出産直後の初乳を赤ちゃんにあげたときの感激は忘れがたいものですね。子育てのなかでもあの感激は女性ならではの特権ではないでしょうか。
さて、その母乳。しっかり飲んで丈夫で元気に育ってもらうには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。今回はお母さんの食事と母乳についてまとめてみました。
母乳は食べ物に影響するの?
母乳はお母さんの血液から作られます。それなので、お母さんの飲食の影響、お酒やタバコなどの影響も母乳に現れます。
例えば、コーヒーやチョコレートなどに含まれるカフェインは、1~2時間で母乳の中に出てきます。このカフェインが体外に排出されるにはとても長い時間がかかり、新生児の場合、およそ98時間でようやく半分の量が排出、生後3~5ヶ月では約14時間でようやく半分の量が排出されます。
カフェインが脳内ホルモンに与える影響で、気分の乱高下がおきやすくなり、神経質に心配する傾向になるので、落ち着かない赤ちゃんになってしまう危険性があります。
食物アレルギーは極端な偏食によって引き起こされる可能性がありますが、そのために「絶対に」食べてはいけないというものはありません。
卵や牛乳がアレルゲンになりうるので、気をつける方もいると思います。これらの場合、卵は摂取後2~3時間から、牛乳は3~4時間後から母乳にその成分が出てきます。
いずれにせよ、お母さんの飲食に含まれるものが母乳に影響することを考え、日常的にデトックスして、より良い母乳を与えられるようにジュウヤク茶(どくだみ茶)の飲用をお奨めします。アレルゲンやカフェインなどの刺激物への注意が活かされ、さらに多くの食品にふくまれる添加物の解毒ができます。
母乳に良い食べ物は?
母乳の質を良くする食べ物といえば、昔は餅や小豆などがすぐあげられましたが、ふだんの食生活が大きく変わり、どちらかといえばカロリー過多、栄養不足にある現代は、糖質・脂質、炭水化物以外の栄養素をよりしっかり摂ることに意識の重点を置きたいものです。
特に発酵食品ブームでもありますが、豆腐や味噌、豆乳などは母乳の質を良くする食品としてお奨めです。大根や人参、ごぼうなどの根菜や、白米に混ぜていっしょに炊けるアワやヒエなどの雑穀も良く、産後の体型戻しにも効果があるということで静かな人気をあつめています。
食物油では、特にえごま油がお奨めで、動物性よりは植物性を選びたいですね。
献立は”野菜と鶏・白身魚”のおかずで
献立として考えると和食のジャンルに入る組み合わせがよいのですが、毎日のことですので、和洋よりも「野菜と鶏肉・白身魚がおかずの食事」ととらえて、カジュアルフレンチやイタリアンなども楽しみましょう。ただし、牛乳を豆乳に置き換えるとか、食前酒などアルコールは無しなど多少アレンジしてください。
母乳に悪い食べ物は?
母乳の質を下げる危険性のある食品として、動物性食品がよくあげられます。またふだん自炊の人が外食した後、母乳を与えたところ赤ちゃんが即座に吐き出したという実例もあります。
では、具体的に何を避けるべきか、あるいは控えめにすればよいのでしょうか。
牛乳・乳製品
日常の買い物で、筆頭にあげられるのは牛乳ほか乳製品全般です。牛乳はカルシウム豊富で安価、栄養満点と思われがちですが、人間に必要な「脳を育てる」要素には欠けていて、牛の寿命(約30年)をまっとうするための体躯を育てるものになっています。
そして、牛乳や乳製品を摂りすぎると脂肪の割合が多い高脂肪の母乳となるので、赤ちゃんにとって消化しにくく便秘や下痢などのトラブルをおこしてしまうことがあります。
炭酸飲料・清涼飲料水
ついで清涼飲料水です。とくに炭酸を含む清涼飲料水は、広告も華やかで買い物カゴに多くの人が入れているのを見ます。けれどもこれは体からマグネシウム・ビタミンA・カルシウムなどの栄養素を搾り取り、どんな種類の健康的な食べ物やサプリメントを摂ったとしても、すべて台無しにしてしまう働きがあります。
また、カロリーやナトリウム、砂糖の過剰摂取をひきおこします。体の小さなこどもにとって炭酸を含む清涼飲料水はパニック発作をひきおこす要素がある、という見方もあります。
ジャンクフードやスナック菓子
ジャンクフードやスナック菓子はどうでしょうか。原材料によく見かけるキサンタン。これは多糖類のひとつです。
キサンタンも先に紹介したカフェインに似て、脳内の快楽中枢を動かし、摂取後すぐ高揚感を得るもののほどなく急激な失速状態に陥り、また高揚感を得たいがための中毒のような状態になります。これが母乳を通して赤ちゃんの脳にも同様に働きかけますので、落ち着かない子になりかねないのです。
未熟の玄米
動物性食品は控えて植物性自然派に転向した人が、はまりやすい落とし穴に玄米があります。玄米は、完全に熟して発芽する力をしっかり蓄えたものならOKです。
現在市場には未熟で出荷されたものもあります。未熟な玄米は、植物の防衛本能として自らを守る毒素をもっているため、食べると消化不良など不快症状をひきおこします。
未熟完熟の見分け方は、一晩水につけておいて胚芽がぷっくりふくれて発芽の兆候があるかどうかです。もし、まったく変化なしの未熟なら、精米して食べましょう。
まとめ
良質の母乳をつくるための食事は、母体の健康を維持する食事でもあります。しかしダメ出しの山ではかえってストレス。
甘い物は禁止で、おやつはいつも絶対におにぎり、など厳しすぎるルールよりも、この先始まる離乳食を視野に入れ、その頃与えられる手作りおやつの練習を兼ねて、マイルドな甘味のティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。一石二鳥、三鳥と役立ちます。
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