妊娠すると、女性の身体には多くの変化が起こります。妊娠初期の頃から感じる変化の一つに、『足の付け根が痛くなる事』がありますが皆さんはいかがでしょうか?
あの痛みは訴えようとしても、どう表現したらいいかわからない感覚があります。妊婦さんの悩みの種の一つですね。
この痛さには、妊娠したことによる素敵な身体の変化に伴う『理由』が見つかりました。さっそくご紹介していきましょう。
妊娠初期に足の付け根が痛い理由は?
女性の身体は妊娠することで、新しい生命を育てる為の『体内環境』を作ろうと変化しはじめます。脚の付け根が痛くなる理由には、いくつか挙げられます。
女性ホルモン『リラキシン』の影響
卵巣や子宮、胎盤などから分泌される『リラキシン』による影響で、「恥骨結合」という部分が緩むことによって、体を支える力が弱まり、骨盤近くの恥骨・腰なども足の付け根と同様の痛みが出てくるようになります。
妊娠中には分泌量が増加
↓
関節や靭帯を緩める
↓ ここで痛み発生
分娩時に赤ちゃんが産道を楽に通れる
この『リラキシン』という女性ホルモンは、妊娠時だけではなく生理前にも分泌が増えます。そして、骨盤を開きやすくし経血を流れやすくするのです。生理痛の原因もこのホルモンによって起こる事が知られています。
現代の女性は、昔の女性と違い足腰の筋力が弱いと言われています。筋力が弱いうえに女性ホルモン『リラキシン』でさらに緩むので、この痛みが大きいのではないかという説もあるようです。
普段から運動不足は、妊娠中の女性の身体にも影響するのです。適度な運動を、日々続けられるようにしたいものですね。
子宮を支える『円靭帯』の引きつり
子宮はたくさんの靭帯で支えられています。その中の一つが円靭帯です。
非妊娠時の子宮はおよそ60g。円靭帯は数センチ。
↓ ここで痛み発生
妊娠と共に子宮の拡大
↓ ここで痛み発生
子宮が大きくなると共に円靭帯が伸びる。円靭帯は30cm程(最終)
ホルモンによって今まで伸びた事のない靭帯が伸びていくのですから、少しの伸び始めでも痛みが出るのでしょう。
特に妊娠15~25週の間に子宮はぐんぐん大きくなっていくので、円靭帯の引きつりによる痛みが最も出やすいとも言われます。又、体が動いて子宮が揺れる時に刺激を受けて痛んだりもします。
- 下腹部
- 足の付け根
- 恥骨
- 子宮の前方
妊娠初期の足の付け根の痛みはいつまで続くの?
これには実は大きく個人差があり「妊娠初期だけ痛かった」という人もいれば「お腹がふくらみ始めてから出産までずっと」という人もいます。
日々、子宮は赤ちゃんと共に大きく成長していきますから、「毎日痛む」という人がいてもおかしくはありませんね。
一般的には妊娠週数が大きくなるほど、痛みの症状は治まる傾向にあるようです。産後も痛みは自然に消えていきます。
赤ちゃんが成長している=お腹が大きくなって円靭帯痛が起こっていると考えたら幸せ以外の何ものでもありませんね。過剰な心配はいりません。前向きに乗り切りましょう。
妊娠初期の足の付け根の痛みを改善する方法は?
これらの痛みをなくす治療法はありませんが、和らげるポイントがいくつかありますのでご紹介します。
動作を急がない(お腹を揺らさない)
子宮が動くと円靭帯も動きます。引きつりがさらに起きますので、ゆっくりとした動作で過ごしましょう。
骨盤体操やストレッチ(妊婦用)
今はたくさんの妊婦体操が本屋さんやネットでもあるようですので、自分に合ったものを見つけてお医者様と相談しながら進めてみて下さい。
「これ激しすぎない?」「大丈夫かな?」と心配するような体操は、決して自己判断で無理な体操をスタートしないように注意して下さい。
自分の楽な姿勢を見つける
座る時はあぐらをかく。寝る時は下になる方のお腹の下にタオル類などで支えを作る。など、姿勢によっても大きく軽減されるようです。
和らげるポイントにも個人差があるようです。経験者の方々からはこのような声もあります。
- あたためる
- ずっと立ちっぱなしは避ける
- 痛い方を下にして寝る
- 骨盤ベルトを使用する
また痛みがひどすぎて辛い方は、鍼灸治療や整体を受ける事も手段の一つとしてあるようです。是非、自分にあった改善方法を見つけて下さい。
まとめ
いかがでしたか?妊娠初期の足の付け根の痛みには、出産をスムーズにする『素敵な身体の変化』がありました。
痛みを和らげる方法も比較的多く、自分に合った改善方法がみつかりそうですね。出産予定の日まで、足の付け根の痛みの理由を理解してうまく向き合ってほしいと思います。