月齢の低い生後2~3ヵ月の赤ちゃんに多く見られるこぶししゃぶり。赤ちゃんによっては、かなり激しくしゃぶったり、口の奥までこぶしを入れてしまったり…。
その行為に、びっくりするお母さんも多いようです。でもこのこぶししゃぶり、赤ちゃんにとってはちゃんと意味のある行動なのです。
今回は、赤ちゃんのこぶししゃぶりにはどのような意味があるのか、そしていつまで続くのかをまとめました。
また、こぶししゃぶりをすると口まわりがかぶれてしまう赤ちゃんも多くいます。そこで、かぶれへの対処法も一緒に紹介します。
こぶししゃぶりにはどういった意味があるの?
なぜ、赤ちゃんはこぶししゃぶりをするのでしょうか。
“自分の手”を認識するため
こぶししゃぶりは、赤ちゃんが口で、“自分の手”を認識している行動と考えられています。
人間にとって、口はもっとも敏感な器官の一つ。
もちろん赤ちゃんも例外ではなく、気になるものはなんでも口に入れてその感触を確かめようとします。その第一歩となるのがこぶししゃぶりと言えるでしょう。
赤ちゃんは、口に入れたこぶしの固さや形、温度などを感じています。これらの刺激は赤ちゃんの脳を発達させ、“自分の手”というものを少しずつ認識させるのに役立ちます。
また、こぶししゃぶりと前後して、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめるようなしぐさをすることがあります。
このしぐさは「ハンドリガード」と呼ばれ、赤ちゃんが自分の手を視覚的にも認識し始めた証拠です。
こぶししゃぶりは楽しい遊び
こぶししゃぶりは赤ちゃんにとって、身近で楽しい遊びの一種です。初めは「これはなんだろう?」という感覚で自分の手をしゃぶっていた赤ちゃん。
でも、こぶししゃぶりを続けるうちに、こぶしをしゃぶる感覚自体が楽しいということを覚えます。
そうすると個人差も出るようで、口いっぱいにこぶしをしゃぶる赤ちゃんや、ちゅーちゅーとこぶしを吸う赤ちゃんなど、しゃぶり方も様々。
どういったしゃぶり方が楽しいのか、自分で試しながら発見をしていくようです。
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こぶししゃぶりはいつまで続くの?
常にこぶしをしゃぶっている、ぶししゃぶりばかりして寝ないなど、こぶししゃぶりが頻繁だと、いつまで続くのか心配になるお母さんもいるでしょう。でも、あまり気にする必要はありません。
赤ちゃんの成長とともに、自然にこぶししゃぶりをしなくなる場合が多いようです。
多くは離乳食の頃まで
多くの赤ちゃんは、生後6か月~7か月頃にはこぶししゃぶりがおさまります。
6か月~7か月くらいの時期は、上手にお座りができるようになり、視界も広がる時期。そうすると赤ちゃんの興味は、様々なことに向いていきます。
つまり、“自分の手”以外の興味の沸いたものを何でも口に入れる時期になり、こぶししゃぶりをしなくなる赤ちゃんが多いのです。
もちろん個人差はありますが、成長とともに自然にこぶししゃぶりの頻度が減り、1歳までにはほとんどの赤ちゃんはこぶししゃぶりをしなくなるでしょう。
3歳過ぎてもする場合も
まれに、3歳を過ぎてもこぶししゃぶりをやめない子もいます。
あまり大きくなってからもこぶししゃぶりをしていると、顎や歯の発達に影響を及ぼす可能性も。気になる場合は、かかりつけの小児科医にまずは相談してみるといいでしょう。
関連記事:離乳食はいつから始めたらいい?見きわめのポイント&初期の進め方
こぶししゃぶりによる口まわりのかぶれの対処法は?
こぶししゃぶりをすると、どうしてもヨダレがダラダラと流れてしまいます。すると、その刺激により赤ちゃんの口まわりや頬、顎下などがかぶれてしまう場合があります。
とは言え、赤ちゃんにこぶししゃぶりをやめさせることは難しく、また、赤ちゃんの楽しみを奪ってしまうことにも。
そこで、こぶししゃぶりをやめさせるのではなく、こまめなスキンケアで口まわりのかぶれに対処できるとベストだと言えるでしょう。ここでは、口まわりのかぶれへの対処法を紹介します。
ヨダレをこまめにふき取る
なによりも、刺激の原因になっているヨダレをふき取ってあげることが大切です。軽いかぶれなら、ふき取りを繰り返すことで改善される場合も。ふき取る際のポイントは、次のとおり。
ガーゼやコットンをぬるま湯に浸したもので優しくぬぐうようにしましょう。もしくは、ぬるま湯につけたお母さんの指を使って撫でるようにしてぬぐってあげても。
いずれにしても、あくまで優しく、というのが最大のポイントです。
口周りだけでなく、顎下、頬、額まで顔全体を優しく拭いてあげましょう。
赤ちゃんはヨダレのついた手で、目周りや額などを触ることも。そうすると、口から離れていてもかぶれることがあるからです。
水分が多い状態でそのままにしておくと肌の乾燥を招きます。拭いた後は必ず、ガーゼや柔らかいタオルなどで優しく押さえて水分を取りましょう。
この時も、こするようにしたり、強く刺激するようなことは避けてください。
頻繁にこぶししゃぶりをしている赤ちゃんだと、拭いても拭いてもすぐにヨダレでべとべとになってしまうということも。
なるべくこまめに、ヨダレで濡れたら拭くことを繰り返してください。
保湿をする
かぶれがひどい時などは、ヨダレをふき取った後に保湿をして、肌のバリア機能を高めるようにしましょう。
ワセリンや赤ちゃん向けの保湿剤を使うと、刺激が少なく保湿できます。どんな保湿剤がいいかわからない場合は、薬局で薬剤師さんに相談してみましょう。
あまりにひどい時は医師へ相談
口拭き・保湿をこまめにしていても改善しない時や、かぶれがひどく、痒がったり痛がったりするような時は早めに医師に相談しましょう。相談先は、かかりつけの小児科か、皮膚科がベストです。
まとめ
「こぶししゃぶりは愛情不足」「赤ちゃんがストレスを感じている」…昔は、そんな迷信めいたことを言われていた時代もあったようです。
でも、決して愛情不足やストレスが原因ではないので安心してください。
むしろ、“手”を認識→しゃぶると楽しいことを発見→自分の意思で遊ぶ、という、段階を踏んだ正常な成長の証と言えるでしょう。
ヨダレかぶれにさえ気を付けていれば、無理にやめさせることもありません。
「こぶししゃぶり楽しんでるな~」というくらいの大らかなな気持ちで、赤ちゃんを優しく見守ってあげられるといいですね。
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