キレる子供が増えている…低年齢化している…。そんな話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実際、キレる子供は増加傾向にあり、それが学級崩壊などの問題の一つの原因になることもあるようです。
キレやすい子供は、どうしてキレやすくなってしまうのでしょうか。そして、キレた子供にはどのように接するのがいいのか、キレさせないためにはどんな対策が適切なのか…。
今回は、“キレる子供”について情報をまとめました。
キレやすい子供には何か原因があるの?
キレやすい子供には、いくつかの原因が考えられます。原因は一つだけの場合もあれば、複合的な場合も。
気持ちの表現がうまくできない
“自分の気持ちを表現する方法を知らない”というのは、キレる原因の一つとなります。
人間は普段、話すこと以外にも表情やジェスチャーなど様々な方法を使って自分の気持ちを表しています。
ところがキレやすい子供は表現方法に幅がないことが多いようです。そのため、キレて突然感情を爆発させてしまうのです。
家庭環境
親や家族がキレることが多い家庭では、子供もキレやすくなる傾向があります。
子供にとって最も身近な大人である親や家族は、全ての見本と言ってもいい存在。そんな存在がキレてばかりでは、“自分も同じようにしていいんだ”と思ってしまいます。
偏った食生活
偏った食事は、キレる原因になることも。
“リン酸”が多く含まれるジャンクフードやインスタント食品の取りすぎは、キレやすい子供を作り出します。
リン酸とは骨や歯を作るミネラルの一つ。必要な栄養素ではあるのですが、過剰摂取するとイライラを予防してくれるカルシウムの吸収を阻害することになります。
糖分を取りすぎる生活を続けると、キレやすい状態になります。糖分の過剰摂取は血糖値の急激な下降を招きます。
血糖値が急降下するとイライラし、情緒不安定な状態に陥ってしまいます。菓子パンやスナック菓子、清涼飲料水の取りすぎは避けた方がいいでしょう。
食事抜きは人を攻撃的にさせます。空腹時というのはブドウ糖が不足している状態。
すると脳はブドウ糖を補給しようと、肝臓のグリコーゲンを分解して補おうとします。この時、攻撃性ホルモンのアドレナリンが一緒に分泌されてしまうのです。
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睡眠不足
睡眠不足はイライラや怒りを強め、キレる要因になります。
心を穏やかに保つためにはセロトニンという物質が必要ですが、睡眠不足はこのセロトニンの減少を招きます。結果、心が不安定になりキレやすくなってしまいます。
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キレやすい子供への対処法は?
キレた状態の子供に対処する際、次の4点を心掛けてみてください。
冷静に接する
冷静に接することが大切です。興奮している相手に対しこちらも興奮してしまっては、状況が悪化するばかり。
もしも自分も冷静さを失いそうになった場合は、深呼吸したり一旦その場を離れるなどして落ち着きを取り戻すようにしましょう。
手を上げない
暴力はさらに子供を興奮させるだけで何も解決しません。
さらに、「人とトラブルがあった時、暴力で解決すればいい」という間違ったメッセージを子供が受け取ってしまう可能性があります。
子供の怒りの感情を責めない
“子供の怒りの感情”自体は否定すべきものではないという心構えを持っておいてください。
キレた結果、暴力などで人を傷つけたりした場合は、あくまでその行為を注意するようにしてください。
キレた理由を確認する
子供がキレた理由を冷静に聞いてみましょう。ポイントは、頭ごなしに理由を決めつけないこと。たとえ正論であっても、親の考えを一方的に押し付けてはいけません。
また、キレた状態の時に聞いたり諭したりしても受け入れられないことが多いので、落ち着いた時に話をするといいでしょう。
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キレやすい子供への対策法は?
キレない子供を育てるためには、どのような対策があるのでしょうか。
怒りのコントロール方法を示す
親が怒りを処理している姿や表現している姿を、実際に見せてみましょう。
「すごくイライラしているから、ちょっと一人にさせて」
「今、話をするとキレそうだから、また後で話そう」
など、言葉にして伝えると効果的です。子供にとっては、怒りのコントロール方法を学ぶ非常にいい機会となります。
普段の小爆発を許す
子供がちょっとイライラしたり怒ったりした時に、きつく叱りすぎないようにしてください。
普段から子供がマイナスの感情を吐露できる環境を作り、怒りを溜めすぎないようにするためです。
適度にガス抜きをさせないと、突然キレるという状況を作り出してしまうことになります。
心を安定させる栄養を取る
食べ物が心に与える影響は侮れません。精神安定効果のある栄養素を一部紹介しますので、ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。
興奮した神経を抑える効果があるため、不足すると怒りっぽくなります。
おすすめ食品牛乳、小魚、しらす干し、豆腐、小松菜など
心を穏やかにする効果があります。イライラすると体内のマグネシウムが消費されてしまうので、毎日摂取するといいでしょう。
おすすめ食品のり、わかめ、昆布、バナナ、ブロッコリーなど
脳の働きを活発にさせ、精神を安定させます。また、カルシウムの吸収を助ける働きもあります。
おすすめ食品鮭、うなぎ、卵、きのこ類など
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生活リズムを整える
早寝早起きは、子供の精神を安定させます。特に、早起きして朝日を浴びることはとても大切。
きちんと朝起きて光を浴びると、セロトニンという心を穏やかにする神経伝達物質の活動が高まるからです。
1章でも紹介したように、空腹は人を攻撃的にさせます。朝昼晩、食事時間を一定にして長い空腹状態を生じさせないことは、心を安定させる土台作りになると言えます。
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まとめ
親が子供に対峙する時に大切なのは、ありのままを受け入れる姿勢。「自分は否定されていない」と子供が感じると、次第に自尊心が育ちます。その結果、キレずとも自信を持って自分の意見を言えるようになることも多いようです。
キレた子供の迫力と勢いは、想像しているよりも激しく、対応も難しいもの。でも愛情を持って、冷静に接したいものです。