自閉症の子供に何かを伝えたい時、どんな言い方をすれば伝わりやすいのでしょうか。一度では伝わらない、理解しているのかわからないと感じた時できることは?
自閉症児のコミュニケーション能力を高めるのに役立つ10のポイントをご紹介します。
1.視覚的情報は詳しく伝える
「本」ではなく「〇〇(タイトル)の本」、「鉛筆」ではなく「緑色の鉛筆」のように詳しく言いましょう。ただ、本、鉛筆と言うより格段に伝わります。目で見て得られる情報は詳しく伝えるのが効果的です。
2.物の置き場所を変えない
物がいつも決まった場所にあることは大事です。習慣づけをするために役立ちます。整理整頓し、置いてある場所やしまってある場所を変えないようにしましょう。
3.色分けをする
本棚や、おもちゃを入れる箱を色で分けると片づけがしやすくなります。指示を出す時にも便利なので、色分けできるボックスなどを利用して区別がつきやすくしておくと便利です。
4.目印を付ける
タオルにアップリケをつけたりカバンにキーホルダーをつけるなど、目印を作りましょう。キャラクターを決めてシールを利用するのも有効です。自分の物(使う物)と認識することができます。
5.曖昧な表現は避ける
「もうちょっと」のちょっとがどれくらいなのか、「きちんとする」のきちんとはどうすることなのか、曖昧な表現をされると何をしたらよいかわからないようです。回数や量、やるべきことは具体的にはっきり伝えましょう。
6.命令しない
「〇〇しなさい」という言い方より「〇〇しましょう」と言うと伝わりやすくなります。命令形ではなく、促す言い方が有効です。
7.伝わらない時は書く
言葉よりイラストや文字で見た方が理解しやすい視覚優位の子供が多いようです。伝わらないことを言葉で繰り返すより紙に書いて見せてみましょう。子供が言いたいことを書かせてみるのもいいかもしれません。
8.できない理由を突き詰めない
「どうして?」「どう思う?」など、理由や考えを聞くとパニックを起こすおそれがあります。尋ねるのではなく、どうしたらいいかもう一度教えてあげることが大切です。
9.できたら褒める
これくらいできないの?どうしてできないの?とつい思ってしまいがちですが口に出してはいけません。失敗したいと思っている子供はいないのです。できたこと、成功したことを褒めてあげることが大事です。
10.ひとつずつを心がける
一度に複数のことを言われるとどうしたらいいのかわからなくなり困ってしまうようです。混乱させないために指示はひとつずつ出しましょう。
10の約束を守ることで自閉症の子供とのやり取りは想像以上にスムーズになり理解力もあがりました。
「失敗する」「怒られる」という経験は、罪悪感を持ち自己肯定感が低くなる原因になります。自閉症の子供は集団の中で日常的に困っていて、自分はダメな人間だと思いがちです。
成功体験を増やすことで自己肯定感も高めることができ、コミュ二ケーション力がついてくるのを実感できました。ぜひ試してみてください。
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イラスト by hiro