液体ミルクとは?アメリカの現状は?メリット&デメリット5選

ミルクを飲む赤ちゃん育児

大きな震災以降話題になっている液体ミルクってご存知ですか?震災時に乳幼児を救ったのはフィンランドからの液体ミルクだったということは新聞でも大きく報道されました。

しかし現在でも液体ミルクは一般のドラッグストアやスーパーには出回っていません。

海外では当たり前のように出回っている液体ミルクがどうして日本ではないのか。そこで液体ミルクとはどのような物なのかその普及やメリット・デメリットを合わせて紹介させていただきます。

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液体ミルクとは?

ミルクを飲む赤ちゃん

牛乳は成分が違うため、生まれたばかりの赤ちゃんでは消化できずに栄養にすることができません。

そこで、母乳の成分に似せた人間の赤ちゃんに消化できる成分のミルクを粉状にしたものを粉ミルクと言います。

液体ミルクと粉ミルクの違い

粉ミルクは購入後、溶かすためのお湯を沸かし煮沸消毒した哺乳瓶に入れ替えて、液体ミルクにしてから飲む母乳の成分に似せた粉状のミルクのことです。

一般的には、母乳が出なかったり母乳を飲ますことができない赤ちゃんに飲ませています。

一方液体ミルクとは、赤ちゃんが飲む「粉ミルク」の液体バージョンであり、粉ミルクのように溶かすためのお湯が必要でなく、そのまま飲めるミルクのことです。

日本ではあまり知られていなかった液体ミルクですが、阪神大震災からの度重なる震災によりその知名度が増してきました。

とくに震災を経験した若いお母さんたちの間でかなり便利であったという話が広まり、厚生労働省にも働きかける運動が起こっています。

(参照文献:東京新聞2016年2月16日 液体ミルク解禁署名12000件 水不要災害時、乳児の命つなぐ)

アメリカでの液体ミルクの現状とその普及

日本ではあまり有名ではないですが、米国などでは粉ミルクの隣に同じように売られています。また、種類も豊富なため生まれた時から液体ミルクという赤ちゃんも多いです。

ただし、値段はやはり粉ミルクよりも割高になっているため、保険や新生児の時期などのフードスタンプ(新生児を持つお母さんたちだけが使える商品購入システム)などが使える期間は液体ミルクを使用して、働き出した後は粉ミルクと併用するなど粉ミルクと液体ミルクを交互に使用しているお母さんたちが多いです。

液体ミルクのメリット5選

笑っている赤ちゃん

では、液体ミルクのメリットとは何があるのでしょうか?実際に液体ミルクを使用する際にメリットになる要因は以下の5つです。

お湯が要らない

粉ミルクでは、ミルクを溶かすお湯が必要でした。一旦お湯を沸かすことから始めなくてはいけないため、少なくともミルクを作るのに10分程度はかかってしまいます。

また、赤ちゃんと一緒に外出する際にはお湯を沸かせる場所がないため、水筒にお湯を予め入れておくなど準備が必要になりお湯の分だけ荷物が多くなってしまいます。

しかし、液体ミルクではお湯と粉ミルクを分けて持っていく必要がないので、荷物も今までの半分で済み、お湯を手に入れる必要もありません。

計量が要らない

粉ミルクは小分けのパックもありますが、大抵は大量に1つの缶に入っているのを購入するため、ミルクを作るたびに計量しなくてはいけませんでした。

しかし、液体ミルクの場合にはちょうどいい濃度に予め作られているので、計量を間違える心配もなく便利です。

母親が病気になってもあげられる

風邪を引いているママ

母親が授乳中に病気になっても、液体ミルクならば病気の感染も心配せずにミルクがあげられます。

また、粉ミルクでは、その濃度や計量の仕方などを男性や作ったことのない人に頼むのはかなり大変でした。

しかし、液体ミルクならば簡単に温められ、哺乳瓶の口を変えるだけでミルクをあげられるため、他の人に頼まなくてはいけない時も安心してミルクをお願いできます。

新鮮なまま飲ませられる

粉ミルクと母乳を併用しているお母さんたちが一番困っているのは、粉ミルクの鮮度です。粉ミルクは1缶ごとに購入したほうが安いのですが、母乳との併用だとその鮮度が心配になってきます。

その点、液体ミルクならば一回ごとに使い切りタイプも多いため新鮮なまま赤ちゃんに与えることができます。

持ち運びが簡単

液体ミルクはペットボトルのような容器に一回分ずつ入っています。

飲ませるときは少し温めてからキャップを哺乳分の口と変えてそのまま飲ませることができるので急に外出しなくてはいけない時でも安心です。

また、持ち運ぶ際にはペットボトルのようにどこへでも簡単に持ち運べ、空になればペットボトルと同じゴミ箱に捨てて帰れます

液体ミルクのデメリット5選

考える女性

では実際にどのようなことがデメリットになっているのでしょうか。以下が5つのデメリットの要因になっています。

安全性

粉ミルクに比べると米国や他の諸外国でもその販売数はかなり少ないです。そのため、安全性を確認できるデータが粉ミルクに比べると少ないということがかなり心配な点です。

大切な赤ちゃんには安全な食品を与えたいと思うのが当たり前ですので、安全性の面ではデメリットになっています。

コスト面

液体ミルクは便利ですので、働いていたり母乳があげられないお母さんたちには大変力強い味方です。

しかし、粉ミルクと比較すると中々高額であり、毎日続けなくてはいけないと考えると中々大変です。

特に子どもが赤ちゃん意外にもいる家庭では、ミルクにそれだけのお金をかけてあげられない家庭も多いため、どうしても不便な粉ミルクになってしまうことも多いのが現状です。

成分面

母乳を飲む赤ちゃん

母乳には母親の体内で作られたイミュノグロブリンと呼ばれる免疫力の元になる物質が含まれ、赤ちゃんに渡されます。

その種類は30種類以上とも言われますが、粉ミルクでは2種類の人工的な免疫力に役に立つ物質を含ませるのが精一杯です。

液体ミルクは、その物質を含ませるのが粉ミルクよりも難しいので母乳の成分からはさらに遠のいてしまっています。

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母親の免疫力はどちらにしろ、6か月までしか通用しないので、6か月間だけでも免疫グロブリンがあった方がいいだろうという考え方ですのでそれが足りないから(母乳ではないから)といって実際には大差はありません。

母乳はどちらかというと、母親と子どものコミュニケーションの場という考え方の方が今は栄養学よりも大切になって来ています。

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添加物・保存料

成分とも関連してきますが、液体ミルクは粉ミルクよりも雑菌が含まれやすく難しいため、液体ミルクには添加物や保存料が粉ミルクよりも多く含まれているのがデメリットとなる点です。

最近ではできるだけ自然で害の少ない添加物や保存料に改良されているのですが、まだまだデータが少ないので心配です。

漏れた場合の処置が大変

粉ミルクならばお湯と分けてあるし、お湯ならばこぼれても変化がなく粉ミルクもすぐに拭き取れます。

しかし、液体ミルクが漏れた場合、後のお掃除や処理が大変です。糖分をふんだんに含んでいるためべたべたしやすく、拭き取るのも一苦労です。

その他にも、種類が少ないので選べないなど様々な細かい問題があるため、一般的に液体ミルクが出回りやすい状況になるには時間がかかりそうです。

液体ミルクに向いている人

赤ちゃんを抱っこしているママ

メリット・デメリットを述べましたが、液体ミルクが明らかに赤ちゃんやお母さんたちに役立つことは明らかです。特に以下の人たちは積極的に液体ミルクを利用してほしいです。

母乳が出にくい人

赤ちゃんの栄養状況を考えると液体ミルクと併用したほうがいいでしょう。

産後鬱や持病などで母乳をあげられない人

薬を服用している場合には、赤ちゃんにも母乳からその薬が与えられてしまう可能性も高いです。

他の子どもが感染症の病気にかかっている人

母親は病気の子どもにも触っているため、母親の皮膚を媒体にして母乳をあげている間に、赤ちゃんにも感染症(風邪や風疹、インフルエンザなど)がうつってしまう場合があります(接触感染)。

その場合は液体ミルクを飲ませればお母さんの肌や洋服には直接触らずに手だけで飲めますので、感染しにくくなります。

働いていて母乳があげれない人

小分けにして一回分ずつあげられる液体ミルクは、子どもを日中預けているお母さんの強い味方です。

まとめ

液体ミルクには粉ミルクと同様に、メリットもデメリットもあります。しかし、どちらもお母さんにとっては心強い味方になってくれます。

最近では液体ミルクも多くの人にその便利さや必要性が知れ渡ってきました。

そのため、液体ミルクのことをよく知り上手く使っていくことが大切だと思います。これを機会にぜひ試してみてください。

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