子供の兄弟喧嘩を解決させたい時に読んでほしい親の対処法まとめ

喧嘩をする兄弟育児

毎日のように、時には1日の内で何度も起こる兄弟喧嘩。大人から見ると本当にたわいもなく、下らないと思えるような事ばかりです。

果たして本当にそうなのでしょうか?本当にたわいもないことなのか、また兄弟喧嘩の止め方などの対処法についてじっくりと考えていきたいと思います。

※兄と弟に限らず、姉妹、姉と弟、兄と妹など、全ての組み合わせに当てはめて書き記しています。

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兄弟喧嘩はなぜ起こる?

犬の喧嘩

兄弟喧嘩を動物社会に当てはめて例えるなら、喧嘩は獲物を捕える練習であり、テリトリー争いやボスを決めるための儀式のようなものです。

人間も地球上の動物の一種ですから、少なからず動物としての本能が残っています。

ただ、人と動物の違いは、知性と理性がある事、そして笑う事が出来るという点です。

幼い兄弟が、オモチャやお菓子の取り合いをしたり、小さなことで喧嘩をするのは、まだ、知性と理性が充分に備わっていないからです。

同じ子供部屋での領域問題はテリトリー域の確保、子供部屋が別々の場合に勝手に部屋に入られるのはテリトリーの侵害と侵略、お菓子やおかずの大小問題は食料の確保、こんな風に子供達にするとこれらは重大な問題となるわけですが、親からすると「どうしてこんな事でもめるの?ああ、アホくさっ!うるさいったらないわ。」となるわけです。

けれども、子供達は兄弟だけで暮らしている訳ではありません。学校に行っても、小さなもめごとは山ほどありますし、小さいなりに気を使っています。

時には誰かと戦わなければならない事もあるでしょう。子供達には子供達なりの小さな世界が存在し、彼らは、なかなか厳しいその小さな世界の中で生きています。

一番身近な兄弟と喧嘩をする事は、小さくも厳しい世界で起きている様々な問題を乗り越えるために日々練習を重ねている、という事にもなるのです。

下の子に要注意!

父親と兄弟

子供達は、兄弟の中でも2番目の子、それよりも3番目の子と、下に行くにつれどんどんと可愛さを身に付けて生まれてくる仕組みになっています。

口には出さなくとも心の中で、下の子の方が可愛い、とちょっと思ってしまったというお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか?

先に生まれた子よりも可愛がってもらわないと危ない!という本能が下の子には備わっており、母親にも小さい方の子を可愛がるような本能が仕組まれています

付け加えて言うなら、異性に慣れさせておくために、親は異性の子供を特に可愛がるという傾向もあるのです。

彼らと自分の本能に操られ、兄弟喧嘩が始まると、理由も聞いていない内からついつい下の子をかばってしまったことはありませんか?

「母は弟ばかり可愛がっていました。」「父は姉ばかり可愛がる人なんです。」と、大人になって心の傷になっているケースも少なくありません。

私の姉も、未だに父に対して小さな頃のわだかまりを持ち続けております。

喧嘩を止めるのは簡単ですが、対処法を間違えると、親が思っている以上の深い傷になるケースがあることも覚えておかなければなりません。

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女の子を叩いちゃダメ?

姉と弟

「女の子を叩いちゃダメ!」と云う叱り方をよく耳にしますが、これは理解できないほど小さな子に言ってもあまり意味がありません。

ある程度の年齢になるまで、「女の子を叩くのがダメ」なのではなく「誰かを叩く事は良くないこと」と教えなければなりません。

意味が解るような年頃になってくると、小さい子、弱いもの、女の子を叩く行為が卑劣なことだと解ります。

むやみに、「ダメ!」と叩きこむよりも、その年齢に合わせた教え方をしていかないと、誰かを守る気持ちよりも、むやみに叱られた傷の方が大きくなってしまうケースがあり、「パパとママは、僕よりもお姉ちゃんや妹を可愛がっている!」と云う変な誤解が生まれる場合があります。

先程も言ったように、親から受ける愛情の比率は子供にとってはとても重大な問題です。それが偏っていると感じた時、子供はかなり強烈なダメージを受けているのです。

現に、小学生くらいでは女の子の方が大きく、体力的にも男の子が負けてしまう事があります。

お姉ちゃんや妹にコテンパンにやられていても、1回パンチを返しただけで「女の子を叩くなんて!!」と頭ごなしに怒られたのでは子供は納得できません。

その子の年齢に合わせて、その都度納得のいくように教えていく事で、妹よりもはるかに頼もしくなり、お姉ちゃんに背丈が追いついた頃には、喧嘩をしても叩く事はなくなり、あの強かった妹やお姉ちゃんでさえも「守るべき人」だと気づくことが出来るでしょう。

喧嘩は止めた方が良いの?対処法は?

幼児たちの兄弟喧嘩

先程言ったように、彼らは兄弟喧嘩で多くのことを学んでいるので、出来れば止めに入らない方が良いと思います。

止めに入らなくても、いずれ彼らの体力にも限界がきますから、いつまでも喧嘩をし続けることはありませんし、彼らには彼らなりのルールもあるので、放っておいてもいつの間にか仲直りして笑い声が聞こえてくることも多くあります。

しかしある程度やりあったなと思った頃、喧嘩の仲裁をするというよりは、何か違う方法を使って「休止」という形で持っていくとあっさり喧嘩が終わることがよくあります。

例えば、「お母さんアイス食べるけど、一緒に食べない?喧嘩終わったらおいでね~。」と言った風に声を掛けてあげると、今迄ワーワー、ギャーギャー言っていた事などコロッと忘れて飛んで来ます。

幼い頃の喧嘩は、元々大した理由が原因ではありませんので休止させるのは意外と簡単です。

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兄弟喧嘩にジャッジは必要?伝え方は?

カンガルー

年齢によって、または喧嘩の内容によってはジャッジが必要なケースもあります。

ジャッジは常にドロー判定(引き分け)とし、子供達の興奮が収まった頃を見計らってあまり時間をおかず、子供達一人ずつそれぞれにジャッジの結果を伝えるのが効果的です。

例えドロー判定でも「どっちも悪い!」など子供達双方が居る前でジャッジを下してしまうと、この言葉がまた喧嘩の引き金になってしまい、「違う!兄ちゃんの方が悪い!」「そんなことない!噛みついた方が悪い!」と、再びリング下でゴングが鳴り響く結果となってしまいます。

お母さん、お父さんに少しでも余裕がある時は、別々に子供たちの話しを聞き、どうしてドロー判定になったのかをきちんと話して聞かせてあげると良いと思います。

個々に話をすることは、双方の話しも思う存分聞いてあげる結果にもなりますし、あまり時間をおかずに伝えるのは、子供達も何が原因で喧嘩をしたのか忘れている事が多くあるからです。

もしも、明らかにどちらが悪いのか解っている場合は、悪いことをした子に「どっちが悪かったと思う?」と訊いてみるのも大切です。

カンガルー親子

「自分。」と答えたり、直ぐに泣き出してしまった時は、大抵謝りたいのに謝れない、後に引けなくなっているケースが多いので、子供が小さい内は、子供と相談して謝るお手伝いをしてあげるのも良いと思います。

何も答えない場合は、自分で何とかしようとしている時期と考えて、「よく、考えてみてね。」と助言した後は、深く追求せずに自分で解決しようとする子を見守る姿勢で良いと思います。自分が悪い事は本人が1番良く解っています。

兄弟喧嘩を見ていなかった時は?

カンガルーママ

子供両方一度に訊いてもお互いの言い分があるので、また興奮し始めますから、先ず何が原因で喧嘩が始まったのかを個々それぞれに質問して、子供達が話し続ける間はどんなに下らないと思えるような事でも、黙って言い分を最後までしっかりと聞いてあげる事が大切です。

親が喧嘩を見ていないと、自分に都合の良い事を並べて兄弟を悪者に仕立てあげるのも子供の得意とするところですが、大抵のウソは見抜けるでしょうし、ウソだと解っていても、問題は喧嘩の原因ではないので、うんうん、と聞いてあげます。

この時にしっかり目を見て聞き、ウソだな?と思う箇所で目力を強めて聞いていると、その後のウソの回数は減っていきます

ただ、ウソだと解っていても『あなたのことを信用して聞いているよ』という姿勢は子供にとって大切なこと、公平にジャッジされたと素直に思うことが出来ます

言い方としては、喧嘩をしたのが「いけない事!ダメな事!」ではなく、話し合いで解決できなかったことが「残念な事、悲しい事。」と伝えた方が、「ダメ!」という言葉に慣れている子供たちの心に響くような気がします

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死ね!と云う言葉が出た時

驚くお母さん

「死ね!」という言葉が出たとしても、まだ大した意味を持っていないケースの方が多いのですが、この言葉は注意しておくべき点だと思います。

どんなに小さくても、例え死の意味が全く解っていなくても、この言葉を安易に使わせたくはありません。意味はないにしても安易に使っている内に、友だち同士の喧嘩の中でも頻繁に出てしまう事もあります。

「死ね!」という言葉が、どれほど大きな暴力的意味を含んだ言葉なのかを教えなければいけません

喧嘩の途中で割り入って、「本当に死ね!と思ってるの?」と子供たちの目を見て問い掛けたり、または、個々に話をして「あなたの大切なお兄ちゃんなのに、本当に死んでもいいの?」「妹が死んだらあなたは本当に哀しくないの?もう会えなくなってもいいの?」と心に訴えかけて、言葉の重要性に気付いてもらう必要があります。

毎回対処するの?ごめんなさいは言わせない?

ストレスで頭を抱えるお母さん

基本、喧嘩は止めない方が子供たちの成長に役立ちますが、止めるにしても、喧嘩が起こる度に休止させたり、毎回双方の話しを聞いてあげる必要はありません。

うるさくてかなわない兄弟喧嘩は、静かにしてほしくてついつい止めてしまいたくなりますが、そこはグッと堪えて自分たちで解決させていく必要があります。

毎回親が口を挟んで双方の話しを聞いていては、子供達自身で解決する力の妨げとなってしまいます。

また、子供達が成長してくると、激しい口喧嘩のように聞こえていても、実は『話し合いの形』を作ろうとしている時期もあります。

園児くらいの小さいうちはなるべく放っておき、大きくなって子供たち同士での解決が難しい時や、言っておかなければならない事が起きた時に、助け舟となってあげたら良いと思います。

対処方法で、謝る事を覚えさせていた園児の頃の名残から「ごめんなさいは?」と言わせる事がありますが、小学生ともなるとこの行為には全く意味がありません

物事の善悪が分かり反省が出来るようになると、自ずと「ごめんなさい。」という言葉が出てきます。そこで初めて「ごめんなさい。」が意味のある言葉になるのです。

単に謝る行為と本意で反省する、この2つの意味の違いを親が理解していない場合もあるようです。

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兄弟喧嘩から見えてくる子供の危険信号

危険信号

兄弟喧嘩で明らかにいつもと違う場面が出て来た時は、子供が何かしらの信号を発しているケースが多くあります。普段は納まる喧嘩が妙に長引いていたり、口喧嘩で済むようなシーンなのに、ハッとするほど暴力的になっている時などです。

そう云った場合、学校で友達関係が上手くいっていなかったり、誰かにとても嫌なことをされていたり、時には虐めにあっている場合や、逆に虐めてしまったというケースも考えられます。

ごども信号この時は、八つ当たりされた子に「お兄ちゃんに何か起きているみたいなの。今回は許してあげてね。」と、ないがしろにせず正直に打ち明けた上でフォローしておき、問題が起きている子の信号を優先して受けとめてあげるべきです。直ちに、時間をかけて話しを聞いてあげる必要があります。

また、この問題は大きくなるにつれて深刻になってきます。小さな頃よりも見えない部分も多くなりますし、子供達も学校であった出来事を事細かく話さなくなってくるからです。

もう大きいから大丈夫、と簡単に見過ごしてしまいがちですが、大きくなってからの兄弟喧嘩は、小さい頃のように単純なものではなくなってきています。大きくなった時こそ親を必要としている場合があるので、異変に気付いた時は時間を取ってでも話し合いの場を設けた方が良いです。

まとめ

子供達の兄弟喧嘩を見ていると、危ないくらいの取っ組み合いに発展するケースもありますし、言葉の暴力もなかなか辛辣なものがあります。

けれども、取っ組み合いの喧嘩ではリアルに身体の痛みを知り、力加減を覚え、口喧嘩では、言葉ひとつで心も大きな傷を負うことを互いに知ります。

お互いに痛い思いはしますが、同時に優しさも増えていきます。一見バカバカしくうるさいだけの兄弟喧嘩にも見えますが、多くのことを子供たちはその時その時で確実に学んでいるのだと思います。

全て子供任せではなく、また、全て親が口を挟むのでもなく、ここぞ!と云う時に手を差し伸べて、道標や、助け舟になってあげる事が大切なのではないでしょうか。

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