我が子がダウン症と分かり、悲しみと困惑で過ごした日々がありました。お先真っ暗・・・みたいな時もありました。
でも、母は強し!「この子の障害を少しでも軽くしたい」と思い始めました。
もちろんダウン症の子がダウン症で無くなる訳はありません。ただ少しでも生きやすくなったら・・・そんな思いから私はダウン症の教育機関を探し始めました。
ダウン症専門の療育機関
私たちが住む町には病院に併設された障害児が通う通園施設がありました。
R君の教育を考え始めた時に真っ先にその施設が頭に浮かびましたが、そこは様々な障害をもつ子供たちが通う施設です。そのような施設ではなく、私はダウン症を専門に取り扱う療育機関はないかと探しました。
その頃、私の思いが届いたのかある日、母から電話がかかってきて、「大阪に子供の城ってダウン症の子に勉強を教えてくれるところがあるみたい」と。
当時、母は父のお店を手伝っていました。そこに買い物にきたダウン症とそのお婆さんがいて、母は自分の孫もダウン症であることを話したそうです。するとそのお婆さんはそして「子供の城に通ったらいいわ」と言われたみたいなのです。
私は早速インターネットで子供の城を調べました。
子供の城はダウン症専門の療育機関で、まさに私が探していたものでした!(後で知ったのですが、本当はダウン症だけではなく発達障害などの療育も行われています。)
父のお店に買い物に来てくれたダウン症児とそのお婆さんが居なかったら、子供の城との出会いはもっと遠いものになっていたと思います。そして、お婆さんに話しかけてくれた母にも感謝です。
子供の城を訪れる
子供の城は本部が大阪の新大阪にありました。障害児対象の歯科治療も行われていて、子供の城に通うためにはまずは歯科を訪れなくてはなりませんでした。 (現在はシステムが変わっているそうです)
はじめの1回は大阪へ足を運びましたが、実際の療育は自宅から通いやすい場所にある支部教室で行われています。支部教室は全国にあり、ダウン症の療育に精通された先生方が定期的に教室を運営されています。
R君の場合はすでに歩行ができていたのですが、まだ歩行ができない子供さんは新大阪の教室に通うことができます。赤ちゃんの頃から通われているお子さんもいらっしゃるそうですよ。
療育を受ける支部教室は、ありがたいことに私たちの家から車で約15分のところで支部教室がありました。教室にはみるからに優しそうな先生がいらっしゃいました。R君2歳6カ月、いよいよお勉強デビューです!
お勉強スタート!
お勉強の体制は月2回教室へ通い、マンツーマンで行われます。机をはさんで先生とR君が向き合って座り、私は後ろで座ってみています。時折、先生から私へ家での様子に関しての質問があるのでそれに答えます。
お勉強といっても2歳6カ月のR君。しかもダウン症・・・一体、どんなことをするのか興味津津でした。
つみきを触ることからはじまり、おもちゃのハンマーを使う、手を叩くなど、全く難しいものではなく、家での遊びに取り入れられるものばかりでした。
そうなんです。子供の城の療育では遊び方のヒントみたいなものをもらって、それを実際に家で繰り返し行うといったものでした。
毎回、先生がノートに課題を書いて下さり、次の療育までのそれを練習していくといったものです。絶対にクリアしていかないといけない!といった厳しいものではありません。
できなくて当たり前。ただ課題を遊びに取り入れてみて、R君がどんな様子なのかを見ていきましょうといった優しい感じです。
2歳6カ月から通いはじめ、現在小学六年生。今は月に1回のペースですがまだ通っています。子供の城との出会いはR君はもちろんのこと、私にとっても大変大きなものでした。
ダウン症に精通し、多くのダウン症児の成長をご覧になってきた先生からのお言葉は私をどれほど勇気をもらったことか・・・。
「大丈夫!必ずできるから!」心強い先生との出会いによって、R君は頼もしく成長していきます。
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イラスト by hiro