乾燥肌のママや赤ちゃんがいるご家庭で、加湿器は必須アイテムです。特に、風邪やインフルエンザの流行する冬は、病気の予防にもなるとあって、活用している人も多いことでしょう。
加湿器には様々な種類がありますが、中でもユーザーが多いものが超音波式加湿器です。けれど、そんな超音波加湿器によって通称「加湿器病」と呼ばれる症状が出ることが最近話題になっています。
加湿器病とは一体何なのでしょうか?今回はそんな加湿器病についてまとめてみました。
加湿器病とは?
加湿器病は、加湿器肺、などという名称でも知られていますが、専門用語では「過敏性肺臓炎」といい、アレルギー疾患の一種です。加湿器病は霧状に変化した水に混じっている菌を吸い込むことでかかり、超音波式加湿器を使用することで起こりやすいと言われています。
掃除をサボると起こりやすい
超音波式加湿器は、内部の水分を霧状の形態にすることで空気にうるおいを与えます。ただ、水分ならばどんなものでも霧状にしてしまうため、もし菌が大量に繁殖している水を使用しようものなら、たちまち空気中にばい菌をばらまいてしまうことになります。
超音波式加湿器で菌が繁殖しやすいのは、機械内部の掃除をサボった時です。加湿器内部の汚れから、菌が増殖していきます。
超音波式加湿器の説明書に「定期的な掃除を」と書かれているのを見たことはありませんか?
あの注意書きは、超音波式加湿器内で菌が増えるのを防ぐためのものなのです。そのため、汚れた超音波式加湿器では、加湿器病が起こりやすいといえます。
古い超音波式加湿器も危険
よく掃除をしていても、古い超音波式加湿器ではどうしても加湿器病を起こしやすいと言われています。加湿器の構造は極めて複雑です。
よく内部の掃除をしたと思っていても、どうしても隅にこびりついた汚れはとれません。そこから菌が繁殖しやすいため、超音波式加湿器は、古くなればなるほど、加湿器病のリスクが高まってしまうのです。
加湿器病になるとどういった症状が出るの?
加湿器病はアレルギーの一種ですので、基本的には一般的なアレルギーと同様の症状が出ます。「咳が止まらない」「微熱が続く」など、風邪とよく似た軽い症状がほとんどですが、
特に、赤ちゃんなどの場合は、大人より激しいアレルギー症状を起こしやすいので、よく注意をしましょう。
加湿器病と風邪の見分け方
大人にはほとんど症状が出ていないのに、赤ちゃんの咳が止まらない……などという場合は、ついつい風邪と混同しがちです。そんな場合は、以下のことをチェックしてみてください。
- 赤ちゃんの症状が始まったのは超音波式加湿器をつけ始めてからか?
- お正月の帰省時など、別な場所に泊まっている時には症状が治まるか?
- 食物アレルギーなど、他にもアレルギー症状をいくつか持っているか?
どれかがYESなら、加湿器病の可能性が高いといえます。
中には命に関わるケースも
ほとんどが風邪と間違えるような症状で済みますが、赤ちゃんの中には気管が腫れて、呼吸ができなくなってしまうまで悪くなる子も少なくありません。
「症状が軽いのだったらまあいいか」などと油断せず、数日咳が続くようなら、上記のチェックを行ったり、病院に連れていくなどの対策をとりましょう。
加湿器病にならない為の対策は?
加湿器病の原因は、始めにも書いた通り、超音波式加湿器内部の汚れによるものです。そのため、まずは加湿器内の掃除をしっかり行うことが大切です。また、思い切って加湿器病を起こしにくい種類の加湿器に買い替えることも良い対策だと言えます。
超音波式加湿器はこまめに掃除を
赤ちゃんのいる家庭では、1日1回以上超音波式加湿器にセットされている水タンクを掃除すると良いでしょう。注意書きの回数よりやや多めなくらいで丁度良いと考えてください。
また、水の交換もこまめに行いましょう。水は、時間が経てば経つほど、菌が繁殖しやすくなります。たまに水を抜いて、タンク本体を乾かすことも有効です。
除菌剤の使用も検討を
超音波式加湿器向けに専用の除菌剤も売られています。それを使用することで、菌の繁殖がぐっと抑えられますので、多少高価かもしれませんが、必要経費と考えて、購入も検討してみてください。
別なタイプの加湿器への買い替えも
加湿器には、構造上加湿器病を起こしにくいタイプのものもありますので、そういったものに買い替えても良いでしょう。オススメのタイプには次のようなものがあります。
スチーム式加湿器は、水を勢いよく加熱することで水蒸気化するタイプのものです。加熱の家庭で菌が消滅しやすいため、加湿器病の心配は軽減します。ただ、熱を使いますので、赤ちゃんが近寄ってしまって火傷をすることがないようにしましょう。
パワーは弱いのですが、水を自然に気化させてくれる気化式加湿器もオススメです。超音波式加湿器に比べ、菌を空気状に撒いてしまいにくいと言われています。こちらは、火傷の心配はありません。
最近では、火傷の心配を防ぎつつ、スチーム式の良い面を取り入れた「スチーム式+気化式」のハイブリッド型加湿器も登場しています。こちらはまだまだ値が張りますが、加湿器病の予防という面では最もオススメのタイプです。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回、加湿器病について押さえておきたいのは、以下の三つのポイントです。
- 加湿器病は超音波式加湿器内の汚れから起こる、アレルギーの一種。
- 加湿器病の症状は風邪によく似ているので、きちんとチェックを。
- 加湿器病の予防には、こまめな掃除が大切。買い替える場合はぜひハイブリッド型に。
加湿器は、上手に使えばママや赤ちゃんの身体を守ってくれる便利なアイテムです。ぜひ、加湿器病について正しい知識を身につけ、乾燥しやすい季節を乗り切りましょう。