自閉症の子供とコミュニケーションをとるにはどのような方法が有効なのでしょうか。「指示を出しても動けない」「理解しているのかわからない」と感じる事はありませんか?
子供の性格や特徴をふまえて接するのは子育てにおいてとても大切な事ですが、自閉症の子供には特に必要です。
自閉症の特徴のひとつ「視覚優位」を利用したコミュニケーション
自閉症の子供は耳から入る情報を理解するより、目で見た情報を理解する方が得意な視覚優位の子供が多いと言われています。口で伝えても動けないのは「できない」からではなく「理解できてない」からかもしれません。
言葉では伝わりにくいと感じていた子供に次の3つの「見せる」方法を試しました。
1.指示カードを作る
視覚優位を活かして、行動に合ったイラストと文字で指示を出す事にしました。
歯を磨く・着替える・ご飯を食べるなどの生活の基本的な行動や、片づけ・宿題・時間割など、磁石シート(100均で購入)を利用し、ぱっと見てわかる大きさのカードを作りました。
イラストはインターネットの無料サイトで探しましたが、絵を書くのが好きな子供なら自分で書かせると、より効果的かもしれません。
言葉で伝えても行動に繋がらなかったらどんどんカードにし、指示を出す時に見せました。
2.ホワイトボードを利用して順番を示す
自閉症の子供は先の見通しを立てる事が苦手です。予定が立たないと不安を感じます。やらなければならない事が新しく起こると、対応できずパニックを起こしやすいようです。
そこで、これから取るべき行動や次の日の予定を動く順番に並べ、流れがわかるようにホワイトボードに貼って見せました。
3.指示の出し方を統一する
混乱を防ぐため指示の出し方を統一する事は重要です。家ではカードを使って指示を出し、学校では口頭で指示を出す、では子供は混乱してしまいます。
過ごす時間が長い学校にも、カードとホワイトボードで指示を見せるやり方をお願いしました。
視覚優位の特徴を利用した方法を実践してよかったこと
イラストと文字を使って示し行動に結びつく事で、それまでできなかった事ができるようになりました。一度経験すると次に同じ場面になった時もスムーズに動けるようでした。習慣化し、少しずつ言葉だけで理解できる事も増えていきました。
できないからとあきらめていませんか?自閉症だから仕方がないのだと思っていました。でも「見せる」方法によってできる事がたくさん増えました。
自閉症の子供にとって経験する事はとても大事です。達成感は子供の自信になり、時間はかかりますがどんどん成長していきます。成功体験を増やし、継続する事を忘れないようにしましょう。
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イラスト by hiro