自閉症の子供の第二次反抗期とはどのようなものなのか。反抗期が訪れた時、親はどんな対応をしたらよいのでしょうか?
私が体験した自閉症の息子の第二次反抗期とその対処法をまとめてみました。
反抗期にはいった年齢
反抗期になる年齢は子供によってズレがあると思いますが、自閉症の息子の反抗期は同年代の子供に比べて随分遅かったように思います。第一反抗期(イヤイヤ期)についてはあったのかも定かではありません。
思春期の第二反抗期については高校2年生も終わるかという頃に始まりました。
反抗期に入ってからの変化
親に言われたことや注意されたこと、ルールなど守るのが当たり前だった息子ですが、変化がありました。いわゆる「口答え」をするようになり、やらなければならないことはわかっていても、今やりたくないと反抗したり舌打ちをしたり、思い通りにならないと物に当たることが多くなりました。
それまで絶対にやらなければいけないものと認識していたことをやらなくなったりもしました。感情の高ぶりとともにパニックを起こしたり、前もって声掛けをすることで回避できていたことも、反抗期に入ってからは抑えがきかないことが多かったように思います。
反抗期が始まって最初のうちは、自分の変化についていけず、気持ちが落ち着いたあとの落ち込みは激しいものでした。物に当たって壊れたり、机を叩いて手が痛くなったり、何より親に口答えをすることをとても反省し、落ち込んでいました。
本人も戸惑っていて、悪いことをしたと落ち込み、それにともなって、自分はダメな人間だと自己評価が下がっていきました。
反抗期の自閉症の子供への対応
自閉症の子供がパニック状態になると、落ち着くまでに時間がかかります。そこで、物に当たりたくなった時のために、手の届く場所にクッションを置いておくことにしました。
反抗期とはどういうものを話して聞かせ、今自分は反抗期であること、また、手が痛くなったり物が壊れたりしてあとで落ち込むことを避けたいかどうかを話し合い、確認、認識させました。
腹が立ったり物に当たりたくなった時はクッションを使い、ストレスを発散すること、学校や外出時には、すぐ握れるキーホルダーをカバンにつけてイライラしたらそれを握ることに決めました。
反抗期であることを認識したあとの変化
反抗期とはどんなものかと対処法を話し合ってからしばらくの間は、これといった変化は見られず相変わらずでしたが、少しずつ落ち着ける場面も見えるようになってきました。
クッションを使ってイライラした気持ちを発散できた時は褒めることを忘れませんでした。親に対する口答えについても、自分から謝って来ることが多くなり、考えて行動できたことを褒めました。
一年が経つ頃には随分落ち着き、心の成長を感じることができました。
まとめ
自閉症の子供本人が、反抗期をどう受け止めているか、受け止められるかはとても大切なことです。自己処理できない気持ちを持ったままだと自己評価がどんどん下がり、日々の行動や過ごし方に影響が出てパニックを起こす回数も増えます。
自閉症の子供にとっての反抗期は、心の成長の他、自分をコントロールする術を知り、落ち込むことは多くてもその分、褒められる喜びを知る機会でもあります。
子供が自閉症であることで親は、普段から様々な悩みを持ち、心配は尽きないと思いますが、本人は自分の変化を受け止められず親以上に戸惑っています。見守るつもりでどっしりと構え、子供の成長を見守りましょう。
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