不妊治療をしていると、いつごろ着床するのか、着床するとどんな症状が身体に起こるのか、気になってしまいますよね?
また、妊娠検査薬を予定よりも早く使って妊娠しているのかどうか調べたいと思う気持ちも分かります。着床時期に妊娠検査薬を使うと陽性反応がでるのでしょうか?
皆さんの着床に対しての悩みについてご紹介していきます。
下記のページでは、着床時期の過ごし方や注意点についてまとめていますのでぜひ参考にして頂ければと思います。
→ 着床時期に着床しやすくする為の過ごし方&気をつける事まとめ
着床時期はいつからなの?
卵巣から飛び出した卵子は、卵管采に取り込まれ、その卵子と精子は、卵管膨大部で出会います。そこで上手く受精すると、「受精卵」ができます。
その受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら約5~10日で子宮に到達するのです。そこで受精卵は胚盤胞に変化し、子宮内膜に根を張って成長しようとします。
これを「着床」と呼びます。ゆっくりと時間をかけて受精卵は着床を目指します。
排卵から受精するまでの時間は約6時間程度、受精卵が子宮に到達するまでの時間は約5日程度、そこから着床するまでに約2~3日程度かかると言われています。
要するに、受精してから着床するまでの期間は約1週間かかるのです。
着床時期までの流れについて
月経(生理)開始:1日目
月経が始まった日を1日目としてカウントします。月経周期14日目前後に排卵が起こります。排卵日は女性の体調などによって容易に変動するため、単純に計算することはできません。
排卵日を知るためには、基礎体温グラフから判断したり、排卵検査薬や産婦人科で超音波検査をしてもらうことで予測することができます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]月経周期は、大抵28~30日間隔で訪れます。基礎体温を測定してグラフにしてみると、通常であれば高温期と低温期に分かれていることに気づきます。
生理が始まってから排卵日までは低温期を示し、排卵後、次の生理が始まるまでは高温期を示します。したがって、低温期の終りで高温期が始まる前が排卵時期と見ることができます。
価格基礎体温計は1,500円~3,000円程度で購入できます。
黄体形成ホルモンは、通常では少量分泌されている程度なのですが、卵子が成熟するとその分泌量は急上昇し排卵を促す仕組みになっています。
排卵検査薬は、尿の中の黄体形成ホルモン(LH)が上昇していないかを確認することで、排卵したのかどうかを検査する方法です。
排卵日前2日にわかることが多いのですが、排卵検査薬の種類によっては5日前から分かるものがあります。検査時間は、3~5分程度です。
価格約400円~700円/回、高いものですと約900円~2,000円/回くらいになります。
排卵予測の中で、最も精度の高い検査方法です。子宮口から超音波器具を挿入し、子宮の中から卵巣を見ながら排卵しているのかどうかを検査します。
卵巣の中には卵胞があり、その大きさや個数までもが詳細にわかります。直径が18~20㎜程度になると排卵するなど予想することができるのです。
価格病院によって差はありますが、検査のみの料金は保険適用(3割負担の場合)で約1,500円~1,900円くらいになります。
初診の場合は、これに初診料が追加されます。さらに、排卵障がいなどが分かり治療を開始するとなると他の検査をすすめられることもあるため、予備のために20,000円程度は準備しておきましょう。
一方、保険適用で検査する場合には不妊と医師が診断している場合に限るため、排卵確認だけを飛び込みで検査してもらうためには自費となります。
月経(生理)開始:14日目(排卵1日目)
月経14日目ごろに実際に卵巣から排卵されると、その先にある卵管采によって取り込まれ、卵管膨大部に到着します。一方、精子は子宮内から卵管膨大部までの約17㎝の距離を必死に泳いで、卵子を目指します。
どれくらいの時間で到着するのかは不明ですが、精子は数億個から出発したのち、卵子までたどり着くのは数十個~数百個程度。その中からさらに選ばれし幸運な精子1つと卵子が出会うことで受精卵が完成し、もうこれ以上精子が入ってこないように受精膜が形成されるのです。
受精卵が完成すると受精卵を待っている子宮内膜は徐々に厚さを増し、柔らかいベッドのような状態を作り始めます。
月経(生理)開始:15~19日目(排卵2~6日目)
受精した卵は、5日程かけて細胞分裂を繰り返しながら卵管を子宮の方へと進んでいきます。
初めに、第一細胞分裂が始まりひとつの細胞が二つに分裂します。その後、排卵2日目に4細胞期胚(4つに分裂)、排卵3日目には8細胞期胚(8つに分裂)になり、排卵4日目には16~32細胞まで分裂して桑実胚(桑の実のような形をしています)へと変化していきます。
排卵5~6日目になると、受精卵は胚盤胞と呼ばれる状態になって着床するタイミングを待ちます。この時期には、子宮内膜の厚さは20㎜程度まで厚くなり、受精卵が来ることを今か今かと待っています。
月経(生理)開始:20日目(排卵7日目)
胚盤胞は、そこから孵化を始め、脱出胚盤胞とよばれる卵になります。脱出胚盤胞は、子宮内膜へ到着すると少しずつ内へ内へと潜り込んでいきます。このことを、着床と呼びます。
原因は解明されていませんが、着床すると身体の体温は0.2℃程度低下し、人によっては低温期の体温よりも低くなることもあります。
この着床したタイミングで基礎体温が低下する現象のことを「インプランテーションディップ」と呼びます。ただし、絶対的に起こる症状ではないため起こらないからと言って不安にならないようにしましょう。
月経(生理)開始:25~27日目(排卵12~14日目)
着床が完了するまでには、着床してから5日~1週間かかります。着床するために子宮内膜に脱出胚盤胞が潜り込みますが、その時に出来た入り口をきれいに修復することによって着床は完了します。
月経(生理)開始:29日目(排卵16日目)
もし着床していなかったら、ここで生理が始まり新たな受精に向けての準備が行われます。
着床しなかった受精卵の行方
受精卵のすべてが、子宮内膜に着床するわけではありません。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]第一細胞分裂から細胞が二つに分裂し、4つ、8つと分裂し、桑実胚から胚盤胞へと分裂を繰り返します。しかし、この途中で分裂が止まると子宮へたどり着いても着床する機能を持っていないため着床することができません。
このような受精卵は、月経と共に外へと排出されるようになっています。
卵管の途中に着床する子宮外妊娠を起こすこともあります。この結果、赤ちゃんは栄養を受け取ることができず、またお母さんは卵管がどんどん膨らみ破裂する危険性が高くなります。
このような場合には、手術によって母体の安全を優先するようにします。
通常でも、着床のタイミングを逃してしまうと妊娠することができないこともあります。しかし、着床障がいの場合は、受精卵が胚盤胞になって子宮に到達しても着床が起こらないのです。
例えば、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮内膜の癒着や子宮奇形、黄体機能不全などでは着床障がいが起こる可能性があります。このような場合には、手術をしたりホルモンを補充することによって子宮環境を改善していきます。
着床時期に現れやすい症状は?
着床出血
胚盤胞が子宮内膜に着床した際、子宮内膜を溶かして奥へと侵入していくため少量の出血を起こすことがあります。これを着床出血と呼びます。
[surfing_su_note_ex note_color=”#ffffff”]着床出血を起こす確率は、2%程度と言われています。そもそも98%の人には起こらないもの。したがって、着床出血を起こさなくても妊娠している確率は低くはならないということです。
また、生理と勘違いされる方もいるため実際に起こっているのに気づいていないということもあります。
下腹部に違和感がでる
お腹がチクチク・ピリピリと痛んだり、生理痛の時のような症状(お腹の張り、下痢、下腹部痛など)を発したりすることがあります。
これは、はっきりとした理由はわかりませんが、着床時に脱胚盤胞が子宮内膜に潜り込んでいることで痛みを発していると考えられています。また、腰が重いというような症状も見られます。
おりものが変わる
着床することによってプロゲステロンやエストロゲンなどのホルモンの分泌量が増加することで、おりものに変化が起こります。状態としては、サラサラとして粘稠度が低くなるひとが多いようです。
胸に違和感がでる
ホルモンバランスの変化によって起こります。胸が大きくなったように感じたり、乳首が敏感になって擦れたような痛みや痒みを感じることがあります。
身体の疲れがひどい・眠気が襲う
たくさん寝ても寝たりないと感じます。仕事などの大切な時間にも居眠りをすることがあるほど。また、貧血のようなめまいを感じることもあります。
身体が熱くなる・寒気を感じる
妊娠すると基礎体温が上がって、高温期を維持します。その結果、身体が熱いと感じる人がいるようです。また、だるさや寒気なども同時にあらわれてくることもあり、風邪と間違える方もいます。
基礎体温のグラフで高温期が2週間以上継続するようであれば妊娠している可能性が高いと言えるでしょう。
つわりのような症状
つわりのように、ご飯を炊いた臭いを嗅いだ時に吐き気を感じたり、今まで好きだった食べ物を食べることができなくなってしまうことがあります。また、反対に嫌いだった食べ物を無性に食べたくなったりということもあります。
通常、つわりは妊娠5週目~16週目くらいに出現し、8週目~11週目あたりがピークになるのですが、早い人では着床と同時に始まる方もいます。
精神的バランスが不安定になる
ホルモンバランスの変化から、涙もろくなったり、イライラしたり、うつのような精神的変化があらわれることがあります。
ただし、着床時期は生理前の時期と重なるため、月経前症候群(PMS)と間違えないようにしましょう。
*月経前症候群とは、生理前1~2週間くらいに起こるイライラや頭痛、腹痛などの不調のこと。月経がはじまると消えるところが特徴です。
PMSについては下記のページで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
着床時期に妊娠検査薬で陽性になる事はあるの?
妊娠検査薬は簡易に使用できて便利ですが、その使い方やタイミングを知ってから検査しないと、正しく判定することはできません。
妊娠検査薬の仕組み
妊娠検査薬は、着床する少し前から少しずつ分泌されている「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」と呼ばれるホルモンが尿中に分泌されているのかどうかを検査します。
その量は、50mIU/mL以上の場合に陽性反応が出現します。
妊娠検査薬を使うタイミング
妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後以降にチェックするのが最良のタイミングです。
着床してから3日程度では、hCGは25mIU/mL程度しか上昇せず、もし妊娠していたとしても妊娠検査薬で陽性と反応するのはほとんどありませんが、まれに反応することはあります。
受精したけれど着床しなかった場合や、着床したけれどうまく子宮内膜に入り込むことができずに流れてしまった場合、また、胎嚢が確認できる前に成長が止まってしまった場合 を「化学的流産」と呼びます。
化学的流産の場合でも着床前から少しずつhCGは分泌されているため、妊娠検査薬の反応が陽性に出ることもあります。
着床してから5日程度では、hCGは50mIU/mL以上になるとされていますが、これも個人差があるため確実な検査ができる日程ではありません。
妊娠検査薬が使用できる時期よりも早く検査することを「フライング検査」と言います。フライング検査は正しい判定がでないばかりか、妊娠しているのにしていないと思いこんで飲酒してしまったりすることがあるので注意しましょう。
下記のページでは、着床時期にどのように過ごせばよいのか、気を付けた方がよいことについてまとめていますので参考にしてみてください。
→ 着床時期に着床しやすくする為の過ごし方&気をつける事まとめ
まとめ
いかがでしたか?妊娠を待つ人にとって、着床したかもしれないと思うと早く妊娠検査薬を使って検査したくなるものです。
しかし、使用したとしてもまだ妊娠しているかもしれない可能性は残しておいてください。そして、生理開始予定日を1週間過ぎてから再度チェックするようにしましょう。
もしも、マイナスの場合でも次の妊娠へ向けて前向きに、気分転換を上手に取り入れてトライしてください。