赤ちゃんの笑顔はほんとうに愛らしくて、誰の心も和やかにしてしまいます。
この微笑、生まれたばかりのころは、筋肉の収縮によって笑っているように見える、とされていますが、2ヶ月3ヶ月・・・と月齢を重ねていくと、外部からの働きかけに反応して笑うように感じられます。
そんなコミュニケーションの嬉しさが、気がつくとなんとなく減少傾向。赤ちゃんが笑わない。あやしても何をしても笑わない赤ちゃんに不安を覚える父親&母親に原因と対処法、また病気や障害などについて紹介します。
4ヶ月の赤ちゃんが笑わない原因は?
4ヶ月の赤ちゃん。新生児微笑から社会的微笑への展開期を迎えているころです。自分にかかわっている相手を認識し、情動の反応としての「笑顔」を見せるようになってくる時期ということです。
しかし、この展開が始まる時期は個人差が大きく、早くて2ヶ月くらいから、遅くて6ヶ月あたりから始まる子どももいると言われています。ですから、月齢が同じ赤ちゃんであっても、同じ時期に同じように社会的微笑を見せるとは限りません。
あやしても笑わない、くすぐっても笑わないということで、もしかしてウチの子はどこか悪いのではないかしら?と疑う方もいるようですが、社会的微笑が出てくる背景には、日常的に身近な距離で、自分(赤ちゃん)に応答する人を観察していることが必要であり、応答する人の顔をじっと見て、その「表情」とともに「要求に応えてもらえる快刺激」を覚えていきます。
コミュニケーションは快刺激、笑顔はそこから生まれる
快刺激は、繰り返したくなる習慣性があるので、「○○すると笑う」と周囲からは受け取られていきます。
しかし、この展開期はまたジワリジワリと社会性の成長も進展しつつあるので、赤ちゃんからみてよく知らない人、応答(コミュニケーション)による快刺激をもたらさない人、また状況であれば笑わないこともあります。
赤ちゃんの視力や視野は意外と限られている分、間近に見える物には意識の集中が高いとも考えられます。集中してこちらを見ている赤ちゃんに対して、きちんと向き合っていない場合、赤ちゃんの快刺激はそがれます。
くすぐり遊びはコミュニケーション遊び
ある大学で、赤ちゃんとくすぐり遊びの研究をしたところ、知らない人にくすぐられても笑わない、親がくすぐっても目があっていないと笑わない、月齢が低く赤ちゃんなりの他者との関係性の構築が不充分でも笑わない、かえってイヤそうな顔をする、という観察結果が出ました。
くすぐりが単純な皮膚刺激ではなく、人と人との関係性ができた上でのコミュニケーション遊びである、と結論づけたそうです。
4ヵ月くらいの赤ちゃんが単に「笑わない」だけで他に気になる様子もないのであれば、コミュニケーションの質を変えるよう、声かけの頻度をあげるなど工夫をしてみるとよいでしょう。
4ヶ月の赤ちゃんが笑わないのと病気の関連性は?
笑わないことのほかに以下のような様子が観察されるならば、小児科や保健所などに相談してください。病気の兆候かもしれません。
- 視線を合わせない(そらす)
- 光や音に敏感である
- 手足の動作が極端に少ない、または多い
- 体に硬直がある
- 体が異常に反り返る
先天性の障害、という不安
生後4ヶ月では、どの子もみなそれぞれに、身体面・精神面の両面で急速な発展をしているので、例えば自閉症などの障害の判定は出されにくいものです。
出生まもなくの新生児微笑から、周囲を認識しはじめて生まれてくる社会的微笑の過渡期にあって「笑わない」のであれば、病気などではなく、その子なりに相手と自分との心の距離を測っているところなのかもしれません。
この時期を赤ちゃんが安心して乗り切れるように、テレビやDVD視聴、スマホの利用などはできるだけ控えて、授乳やおむつ替えのときは特に集中して1対1のコミュニケーションに努め、家族との会話「おはようございます」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」・・・などなど、赤ちゃんに見せるつもりでコミュニケーションの中に無理なく巻き込んでいきましょう。
まとめ
現在日本の育児環境は、便利さが優先される市場経済にふりまわされる状況で、真実子どもを支援するというより親の利便性に重きがおかれています。便利さの代償に子どもと関わる機会がおのずと減り、手抜き育児と揶揄される不本意をこうむっている傾向にあります。
赤ちゃんの社会性の芽生えの時期、親子ともども困惑することも多々あるでしょう。子どもの成長は体ばかりでなく、心にも気を配りたいものです。
赤ちゃんが安心して笑顔を見せのびのびと育つように、マニュアル化した育児書は一旦閉じて、じっくりと子どもとむきあい、誰と比較することなく「その子の今」を観る時間を作ってください。
笑わない赤ちゃん=自閉症、と心配される方も少なくないようですので、最後に自閉症の特徴などを紹介します。
自閉症といっても症状の現れ方はいろいろありますが、概して他者を選別しての愛着関係がなりたちにくいことがあります。
赤ちゃんの笑う、泣くは快、不快の意思表示で、伝えたい特定の人物が絞られていますが、自閉症はここが曖昧で、至極大雑把に言うと、誰でもいい感じがあります。
しかしながら、それも親や周囲の接し方、言葉かけ次第で正常なコミュニケーション能力の獲得につながります。健常児も障害児も、愛情をもったかかわりかた次第で、人生の質が変わっていくのです。
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