異常に生理の量が少なくて、何か大きな病気ではないかと不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に妊娠を望んでいる場合は、このまま放置していると不妊の原因になるのではないかと心配になりますよね。
そこで今回は、可能性として考えられる「過少月経」の特徴から、不妊との関連性、考えられる原因や改善方法についてご紹介しています。
子宮の異常や病気が隠れていることもありますので、改善のヒントとして参考になればと思います。
過少月経とは?どういった基準なの?
異常に量の少ない月経を「過少月経」と呼びます。基準となる期間や月経量は以下の通りです。
1~2日の短い日数で月経が終わるようであれば、過少月経の可能性が。
正常とされる生理の期間は3~7日なので、過少月経の場合は、「始まったとたんに終わってしまう」ような印象を持つ人が多いようです。
過少月経の場合は、ピーク時であっても50ml以下の異常に少ない量となります。
丸1日ナプキンを替える必要がなく、かすれるくらいしかない、茶色のおりもの程度の量しかない…という時は過少月経を疑います。
ちなみに、正常な月経量は50~140ml。数字で見ても分かりにくいですが、「ピーク時、2~3時間ごとにナプキンを替える必要がある量」が正常な月経量のイメージです。
過少月経を放置していると妊娠しにくくなるの?
子宮の状態やホルモン分泌が安定しているはずの、20代、30代で過少月経の場合は特に注意が必要です。
過少月経を放置していると、排卵が止まってしまい不妊の原因になることがあります。
ただし、過少月経の原因にはさまざまなことが考えられます。そのため、過少月経であったとしても必ずしも不妊になるとは限りません。
実際、過少月経であっても妊娠したという声も聞かれます。
原因を特定するためにも、そして適切な対処をするためにも、過少月経かなと感じたら放置せず、すぐに産婦人科を受診するようにしてください。
また、排卵があるかどうかを把握するためにも、基礎体温をつけることをおすすめします。
過少月経になる原因は?
過少月経は、大きく分けて2つの原因があります。1つはホルモンバランスの崩れ。そしてもう1つは、子宮の異常や病気です。
ホルモンバランスの崩れ
ホルモンバランスの崩れが原因で、過少月経になることがあります。この場合の過少月経は、「機能性過少月経」と呼ばれます。
ホルモン分泌の安定しない10代や、閉経に向かう40代に多いとされています。
また、子宮の成熟した20代・30代であってもストレスや極端なダイエットによってホルモンバランスが崩れると、過少月経を招きます。
子宮の異常や病気
子宮に何らかの異常や病気が隠れていることが原因で、月経量が減ってしまうことも。この場合の過少月経は、「器質性過少月経」と呼ばれます。
例えば、下記のような異常や病気など、その要因は様々。
- 子宮内膜症
- 子宮の発育不全
- 結核性の子宮内膜炎
- 中絶を繰り返すことで起こる子宮内の異常
- 帝王切開後の感染などによる子宮内の癒着
過少月経を改善させる方法は?
原因によって、過少月経への対処法は異なります。ここでは、原因ごとに治療・改善方法の一部を紹介します。
※過少月経は大きな病気のサインの場合も。自己判断はせず、必ず産婦人科を受診し、医師の指示の下で改善方法・治療を行うようにしてください。
ホルモンバランスの崩れの場合
病院での治療
過少月経だとしても、毎月リズム良く月経があれば、まずは経過観察にとどまることも。
特に成長過程である10代や、閉経が視野に入る40代であれば、ある程度の月経の乱れは問題のない場合も多く、様子を見ながらの通院となることが多いようです。
検査の結果、卵巣の機能が低下しているようであれば、ホルモン剤を投与したり漢方薬でホルモンバランスを整えることもあります。
自分でできる改善方法
ホルモンバランスを整えるために、次の点に注意して生活を送るようにしてみてください。
過労やストレスなど、心と体への負担はホルモンバランスと密接な関係にあります。なるべくリラックスできるような習慣を取り入れてみるといいでしょう。
例えば、普段の生活の中で下記のようにゆったりと過ごす工夫をしてみてください。
- ぬるめの温度での入浴
- ストレッチやヨガ
- アロマを嗅ぐ
絶食を続けるなど、過剰なダイエットはホルモンバランスを崩す大きな原因になります。月経に異常がある場合はダイエットは控えるようにしてください。
またダイエットを再開する場合でも、無理のないダイエット方法を。
乱れた食生活は、ダイレクトにホルモンバランスの乱れにつながります。3食きちんと食事をすることを心掛けてください。
特に豆腐や納豆など、大豆イソフラボンを豊富に含む食品はおすすめです。大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをしてくれます。
睡眠不足が続くと疲労回復ができず、ホルモンバランスを崩す原因となります。早めの就寝を心掛け、しっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
子宮の異常や病気の場合
いわゆる器質性過少月経の場合は、病院での治療が必要となります。まずは原因となっている子宮の問題を特定する必要があります。
専門医のいる病院を受診すると安心です。適切な治療をしていけば、過少月経が改善されることも多いようです。
まとめ
生理は女性の体調を示すバロメーター。何らかの不調や病気が隠れていることも多いものです。
少しでもおかしいな、と思ったら産婦人科を受診して相談するようにしましょう。