鼻の毛穴の白いブツブツ…この角栓、つい手元にあるピンセットや毛抜きで引き抜きたくなる衝動に駆られるものです。
しかし、肌はデリケートなので、間違った方法で角栓の除去をして、肌トラブルを引き起こすことも心配です。
そこで今回は、鼻の角栓をピンセットで抜いても大丈夫なのかについて検証し、正しい角栓ケアのやり方についてご紹介していきましょう。
鼻の角栓をピンセットで抜いても大丈夫?
気になる角栓、ピンセットで抜く方法が一番手軽なので、試したことがある人は多いでしょう。でも、その方法が果たして正しいのでしょうか。答えはNOです。
そこで、そもそも角栓になる原因は何なのか、角栓の除去は必要なのかを踏まえて、ピンセットがダメな理由を説明していきます。
角栓になる原因
角栓は、単なる皮脂だけではなく、古くなった角質も混じって、毛穴に蓄積したものです。通常なら皮脂や古い角質は自然に外に排出されるのですが、次のような場合に、蓄積されてしまい角栓になるのです。
毛穴の奥にある皮脂腺から分泌される皮脂は、一定量であれば、自然に外に排出されるので問題ありません。
しかし、生活習慣の乱れや栄養バランスの悪い食事などによって、皮脂が過剰に分泌されると、毛穴につまってしまい、角栓になります。
ターンオーバーという肌の再生機能が上手くいかないと、毛穴の中に古くなった角質が残るだけでなく、古い角質が肌の表面にもたまります。
たまった角質が、皮脂や角質の出口となっている毛穴を狭めてしまい、角栓になるのです。
角栓の除去が必要な理由
角栓は、毛穴から異物や雑菌が侵入しないように守ってくれる役目があって、役目を終えると自然に剥がれ、角栓のないきれいな状態になります。
しかし、角栓がそのまま残ってしまうことがあって、それを放置したままだと、下記のような肌トラブルの原因になるので、除去は必要だと言えるでしょう。
- 炎症を起こしてニキビになる
- 酸化して黒ずんでしまう、いわゆるイチゴ鼻になる
ピンセットがダメな理由
角栓の周りの肌を傷つけるから
小さな角栓をピンセットで抜こうとすると、どんなに器用な人でも、周りの肌まで傷つけてしまうことは否定できません。
それに、ピンセットの先端は鋭く尖っているので、肌へのダメージは大きく、ひどいケースではかゆみや痛みを伴った炎症を起こすこともあるのです。
色素沈着を起こすから
肌には、ダメージを受けるとメラニン色素を生成して肌を守ろうとする防御本能があります。
ピンセットにより傷つけられた肌は、過剰にメラニン色素を生成するので、それが真皮や表皮に沈着して、色素沈着を起こしてしまいます。
毛穴が広がるから
ピンセットで角栓を抜く時は、ピンセットの先を毛穴の奥まで届かせようとして、知らないうちに毛穴を広げてしまっています。
角栓を抜いた後は、毛穴が広がったまま空洞になり、雑菌が侵入したり皮脂や汚れがたまったりしやすくなって、結局また角栓ができてしまうのです。
角質層の水分と皮脂のバランスを乱すから
角質層は肌の一番表面にあって、水分を保持したり肌を守ったりする機能があります。
前述したように、通常、角栓は自然に剥がれるものなので、それを待たずに、角栓を取り除いてしまうと、角質層が肌を守ろうとして、皮脂を過剰に分泌します。皮脂をどんどん分泌することで、角質層の皮脂と水分のバランスが乱れ、結果的に肌質が変わってしまうこともあります。
その他の間違った角栓ケア方法
毛穴パックは手軽に使用できるし、角栓が一度に取れる快感が病みつきになって、つい頻繁に使用しがちです。しかし、角栓は本来自然に剥がれるものなので、頻繁に無理やり除去してしまっては、毛穴から雑菌が侵入するのを防ぐ本来の役割が機能しなくなってしまいます。
さらに、毛穴パックで角栓を吸着して除去する方法は、パックを剥がす時に皮膚が引っ張られてダメージを受けてしまう可能性があります。毛穴パックを使用するなら、粘着刺激の弱いタイプのものを、1ヶ月に1回程度にとどめておきましょう。
爪を立てて角栓を押し出すのも、ピンセット同様肌を傷つけるのでNGです。さらに、爪にはいろいろな菌が付着していることもあるので、傷口から菌が侵入し、炎症を起こしてしまうことも。
爪を使わず、指の腹で角栓をやさしく押し出すなら、肌に負担はかかりません。
肌はとてもデリケートなので、ブラシで角栓を掻き出そうとする際の摩擦刺激でさえも、傷ついてしまいます。
ただ、外に出かかった角栓をやさしくこする程度にとどめておくなら、大丈夫です。
鼻の角栓ケアでおすすめの方法は?
蒸しタオルでパック
蒸しタオルを使って、毛穴を開き、角栓が抜けやすくなるようにします。
メイクをしたまま蒸しタオルを使うと、メイク汚れが毛穴の中に入り込んでしまって逆効果になるので、必ずメイクは落としてください。蒸しタオルパックの後は、洗顔をして角栓を取り除きます。
- タオルを水に濡らします。フェイスタオルくらいの大きさが丁度いいです。
- タオルをしっかり絞ります。水分が多すぎると上手く蒸せないので注意しましょう。
- タオルを広げて、端からぐるぐる巻きにします。
- 500Wの電子レンジで1分を目安にあたためます。袋などには入れず、そのままでOKです。
- 電子レンジから取り出す時は、熱いので気をつけましょう。適度に冷ましてから使います。
- 角栓が気になる部分に蒸しタオルをのせ、3分ほど置きます。
ゴシゴシこすらない泡洗顔
洗顔料はしっかり泡立てて、肌の上で泡を転がすようにして洗います。角栓や汚れを落とそうと躍起になって、ゴシゴシこするのはNGです。
きめ細やかな泡ほど毛穴の奥まで届いて、角栓除去が期待できるので、泡立てるのは苦手な人や面倒な人は、泡立てネットを使用するのもおすすめです。すすぐときは、泡が残らないようにしっかりとぬるま湯ですすいでください。
酸素配合の洗顔料を使用する
角栓除去をするのに効果的な洗顔料は、酸素配合タイプです。酸素洗顔することで、肌の表面にある古い角質も、きれいに取り除くことができます。
ただ肌への刺激が強いことから、メーカーによっては、使用頻度を限定しているものもあるので、取扱説明書をよく見るようにしてください。
保湿ケアをしっかり行う
せっかく洗顔で角質を取り除いても、保湿ケアがしっかりできていないと、またすぐに角栓ができてしまいます。それは、洗顔後に何もケアしないことで肌が乾燥すると、肌の防御本能から、皮脂を過剰に分泌するので、皮脂がたまりやすくなってしまうからです。
保湿ケアには、洗顔後だと毛穴引き締め効果のある収れん化粧水がおすすめです。肌質にもよりますが、乳液やクリームなど油分の多いものは、毛穴を詰まらせてしまって逆効果になることもあるので、使い過ぎは禁物です。
角栓を予防する
角栓を除去することも必要ですが、次のような方法で、角栓を予防し、角栓ができない肌を目指すことも大切です。
ピーリングとは、古くなった角質を除去して、ターンオーバーが正常に行われるようにサポートするためのものです。ピーリング剤は、石鹸、ジェル、クリーム、スクラブタイプのものなど種類が豊富ですが、自分の肌やライフスタイルにあったものを選びましょう。
ピーリング剤は肌への刺激が強いので、肌の負担を考えると週1回くらいの頻度がおすすめで、使用後はピーリング剤が肌に残らないように、しっかり洗い流すようにしてください。
皮脂や古い角質が蓄積しないように、皮脂が過剰に分泌するのを防ぐことや、肌のターンオーバーを整えることが大事です。
睡眠不足になったりストレスがたまったりしないように、生活習慣を見直しましょう。さらに、脂っこい食事は、過剰皮脂を招きますので、食べ過ぎないように心がけてください。
まとめ
角栓ケアの方法や専用化粧品はいろいろあって、ピンセットで除去する方法のように、一見良さそうなものでも、実はかえって悪化させてしまうことがあります。
角栓による肌トラブルをなくすためにも、正しい情報を見極めることが大切です。鏡を見るのが嬉しくなるような、ツルツルの鼻を手に入れるためにも、自分に合った正しい角栓ケアを行いましょう。