子供がご飯を食べてくれない理由は?食べるのが好きになる食育方法

育児

子どもが毎日ご飯を食べてくれないと、残されることに罪悪感を感じるママも多いと思います。

「大きくなれないのでは?」と心配になったり、食べる子と比較して焦ったり「作ったものがまずいから食べないのかな?」と食べないことにストレスやイライラも募ります。

でも、子どもにとってみれば決してご飯がまずいのではなくて、その子によって理由があるから食べられないのです。

食べないからと、しつけの一貫で無理に食べさせていませんか?ご飯を残すと叱ったり怒ったりしていませんか?

解決するためには子どもの気持ちを理解して、親子共有の目線で楽しい食事の環境を作っていくアクションが必要です。

五感に働きかける食育方法で食べることが好きな子に改善していく方法を、食べられない理由を交えて紹介します。

子供の偏食が気になっている方は下記のページも参考にしてみてください。

→ 子供の偏食を治すために実践してほしい対策法まとめ

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どうしてうちの子はご飯を食べないの?

悩んでいるお母さん

子どもがご飯を食べている時にこんな光景がありませんか?

  • いつまでも口の中に食べ物を入れている
  • ダラダラと食べ続けているのに、量は減っていない
  • 1口、2口などのちょっと食べで満足したら、もう食べない
  • 偏食なのか、スープなど一定のものしか食べない
  • 食べるのにムラがある
  • 途中で吐き戻してしまう
  • 遊び始めて食べるのに集中しない
  • ご飯を食べるのを嫌がる
  • 好きな物ばかり食べている
  • とにかく食べるのに時間がかかる
  • おやつは食べるのにご飯は食べない

小学校低学年頃までは、ご飯を食べる事に意欲がない子どもが沢山います。でもこれは特別な光景ではありません。

チーズしか食べない子、おかずを食べない子、色々なパターンが見られ、お腹が空かないというシンプルな原因が食べられない理由を作っています。

「お腹が空いていないから食べられない」理由を考える

ママやパパがご飯を残したり、食べるのに時間がかかってしまうのはどんなときですか?

その答えは、お腹がいっぱいで食べられなかったり、食欲がない状態の時ではないでしょうか。

お腹が空いていれば俄然食欲は沸きますが、感覚の鋭い子どもは空腹を感じなければ大人以上に食べたいと思う気持ちが薄れます。だから食べられないのです。

子どもがお腹が空かない背景には次のような要因が隠されています。

1.病気由来のもの

ついこの間までしっかり食べていたのに食べなくなったなど、急な食欲の変化がみられる場合には病気が潜んでいる可能性が考えられます。

下痢や嘔吐があれば感染性胃腸炎、吐き戻しが多ければ嚥下障害、湿疹や喘息を伴えばアレルギーなど、食べない以外にも目につく症状がある時には早急にかかりつけを受診して原因を突き止めましょう。

2.消化吸収力が弱い体質

ご飯を沢山食べられる子と食べられない子の違いには、消化吸収力の差が絡んでいます。

少しの量だけで満足してしまうのは、消化液が分泌されにくいので胃の中に食べたものが停留しやすいからです。

一食抜かしても平気な子はこのタイプが多いです。

逆に食欲が旺盛で食べるのが早い子は消化液の分泌が良く、吸収力が良い体質といえます。

ワンポイントアドバイス

消化吸収力が少ない子は脂質や塩分・糖分を沢山含む食品は避けて、消化をサポートする食材を積極的に摂取させましょう。

消化を促進する食材

リンゴ、キャベツ、大根、マグロ、山芋、キウイフルーツ、パイナップル、サーモン、チアシード、玉ねぎ、セロリ、イチジク、うなぎ、サフラン、みかん、ココナッツオイル、ズッキーニ

3.ストレス

悩む男の子

食事の雰囲気がネガティブなものだと、ストレスから食欲減退がダイレクトに影響します。特に注意したいのが、親心からせかしたり怒ってしまう食事でのしつけです。

何とかしなきゃ!と気ばかり先行して、ついつい口調が荒くなっていませんか?

どのように食べるのかを提案しないまま、頭ごなしで否定ばかりする注意の仕方は増々食べられない子どもの心理を深く追いつめてしまいます。

子どもの心にささりやすい食事中のNGワード

  • いつまで食べてるの!
  • 早く食べなさい!
  • 今日も最後まで食べないんだね
  • 残さずちゃんと食べなさい!
  • ママの料理はまずいんだね
  • 食べてくれないと悲しいな

一方的な言葉は食べる事へのイメージが悪くなるばかりで、子どもの心に響きません。

そのうえでNGワードは悲しい心理を生む要素が強くなり、暗い気持ちにしやすいことを知っておきましょう。

※ストレスには免疫機能を低下させるコルチゾール・ホルモンの分泌を促す働きがあります。

このコルチゾールは身長の伸びも阻害するほかに肥満を招く厄介な性質も併せ持っています。

食べていないのになぜか肥満傾向にある子どもは、もしかするとストレスの強い環境が原因になっているのかもしれません。

身長が低いのが気になる方は、下記のページも参考にしてみてください。

→ 小学生で身長が伸びない理由は?伸びる時期ってあるの?測り方は?

4.うまく飲み込むことができない

食べたものをうまく飲み込めていますか?ご飯を食べるときに次のような様子がないかチェックしてみましょう。

  • いつまでも噛んでいて、なかなか飲み込もうとしない
  • 飲み込むときにつらそうで、詰まってくるしそうな感じにみえる
  • お水を飲んで流し込むようにして食べ物を飲み込んでいる
  • 飲み込むときに咳込んだり、むせたり、もどしそうになる
  • 食事中にお水を何杯も飲むなど、水分の摂取量が多い
  • 固形物は食べないのに、スープなど液体状のものは進んで食べる

上記に1つでも該当する場合は、食べ物を飲み込むのに苦労している気配があります。飲み込みにくい原因には2つの理由が考えられます。

一つ目

噛む回数が少ないので食べ物が飲み込みにくくなり、食べる量が少なくなるタイプ。

二つ目

嚥下障害によって食べ物が食道を通り抜けることが困難で飲み込めないタイプ。

嚥下障害は放置しておくと胃の消化機能を壊してしまい、腹痛を常態化させる心配もあります。

普段の食事内容で様子が気になる場合には、口腔外科を専門にした歯科や耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

※大阪大学歯学部附属病院・うまく飲み込めない(外部ページ)

嚥下障害の様子がどのようなものか、検査方法までわかりやすく説明されています。病院にかかる前に一度閲覧しておくと状態が把握できます。

5.便秘

便秘は腸を膨張させるため、胃を押し上げて食欲を低下させます。コロコロの硬いウンチが出ていたり、肌がカサカサしているなど状態をよく見て便の記録をつけておくと対処がスムーズになります。

繊維質の多い食品や整腸作用を促すヨーグルト、水分などを摂取して便秘を解消してあげましょう。

便秘の解消法を詳しく知りたいパパとママに(参考ページ)

赤ちゃん期

※【保存版】赤ちゃんの便秘に役立つQ&Aまとめ~病院リスト付き

赤ちゃん(新生児を含む)の便秘で悩まれている方向けに、症状から原因、ケア面までの解決策をQ&A形式にしてまとめています。

幼児から子ども期

※便秘の解消お悩みガイド(外部ページ)

腸内環境学に精通したドクターが監修する便秘解消サイトです。シンプルでわかりやすい内容なのですぐに対処法を実行できます。

関連記事子供が便秘になる原因は?チェックする方法を紹介

6.食事よりも夢中になる物が目の前にある

テレビ

視線の先に興味を引くものがあると子どもは虜になりやすいものです。

オモチャ、テレビなど夢中になってしまうものを視界に入れないようにして、ご飯に集中できる環境で食べさせるようにしましょう。

テレビは見えない場所にあっても音が気になるものです。食事中は消しておきます。

心あたりはありませんか?

外食などをすると時折、子どもの遊ぶプレイコーナーが併設されたスペースをみかけます。

ママにとってはゆっくり食事ができて助かりますが、子どもは遊びに夢中になってせっかく頼んだお子様ランチを残す結果に・・・。

食べるときに食べず、後になって食べたくなってしまい結局つなぎで食べたお菓子で晩御飯が食べられない状態になりがちです。

普段の食事でも同じようにご飯に集中できない環境を作り出す可能性があります。

物事の優先順位をまだ判断できない低年齢層からちびっこギャングエイジと言われる5歳児までの間は、遊びが優先の思考能力が大きいので特に食べるときの環境作りに重点をおきましょう。

関連記事子供のゲームによる影響は?ルール決め&やめない時の対処法

7.生活習慣が乱れている

1日の生活リズムは安定していますか?起きる時間も寝る時間も遅く、食事がおやつタイムと混合していませんか?

不規則な時間軸で過ごすことが長くなると、自律神経のコントロールができなくなって食欲が阻害されます。

心と体の成長にも影響を与えるので、しっかり生活習慣のリズムをつけるサポートをしてあげましょう。

長いお休みには要注意!

夏休みなどの長いお休みは、園児も小学生も生活が乱れやすいものです。

時間のメリハリがなくなって普段食べない子はさらに、食べないモードが増長しやすい傾向に!

特に年少さんや一年生さんは環境が変わりはじめたばかりのGW明けが要注意です!

文部科学省生涯学習政策局の提唱する「早寝・早起き・早ごはん」を休み中も実践して生活リズムを乱さないように気をつけてあげましょう。

生活習慣を規則正しくするお役立ちアイテム

北海道子どもの生活リズム向上実行委員会作成・すいみん表

北海道子どもの生活リズム向上実行委員会作成・すいみん表
出典:dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp

早寝早起き朝ごはんを実践するためのベーシックな生活表です。シンプルで記入しやすいのでダウンロードして早速使ってみましょう!

SmileTimer・生活習慣カウントダウンタイマーアプリ

SmileTimer・生活習慣カウントダウンタイマーアプリ
出典:appbank.net

2012年に登場した可愛いアプリはママに最適なツールです。親子で一緒に楽しく見ることができ、食べる事への関心も持てそうです!

8.小食でも大丈夫な体質

いわゆる食の細いタイプです。健康上問題はないのですが、沢山量を食べられません。

お父さんやお母さんが小さいころに同じように食べられなかった体験があることが多く、遺伝的な要素も含んでいます。

小食の子はお菓子も食べない傾向にあって、親としては食べなさすぎに本当に心配になるものです。

発育状況が気になる場合には小児科などで成長曲線グラフをもらって、計測した身長・体重をその都度記録すると良いと思います。

グラフの数値が標準値より低い-2SDに達していてもグラフが上向きに伸びていれば大丈夫です。

横ばいや下方に向かっていく場合には栄養不足や成長障害などが考えられますので、小児科に相談しましょう。

体験メモ

うちの子ども達も小食で-2SDラインすれすれの小さなタイプです。でも、健康で元気もありお医者様からは問題ないとお墨付きなので、食べないことに気にならなくなりました。

一番上の子はやせ気味ですが高学年に入ってから背が伸びるようになってきて、ご飯も普通量を食べられるようになりました。

小児科はいつも混雑していて成長度合の相談に行きにくいので、風邪などで受診するときにその都度異常がないか体型をチェックしてもうらうようにしています。

子どもの成長度合いが心配なパパ&ママへのお役立ちサイト

※もみの木クラブ・成長曲線ダウンロード(外部ページ)

子どもの成長を見守るお母さんのためのサイトです。年齢別の成長曲線だけではなく、両親の身長から子供の目標身長を割り出すこともできます。

※成長相談室(外部ページ)

子どもの成長について詳しく明確に知ることができるサイトです。成長アルバム、成長曲線はPC管理ができて便利です!

9.運動不足

お腹が空くという感覚は、体を動かしてエネルギーを使ったあとにやってきます。雨などでお天気が悪い日はお外に出られないので子どもはお腹が空きにくいですよね。

晴れた日で時間があるときにはご飯前に親子で近所をお散歩したり、体を動かす機会を作るようにしましょう。

※ネスレ・ヘルシーキッズプログラム 運動プログラム(外部ページ)

食べること、体を動かすことをコンセプトにしたプログラムです。室内運動から外遊びメニュー、お腹が空く運動のコーナーもあります。

関連記事幼児の運動によって期待できる効果は?年齢別の運動方法は?

10.味覚の異常

お菓子を食べる子供

味がわからない子になっていませんか?ジャンクフードや加工食品、添加物の多い食品を常食していると味覚形成期の最中のこどもは味覚異常を起こしやすくなります。

味覚は嗅覚とも直結していて、機能が低下すると美味しいと感じる力が減少し食べ物に無関心になります。

その一方で本能的に脳が美味しいと感じる中毒味覚には敏感に反応して食べたい!と思ってしまいます。

中毒味覚はカロリーが高い、油・さとう・脂質系の成分ら構成されるもので、まさにスナック菓子などのジャンクフードもこの類に入ります。

味覚の形成を妨げやすいもの

海外の健康サイト・RODALE NEWSに味覚形成を妨げる食品が紹介されていました。

下記の食品に含まれる成分は子どもでは学習障害も招く恐れがあるそうです。ご飯を食べる量が少ない子どもは、とくに食事の質を良い物にしてあげたいですね。

子どもに食べさせたくない味覚を阻害する食品(RODALE NEWS調べ)

カラーギナン、パーム油、コーラなどのカラメル色素、ホワイトチョコレート、ファストフード、トマト缶詰、バター風味の食用油脂、メカジキ、コーンシロップ、サトウキビジュース、人工甘味料

※トマト缶はヘルシーなイメージですが、記事によると缶の内側にコーティングされている樹脂が染色体に影響を与えると書かれていました。ビン詰めのトマトは大丈夫とのことです。

関連記事子供の遊び食べによるイライラを解消へと導く為の対策まとめ

食べられない理由から学ぶ、食べない子への接し方

これまで完食できなかったり、食べるのが遅い子どもはおじいちゃん、おばあちゃん世代からは「お家でのしつけやマナーがきちんとしてないのでは?」と捉われがちな印象がありました。

親である私達もダラダラしているイメージを持ったり、片付けが早くできないからと一方的な思いでせかして食べさせていないでしょうか?

これからは子どもの気持ちになって、どうやったらご飯を美味しく食べてもらえるか発想を変えて接していくことが大切です。

食べられない理由からわかった食べない子の接し方と改善点をまとめました。まずは改善へのファーストステップとして覚えておきましょう。

食べられない子に向けてのアクションで気を付けること

  • 何も食べられなくて可愛そうだからと、お菓子でお腹を満たさない
  • イライラした態度で威圧して食べさせない
  • 怒ったり、怒鳴ったり、叱ったり、せかさない
  • カロリーを摂らせようと、スポーツドリンクやジュースで水分補給をしない
  • 親が食べ物を口に運んで食べさせない
  • 食べ終わる時間をきっちり決めない
  • お腹が空いていないときに食事を出さない
  • マナーを細かく強要しすぎない
  • 他の子や自分の小さかったときと比較しない
  • 食べることを焦らせず、完食を求めない
  • ご飯が近い時間におやつをあげない
  • 「いつまで食べてるの!」など、ネガティブな言葉かけはやめる
  • 沢山食べる=大きくなるという考えをやめる
  • 食事中にテレビをつけない
  • 苦手なものは無理に食べさせない

これから気を付けたいポイントと改善点

  • 食べることに集中できるよう食卓の環境を整える
  • 親もきちんと食べている姿を見せる
  • 高タンパク&低脂肪を基本にして、発育段階にあった食事内容を心掛ける
  • 食べる量のハードルを低くして、食べやすいスタイルにしてあげる
  • 形状、見た目などご飯のインパクトを工夫して持たせる
  • 楽しい雰囲気を食卓にも演出し、食への関心を高める
  • 体を動かす機会を多く作って、お腹が空く感覚を養う
  • 会話を交えて食卓のコミュニティーションをとる
  • 食べたくない子どもの気持ちを受け止める
  • 食べられないという先入観を排除してあげる
  • あきらかに食べなくなったら途中でも食べるのをやめさせる

改善点をクリアするために食育について理解を高める

最近よく耳にする食育、きちんと意味を理解していますか?

国の食育推進基本計画では、食育とは生活のうえで必要な知育・徳育・体育の3つの要素を含むもので、これらの基礎になるものだとしています。

つまり食育が豊かな人間性だったり、健やかな心を育む力を持っているということです。

食育に期待される力には、家庭での食事が土台になっています。

そして家庭での食事は、和やかなムードで家族で会話を楽しみながらゆっくり食べる風景が理想とされています。食育は心と体の元気に繋がっているのです。

食育で育てたいこどもの力(内閣府食育ガイドより)

  • 食べる意欲の基礎をつくり、食の体験を広げる
  • 食の体験を深め自分らしい食生活を実現する
  • 一緒に食べたい人がいることを実感する
  • 感謝の心を持つ
  • 心と身体の健康維持
  • 食事をすることの重要性と食事の楽しさを知る

食育の推進:農林水産省

食育の推進:農林水産省
出典:cao.go.jp

関連記事親のストレスが鍵!イラオコは子どもを愛着障害にさせる!?

五感によって記憶される小さい頃の食体験

苦い思い出

小さい頃に食べられなかった経験を未だに引きずっているという大人は意外に多いものです。そのほとんどは食べられないのに「食べなさい!」「遅い!」と怒られたり、無理に食べさせられた体験です。

中には大人になった今でも、ご飯を楽しい気持ちで食べられない方もみえます。私にも同じような経験があります。小食で飲み込むのにも一苦労で食べるのがとても遅かったのです。

幼稚園の時の先生が食べ物を残すことにとても敏感で、給食を完食するまで席を立つのを許してくれませんでした。

母がお迎えに来る時間に、私だけ一人給食と向かい合っていたこともありました。その時の母の悲しそうな顔が未だに忘れられません。

ご飯を食べようとするとなぜだかその時の記憶がよみがえって、ずっと量を食べられず、ご飯を美味しいとさえ楽しいとさえ思えませんでした。

でも、母は先生と同じように怒るのではなく、小さな小さなおにぎりをいくつも作って食べられる分だけ食べなさいとお弁当のときに持たせてくれたり、休みの時には川や野原やあちこちでピクニックをして食べることの楽しさを教えてくれました

おかげで食べ過ぎなほど食べるのが大好きになりました。

ピクニックで楽しむ家族

少し前置きが長くなりましたが、こうした記憶は長期記憶と言って体験したことの感情=五感が脳にインプットさせたもので、長い年月にわたって心に作用します。

上記で様々な食べられない子どもの理由をあげましたが、実は根底にはこの五感によって記憶された食体験が影響を及ぼしている可能性があります。

園や小学校などの集団生活ではみんなの輪を乱すので、早く食べて完食するのは正論です。

しかし、小学校2年生ぐらいの年齢までは精神的にも未熟で、ましてや体も小さいので接し方に気を付けないとネガティブな記憶に傾きやすい特徴も考慮する必要があります。

食べることが楽しいと感じる食体験を親がサポートして、五感による記憶を良いイメージに繋げていきましょう。

「キャラ弁と」と「素敵な写真」で思い出を残そう大作戦

「キャラ弁と」と「素敵な写真」で思い出を残そう大作戦
出典:mypocket.ntt.com

時には一緒に小さなお弁当を作って、写真を撮るのも良いですね!お弁当の作り方と写真のテクが簡単に覚えられます。

五感に働きかけて、食べることを好きになる食育をはじめる

私達が体を通して感じる力を五感といいますが、触覚・嗅覚・視覚・味覚・聴覚の5つの感覚が刺激されることで食べたいと思ったり、美味しいと感じたり、食事を楽しむ心が芽生えます。

では五感に働きかけて、食べることを好きになる方法を実践してみましょう。

1.触覚

食べ物ののど越し

食べられない子の多くは、飲み込むことが得意ではありません。もしかすると、離乳食のステップを早くしすぎて影響が出ているのかもしれません。

飲み込むときの違和感を改善しましょう!ポイントは水分を多く含む形状の食事で負担をなくして食べやすくすることです。

材料を良く煮込んで柔らかくした具だくさんのスープ。片栗粉でとろみをつけたタレやソースをかけてパサパサ食感をしっとりマイルドに。

スルッと通るのど越しを体験させて、飲み込む力を徐々に高めていきましょう。

鶏むね肉なのに柔らか~い♪鶏チャーシュー

鶏むね肉なのに柔らか~い♪鶏チャーシュー
出典:cookpad.com

高タンパク低カロリーの鶏むね肉は子どものおかずに最適です!気になるパサつきもとろみで全く感じません。

食感

食べ物を口に入れたときの食感は味と共に舌にある味細胞に働きかけて、美味しいと感じる信号を脳に伝える大切な役割を持っています。

1歳半を過ぎる頃になると食べ物にも興味が広がり、味覚が形成されはじめます。

寒天ゼリーの柔らかでプニプニした食感。マッシュポテトのクリーミーで滑らかな舌触りなど。発育年齢に合った形状の食事の中で、色々な食感を体験させてあげましょう。

食感が楽しいまぜまぜごはん

食感が楽しい まぜまぜ納豆
出典:cookpad.com

あったかご飯にのせて食べれば食欲もアップ!少ない量でも食材の組み合わせによって充実した内容の食事になります。

食材の手触り

皮膚を通して伝わる食材の手触りには、食べ物のイメージをより鮮明に記憶させる力があります。そして、食べることそのものへの興味をかきたてます

野菜スティック、ヘタ付きのイチゴ、ゆで卵など、手で食べる食材を積極的に取りいれましょう。

なかでもオニギリは一番おすすめです。量を食べない子でも、炊いたご飯が好きな子は意外に多いんです。

お家の人が握るよりも、子どもに握らせるのが効果大です!お皿にご飯を盛ってあげて、自分が食べられる量でオニギリを握らせます。好みのトッピングも用意してあげましょう。

2.嗅覚

食材そのものの香り

柑橘系

香りは味覚を左右する存在です。風邪を引いているときや花粉症などで鼻が詰まっているときに、食べ物が美味しく感じられないのはこのためです。

オレンジやレモンなど柑橘系の爽やかな香りは子どもも大好きです!

ちょっとくせのある納豆の香りなど、沢山の食材を香りと一緒に覚えさせるようにすると食べ物の旬も自然にわかり食事の楽しさが広がります。

料理の香り

香ばしいお肉の焼ける香り、カレーのスパイスの香り、オーブンから漂うクッキーの甘い香りなど料理の香りは食欲を誘うものです。

お腹が空いているときに嗅ぐと、空腹感も絶好調なのでタイミングよく香りと遭遇させれば食べたい気持ちが高まります。

まずはママやパパが香りを表現すると良いですよ。

例えば魚を焼いた時には鼻をクンクンさせるジェスチャーをして「お魚を焼くイイにおいがする!早く食べたいな~」と表現してみましょう。

一緒にご飯を心待ちにする体験が嗅覚によって記憶され、食べることを幸せに感じる気持ちが生まれます

3.視覚

食材の持つ自然な色・形・大きさ

料理を見る女の子

料理をする前に食材を子どもに見せてあげましょう。食べ物への興味がグッと高まります。

かぼちゃ、人参、玉ねぎ、お米など、普段の食事に使っている食材を見せると親近感がわきます。そして手に取ってじっくり触らせてあげましょう。

絵を描かせてみるのも良い方法です。食材の絵、料理になった時の絵を書くことで、見たもの・食べたものをインプットしてイメージする力を高めます。

出来上がった料理の盛り付け

毎日の食事にちょっと工夫を凝らして「食べたい!」と思わせるような盛り付けをしてみましょう。

子どもが好きな動物やキャラクター、ハートの形など、出来る範囲でアレンジすれば食べる意欲が自然と増えていきます

食べない子の為の盛り付けポイント
  • 沢山盛らない!
  • 一口大の食べやすい大きさにする
  • 苦手な物はやめておく
  • いろどりをキレイに見せる

全体の量は少な目にして、完食のハードルを低くします。盛り付けのイメージとしては、前菜のようなちょこちょことしたスタイルからスタートするのが効果的です。

少しの量だと完食ができ、お皿にのっている料理をキレイに食べられたという満足感や達成感が生まれて食べる事への自信につながります。

盛り付け&飾りつけお役立ちサイト

※誰でも真似できる!簡単ひと手間でもこんなにもキュート♪(外部ページ)

ふだん食べているポピュラーなご飯が、ちょっとの手間でとってもキュートに!早速やってみたくなるレシピばかりです。

※【ママ必見!】子供が笑顔になる♪楽しい盛り付け技まとめ(外部ページ)

見ているだけで、癒される可愛さです。思わずにっこりしてしまいます。

4.味覚

噛むことで広がる味わい

噛むことは唾液を分泌して消化吸収力を高め、食べ物の味わいをさらに深くします。

乾物系のスルメや昆布は味覚を発達させるのに最適で、噛みごたえもありおやつにもおすすめです。

逆に濃い味付けのスナック菓子はすぐに飲み込んでしまう噛む回数が少ない食べ物です。持ち味をじっくり堪能できる食材を選ぶようにしましょう。

シンプルな味わい

シンプルな味わいとは素材の持ち味がしっかり感じることができる、薄味のことです。

子どもが喜ぶ3つの味覚には、塩味・旨味・甘味がありますが、調味料が濃すぎたり添加物の多い調味料を多用すると美味しいと感じる味覚さえも麻痺してしまいます。

味を沢山知ると言うことは調味料の種類を増やしていくことだけに限定されません。食材が持つそれぞれの中に、味の個性があるのです。

そしてその中にも塩味、旨味、甘味が隠れています。食材の味わいを生かした薄味を心掛けましょう

簡単しっとり☆かぼちゃの煮物

簡単しっとり☆かぼちゃの煮物
出典:cookpad.com

かぼちゃの味わいがそのまま活かされた煮物はしっとりしてのど越しもスルリ。おやつにも使えそうですね!

5.聴覚

食べるときの音

野菜を噛むお母さん

春巻きを食べるときのパリパリする音や、レタスやリンゴをかじる時のサクサクした音は聞いているだけで美味しそうに感じます。

実はこの音は耳の気導管を伝わって脳に行き、食べているものをより美味しく感じる役目を果たしています

音がわかりにくい子の場合は、子どもの耳の横の辺りに頬をくっつけて親が食べている音を聞かせてみましょう。

お漬物などでやると子どもの反応がすごく面白いですよ。パパやママの噛む音が響くように伝わって楽しさを共有できます!音が生む美味しさを食事の中にもドンドン取りいれてみましょう。

野菜おやつ☆にんじんスティッククッキー

野菜おやつ☆にんじんスティッククッキー
出典:cookpad.com

ポリポリ音がする美味しいクッキー!細長いので小さい子どもでも持ちやすく、食べやすいのが魅力です。

料理をする音

ニンジンを切っているお母さん

食材を切る音、炒める音、揚げ物の音、お皿の音、お料理は作るときに色々な音が聞こえてきます。

料理中は手間どりたくない思いから、子どもにテレビを見せていることが多いと思います。

でも、ときには外の音をOFFにして料理中の音を聞かせてみましょう。

聴くことによって、ママのご飯作りで何をしているか?どんなものが作られているのか?といった類推力が高まります。何を作っているのか当てっこをしても楽しいですね。

家族との会話

家族一覧で食事をする光景

食事中の会話は脳の発達を促進する働きがあり、言語能力も高まる効果が明らかにされています。そして楽しい雰囲気での会話を心掛けると五感を豊かに成長させます。

年齢が高くなってくると家族で過ごす時間が短くなります。

食事の時間を親子間のコミュニケーションを深める場所にして、楽しくゆったりとした雰囲気の中で子どもの話しにじっくり耳を傾けましょう。

五感による食べない子への働きかけは決して難しいものではありません。

食事における普段のアクションを子どもの目線に合わせて捉え、触覚・嗅覚・視覚・味覚・聴覚の5つの感覚を楽しく経験させてあげましょう。

関連記事幼稚園スタートの子どものお弁当作り!押さえておきたい4つの工夫

食べ方のコツを教えてあげる

子どもの食べ方を見ていると、ご飯を口へ運ぶという単純なことにちょっと手間取っている感じが見られませんか?

こんな場合、五感に働く食育にプラスして食べ方のコツを教えてあげましょう。

  • 口いっぱいに詰め込んで食べている
  • 食事中にクチャクチャと音が出る食べ方になっている
  • 口のなかにまだ食べ物が入っているのに、次の食べ物を口に運んでいる

実はこの手間取っている感じが見られる食べ方は、食べない子に共通してみられる食べ方なんです。

食べ方を知らないことが原因になっているので、このような時には注意する前に食べ方のコツをゆっくり理解できるようにアドバイスしていきましょう。

ただ、小さい子では食べるのに必死でまだ理解が難しいので、お話を聞く力がつく年長さんに上がる頃から実践していくのが良いと思います。

食べ方のコツの実践法

食べるところを見ているとわかるのですが、クチャクチャ派も口一杯派も、食べる量=口に入れる量が多くなっています。

沢山食べ物が口に入っていると結果として噛むことが邪魔されて気になる食べ方に派生します。そこで、一口食べを実践します。

1.少なめの量で一口をまず口に入れてもらう

2.口を閉じて良く噛んでから飲み込んでもらう

3.飲み込めたら、同じように少なめの一口を口に入れる

4.繰り返す

とてもシンプルな方法ですが、意外に大人でも出来ていない方が多いんです。

少なめの量を口に入れると噛みやすくて食べやすい実感がわくので、食べる事への抵抗がなくスマートに食べられます

決して、「こいうふうに食べて!」と強く言ってはいけません。

「あれ!ちょっとのご飯さんを食べてから、またちょっとのご飯さんを食べたらスルってお腹に入っちゃった!」など子どもがわかりやすいように伝えてみましょう。

年長さんは来年度の小学校生活に向けて準備をはじめて行く年です。

「小学校の給食を上手に食べられる練習しよう!」と言って、まずはおやつから誘導していくのが実践の仕方としてお勧めです。お家の方も一緒にやってみましょう!

※飲み込むのがつらそうな場合、口で息をしている可能性があります。

「食べてるときはお鼻で空気を吸うとつらくないよ」と大げさにスーっと音を立てて鼻で息を吸うところを見せてあげると、徐々に改善されていくはずです。

おすすめカトラリー

のの字UD 上手フォーク・スプーン

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出典:nonoji.jp

安心の日本製はどんな形状の食べ物もすくいやすいと人気です。量を程良くすくうので口がモゴモゴしません。

カールメルテンス子供用カトラリーセット

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