重症妊娠悪阻とは?どういった症状が出るの?何が原因なの?

妊娠

妊娠したことのある女性のほとんどが経験するつわりは、辛いものです。

他の人から聞いていたつわりの症状と、自分の症状とは違うのでは?これはつわりではなくて、なにか違う病気なのではないか?赤ちゃんは大丈夫?・・・などとあまりにも辛いつわりが苦しくて、不安になっている人もいるでしょう。

それは、もしかしたら重症妊娠悪阻(つわり)と呼ばれる症状かもしれません。

スポンサーリンク

重症妊娠悪阻とは?基準や割合は?

つわりで苦しい女性

一般的なつわりなのか重症妊娠悪阻なのかをはっきりと判断できる基準や定義はありませんが、症状の重さで、ある程度は自分で判断できます。シンプルには、つわりの症状が非常に重くなった状態が重症妊娠悪阻です。

目安としては、以下のものがあげられます。

  • 食事が摂れない
  • 摂れても吐いてしまい、体重が1週間で3~4kgくらい減っている
  • 水分もとれない

こうなると、病院に行って、医師の診察を受ける必要があります。

病院での診断基準

重症妊娠悪阻で病院に行くと、尿ケトン体検査が行われます。ケトン体とは、身体の中の脂肪が分解されてエネルギー源として使われるときに生まれる物質です。

つまり、つわりがひどくなり、栄養がとれない状態が続くと、体内の脂肪をエネルギーとして使うしかなくなります。その結果ケトン体が通常よも多く尿中から検出されるのです。そうなると、病院でも重症妊娠悪阻と診断し、入院治療が行われます。

重症妊娠悪阻になる割合

つわりと呼ばれる症状は、妊娠した女性の80%以上の人が経験するといわれています。これが、重症妊娠悪阻となると、全体の1%から5%ほどの確率となります。

重症妊娠悪阻による症状とは?

つわりで苦しむ女性

重症妊娠悪阻の症状にも、色々ありますが、段階を経て症状が進んでいきます。初めて妊娠する女性のほうが、重症妊娠悪阻になる可能性は高いのですが、経産婦さんのほうが、症状が悪化する確率は高くなっています。

重症妊娠悪阻の三段階

初期

まず最初は、通常のつわりとも似ているので、つわりがひどくなった、と我慢していまう人もいるでしょう。通常のつわりでも、吐き気がしたり嘔吐したりしますが、重症妊娠悪阻だと、ほとんど一日中吐き続けて、食べ物も飲み物も口からとることができなくなります。

胃の中がからっぽになるので、胃液や胆液を吐いたり、吐血してしまったりする人もいます。そして、脱水症状がはじまり、口が渇いたり、ひどいだるさやふらつき、便秘なども起こりやすくなります。これにともない、体重が減りはじめます。

中期

初期に見られていた症状が、さらに重症化します。食事がとれないことで、身体の中は飢餓状態になり、尿中ケトン体が通常より多く検出されるようになります。

また、脈拍と血糖値も通常とは異なる数値が出てきて、尿たんぱくが出ます。代謝異常が起こることから、中毒症状が出るケースもあります。

後期

めまいや幻覚、幻聴などが起こる脳症状があらわれ、肝機能障害となるケースがあります。また妊娠を続けていくことが難しくなり、医師に赤ちゃんをあきらめる選択肢を示されるケースもあります。

症状には個人差がありますので、一概にこの通りになるというわけではありません。あくまで参考程度にとどめておいてください。

早めの受診が大切

医師と看護師

重症妊娠悪阻を、後期まで受診せずに放置しておくと、赤ちゃんもママも危険な状態になります。つわりの症状が出たら、ギリギリまで我慢するのではなく、早めの受診で、辛い症状を解消する為の治療をはじめることが大切です。

重症妊娠悪阻の症状が続く期間

通常のつわりだと、妊娠初期を過ぎると治まっていく人がほとんどですが、これにも個人差があって、妊娠後期まで続くという人も中にはいます。

これと同じように、重症妊娠悪阻もいつまで続くかは個人差があります。重症妊娠悪阻で入院治療をしている場合、脱水症状が回復して、尿ケトン体が通常の値に戻ったら退院となります。

しかし、退院してからも症状が治まらず、また入院する場合もあります。そして、数日で退院できる人もいれば、数カ月入院する人もいます。

重症妊娠悪阻になる原因ってあるの?

ストレスを抱えている女性

つわりの原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、妊娠している状態に、身体がついていけない事で起こる症状と考えられています。中でも特に、下記の二つがその原因として挙げられます。

ホルモンバランスの乱れ

妊娠した女性の子宮の中には、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌されます。このヒト絨毛性性腺刺激ホルモンにより黄体ホルモンの分泌も促されます。

これらのホルモンが影響して、ホルモンバランスが崩れることが、重症妊娠悪阻に関係しているといわれています。

ストレスや不安

他にも、妊娠したことにより変化していく自分の身体や、環境が変わることに対するストレスや不安などの、精神的要因もつわりの原因となります。

このような精神的要因は、人によりケースが異なるので、原因は様々に考えられます。

重症妊娠悪阻になりやすい人は?

  • 双子や三つ子など2人以上の赤ちゃんを同時に授かられた方
  • 前回(一人目の妊娠時など)の妊娠の際につわりが酷かった方
  • 前回(一人目の妊娠時など)の妊娠の際に妊娠高血圧症候群を発症した方

重症妊娠悪阻が再発することもあるの?

悩んでいる女性

重症妊娠悪阻で病院に入院してせっかく良くなったのに、まだ再発するという方も中にはいらっしゃいます。

再発する原因としましては、重症妊娠悪阻になる原因でも挙げたように、精神的要因が関係しているようです。

例えば、夫や親など周りから、「つわりがあるのは仕方がない」、「私はつわりがあったが我慢した」などと言われ、自分のつわりによる辛さを周りが理解してくれない事で、ストレスやプレッシャーが蓄積して再発するというケースがあるようです。

まとめ

妊娠すると、精神的にも肉体的にも変化がはじまるので、毎日の生活がそれまでの自分とは一変してしまいます。まして初めての妊娠となると特に、大変なものです。

通常のつわりでも辛いのに、重症妊娠悪阻と診断される症状が起こると、不安でたまらなくなるでしょう。

しかし、重症妊娠悪阻には必ず終わりがあります。そして、その終わりにはかわいい赤ちゃんが待っています。辛い症状が出たら、早めの受診をして、重症妊娠悪阻を乗り切りましょう。

タイトルとURLをコピーしました