赤ちゃんをミルクで育てるメリット&デメリットは?母乳との違い

ミルクを飲む赤ちゃん育児

子供が生まれれば一度は悩むのがミルクのことです。

完全母乳、完全ミルク、混合と大きく分けて3種類の育て方がありますが、赤ちゃんのミルク事情に関しては、時代や先生によって言うことが違います。

専門家でも母乳派とミルク派が出るほどですから、周りの意見に耳を傾けているとママは何が一番良いのか考えてしまいますね。

ここでは、市販のミルクで育てることでのメリットとデメリット、そして完全ミルクで育てたときの母乳との成長の違いを比べてまとめました。

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赤ちゃんをミルクで育てるメリットは?

丸をする女性

赤ちゃんをミルクで育てることで、ママ側と赤ちゃん側の双方にメリットがあります。

ママ側

栄養の心配がいらなくなる

母乳育児は、食べ物にとても気を使います。完全母乳で育てていれば、食べたいものを食べたいだけ食べるというわけにはいきません。

たとえば、ケーキなどの乳脂肪分が多い食べ物は、ママは乳腺炎・赤ちゃんに栄養の偏りやアレルギーが出ることがあります。

育児の分担ができる

ミルクで育てれば、パパやおじいちゃんやおばあちゃんに育児を分担できます。

特に、パパが育児を積極的に行ってくれるようになるのでママの忙しさが少なくなります。

ミルクをあげていることで「父親になった実感がする」と初めて思うパパもいます。

精神的に安定する

母乳に固執し過ぎると、焦りが出てしまう事があります。ミルクを足しても大丈夫と言う事が分かるとママの心に余裕が生まれます。

また、周りがミルクに関してのサポートがしやすいので、自分の時間を持ちやすく、のびのびと育児をすることが出来ます。

赤ちゃん側

卒乳がスムーズに進む

個人差があるものの、母乳で育てている子供よりも卒乳がスムーズになります。

哺乳瓶からマグやコップは転換がしやすく、ミルクから他の飲み物に切り替えることで、ミルクから少しずつ離れることが出来ます。

必要な栄養が摂れる

母乳が子供の成長に100%良いというわけではありません。

例えば、母乳で足がO字に曲がる「くる病」、けいれんや頭蓋骨が柔らかくなる「ビタミンD欠乏性低カルシウム血症」があります。

ここまで大きな症状ではなくても、完全母乳育児で赤ちゃんの栄養不足が起こることが懸念されています。

実際に、ママの食生活によっては栄養が偏り成長を妨げてしまうこともあるのです。

欲しい量が飲める

母乳では、赤ちゃんが飲みたい量をしっかりと飲めていないことがあります。

これは、ママの母乳の出が悪いことで、吸い続けているうちに赤ちゃんが疲れて寝てしまうからです。

ミルクでは、赤ちゃんが飲んだ量が一目瞭然で分かるので、ママ側は管理がしやすく、赤ちゃんは成長に必要な量をちゃんと補うことができます。

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赤ちゃんをミルクで育てるデメリットは?

バツをする女性

完全母乳が100%良いということはありませんが、赤ちゃんをミルクで育てることにデメリットも生じます。

ママ側

子宮の戻りが遅くなる

母乳を与えることで、オキシトシンが分泌されて子宮が収縮しますが、ミルクで育てていると子宮の戻りが遅くなります。

完全ミルクではママが自力で子宮復古をしなければならないです。

外出時の荷物の多さ

外出時には荷物が多くなります。母乳はママがいれば大丈夫ですが、ミルクには哺乳瓶、粉ミルク、お湯を入れた水筒は最低限必要です。

お金がかかる

毎日赤ちゃんが消費するミルクはお金がかかります。

粉ミルクの値段が1缶2500円程度と考えれば、新生児のうちで4000円程度、ピークの離乳食初期ごろで7000円程度はかかるという平均値があります。

赤ちゃん側

免疫力が不足する可能性

ミルクは限りなく母乳に近付いているというものの、母乳に含まれるIgAやIgGという免疫物質や殺菌成分が不足します。

風邪などに対する抗体をママから貰うことができません。

ただし、完全ミルクで育てる場合でも、免疫物質が多く含まれる産後2~3日の間の初乳を飲ませると免疫力不足の心配はほとんど要らなくなります。

すぐに飲めない

お腹が減って、今すぐにミルクが欲しいときでも、調乳の間は待たなければなりません。

特に夜間は、母乳と違って寝ながら添乳というわけにはいかないので、ママやパパが対応をしてくれるまで辛抱しなければならなくなります。

顎の力がつかない

母乳は赤ちゃんが自力で乳首を加えて、強い力ですわなければならないので、必然的に顎の力がつきます。

一方で、乳首の柔らかい哺乳瓶でミルクを与え続けると顎の成長が促されないことがあります。

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ミルクと母乳で何か違いはあるの?

考えるママ

与える回数

ミルクと母乳では、1日に与える回数が変わってきます。

これは、赤ちゃんの個体差とママの体質にもよりますが、母乳では1度に赤ちゃんが必要とする量を飲ませられていないことが多いです。

その為、母乳は「赤ちゃんが欲しがったらあげる」、ミルクは「ミルク缶の量と時間を守る」を心がけます。

こういった回数の差からも、親子のスキンシップが減ることが懸念されます。

下痢

ミルクが合わないことで下痢を引き起こす赤ちゃんがいます

実際に、乳糖が含まれているミルクで下痢が続き、慢性下痢になる赤ちゃんがいることが確認されています。

和光堂 ボンラクトi 360g (新生児からのミルク)

和光堂 ボンラクトi 360g (新生児からのミルク)
出典:amazon.co.jp

牛乳成分を全く含まない分離大豆たんぱく質のミルクなので、赤ちゃんの具合が悪いときにはもちろん、ミルクアレルギーの赤ちゃんにも安心して飲ませることができます。

アレルギーの発症

体質に合わないミルクは、アレルギーを引き起こしてしまうことがあります。

ミルクアレルギーの原因は、カゼイン、βラクトグロブリン、αラクトグロブリンといった、ミルクにのみ含まれる成分です。

例えば、血便、嘔吐、下痢、などの症状が現れて悪化すれば、新生児・乳児消化管アレルギーなどを発症してしまいます。

実際に、粉ミルクが原因のミルクアレルギーになる赤ちゃんが急増しています。

味の違い

母乳はママの食べたものから作られますので、その日の体調や食べたものによって味が若干変わってきます

母乳で育てていれば、美味しいミルクを造るためにママは気を使わなければなりません。

一方で、ミルクは母乳にできる限り近づけていますが、商品によりそれぞれに味の違いがあります。

ミルクも製品の味による好みが出ますが、一度味の合ったミルクが見つかればある程度一定の味を保つことができます

明治 ほほえみ

明治 ほほえみ
出典:amazon.co.jp

母乳サイエンスから作られた甘みが強いミルクです。母乳調査を元に、母乳栄養と同じミルクをと研究を重ねて作られています。

森永E赤ちゃん

森永E赤ちゃん
出典:amazon.co.jp

さっぱりとしたミルクです。母乳と牛乳たんぱく質の研究を元に作られていて、牛乳たんぱく質を消化したことによる独特な風味が特徴です。

顎の発達

ミルクで育てているならば、顎の発達具合に注意が必要です。

実際に、母乳で育てていれば知らず知らずのうちに、赤ちゃんは咀嚼力、吸力が身につきます。

これは、母乳は乳首の根元をしっかりと圧迫しなければ出てこないからです。

ただし、完全ミルクの場合でも固めの乳首の哺乳瓶を選ぶなどすれば、顎の発達に問題は無いとされています。

母乳相談室

母乳相談室
出典:amazon.co.jp

赤ちゃんの母乳の飲み方を研究して作られました。固めの乳首ということで知られています。

卒乳の仕方

ミルクと母乳育ちの赤ちゃんでは、卒乳の仕方が異なります。

完全ミルク~混合で育ている子供は、哺乳瓶でミルクを飲むのが当たり前で、ある程度すると自分で楽しそうにマグから水分を取るようになります。

一方で、母乳を与えることが多い赤ちゃんは、1歳・2歳を過ぎてもママに抱かれる心地よさを忘れられず、おっぱい離れができないことがあります。

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まとめ

赤ちゃんのミルクには、それぞれメリットとデメリットが生じています。

周りのママ友、先生、両親などの中には、「母乳が一番好ましい」という言い方をすることもありますが、ミルクだから駄目だということは決してありません。

ミルクと同様に母乳育児にもデメリットがありますし、個々の事情で致し方なくミルクを与えざる終えないママさんもいますよね。

何よりも赤ちゃんにとって大切なことは、ママが心に余裕を持って接し、育ててくれることです。

ママが選ぶ方法で、正しく赤ちゃんと向き合って、一生のうちの大切な時間を過ごせると良いでしょう。

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