幼い頃からしっかりとご飯を食べることは、体をつくるためだけでなく、食育の観点からも非常に大切です。
しかし、しっかりとご飯を食べさせるうち、子供が同じ年頃の子に比べぽっちゃりしている気がして不安になることがあります。
子供が肥満にならないためには、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
子供の肥満はいつから気をつけたらいいの?
なんだかぽっちゃりしてきたと思っても、これから成長していくことを思えば食事の量を減らすわけにもいきません。
では肥満にならないよう、いつごろから気をつけたらよいのでしょうか。
気をつけたい時期
気をつけたいのは、3歳までの生活習慣です。
子供の体は3歳までに脂肪細胞がたくさん増えるようになっており、それまでにカロリーを過剰に摂取してしまうと、太りやすい体質となる可能性が高いです。
また、早寝早起き、決まった時間の食事、適度な運動を体に覚えさせることで、成長してからも規則正しい生活をスムーズに送ることができます。
3歳までに規則正しい生活を身につけられるようにしてあげましょう。
子供が3歳以上でも、落ち込む必要はありません。何歳であったとしても生活習慣を整えることが最も大切です。気づいた瞬間から規則正しい生活に変えてあげましょう。
子供の肥満の推移
子供の肥満は、ここ30年ほどで2倍から3倍にまで増加していると言われています。その原因として挙げられるのが、上記でも述べましたが生活習慣の変化です。
昔に比べ夜更かしをする子供が増え、食べ物もジャンクフードなどが身近になり、室内で遊べるゲームが増えて運動をする機会がずいぶん減少しています。
その結果として不摂生な生活を送る子供が増え、肥満になってしまう子供が増えています。
実際の数値としての変異は、政府統計の総合窓口(e-Stat)にて確認することができます。
e-Stat内の統計表一覧ページの「4.年齢別 肥満傾向児の出現率の推移」にて詳細が閲覧が可能です。
関連記事:小学生の子供が肥満に!原因として考えられる13のコト
子供の肥満って親の責任なの?
子供が肥満であった場合、親の責任だと思われるのではないかと不安になります。
しかしお腹をすかせた子供の訴えを無視することはできませんし、たくさん食べる姿に安心感を覚える人がほとんどではないでしょうか。
子供の肥満は親の責任なのか、様々な意見をまとめました。
親の責任
子供は自分自身で食事をコントロールすることはできません。
食事内容が肉ばかり続いたから野菜を食べようとか、時には魚料理に切り替えようとか、そのような変化をつけることができません。そのため、親の与える食事内容に責任が問われがちです。
子供が肥満の原因のひとつとして、親が高カロリーな料理を食べさせすぎていたり、間食を与えすぎていたりする場合があります。
子供と大人では必要なカロリーに大きな差があるため、大人と同じ食事内容ではどうしてもカロリーの過剰摂取になってしまいがちです。
子供の1日に必要なカロリーを覚え、だいたいでよいので一度計算して見直してみましょう。日本医師協会の以下のページにて調べることができます。
また、何か食べている間は大人しくしてくれるからと、ついおやつを多く与えてしまうこともあります。
おやつ以外で大人しくしてもらう方法を探してみたり、一緒に料理ができる年齢であれば、親子で低カロリーなおやつを手作りするのもよいでしょう。
また、おやつ用の箱を用意し、1日のおやつはここに入ってある分だけだと言い聞かせてみるのもおすすめです。
親の責任ではない
親が制御しやすい食事と違って、子供の意思や体質が関わってくる場合、親ではどうしようもないこともあります。
環境を変えてあげたり、子供の意識を変えてあげられるよう、様々な工夫を行ってみましょう。
子供が運動嫌い
子供自身が運動嫌いだと、摂取したカロリーを消費できず肥満になりがちです。さらに室内でできる遊びをしながら、おやつを食べてしまうことも多いです。
子供がテレビゲームやインターネットが好きであった場合、1日にできる時間を決めてみましょう。あるいは、テレビゲームやインターネットをする際の間食は思い切って禁止してしまうのもひとつの方法です。
精密機械は汚れに弱いことを理由にして、幼いころから家庭内のルールとして馴染ませておくとよいでしょう。
ゲームのルール決めについては、下記のページにポイントをまとめていますので、参考にしてみてください。
→ 子供のゲームによる影響は?ルール決め&やめない時の対処法
また、休みの日は遊具の多い公園で一緒に遊んだり、スポーツに興味を持つきっかけとなるようスポーツ観戦に連れて行ってあげましょう。
→ 幼児の運動によって期待できる効果は?年齢別の運動方法は?
太りやすい体質
食が細く、同年代に比べ小食にも関わらずぽっちゃりしている子供もいます。
あまり食べないのにどうして、と思われるかもしれませんが、食べる量が少ないと体がエネルギーを保持しようとして、カロリーを吸収しやすい体になってしまいます。
食べ過ぎても肥満になってしまいますが、食べないのも肥満につながります。
ではどのようにしたら、適切な食事量を摂ることができるのでしょうか。まずは、なぜ小食なのか原因を探ってみましょう。考えられる原因と対策を以下に挙げてみました。
しっかりと噛んで食事をしていない場合、うまく飲み込めず箸が進まなくなってしまいます。一口につき20回噛むことを目標にして、徐々に噛む回数を増やしていきましょう。
テレビをつけて楽しく食事をする家庭も多いと思いますが、食事がおろそかになっては意味がありません。ときには思い切ってテレビを消して、家族の会話を中心に食事をしましょう。
週に一度でよいので、テレビを消す日を作ることから始めてみましょう。また、その日にどんなことがあったのか、どんなことが楽しいと感じたのか、子供の話をじっくりと聞いてみましょう。
子供との食事中、ついマナーなどをうるさく注意していませんか?食事作法をしつけることは非常に大切です。しかし、それによって食事の時間を憂うつに感じるようになっていては、本末転倒です。
子供が好き嫌いをして食べようとしない場合は、その食材に関する質問をしてみるのがおすすめです。
「その料理の色はなんていうか知ってる?」「噛むとどんな感じがする?」といった内容を質問してみましょう。味覚以外の感覚を使って食事を楽しむことで、やがてご飯をしっかりと食べるようになります。
下記のページでは、小食の子供への5つの対策法についてまとめていますので、参考にしてみてください。
→ 子供の少食の原因は?何か影響はあるの?実践してほしい対策法5つ
子供が肥満なのかをチェックする方法は?
子供がぽっちゃりしていると感じても、実際に肥満なのか判断するのは難しいです。そこで、子供が肥満なのかチェックする際に役立つ計算方法やホームページを紹介します。
肥満度は「(実測体重-標準体重)÷標準体重×100」(%)の計算式で出すことができます。
たとえば3歳の女の子の場合、標準体重は14.1キロです。実測体重を16キロだと仮定すると、「(16-14.1)÷14.1×100」となり、肥満度は13.4%です。
計算が苦手だったり、手元に電卓がない場合、以下のホームページで計算することができます。
平均的な数値と比較したい場合、こちらのホームページで計算と比較を同時に行うことができます。細かく年齢を入力することができ、詳細なデータが得られます。
印刷可能な肥満度を記録するための曲線が配布されています。その他、子供の肥満についての考え方や原因や、なぜいけないのか、さらには受診すべきタイミングに関しても書かれています。
関連記事:小学生の子供が肥満になることによる生活面&健康面への影響まとめ
まとめ
子供の肥満には、単なる食べ過ぎや運動不足だけでなく、病気をはじめとする様々な原因があります。肥満だからといって、焦って無理なダイエットをさせる必要はありません。
子供の成長を第一に考え、子供の性格や生活環境に合った解決策を探し、ゆっくりと体質の改善を目指しましょう。