昨今、ジカ熱やデング熱といった蚊を媒体として人に感染する病気が蔓延し、虫除けに対する意識が変革してきています。
ただ痒いだけでは済まなくなった虫刺されの被害。
特に赤ちゃんは皮膚が薄い上に、虫に対する免疫が不完全なため、重篤な症状を引き起こすことがあります。
夏になると、室内でも屋外でも虫に刺されるリスクはつきまとうため、虫除けの正しい知識を身につけることが重要です。
最悪、命を落とすこともある虫刺され。赤ちゃんに対する虫除けの重要性と虫除け選びのポイントをしっかりと理解して、正しい虫除けをしてあげましょう。
さらに先輩ママたちに、独自調査を行い、室内と室外での虫除け対策について答えて頂きましたので、こちらも参考にしてみてください。
赤ちゃんに虫除けが必要な理由は?
赤ちゃんに虫除けが必要な理由は大きく分けて2つです。
まずは大人よりも虫に刺されやすいから。もう一つは虫に刺された際の悪影響が大きいから。
この2つの事項について詳しく説明します。
赤ちゃんが虫に刺されやすい理由
蚊に代表される「人を刺す昆虫」は、人間の出す二酸化炭素や体温を感知してターゲットを識別していると言われています。その為、赤ちゃんは下記の理由から大人よりも虫に刺されやすいのです。
- 新陳代謝が活発
- 体温が高い
- 発汗が多い
- あまり動かない
- 肌が露出している(体温調節ができないため)
赤ちゃんが虫に刺されると重症化しやすい理由
大人は虫に刺されても痒みが出る程度で済むことが多いですが、赤ちゃんは真っ赤に腫れて発熱することがあります。
その理由は下記の通り。
- 蚊やその他の昆虫の唾液に対して抗体がない
- 皮膚のバリア機能が未熟でアレルギー反応を起こしやすい
- 痒みを我慢できずに掻き壊すリスクが高い
免疫機能が完璧ではない赤ちゃんは、虫を介してアレルギーを反応を引き起こすことが多いです。
5~6歳になるまでは、虫刺されによる小児ストロフルスという症状に注意が必要です。
虫に対する免疫が未熟な、6歳ぐらいまでに発症しやすい子供特有のアレルギー症状。虫刺されの後に赤い発疹、または水ぶくれができ、その後2週間にわたって皮膚にしこりが残ることも。
強い痒みを伴い、高熱が出ることもあるため、小児科や皮膚科の受診が必要となります。
赤ちゃんが蚊に刺された時の対処法などについて下記のページにまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。
→ 赤ちゃんが蚊に刺された時の症状&対処法は?何か影響はあるの?
赤ちゃんの室内での虫除け対策は?
b
赤ちゃんに虫除けが必要な理由は分かっても、大人と同じような対策で大丈夫なのかどうか気になりますよね。ここでは赤ちゃんにおすすめの室内での虫除け対策をご紹介します。
窓を開けっぱなしにしない
当たり前のことですが、虫を室内に入れないことが最も大切です。
部屋が蒸れるからと言って、窓や玄関を網戸なしで開けっ放しにするのは厳禁です。小さな隙間からでも虫は侵入します。
蚊帳
出典:amazon.co.jp
赤ちゃんに虫を寄せ付けなければ、刺される心配もありません。昭和のイメージが強い蚊帳ですが、今は手軽に赤ちゃんを虫から守る使いやすいタイプが登場しています。
天井から吊り下げるのではなく、ワンタッチでテントのように開くタイプがおすすめです。
衣類
室内の温度を調整し、肌の露出が少ない衣類を着せることも重要なポイントです。長袖、長ズボンで肌の露出を極力減らしてあげましょう。
ハーブ
出典:amazon.co.jp
ハーブには虫が嫌がる成分が含まれていることが多く、天然の虫除けとして優秀な働きをします。虫を殺す「殺虫成分」ではなく、虫を寄せつけない「忌避成分」なので、赤ちゃんにも安心です。
ハーブの葉をそのまま室内に置いても有効ですが、アロマオイルを焚いたり、室内にスプレーしたりすることで虫を遠ざけてくれます。
特に虫除け効果が期待できるハーブは下記の通り。
- ペパーミント
- カモミール
- ローズゼラニウム
- ティーツリー
- ローズマリー
- レモングラス
レモングラスは、稀に子宮の収縮を引き起こすことがあるので妊婦には使用厳禁となります。
蚊取り線香やアースノーマット
虫除けの定番、蚊取り線香とアースノーマット。この2つは形態こそ違いますが、同じ成分でできています。
除虫菊という植物が主成分で、この成分は忌避作用ではなく、殺虫作用があります。室内に侵入した虫を殺してくれるので、蚊取り線香やアースノーマットまわりで蚊の死骸を見かけることもあります。
除虫菊の殺虫成分はピレスドロイド系と呼ばれ、昆虫の神経には作用しますが哺乳類には作用しないとの研究結果が出ています。現在のところ、人体への悪影響の報告はなく、赤ちゃんがいる家庭での使用も推奨されています。
ただし、締め切った室内での使用には注意を呼びかけている商品がほとんどです。
窓を開けて使用したり、定期的な換気をしたりすることが必要です。使用の際は必ず説明書を読み、注意事項を確認するようにしてください。
室内の虫除け対策について【先輩ママの体験談】
先輩ママさんたちに、独自調査を行い、室内での赤ちゃんの虫よけ対策として、特に効果があったと思われる方法について聞いてみました。
全ての網戸ではなく虫が入ってきそうな場所、よく開閉する場所にのみ設置していました。この方法で、虫が入ってきて困る…という事は今のところありません。
起きているときは、蚊取り線香は火を使うので危ないから、ベープマットなどの火を使わない虫除けをつかっていました。
匂いが強いので寄り付かないのか、虫除けパッチを貼っていた子供だけ刺されませんでした。
アロマオイル(特にシトロネラというものが効果があるようです)、精製水、エタノールを混ぜるだけでとても簡単でした。これを網戸に吹きかけていますが、今のところ家の中に蚊や虫が入ってきてはいないので、効果を感じています。
あと空気の入れ替えは必ず網戸がついた窓で行っていました。あとベランダなどに水が溜まらないように気を付けていました。
それと玄関とベランダに虫除けバリアを置いてます。130日も効き目があってただ置いとくだけなので楽です。
夏になると蚊がどうしても室内に入り込んでくるので、ノーマットをあらゆるところに配置しておきました。すると蚊が見当たらなくなりました。また玄関や窓には「フマキラー 虫よけバリア ハイブリッド」を吊るしまくってます。
子供用の小さなものでも良かったのですが、寝相が悪いのと、添い寝がないと寝れない子なので、大人もこれでカバーできました。
曾祖母の家が田舎で山の中にある昔ながらの家だった為、窓や玄関は常にあけてあり、蚊や虫が入ってくる環境だった為、蚊帳を持っていてとても重宝しました。
蚊取り線香はどうしても煙が気になってしまうし、コンセントにつなぐタイプの物は、子供がイタズラをして危ないことになりそうで怖かったので、消去法で選びましたが、効果はてきめんでした。
赤ちゃんの外出時の虫除け対策は?
赤ちゃんを連れての夏場の外出は、紫外線対策に虫除け対策にと手間がかかります。しかし、赤ちゃんの肌は大人の半分程の厚さしかないので、外的刺激から守ってあげることが必須です。
ここでは、外出時の赤ちゃんの虫除け対策をご紹介します。
蚊の活動が活発な時間を避ける
蚊が最も活発に活動するのは早朝の5~6時あたりと、夕方18~19時あたりだと言われています。この時間を避けることで蚊に刺されるリスクも下げることができます。
紫外線が最も降り注ぐ10~14時も考慮に入れると外出に適した時間は限られますが、できる範囲で対応してあげましょう。
黒や紺など濃い色の衣類を避ける
昆虫は細かな色の識別はできませんが、「濃いか薄いか」の判別はできます。そして「濃い」色により強く反応して、ターゲットとして認識すると言われています。
外出の際は白や水色などの薄い色の衣類を選んであげることで、蚊の目から逃れましょう。逆に黒色に最も強く反応するので、黒の衣類は避けてあげると安心です。
ベビーカーにネットをかける
出典:amazon.co.jp
ベビーカーにすっぽりと被せて虫を除けるベビーネットもおすすめです。室内の蚊帳の屋外バージョンの役割を果たしてくれます。
なるべく網目の細かいネットを選んで、虫を侵入させないようにしましょう。
虫除けスプレーやシールを活用する
虫除けの定番、虫除けスプレーも効果的です。肌に塗るので直接的に虫を除けることができ、赤ちゃん用に刺激の少ないタイプも多く販売されています。
また、動きまわる赤ちゃんにも手軽に虫除けができるように、シールタイプの虫除けも人気があります。洋服やベビーカーにシールを貼るだけで、5~6時間の虫除け効果が持続します。
夏場の外出時は日焼け止めも必須です。そこでに気なるのが、日焼け止めと虫除け、どちらを先に塗るのか?という問題。
この答えに明確な規定はないのですが、商品に特に記載がなければ、日焼け止めを先に塗るのが正解です。
赤ちゃん用の虫除けは天然成分で殺虫効果が強くないので、上から日焼け止めを塗ってしまうと効果が更に薄れるからです。
また、日焼け止めは肌に馴染ませることで効果が発揮されるので、そういった意味でも日焼け止めを先に塗った方が良いでしょう。
ベビーカーに吊り下げるタイプの虫除けも、種類豊富に販売されています。吊り下げておけば、肌に虫除けは塗らなくて大丈夫と思いがちですが、併用した方が安心です。
吊り下げタイプは足元まで完全にガードすることは難しいので、特に足への虫除けは必須と言えます。吊り下げと虫除けはダブルで使用することで、より効果が高まります。
室外での虫除け対策について【先輩ママの体験談】
先輩ママさんたちに、独自調査を行い、室外での赤ちゃんの虫よけ対策として、特に効果があったと思われる方法について聞いてみました。
直接肌に使うスプレー等に少々抵抗があった私ですが、シールタイプは洋服やベビーカー等に貼る事で、赤ちゃんの肌にも負担もかけないと感じ、常に使用していました。
服に張るシールタイプの物や携帯タイプの虫除けなど試してみましたが、我が子には虫除けスプレーが一番効果がありました。
私がハッカ好きなことと、市販の虫除けスプレーは、何だか赤ちゃんには怖くて使えず、私自身が昔から使用していた天然のハッカ油が一番安心だと思いました。
効き目もすごくて6ヶ月から使えるのでとても重宝してます。後は、虫除けパッチです。キャラクターだと気に入って貼ってくれるので楽です。
1歳になった頃からは虫除けリングや腰からぶら下げるタイプ、肌に優しいスプレーなどを行き先や外出時間によって使い分けています。
しかし刺されてしまうと掻きむしって腫れてしまうので本当にこの3点にはお世話になりました。
また、蚊が多い水辺や草むらなどには近寄らないように気をつけていました。
虫除けスプレーもある程度の効果はあるのですが、完全ではないので、スプレーをして持ち運べるベープを使っていました。
スプレータイプの虫除けはシールタイプに比べてコスパが良く、虫が多くいそうな場所には念入りにスプレーしたり…と使用量を調節出来るので助かります。服に付く臭いが気になる時は、虫除けをスプレーしたハンドタオルをクリップで服に付けて遊ばせています。
だけど蚊が多いところだとやっぱり1箇所2箇所は刺されます。完全に防ぐことは無理かと思います。
また、赤ちゃん用の虫除け効果のある日焼け止めクリームを使っていました。手軽に出来るのでとてもいいと思います。
赤ちゃんの虫除けの選び方は?
赤ちゃんの虫除けを選ぶ際にはいくつかポイントがあります。直接肌に触れたり、舐めてしまったりする虫除けは特に注意が必要です。
必ず成分を確かめて、下記の点を意識して選んであげましょう。
ディートフリーの商品を選ぶ
ディートとは、元々米軍の兵士が特に森林での戦闘の際に虫を除けるために開発された成分で、昆虫の忌避効果が最も高いと言われています。
当初は人体に無害とされていましたが、湾岸戦争以降、人の中枢神経への影響が数多く報告されています。
日本でも国民生活センターがディートの安全性について調査していますが、明確な安全性については曖昧なのが現実です。
一応安全基準値は設けられていますが、赤ちゃんへの使用は避けた方が安心です。
参照元:国民生活センター
天然成分の虫除けでもパッチテストを
赤ちゃん用の虫除けは、舐めても大丈夫なようにハーブやアロマといった天然成分のみで作られたものが多いですが、使用前には必ずパッチテストを行いましょう。
天然成分であっても、稀にアレルギー反応を起こすことがあるからです。
- 腕の内側や太ももなど、肌の薄い部分に虫除けを塗る(10円玉程度)
- そのまま24時間放置する
- 発疹やかぶれなど、肌に異常がないかを確認する
使用可能年齢を確認する
虫除けは、使用している成分や配合されている忌避成分の割合によって、0歳児から使えるものや2歳以降から使えるものなど様々です。
「ベビー用虫除け」と記載されている商品でも、「何歳から使えるものか」をしっかりと確認した上で使用しましょう。
大人用の虫除けはディートが含まれていることが多いので、たとえ少量でも赤ちゃんに使用するのは控えましょう。
まとめ
赤ちゃんに虫除けが必要な理由がお分かりいただけましたか?
日焼け止めに虫除けと、夏の外出はお母さんにとっては一苦労ですが、ちょっとした対策が赤ちゃんの肌を守ってくれます。
室内だから…、短時間の外出だから…、と虫除け対策を疎かにすると、後々重篤な症状が出ることもあります。
自分のライフスタイルに合った使いやすい虫除けを選んで、こまめに対策をしてあげましょう。
虫よけ対策以外に、夏は日焼け止め対策もしっかりと行いましょう。
[dfads params=’groups=395&limit=1&orderby=random’]