すばしっこい蚊は退治するのも一苦労です。油断した隙に刺されてしまうので、蚊が感染源となるデング熱では夏のお出かけにも不安がつきまといます。
昨年の代々木公園での感染ニュースも記憶に新しいですよね。デング熱に対抗するには蚊に刺されないように環境を整えることが大前提になります。
蚊の特徴を理解したうえで、赤ちゃんや子どもでの的確な予防と対策について考えてみました。予防線をしっかり張って蚊の攻撃をブロックして感染を回避しましょう!
デング熱について知っておきましょう
デング熱を感染させるのはどんな蚊?
デング熱は蚊に刺されることによって発症する感染症です。蚊の種類のなかでもネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されて感染することがわかっています。
ネッタイシマカは熱帯性の気候下が主な生息域なので、日本でのデング熱の発症経路はヒトスジシマカが警戒される種類になります。このヒトスジシマカはやぶ蚊の名前でも知られるごくポピュラーなどこにでもいる普通の蚊です。
写真で見ると良く分かりますが、名前のとおり白のすじ模様がある夏の痒い存在で、見慣れている人も多いはずです。
白いすじが手足に遮断機のバーのようにシマシマに見えますが、背中に一本入っている大きな白いすじがヒトスジシマカの名前の由来になっています。
元気に飛び回る時季は?
活動が活発になるのは5月のGW終わり頃から10月下旬で、冬は基本的に存在しません。暖かい環境を好むので温暖化の影響やヒートアイランドなどによって発生状況も年々変化しつつあり年平均気温が11℃以上になると活動期が伸びている傾向が伺えます。
青森や北海道を除く全域で出現し、調査結果によると1匹の行動範囲は50mから100m程度になるそうです。1日のうちお日様の照る日中が活動タイムで、元気に飛び回っています。
ウィルスを持っている蚊と持っていない蚊がいる
ヒトスジシマカのすべてがデング熱ウィルスを持っているとはかぎりません。実はデング熱の元々の出どころ=宿主は人なのです。
東南アジア、南アジア、中南米などが流行地域の中心ですが、何らかの影響でデング熱にかかった人の血を吸うことで蚊がウィルスを取り込んでしまい、その蚊がまた違う人の血を吸うので感染が蔓延してウィルスを持っている蚊が増えていきます。
日本は基本的に流行域ではないので、そうめったにウィルスを持つ蚊には遭遇しない環境です。また仮に感染しても50%から80%の人は無症候性感染と言って何も症状を発症しない比率が高いので、あまり神経質にならなくても大丈夫そうな雰囲気があります。
海外渡航歴の有無に関係なく感染する
急な発熱症状がみられた場合、海外渡航歴がないからデング熱ではないと安心してはいけません。海外に行ってデング熱に感染した人の血液を吸った蚊が媒介して、国内で感染をおこしているケースも考えられるからです。
因みにヒトスジシマカはデング熱ウィルスを取り込んでもすぐにウィルスを人に感染させません。刺すときに吸血と同時に唾液を注入するのですが、ウィルスを含む唾液は感染して7日後に現われるからです。
感染情報が予防に役立つ!
覚えておきたいのが、ヒトスジシマカの出現スポットを前もって把握できないということ。流行地域への渡航など人の動きや流れは確定が難しいため、デング熱の感染経路が一般にはわかりづらいからです。
子どもを持つパパやママにとってはデング熱の曖昧な存在に歯がゆさを感じますが、メディアの情報に常に耳を傾けるようにすれば心配はいりません。
もしデング熱の感染ニュースが出たら、その周辺には子どもを近寄らせないことが一番の予防になり上手な回避策に繋がります。
デング熱の情報源に役立つサイト
渡航先のデング熱の流行情報がわかります。海外へ出なくても参考になる情報が網羅されていますので必見です。
FORTHからのピックアップ速報になりますが、日本国内でのデング熱の流行状況がざっくりと把握できるので重要な情報源として重宝します。
気になる症状の特徴について
デング熱にかかるとどんな症状がでるの?
これまでの発症例を見ていくとウィルスを持ったヒトスジシマカに刺されると、大体3日から7日間の潜伏期間を経て風邪やインフルエンザによく似た症状が現れ始め1週間ほどで改善に向かいます。
デング熱は急性熱性感染症という類に入りますが、症状の大きな特徴は急激な発熱なので人によっては高熱のみで他の症状が出ないケースもみられます。
主な症状の特徴
- 突然38℃から40℃の高熱が出る
- 激しい頭痛、眼窩痛、骨関節痛、筋肉痛
- 全身の皮膚の発疹
- 脱力感、全身倦怠感
- リンパ節の腫れ
- 吐気、嘔吐
- 皮膚の紅潮
- 血小板と白血球の減少
潜伏期間は人によって異なり、最大で2日から14日という例もみられます。
重症化に注意しましょう!
デング熱は予後が良いと言われる感染症で、症状が一気に現われるものの回復が早い傾向にあります。でもその一方で油断すると重症化する一面も持っています。
重症化しやすいのは熱が下がりはじめる段階で、ショック症状や吐血、鼻出血、血便などのデング出血熱が現われて命に関わることも考えられます。
重症化のサインには次のような症状がみられます。
重症化のサイン
- ヘマトクリットの増加が20%以上になる
- 無気力、不穏
- 2センチ以上の肝腫大
- 粘膜出血
- 腹痛、腹部圧痛
- 繰り返し続く嘔吐
- 腹水や胸水がたまる
デング熱であまり知られていないこと
一度かかっても…さらに危険度が増す!?
デング熱は人から人によって直接感染することはありませんが、悲しいことに一度かかってもまた感染する可能性があります。
インフルエンザと同じで、型を持っているのです。1型、2型、3型、4型の4つのパターンがありますが、かりに1型にかかったとすると免疫ができるのでまた1型にかかっても何ともなかったりあるいは軽く済みます。
一方でその他の型には免疫がないので感染すると発症する可能性が高くなるばかりか、二度目の感染では重症化しやすく危険度も増すことが指摘されています。予防接種は今のところないので、しっかり予防線を張っておきましょう。
治療法はあるの?
デング熱は毎年5千万人から1億人もの人が感染しているようですが、有効なワクチンや治療法が確立されていません。症状を抑える薬を処方する対処療法がメインになっています。
感染しないように免疫を活性化させて健康的な体を維持するように心がけることが大切です!
ヒトスジシマカはチクングニア熱にも要注意!
日本ではまだ感染が報告されていませんが、ヒトスジシマカにはデング熱の他にも媒介が心配される感染症が存在します。それはデング熱同様に人を介して感染ルートを拡散するチクングニア熱です。
デング熱と症状が似ていますが異なるのは関節腫脹を伴ったり高熱が納まったあとにも関節痛が再び現われる点。厚生労働省でも今後発症を警戒していて、すでにデング熱に合わせて診療ガイドラインも記載して対応をはかっています。親としては国内で流行しないことを祈るばかりです!
予防対策を講じて子どもを蚊から守る方法
予防対策1.蚊の発生源を作らない
蚊は水のあるところに卵を産んで、どんどん繁殖します。空き缶やペットボトルなどに溜まった雨水も産卵場所として見逃しません。お家のまわりに子どもの遊び道具を出しっぱなしにしているのも要注意です!
卵から2週間ほどで成虫になるので、子どものためにもガーデニングでの植木鉢の受け皿などの状態も定期的に見るようにしましょう。
お外で金魚を飼っているお家も多いと思います。網戸用のネットなどを水槽にかけて蚊が侵入しないようにしておきましょう。
予防対策2.遊ぶ場所に気を付ける
予防対策1に通じることですが、雨水が溜まったままの不衛生な水回りの近くは蚊の発生源なので刺されやすい環境です。野ざらしにした古タイヤ、空き瓶、雨水ますなど日にちが経ったお水のあるところでは遊ばせないようにします。
お庭のあるお家では草取りをこまめに心掛けて蚊をよせつけない家にしておくのが良いと思います。
その他に注意したい場所
- 雑草の生い茂る草むら
- 木の葉や落ち葉が溜まる側溝
- 墓地や竹林
- 公園や庭の茂み
予防対策3.家に蚊を入れないようにする
次のことに心がけて、家に蚊を招かないようにしましょう。
- 玄関のドアや窓は開けっ放しにしないで、素早く開閉する。
- 空気の入れ替えをするときは網戸を必ず締める。
- 蚊の嫌う香りや成分の芳香剤などを玄関や窓のそばに置く。
除虫成分を含む植物を育てる
赤ちゃんや子どもがいるお家では極力体に優しいもので蚊よけに対応したいですよね。
そこでオススメなのが蚊のシーズンに生育する除虫成分を含む植物を利用すること。玄関や裏口などの家の出入りするポイントに置きましょう。大きく育ったら花瓶に挿したりポプリにしたり、子どもと一緒に楽しみながら蚊よけができますよ。
ハーブゼラニューム 蚊香龍モスキートゼラニウムとも言われるだけあって蚊除け効果は抜群!シトロネラの爽やかな香りが身も心もリラックスさせてくれます。
ニーム
出典:amazon.co.jp
最近人気のニームは虫を寄せ付けないミラクルハーブとして注目度大!グリーンが鮮やかなので、暑い夏も涼しく演出できます。
タンジー
出典:amazon.co.jp
ミモザに似た黄色いコロンとしたお花が可愛い!カーペットの下に忍ばせるとダニ除けにもなるそうですよ。
予防対策4.蚊の多いシーズンや時間帯に気を付ける
蚊が多いシーズン
- 3月頃から11月ぐらいにかけて。
- 7月と8月がピーク。
蚊が出没しやすい時間帯
- 気温が高くなる昼間の時間帯に活発になる。
- 夜は灯りに導かれて吸血行動をします。
予防対策5.体に蚊を寄せ付けない&血を吸わせない工夫をする
いくつか具体例をあげてみます。
- 子ども用の虫よけを塗布する。
- 蚊が多そうな屋外では長袖、長ズボンを履く。
- 足元はサンダルなどはやめて、靴下を履き肌の露出部分をなくすようにする。
- ディートを含まない忌避剤を用いて蚊の活動範囲内に散布する。
出典:amazon.co.jp
デンマーク発のベビーカー用虫よけネットはとにかくモチーフがキュート!天然素材でハンドメイドなので優しい気持ちに包まれます。
BugLock(バグロック)
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時計のようにクルッと腕に撒くキッチュな虫除けバンドはシトロネラレモングラスのイイ香り!別売りの香りペレットを交換すればずっとお気に入りで使えます。
予防対策6.血を吸われやすい体質を知っておく
蚊に沢山吸われやすい子はもしかすると次のことが原因になっているかもしれません。是非覚えておきましょう!
汗を沢山かきやすい
汗の成分には蚊が大好きな疲労物質である乳酸が含まれます。汗をかくと嫌な蚊がたちまち寄ってきます!かいた汗をこまめにふいてあげて、遊びで汗だくになった時には着替えさせてあげましょう!
マダニのセンサーは汗だけではなく皮脂汚れにも反応します。とくに足の臭いの元になる皮脂には要注意!湿らせたタオルで拭き取ってあげれば清潔感もアップして、さっぱりしますよ。
エリエール お肌さっぱりキッズタオル
出典:amazon.co.jp
大判サイズなので1枚で汗をさっぱりできます!夏のレジャーのおともに欠かせない存在になりそうです。
なかよし アニマル 動物パットベビーカーやチャイルドシートなど座ったままの赤ちゃんの背中は汗でいっぱい!下着もこまめに変えて、汗取りパットでサラサラな状態をキープしてあげましょう。
服の色が黒っぽい
体質とは意味合いがことなりますが、蚊は黒い色目のものを色別する力が強いので黒系の服や色の濃い色の服に寄ってくる習性を持ちます。スズメバチなどはその典型的な例で、頭や瞳に向かって攻撃します。
山などに行くときには白色やパステルカラーの服を着るのがお勧めです!日焼けした肌も要注意ですよ!
基礎体温が高く二酸化炭素量が多い
よくお酒を飲む人は蚊に刺されやすいと言う話を聞いたことがありませんか?蚊は効率よく吸血する動物を見つけるために、温度や二酸化炭素を感知する特殊なセンサーを持つのだそうです。
お酒を飲むとアルコール分で体が火照って体表面の温度上がり、同時に吐く息である二酸化炭素量も増加します。(ビールはとくに二酸化炭素量が多いです!)そこへ蚊が獲物と認識して吸血行動をとるのです!
冷え性の人が血を吸われにくい理由が何となく頷けます。子どもはとくに体温が高いのでセンサーの標的になりやすいんです。息を荒げるほど遊びに夢中になるので二酸化炭素量も多そう。遊びの合間に水分補給を兼ねてクールダウンさせてあげるとよいですよ。
子どもの水分補給と夏バテについて紹介されているHPです。理想的な水分補給の時間帯などもわかるので役立ちます!
さいごに
蚊は触覚が綿毛のようにフサフサしているメスだけが血液を吸います。手に止まった時に瞬時に見分けて、かゆみを伴う唾液を出す前に潰すのが最も効果的な撃退法だとトリビア記事で読んだことがありますが、ちょっと難しそうな方法ですね。
結論から言うと、ヒトスジシマカに限らず蚊は全般的に血液を吸われないようにするためには吸われる箇所を隠すことが最も理に適っています。
ただ、服の上からも刺すタイプもいるので、やっぱり虫よけも併用するのが合理的でオーソドックスな方法ですね。子どもの場合は活動を阻害しない着心地の良い素材の長袖を着させて、顔にも使える天然素材の虫よけをセットにしてディリーな予防対策を行いましょう。
シア&ナチュレ モイストUVジェル先だってドラッグストアに行ったら、子どもにとっても重宝しそうな虫よけを見つけました!実はコレ、UVゲルなんですがタイムやセージ、カミツレなどのオーガニックハーブエキスが入っているので虫よけにもなるそうなんです。
日焼け止めも塗って、虫よけも塗ってとなるとお手間ですが夏の外遊びに1回塗りでOKなので便利です!
260gのたっぷり容量なのに(じゃがりこの大きさぐらいの容器です)税込1700円ぐらいでした。これなら日常でもおしみなく使えますね。ディートや合成香料も着色料も、鉱物油もパラベンもアルコールも入っていないので子どもに最適だと思います!
黒っぽい服だとクリームが付くと目立ちやすいですが、それ以外は二重丸です!是非この夏試してみて下さいね。
夏の長袖におすすめなのがスポーツメーカーの夏用のジャージ。ドライウェット素材で汗をかいてもベタベタしないので、着心地がイイんです!UV加工のものが多いので小学校の登下校では日焼け対策にも使えます。
上の写真は我が家の子どもの夏用ジャージ。パワフルな元気ッズですが嫌がらずに夏も着てくれています。
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