子供の頃、「牛乳は体にいい」と言われ、牛乳をたくさん飲んで育ったというお母さんは多いのでは。
ところが最近では、「牛乳は良くない」といった意見を耳にすることがあります。
いろいろな情報があふれる中で、自分の子供に牛乳を飲ませるべきか否か…迷っているお母さんもいるでしょう。
そこで今回は、牛乳が必要と言われる理由と、不必要と言われる理由を調べてみました。双方の理由を比べ、子供に牛乳を飲ませるかどうかの判断材料にしてみてください。
また、子供が牛乳を嫌いな場合など、代替品としてどのようなものがあるのかもまとめました。
子供に牛乳が必要だと言われる理由は?
子供に積極的に牛乳を飲ませた方がいいと言われる理由は、主にはその栄養価の高さにあります。
多くの栄養を含む
牛乳にはカルシウムだけでなく、次のような多くの栄養素がバランス良く含まれています。
たんぱく質、脂質、炭水化物。これらは、体を作るための基本的な栄養素かつエネルギー源で、「三大栄養素」と呼ばれています。
特にたんぱく質は、子供の筋肉の成長や皮膚を健やかに保つためには欠かせません。
神経伝達や血液の生成、骨や歯の形成など、体の成長や機能をスムーズに働かせるために、ミネラルは必要不可欠。
牛乳は、カルシウムをはじめリン、カリウム、ナトリウムなどミネラルが豊富です。
牛乳は、実は多くのビタミンを含みます。中でも、疲労やイライラを解消するビタミンB1、細胞の成長を助けるB2が豊富。
いずれも成長期の子供にとっては大切な栄養素です。
「栄養素密度」が高い
100kcalあたりの栄養素の量を「栄養素密度」と言います。栄養素密度が高い食品は、“少しのカロリーで多くの栄養素を摂ることができる”効率の良い食品です。
そして牛乳は、栄養素密度の高い食品代表。手軽にコップ一杯で、多くの栄養を簡単に摂取できるのは牛乳の大きな魅力と言えます。
子供に牛乳が不必要だと言われる理由は?
牛乳は飲む必要がない、と言われる理由にはどんなものがあるのでしょうか。
日本人の体に合わない
牛乳を飲むとお腹を下すという人は多いのではないでしょうか。
下痢はしなくても、膨満感を感じたりお腹がゴロゴロする人も。また、牛乳の飲みすぎがアトピーやアレルギー性鼻炎につながると考える専門家もいます。
これらの不調を引き起こすのは、牛乳に含まれる「乳糖」という多糖類が原因だと言われています。ただし、腸内に「ラクターゼ」という分解酵素が存在していれば「乳糖」を分解でき、お腹を壊すことはありません。
でも残念ながら日本人を含むアジア圏の人種は、「ラクターゼ」を持たない人が95%にものぼります。そのため日本人の体質的に、牛乳は合わないという意見が多く見られるのです。
ちなみに、昔から乳製品を摂取してきた欧米人は「ラクターゼ」が腸内に存在しているため、体質的に牛乳が合い、不調を起こすことは少ないとされています。
カルシウムは他の食品で十分
日本人に馴染みのある食品の方が、牛乳よりもカルシウムが多く含まれています。例えば、ヒジキ、ワカメ、煮干しなどは牛乳の13倍~20倍ほどのカルシウム量。
これらの食品をしっかり食べていれば、無理に牛乳を飲まずともカルシウムは十分に摂取できると言えるでしょう。
その証拠に、牛乳を飲む習慣がなく、上記の食品を多く食べていた戦前の人達の方が、骨も歯も丈夫だったようです。
子供が牛乳を嫌いな場合に代わりになるものは?
中には、牛乳が苦手だという子供もいます。また、2章に挙げた理由などから、「子供には牛乳は飲ませたくない」と思っているお母さんもいるでしょう。
そこで、牛乳のかわりとなる飲み物・食べ物にはどんなものがあるのかを紹介します。
飲み物
牛乳にかわる“○○ミルク”という飲み物は数多くあります。それぞれ味や栄養に特色があるので、子供の好みのものを見つけてみてください。
大豆、水など
特長脂肪分が牛乳より低くヘルシー。一方で成長に必要なたんぱく質はしっかり摂取できます。
細胞膜を健やかに保つレシチン、血液中の脂肪を減らしてくれるサポニンなども豊富です。
味牛乳よりややあっさり。独特の豆っぽい感じが苦手な場合は、甘みを加えた調整豆乳でも。子供向けの豆乳もあるので、試してみてもいいでしょう。
アーモンド、水など
特長牛乳に比べて、糖分、カロリー、脂肪酸の量が低いアーモンドミルク。カロリーが気になる場合におすすめです。
またビタミンEが豊富で、カルシウムの他に鉄分などのミネラルも手軽に摂取できます。
味飲んだ後、アーモンドの風味を感じます。豆乳同様、甘みなど味が調整されたものもあります。
米、水、ひまわり油など
特長お米が原料というだけあって、炭水化物がメイン。手っ取り早くエネルギー補給できます。カルシウムは牛乳に比べ少ないので、カルシウムを加えている商品も。
味かなりあっさりした味。牛乳のまったりとした濃厚さが苦手な人は、ライスミルクが合うかもしれません。
食べ物
子供が牛乳を飲まないと、特にカルシウム不足を心配するお母さんも多いのでは。そんな時は、ヒジキやワカメなどの海藻類や、煮干しなどの食材をおやつで食べたり、普段の食事に取り入れるといいでしょう。
また、牛乳を飲まないとたんぱく質の摂取量が十分でない場合も。肉類・魚介類・豆類を毎食、意識して食べるようにしてください。
まとめ
賛否両論ある牛乳ですが、牛乳であれ代替品であれ、どんな食品でも飲みすぎ・食べ過ぎは良くありません。
栄養バランスや子供の好みを考えた上で、牛乳を飲ませるかどうか判断できるといいですね。