ぐっすりと眠っているはずの子供…夜中に様子を見るとびっくりするような寝相で寝ている時がありませんか。頭と足が逆さまになっていたり、ゴロゴロ移動して元の場所とは全然違う所で寝ていたり。微笑ましくもありますが、移動の時に布団も剥いでしまうので寝冷えや風邪が心配ですね。
どうして子供はあんなに寝相が悪いのでしょうか。そして、それは何歳頃まで続くのでしょうか。
今回は、“子供の寝相”について情報をまとめました。寒さ対策も併せて紹介するので、参考にしてみてください。
子供の寝相が悪い原因は?
寝相が悪い主な原因は次の2点になります。
子供の寝相が悪いのは、成長ホルモンが大人より多く分泌されているのが原因と言われています。子供の健やかな成長に欠かせない成長ホルモンですが、“体の深部体温が低いと多く分泌される”という特徴があります。
人間は、睡眠時に体の深部体温が低くなるもの。そのため、成長ホルモンは深部体温の下がっている睡眠時に分泌が活発化します。ところが深部体温が下がるということは、深部の熱を外に放出するため体の表面は熱くなり、本人は熱さを感じます。
ただでさえ子供の体温は高いものですが、この理由から、睡眠時はより体が熱く感じやすいようです。その結果、少しでも涼しい場所を求めて、あちこちに転がったり体勢を変えたりしているのです。
特に赤ちゃんのうちは、睡眠リズムが整っていないことも寝相を悪くする原因です。人間は睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しています。寝返りや寝言は、このうち眠りの浅いレム睡眠中に起こるとされています。
睡眠リズムの整っていない赤ちゃんは、大人に比べてこのレム睡眠がとても多いもの。そのため、寝返りの回数も多くなるのです。寝返りするたびに体勢が変わるため、寝相も悪くなります。
寝相は矯正しなくてもいい
寝相の悪さを無理に矯正させる必要はありません。寝相が悪いのは、成長ホルモンがしっかり分泌され、子供がちゃんと成長している証拠です。
むしろ長時間同じ体勢で寝ていると、筋肉が凝り固まり体の歪みにつながります。
反対に寝相が良すぎる場合
逆に寝相が良すぎる場合は、どうでしょう。その子の個性とも言えますが、あまりにも同じ体勢で寝ている場合は、脳や神経系の発達に問題がある場合も。
そこまで神経質になる必要もありませんが、どうしても気になる時はかかりつけの小児科医に相談してみてもいいでしょう。
子供の寝相が悪いのはいつまで続くの?
成長するにつれ、寝相も少しずつ良くなる子が多いようです。
親自身も子供の頃、起きたら枕に足が乗っていて逆さまの状態で目が覚めた…というような経験があるのではないでしょうか。でも、大人になった今はほとんどそのようなことはないのでは。つまり大人になると寝相は良くなることが多いのです。
それは、次の条件が揃うと睡眠時にあまり動かなくなる傾向にあるから。
- 成長ホルモンの分泌がゆるやかになる
- 睡眠リズムが整う
ただし個人差もあり、一概に「寝相の悪いのはいつまで」と具体的には断言できません。小・中学生のうちは「寝相は悪いものだ」と思っていていいでしょう。
寝相の悪い子供への寒さ対策は?
子供の寝相の悪さはむしろ健全だ、というのはお分かりいただけたかと思います。でもそうは言っても、特に寒い季節は布団を剥いでしまうと風邪など心配ですね。そこで睡眠時の寒さ対策を紹介します。
また、ベッドで寝ている場合は寝相が悪いと落下してしまう危険もあります。落下対策も併せて紹介するので参考にしてみてください。
スリーパーならパジャマの上から着せるだけなので、子供も違和感なく着てくれることが多いようです。
秋冬は毛布やフリースなど温かい素材でできたスリーパーがおすすめ。一方春夏は綿などさらっとしたスリーパーがいいでしょう。
袖のありなし、裾の長さなども種類豊富に揃っているので、季節に合わせて選んでみてください。
特に冬場、スリーパーを嫌がって着てくれない子供は、パジャマ自体を温かい素材のものにするのも1つの手です。
布団を剥いでしまう子供には綿素材だと寒すぎることもあるので、真冬はフリースやキルティング素材などがいいでしょう。それでも寒そうにしていれば、下着の枚数を増やすなど工夫をしてみてください。
スリーパーや厚着を嫌がる子供の場合は、お腹だけは冷やさないように注意です。そんな時便利なのが腹巻。子供用の腹巻も多く売っているので使ってみてください。
寒さ対策をする上での注意点
子供は大人より体温が高いため、基本的には大人よりも1枚薄着でOK。寝ている時に、首の後ろや背中に汗をかいている場合は着せすぎの可能性があります。
特に2歳頃までは、着せすぎが乳児突然死症候群(SIDS)の原因になるという説も。就寝中の子供の汗や体温の様子をチェックし、季節に合わせて小まめに着るものの調節をするようにしてください。
冬場、寒いからといって就寝中ずっと暖房をつけているのは、あまりおすすめできません。加湿器を併せて使っていたとしても、どうしても乾燥を招き、喉を傷める原因となります。
使うのであれば、タイマーを利用して就寝時と起床時のそれぞれ30分ほど部屋を暖めるくらいが望ましいでしょう。
ベッドからの落下を防ぐには
寝相が悪いと、寒さも心配ですがベッドの場合は落下も心配ですね。いくつか落下対策を紹介します。
まだ体の小さい赤ちゃんのうちは、赤ちゃんの周りをソフトな素材で囲むようなガードも便利です。ベビーベッドの柵にガンガンぶつかって痛そう…という時に。ぶつかっても痛みがなく、自然に元の位置に戻ることができます。
ベッドの端に装着し、子供の落下を防ぎます。片側が壁であれば1つでOKですが、壁のない場合は両端に装着するとより安全です。
ベッドフェンス等をしていても、子供の体がある程度大きくなるとフェンスを乗り越えて落下してしまうことも。そんな時は、いっそベッドをやめるのも1つの手です。
布団であれば床との高低差が少ないため、布団をはみ出しても安全です。小中学生になり子供部屋で1人で寝始めた場合にも、布団や低いベッドにしておくと安心ですね。
まとめ
寝相が悪いのは、子供時代特有のものです。大人になれば徐々に寝相も良くなっていくことが多いので、心配しなくても大丈夫。
寒さや落下対策だけしっかりとしてあげれば問題ありません。順調に成長している証拠と捉え、温かく見守ってあげてくださいね。