子供は、「遊んで」「話を聞いて」「本を読んで」など…親に様々な要求を投げかけてきます。
家事に仕事に忙しくしていると、そんな要求に応えるのも大変。「後で!」と突っぱねてしまうこともありますよね。
でもそんな対応を繰り返しているうち、愛情不足を感じて不安定になってしまう子供もいます。
そこで今回は、愛情不足が子供に与える影響について調べてみました。
また、一番効果的な愛情表現は「抱きしめること」と言われていますが、子供を抱きしめるとどのような効果があるのか、どういうタイミングで抱きしめればいいのかも、併せて紹介します。
幼少期の愛情不足による影響は?
小さな頃に愛情不足を感じると、子供には様々な影響が出ます。
子供のうちに出る「短期的な影響」と、それを放置し続けることで大人になってからも続く「長期的な影響」の2つに分けて、まとめました。
短期的な影響
短期的な影響とは、すなわち「愛情不足を訴える子供からのSOSのサイン」とも言えます。サインがどう出るかは、深刻度やその子の性格にもよりますが、ここでは代表的な例を紹介します。
「抱っこして」「○○して」という甘えの要望がいつもより強く出るのは、愛情不足の初期段階。
もっと親と関わりたいという欲求を素直に表現しているので、親も分かりやすく対処もしやすいと言えるでしょう。
ストレートな甘えの欲求が叶わない時は、わざと困らせるような言動を取り、親の関心を引こうとする場合も。
「怒られてでもいいから自分に関心を持ってほしい」という気持ちから、いたずらをしたり、わがままが強く出てしまうのです。
人間はストレスを感じると、口元に手や物を持っていきたくなることがあります。
そのため、子供に指しゃぶりや爪噛みなどが頻繁に起こっている場合は、愛情不足の状態にストレスを感じている可能性が。
喜びや悲しさが表情に出ず、泣きも笑いもしない…それはかなり深刻なサインと考えられます。
無表情なのは、「自分の感情を表現しても分かってもらえない・無駄」と、諦めきってしまっている可能性があります。
嘘をつくことも、愛情不足のサインの一つ。「嘘をついてでも、周りに関心を向けてほしい」という心理状態に陥っているのです。
一度嘘によって関心を持ってもらえた感覚を覚えてしまうと、頻繁に繰り返す場合もあります。
甘えたいけど甘えられない、あるいはそんな気持ちを言葉にできない時は、悪いことをして注目されようとすることも。
人のものを奪い取る、それを隠すなどはその典型です。
長期的な影響
幼少期の愛情不足は、子供の人格に大きな影響を与えます。その悪影響は、大人になってからも続くことも。
どのような表れ方をするかは人それぞれですが、例えば、
- 他者への批判が強くなる
- 自己評価が低くなる
- 人を信じられなくなる
- 感情の起伏が激しくなる
など、人とコミュニケーションする上で障害となるような、“性格の歪み”として表れることが多いようです。
関連記事:キレやすい子供には何か原因があるの?対処法&対策法を紹介
子供を抱きしめる事で期待できるメリットは?
一番簡単で効果的な愛情表現は、「抱きしめること」です。抱きしめることは、子供にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
精神が安定する
親に包み込まれているという感覚が、子供を安心させます。その安心感から、自分は大切にされているという気持ちが生じ、子供の精神を安定させます。
ストレスに強くなる
抱きしめられて幸福感を感じると、「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
「オキシトシン」には、ストレスを軽減する効果があるため、たくさん抱きしめられた子供は、ストレスへの耐性が強いと言われています。
免疫力がつく
スキンシップをすると「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは免疫力を高めると言われているため、抱きしめられると、病気に負けない強い体を作ることも望めます。
自立できる
意外に思うかもしれませんが、抱きしめる回数が多ければ多いほど、子供の自立を促すとも言われています。
抱きしめられることで得られる安心感が、“失敗してもパパ・ママは自分を受け止めてくれる”という思いにつながり、様々なものにチャレンジする原動力となるのです。
他者へ優しくなれる
抱きしめられると親の愛情をしっかり感じることができるので、自己肯定感を持つことができます。
自分のことを大好きな子供は、他人を大切にする余裕があります。そのため、他者への思いやりを持つことができます。
子供を抱きしめるタイミングは?
一番いいのは、常に、気づいた時にたくさん抱きしめること。でも、家事や仕事で忙しい毎日を過ごしていると、なかなか時間的にも気持ち的にも抱きしめる余裕を持てないという人もいるのでは。
そんな悩みを抱えている人は、次で紹介するタイミングを参考にしてみてください。習慣として取り入れてしまうのも一つの手です。
起床・就寝時
朝起きた時や夜寝る前は、習慣化しやすいタイミング。比較的気持ちに余裕のある時なので、ゆったりと抱きしめることができるでしょう。
いってきます・ただいまの時
「いってきます」「ただいま」を言うタイミングで抱きしめるのも、習慣化しやすいですね。出かける前は、子供の不安を取り除く効果が。
帰宅時は、「家に帰って来た」という安心感を与えることができます。
叱った後
叱った後こそ、抱きしめるようにしてみてください。
特に激しく叱られた後は、子供は「嫌われたかも」という不安な気持ちが広がっています。その不安を取り除くためにも、抱きしめることは有効です。
また、抱きしめると、前述した「オキシトシン」というホルモンが分泌されるので、親自身も落ち着きを取り戻すことができます。
忙しい時
親が忙しい時は、子供は“放っておかれている”と感じてしまうもの。忙しい時は気持ちにも時間にも余裕はないかもしれませんが、そこであえて抱きしめることを意識してみてください。
抱きしめた後は子供も気持ちが満たされるのか、案外一人遊びを始めたり…。結果的に、親の手を煩わせることが少なくなる場合もあります。
まとめ
子育ての渦中にいると、なかなか余裕もなく大変な毎日ですよね。だから、子供が大好きで抱きしめたいという気持ちがあっても、実際に行動に移すのは難しいものです。
でも子育てを終えた先輩ママからは、「子供を抱きしめられるのは、せいぜい10年弱。もっともっと抱きしめておけばよかった」という声が多く聞かれます。
子育て期間は、長い人生の中でも貴重な数年間。子供の小さなうちはたくさん抱きしめて、愛情を目一杯伝えたいものですね。