ウリ科に属するメロンは、漢字で「〇〇瓜」と表されることが多いですが、その〇〇には何が入るのでしょうか?
そこで、メロンの漢字表記について調査してみました!
漢字で「メロン」を書くとどうなる?
漢字でメロンを書くと「甜瓜」となります。
「甜」は「てん」と読み、「瓜」は「か」とも読むため、直訳すると「てんか」となります。
珍しい字ですが、「甜」には「甘い」という意味があります。
字面通りに解釈すれば、甘い味がすることを示していますね。
このため、「甜瓜」は「甘いウリ」という意味になります。
一般的な果物のように甘いウリ科の植物なので、「甜瓜」という表記が用いられます。
「舐瓜」という表記はメロンを指すか?
いくつかのサイトで見かけることがある「舐瓜」という表記。
一見すると区別がつきにくいかもしれませんが、「甜」と「舐」では右側の部分が異なります。
では、「舐瓜」がメロンを正しく表すかどうかという問題ですが、辞書によって見解が異なります。
日本大百科全書、大漢和事典、オンライン漢和辞典では「舐瓜」の表記は見当たりません。
ですが、当て字・当て読み漢字表現辞典では、「舐瓜」がメロンを表す表記として記載されています。
メロンは甘いけれど、実際にはフルーツではない!
一般的にはフルーツとして認識されることが多いメロンですが、実は野菜に分類されます。
農林水産省が定める分類基準によれば、果物とは「木になるもの」であり、野菜は「茎や蔓に生えるもの」とされています。
この基準に基づけば、蔓性植物であるメロンはウリ科の他の植物とともに野菜に分類されます。
興味深いことに、スイカやイチゴも野菜として分類されることがあります。
一般の認識とは異なり、メロン、スイカ、イチゴは「果物のような野菜」という特別なカテゴリーに分類されているのです。
「真桑瓜」という漢字表記について
メロンの漢字表記を調べると、「真桑瓜」という言葉が出てきます。
これはメロンに似た特徴を持つ「マクワウリ」という瓜の漢字表記です。
マクワウリは見た目がメロンと似ており、特に岐阜県の真桑村付近でよく栽培されています。
メロンほど甘くはないものの、冬瓜など他のウリ科植物と比べると自然な甘さがあり、「甜」(甘い)という文字が用いられることもあります。
マクワウリは夏に旬を迎え、スイカと同じように体温を冷やす効果があるため、夏バテ防止に適しています。
食べてみると、そのおいしさには特別な魅力があります。
以前はマクワウリも「甜瓜」として表記されていましたが、メロンが海外から日本に伝わり普及する中で、メロンの漢字表記が「甜瓜」とされるようになりました。
これにより「甜瓜」という表記がメロンとマクワウリの両方に使われ、混同が起こるようになりました。
そのため、メロンが「甜瓜」の表記を引き継ぎ、マクワウリは産地である真桑村にちなんで「真桑瓜」という表記が使われるようになったのです。
マスクメロンの特別な漢字表記
「マスクメロン」というメロンの品種には、ユニークな漢字表記があります。
このメロンは、「麝香甜瓜(じゃこうめろん)」と書かれます。
「麝香」(じゃこう)とは、ジャコウジカが分泌する香料「ムスク」を指し、英語で「Musk Melon」と呼ばれることが、この漢字の由来です。
中国語でのメロン表記
中国や台湾を含む漢字文化圏でのメロン表記はどのようになっているのでしょう。
日本と同様に「甜瓜」と書かれますが、発音は日本語の「めろん」とは異なり、「テングァ」と発音されます。
また、メロンを用いた食品や飲料の表記には特徴的なものがあります。
例えば、メロンパンは「瓜面包」(面包はパンを意味する)と書かれ、メロンソーダは「瓜汽水」(汽水はソーダを意味する)と表記されます。
メロンと他のウリ科植物とを区別せずに単に「瓜」と表記することが、メロンを指す表現となるのは興味深いです。
まとめ
メロンは漢字では「甜瓜」と書かれます。
「舐瓜」という表記は辞書によって異なるものの、メロンを意味することがあります。
「甜瓜」は元々マクワウリを指していましたが、メロンがこの漢字を引き継いだため、マクワウリは「真桑瓜」という表記に変わりました。
そしてマスクメロンは「麝香甜瓜」と表記されます。
中国語では「甜瓜」で表記され、時には単に「瓜」だけでメロンを指します。