どんな育児書を読んでも、赤ちゃんの授乳後は必ずゲップをさせること、と書かれています。でも、慣れない育児の中、赤ちゃんにゲップをさせるのってなかなか難しいし、大変ですよね。
では本当に赤ちゃんにゲップを毎回させる必要ってあるのでしょうか?もし、赤ちゃんにゲップをさせてあげなかった場合はどうなってしまうのでしょうか?
今回は、赤ちゃんにゲップをなぜさせてあげなくてはならないのか、また上手に出してあげられる方法、そしていつ頃までゲップをさせてあげれば良いのかを紹介していきたいと思います。
赤ちゃんにゲップが必要な理由は?
生まれたばかりの赤ちゃんは、首の力が弱く、また喉頭蓋と呼ばれる口の中の部分が、大人よりも高い位置にあることによる影響で、自力でゲップすることができません。大変でも、授乳後は必ず大人が手伝ってあげないといけません。
もしゲップをさせるのを怠った場合、どうなってしまうのでしょうか?
赤ちゃんの胃の形と大人の胃の形は違う
赤ちゃんの胃の形はジュースの缶のようなまっすぐな形の胃で、カーブを描いた大人の胃の形とは大きく違っています。ジュースの缶を上下に振ったら中身が出てしまうように、赤ちゃんがミルクを飲んだ後は、少しの刺激で飲んだミルクをもどしてしまうのです。
あまり頻繁に吐いてしまうと、赤ちゃんの栄養面も心配になってしまいますよね。なので、ミルクの吐き戻しを防ぐためにも、ゲップさせることは必要なのです。
赤ちゃんの突然死の6割がミルクの吐き戻しによる窒息
赤ちゃんは自分が吐いている、という意識がないまま飲んだミルクを吐いてしまいます。
もしお母さんが気づかないうちに吐いてしまった場合、吐きもどしたミルクが気管に流れ込んで、窒息の可能性があり、とても危険です。現に医療機関の統計によると、赤ちゃんの突然死の6割の死因がミルクの吐き戻しによる窒息だそうです。
こんな恐ろしいことを防ぐ為にも、ゲップをさせることはとても重要なことであり、特に月齢の低い赤ちゃんにとっては大切なことなのです。
お腹にガスが溜まってしまう
授乳後に赤ちゃんがぐずってなかなか泣きやまないことはありませんか?それはおっぱいやミルクを飲む時に一緒に飲み込んでしまった空気を自力では出す事ができず、ガスとしてお腹にたまってしまって、苦しくて泣いているのです。
放っておくと吐き戻しの原因になりますし、また赤ちゃんのお腹がパンパンに張ってしまいます。
おっぱいやミルクを飲ませた後は、すぐに横にせず、必ずゲップをさせてあげましょう。忘れずにゲップをさせてあげることで、一緒に飲み込んでしまった空気を出してあげて、また赤ちゃんのグズグズも軽減されるでしょう。
赤ちゃんにゲップを出させるコツは?
ここでは赤ちゃんのゲップをうまくさせる抱き方、さすり方、便利なグッズについて紹介していきたいと思います。
赤ちゃんそれぞれに合った抱き方で空気の通りを良くしてあげる
赤ちゃんのゲップをうまく出してあげるには、首の角度を正しい位置に持っていってあげて、空気の通りを確保してあげることが大切です。
向かい合っての縦抱き
赤ちゃんの胸が、お母さんの肩にもたれかかるように縦に抱いてあげて、背中の上部を支えてあげましょう。赤ちゃんによっては、垂直な角度の方がゲップしやすい子もいれば、背中が丸くなるように抱かれた方がしやすい子もいるので、色々な角度を試してみて、その子に一番合うポジションや角度をみつけてあげましょう。
横向きに座らせて抱く
まず、お母さんが椅子に腰掛けて、右の太ももに赤ちゃんを右を向くように座らせて、少し前かがみになるように支えてあげましょう。
赤ちゃんの背中をさすってあげる
赤ちゃんの背中からうなじまでのラインを、下から上へ優しくさすってあげると効果的です。それでもまだゲップが出そうにない時は、力加減に気をつけて、赤ちゃんの背中を優しくポンポン、とさすってあげましょう。
吐き戻し防止まくらを使って横向きに寝かせてあげる
市販の吐き戻し防止枕
赤ちゃん洋品店や、インターネットショップ等で売られている吐き戻し枕を使えば、前章で触れた、赤ちゃんの吐きもどしによる窒息を防ぐことができます。
使い方は、赤ちゃんを右側が下になるように寝かせ、まくらを赤ちゃんの背面の方に置き、赤ちゃんが体の右側を下にした横向きの形をキープできるようにしてあげます。
右向きに寝かせることによって、ゲップをしやすくしてあげられるのに加えて、横向きに寝ているので吐きもどしによる窒息を予防できます。
手作りの吐きもどし防止枕
大判のバスタオルを用意して、そのタオルを半分に折り、くるくると丸めてロール状にまるめて縛るだけで市販の吐きもどし防止枕と同じように使えます。使い方は同じです。
赤ちゃんにゲップをいつまでさせるの?
授乳後、赤ちゃんにゲップをさせてあげなくてはならない月齢の目安としては、生後5~6ヶ月頃、つまり首がすわるまでと言われています。
3~4ヶ月頃 飲むのがうまくなってきてゲップの回数自体が減ってくる
赤ちゃんが授乳中に飲み込んでしまう空気の量がへってくるので、ゲップの回数が減ってくるのですね。
5~6ヶ月頃 首がすわり、自力でゲップできるようになる
首がしっかりしてくると、お腹の中に溜まってしまった空気を自分で出せるようになってくるので、お母さんがゲップさせる必要がなくなってきます。首がすわるまでは必ずゲップをさせてあげるようにしましょう。
首がすわる時期にも個人差ががあるので、一概に生後5ヶ月を過ぎたらやらなくてもいい、ということはありませんが、赤ちゃんの様子を見ながら自分で判断して、もうゲップをさせる必要がなさそうであれば、やめてもいいでしょう。
まとめ
生まれたばかりの赤ちゃんは、自分ではお腹に溜まった空気を出す事ができないので、お母さんが赤ちゃんにゲップをさせてあげる必要があります。空気が溜まったまま放置してしまうと、ミルクの吐きもどしの原因になります。
また、ゲップをさせるのを怠ったまま、赤ちゃんをあおむけで寝かせてしまうと、ミルクの吐きもどしで窒息してしまう危険性があるので、寝かせる前に必ずゲップさせるようにしましょう。
赤ちゃんのゲップを出させるのはなかなか大変なことですが、抱っこの仕方を変えるだけで、ゲップをさせるのが格段に楽になるのでぜひ試してみてください。
赤ちゃんの首がすわるまではお母さんも忙しい中、赤ちゃんを抱いていてあげなくてはならなくて、大変かとは思いますが、生後5~6ヶ月して首がすわってくれれば、もう手伝ってあげなくても大丈夫なので、頑張りましょう!
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