子どもが幼稚園や小学校に上がり時間に余裕が出てくると、限られた時間を有効に使って働けるパートへの関心が高くなります。でもいざ働こうと思ってもブランクが長いママにとっては、パートといえども不安がいっぱいです。
自分の希望どおりの時間内で働けるの?面接には何を着て行けばいいの?家庭に影響なく働けるのかしら?
そこで、実際にパートで働くママたちの実態調査をもとに、育児明けの初めてのパート始動で知っておきたいこと&お役立ち情報をステップごとにピックアップしました。不安なくパートに就くためにも、疑問点を事前に調べておけば安心ですね。
STEP1.応募までの流れで知っておきたいこと&お役立ち情報
まずは働きたい理由を明確にしておく!
働くための目的を明確にしておくと、自分の条件に合ったお仕事を見つけやすくなります。目先だけの求人に飛びついて「しまった!」と後悔しないためにも、働きたい理由と照らし合わせて環境の整った仕事先を見つけられるようにしておきましょう。
まずは自分が働く目的から職種を絞って、初めてのパートを始動させるのが得策といえます。
ママたちの「パートで働きだした理由ランキング」を参考にして、今一度働くための目的を明確にししたうえで、慎重にパート探しを行うのがおすすめです。
ママたちがパートで働きだした理由ランキング
老後の貯えなど経済の先行きも含めて、ご主人だけの一馬力では何かと将来が不安な気配が昨今高まっています。貯蓄目的を軸としたパートには安定した収入が確実に見込め、職場の雰囲気が良く長期にわたって働くことができる環境が大切です。
また将来的に正規雇用のチャンスがある職場を選べば、子どもが手を離れたタイミングで正社員として働くスタイルが期待できます。
専業主婦歴が長くなると、世間から孤立した感情を抱くママが多いというリサーチ結果が出ています。
「家族以外の人と挨拶をかわすこともなく終わってしまう1日から抜け出したい」
そんな孤独な気持ちも強いので、働くことで気分がリセットされて、社会と繋がりを持てるようなやりがいのある仕事を選ぶのが理想的です。
例えば雑貨店やパン屋さんなど、趣味や自分の好きなことの延長線上で職種を選んで、モチベーションをアップするのも良いかもしれません。
子どもの年齢が上がるにつれて教育費の支出は増えていきます。地域性にもよりますが、中学受験になると小学4年生から本格的な学習体制に入るため塾代も高額になります。
これから必要な教育費がどの程度になりそうか、塾の比較や検討を含めて概算を出しておくのがおすすめです。目安をたてておくと、勤務できる時間などが具体的に計画しやすくなります。
家計が生活費のやりくりで一杯になると、ライフスタイルを豊かにしたい気持ちが一層高まります。家族旅行、自分のためのお小遣い、家族のための服飾代、外食費などなど。
お財布の中の余裕ができれば、楽しみも増えて生活にもハリが出ると多くのママが感じています。できる範囲での勤務で無理なく収入につなげて、夏休みの旅行など貯金の目標設定をしてパートにトライしてみるのもよいですね。
自己成長のため、家庭を大事にしつつ自分をイキイキとさせたい。そんな思いから、夢の実現に向けてパートを始めるスタイルが広まっています。
自宅で憧れだったスィーツ&クッキング教室を開くママの場合、お料理教室でライセンスを取得し、並行して飲食店でのパートで実経験を積んだとのこと。そして現在は自宅で開く教室維持のため、週3日のパートを頑張っているそうです。
働くことで夢のためのスキルを習得できるか?夢の実現のための資金を貯えられるか?などを考慮して長期的に見据えたパート計画を練るのが必要といえます。
自分の立場を中心とした就労条件をまとめておく
求人情報を見ただけでは自分の条件に一致した職場なのかはわかりません。電話での応募や面接でスムーズに質問ができるように、あらかじめ自分なりの就労条件をリストアップしておきましょう。
ママの立場で押さえておきたい就労条件・リストアップ例- 家庭に支障が出ない時間帯で勤務できる。
- 残業や休日の出勤がない。
- 勤務先が子どもの通う幼稚園、小学校の近距離圏内にある。
- 職場までの交通が便利。
- 子どもの緊急時に、即対応できる環境である。
- お休みの融通がきく。
- 職場の雰囲気が良い。
- スキルが身につく仕事である。
- ブランクがあっても不安なく働けられる。
- 未就学児の子どもの託児施設が会社内に併設されている。
- 販売などの売上ノルマが一切ない。
パートを始める前に予想されるトラブルを回避しておく!
ママが働きに出ることで、家庭内に支障をきたす様々な問題が追いかけてくる可能性があります。そうならないためにも、まずは働くことで想定される問題点をクリアにしてからパートの応募に踏み切るようにしましょう。
パートに出ることで起こりそうな家庭内の問題点と対処法
「働いている時間は、子どもが幼稚園や学校に行っている時間だから大丈夫」と思っているのはNGです。ケガや熱、インフルエンザによる学級閉鎖、台風時の暴風警報の発令など予期せぬ緊急事態はいつ起こるかわかりません。
こどもに手厚い職場では理解があり、早退や仕事中に抜け出すことも可能ですが、繁忙期や人手が足りない状況下では融通が利かないことが多いものです。もしものときに備えて、子どもの緊急時の対応を考えておきましょう。3つの対処法をご紹介します。
近くに住む両親などに、休校日・休園日の預かりや緊急時のお迎えをあらかじめお願いし、家族のサポート態勢を整えましょう。
幼稚園や学校からのチェーンメールは緊急時に対応する家族にも登録してもらい、担任の先生に緊急時に対応する人が誰なのかを連絡先を含めて伝えておきます。
お住まいの地域のファミリーサポートセンターは、いざというときに子どもを預かってくれるなど育児の手助けをしてくれる大変ありがたい存在です。
スタッフと託児先は研修を受け登録された一般家庭になりますが、事前の顔合わせで子どもとマッチングするスタッフさんが決まるので、安心しておまかせできます。
ただ、地方によっては当日にスタッフが決まる場合もあるので、トラブルをなくすためにも細々したことも含めて事前に確認しておくことをおすすめします。自治体ごとで多少異なりますが、サポートしてくれる内容には次のようなものがあります。
- 保護者が面倒を見れないときの子どもの預かり。
- 仕事で忙しい保護者の代わりに子どもを病院に連れていってくれる。
- 幼稚園や保育園、小学校への子どもの代行送迎。
※地域によっては学校から塾までの送迎も引き受けるところもあるようです。 - 軽度の病児や病後児の預かり。
※病院の受診が前提となるので注意しましょう。数は少ないですが地方の自治体が認可する医療機関の託児施設もあるので、お住まいの市町村の福祉健康課に確認しておくと良いと思います。
お預かり態勢は日・祝日、年末年始も対応しています。利用料金は大体一時間で千円前後といった具合です。パート代に換算すると割高にはなりますが、お仕事に穴をあけられないときに利用するためにも事前の会員登録をおすすめします。
ファミリーサポートセンターが整っていない地域では、一時預かりを行う私設の託児所を利用する方法もあります。その場合、保育資格の有無など、子どもを預けても本当に大丈夫な施設であるか?しっかり調べておきましょう。
全国のファミリーサポートセンターを網羅した検索サイトです。お住まいの県を入力すると、各施設の概要と連絡先が出てきます。
自分に合った内容のお仕事でも、ママとしては子どもを優先にできる職場が本来望むべきところです。経済的背景から家庭との両立に理解がある会社が少ないかもしれませんが、あきらめずに探すことが大切です。
とくに、転勤などで近くに頼る人がいない場合には、子どもの緊急時に早退や欠勤が可能であるかしっかり確認をとり、育児が軸になっている旨をきちんと会社側に伝えましょう。
仕事と家庭の両立応援企業があるのを知っていますか?この企業は厚生労働省の認定を受けた子育てサポート企業で、現在全国に1300社が登録されています。
目印はピンクの、くるみんマークとプラチナくるみんマーク。2つのマークは「次代の社会を担うこどもたちの、健全な育成支援に賛同している会社」の印で、子育て中のママが自社内で安心して働ける環境を提供しています。
※くるみん認定及びプラチナくるみん認定企業名都道府県別一覧(外部ページ)
子育て中のママを応援する企業は年々増えています。お住まいの県をクリックして、近隣の子育てサポート企業を見つけましょう。
くるみんマーク
出典:http://www.mhlw.go.jp
出典:http://www.mhlw.go.jp
子どもを産むと疲れやすくなるものです。そのため慣れないパートから疲労がたまり家事がおろそかになることも。時間に追われるような無理なシフトにならないように気を付けましょう。また対処法を3つご紹介します。
朝のゴミ出し、洗濯物のたたみなど、ちょっとだけでも家事が減ればママ業は楽になるものです。パパのできる範囲で家事の分担をお願いしてみましょう。
パート先が決まったら、普段の1日の家事内容を働く時間軸に合わせてみましょう。出勤時間に沿って、効率的に家庭内のことをできるようにしておくと、パートがはじまってからの家事がスムーズにできるようになります。
家庭内の雑務は丁寧にすればするほど手間も時間もかかります。家事がおろそかになったと感じたら、思い切って家事の時短を実践しましょう!
例えば・・・。
朝食の準備で晩御飯の下準備も同時に済ませる。
掃除機は毎日かけないで、ワイパーがけにするなど。
やってみると、時短アイディアを考えるのが楽しくなってきます。
ちなみに家事時短の鉄則は!
「完璧にしようとしない」
「手を抜けるところは抜く」
「自分だけで家事を頑張らない」
ところで、ママの皆さんは家事が毎日同じことを繰り返す雑務だと思っていませんか?
家事は家族みんなが毎日を快適に過ごすための、大切な役割を持つルーティンワークです。仕事が始まると何かと忙しく感じますが、家事を前向きにとらえて時短作戦で乗り切りましょう。
ママの投稿による家事の最新時短テクニックが目白押し!こんな工夫があるの!?と驚くものもあって、必見です。
ママになると生理が更につらく感じませんか?パート始動にあたって意外に忘れがちなのが、月経前後の女性特有の体調不良です。
こうした月経前後の体調不良は、頭痛やめまい、気分の落ち込み、激しい下腹部痛など、ときには立っていられないほど深刻な症状がみられます。
PMS、更年期障害、月経前不快気分障害・・・。様々な原因が考えられますので、毎月の生理周期に決まって体調が悪くなり、つらいママは産婦人科で適切な治療を受けて、仕事に差し支えがないようにしておきましょう。
10の質問事項に答えていくと、月経時の不定愁訴がどの程度の段階のものなのか?レベル別で判断できます。
じっくりと仕事先を選ぶ
始めてのパート探しはじっくり行うことが何より大切です。フリーペーパー、求人情報誌など情報源は色々とありますが、しっかりと内容を読み取れない部分があるのも否めません。見出しの好条件だけで飛びつかないように、気になる職場はリサーチを十分にしましょう。
最近では「ジョブセンス」「女の転職@typE」などの求人サイトからのパート探しも主流になっています。ただ、ネット上ではトラブルなど心配な面も隠れるので、個人的には人を介してパート探しをする「マザーズハローワーク・マザーズコーナー」を利用するのが安心できておすすめです。
子どものいるママたちの就活をサポートする場所なので、キッズスペースがあり、場所によっては保育士さんが応談中のママに代わって子どもの面倒をみてくれるのもうれしいです。ただし、応談は事前に電話予約が必要になりますのでご注意を!
お近くのハローワークでも十分にパート探しができます!求人内容や条件がしっかり把握でき面接までの窓口がきちんとしています。万が一面接で食い違いがあっても、じかに対応されるので安心です。
お友達の多くが実際にハローワーク経由でパートを見つけていますが、みなさん好条件の職場を見つけられて長く勤務しています。
余談になりますが、ハローワークで密かにママたちが待ちわびているパート募集があるそうです。それは学校給食の調理補助員。子どもの帰る時間に帰宅できて、夏休みや冬休みなど学校のお休みにはオフになるので、初めてのパートでは狙い目らしいですよ。
STEP2.面接で困らないために知っておきたいこと&お役立ち情報
希望するパート先が定まったら、いよいよ面接です!このSTEPでは、服装・履歴書・面接時の受け答えについて、気を付けるべき事項を中心に紹介していきます。
面接の服装は何を着ていけば良いの?
面接の服装といえば、スーツが最もポピュラーなイメージがあります。しかし、パートという微妙なスタンスでは果たしてスーツ姿で良いのか?悩むところですよね。
一般的にパート面接にはスーツよりもラフで、失礼のないややかしこまった感じのする、清潔感を重視した服装が主流になっています。オーソドックスなコーディネート例では、襟付きの白いシャツに紺や黒またはグレーのひざ丈のスカートの組み合わせが定番です。
でも採用側の、面接の服装に対する本音はどうなのでしょう?そこで実際にパート採用担当者が回答する「パート面接にふさわしいファッション」のアンケートや意見をまとめてみました。
結果は、スーツ姿が全体の2割で、カジュアルライクが3割、トップスにジャケットやカーディガンをはおってきちんと感を演出した服装を好む傾向が5割程度となっていました。
採用側の面接時の服装に対する要点をまとめると・・・。
- 清潔感があること。
- シンプルであること。
- 身だしなみがきちんとしていること。
この3つがパート面接では、好印象を受ける服装のポイントになっています。見た目の第一印象は人柄をあらわす評価が強いので、しっかりポントを押さえておきたいですね。
体験談芯がしっかりした方は背筋ものびて目の輝きも、発する言葉使いも素敵です。そういったところが自然と服装の中にも清潔感を生み出して、パンツにニットアンサンブル、ラウンドネックのTシャツにジャッケトのラフなコーディネートでも好印象を持ちました。
逆にスーツでばっちり決めていても、着こなしがだらしなかったり、意欲がみられない態度が大きいものだとスーツばかりが浮いて残念に見えました。
職種や職場の雰囲気で服装を考える
窓口や事務職、講師、営業職などのかっちりした職業は、どの情報源を見てもパートであっても面接時は黒や紺のスーツが一般的とあります。銀行の窓口など緊張感のある職場はスーツが妥当ですが、パートでは企業のそれぞれの雰囲気でかしこまり度を決めるのも良いと思います。
その他の職種は様々なので一概にはこれがイイ!と断言できませんが、たとえ内勤で作業に徹する仕事や、お弁当などの店頭販売、スーパーのレジであってもきちんとした服装を心がけましょう。
きちんとした服装とはカジュアルであっても、凛とした雰囲気がある着こなしのこと。わかりやすいイメージとしては、ショッピングモールで必ずお見かけするコムサイズムのようなベーシックカラーで統一したコーディネートです。
また、アパレル系の販売だったり、美容・雑貨系の面接の場合は、そのお店の雰囲気に合ったオシャレを意識した服装にすると、センスが評価されて採用に有利に働くようです。
面接にNGな服装
スカート | ひざ丈よりも短い丈、長すぎるロング丈のもの。 |
パンツ | デニム、カーゴ、スェットなどのカジュアルなデザイン仕様。 |
デザイン | 極端に体にフイットしたスタイル、ダボダボの大きなサイズ感のもの。 |
靴 | サンダル系の履物、スポーティーなカジュアルスニカー。 |
色目 | 赤やショッキングピンクなどの派手な色、絵柄のあるもの。 |
その他 | 肌の露出部分が多いノースリーブなど。 |
身だしなみも要チェック!
香水 | 基本的につけるのはNGです。香りが移るので飲食関係ではとくに要注意! |
爪 | 短くして、ネイルカラーも取っておきます。手元は意外に見られています! |
髪 | 大きな髪飾りや、派手な髪留めはやめましょう。ショートヘアは分け目を正してスタイリングし、肩よりも長い髪は束ねてすっきりさせます。 |
服 | ほころんでいたり、毛玉、ほこり、汚れがついていないか確認しましょう。シワはアイロンできれいに伸ばします。ポケットが裏返っていたり、襟が立っていないか鏡の前でチェックしましょう。 |
靴 | オシャレは足元からとよく言います。靴が汚れているとせっかくの面接スタイルもだいなしです。 |
履歴書の上手な書き方とは?
面接時に提出する履歴書は自分をアピールする絶好の場ととらえて、目的意識をしっかり持って記入しましょう。とくに、記入に力を入れたいのが、志望動機や特技の欄です。しっかり自分のアピール面が記入されていると、面接時に具体的に踏み込んだ話ができるので採用のチャンスが広がります。
とはいえ、履歴書を自信をもって提出する内容に書き上げるには、考える時間を長く要します。そこでママの履歴書記入で参考になるサイトを見つけました。とても詳しく説明されているので本当に役立ちます。ぜひご覧になってください。
キャリアコンサルタントの福沢恵子さんが指南する履歴書の書き方は必読!アピールテクニックも満載ですよ。
※子育てママ主婦の志望動機 例文自己PRサンプル(外部ページ)
熱意はあるけれど、書くのは苦手というママにうれしいサイトです。職業別、志望動機別、業界別に例文がずらりとアップされています。
面接を上手に受ける秘訣はあるの?
面接は幅広い職業の中では求めるものがそれぞれに異なるので、受け答えに正解がありません。しかし採用側の立場では経験上、コミュニケーション能力がカギになり採用に導くのだと感じています。
質問にうまく答えられなくても大丈夫です。会社を選んだ理由や応募しようと思った気持ちをありのまま伝えれば、熱意がおのずとうまれ、言いたいことが言葉となって出てきます。
逆に、とにかくどこでもいいから採用されたい!という気持ちで受けてしまうと熱意が出ず、顔にも現れるので要注意です!
よく、コミュニケーション能力というと会話のキャッチボールが大切といいますが、まさにそのとおりです。中の良いお友達との出会いを思い出してみてください。会話がはずんで、そこから親密度が増しませんでしたか?
また、病院の待合などで隣に居合わせた方が初対面なのに、なぜだか親しく話しかけてきて、気づけば自然に会話が弾んだ不思議な体験がありませんか?これこそがコミュニケーション能力なんです。
人とのネットワークを構築できるコミュニケーション能力は、どんなところも適材適所に変える力を持ち、仕事をこなすノウハウにもたけています。
履歴書だけでは読み取れないコミュニケーション能力は誰もが持っているものです。熱意を持ってのぞめばきっとうまくいくはずですよ。
勿論、丁寧な言葉使いや常識のある立ち居振る舞いも必要ですが、大学生の就活のようなガチガチのマナーを順守する必要はありません。常識の範囲で大人の女性らしい所作や言葉使いを心がけましょう。
主婦の立ち場から徹底的にシチュエーションを考えた質問の答え方がアドバイスされています。面接の前に読んでおくと役立ちそうです。
さいごに.パートで働くママを助ける法律について
せっかくパートに就いても、もしかすると契約どおりでなかったり、働く環境が予想以上に深刻な悩みをもたらすケースがあるかもしれません。
平成23年度の厚生労働省・パートタイム労働者総合実態調査によると、職場の処遇をめぐって会社や仕事内容に不満や不安があると回答したママたちが、実に全体の54.9%にものぼることがわかりました。不満や不安には次のような具体事例がみられました。
- 正社員との差別的取り扱いがひどい。
- 賃金アップが契約時ではあると言っていたのに、一向にない。
- 福利厚生が受けられない。
- 働きに見合った時給ではない。
- 無理な残業を押し付けられている。
- 職場の商品を購入させるノルマが押し付けられた。
- 仕事の手順をきちんと教えてくれない。
- パートにだけ対応が厳しい。
- 正当な理由もなく解雇をされた。
もしも、自分がパートに出て、職場で不当な処遇を受けたらどうすれば良いのでしょう?そんなときはパートで働くママを守ってくれる法律が助けてくれるので大丈夫です!
上記の実態調査の影響を受けて、平成27年の四月から「パートタイム労働法」が施行され、より働きやすい環境が整いつつあります。この法律はパートで働く女性の公正な処置の確保を目指し、より高い能力を発揮できるように働く環境を支援するもの。家庭との両立でがんばる子育て中のママの大きな支えになることが期待されています。
万が一、上記にあげた不満や不安がある場合には、決して我慢しないでパートタイム労働法を味方につけましょう。パートタイム労働法の窓口は近隣の「都道府県労働局雇用均等室」になります。疑問におもうこと、悩みが生じたらまずは訪ねてみましょう。状況改善の糸口へ導かれるはずです。詳しくは厚生労働省のHP、パート労働ポータルサイトをご覧ください。
※パートタイム労働者の定義
1週間の所定労働時間が、同一の事業主に雇用される通常の労働者(正社員)より短い労働者。アルバイト、準社員、臨時社員、嘱託職員なども条件にあてはまれば対象となります。