生まれてくる赤ちゃんのために買い揃えたベビー服。水通しは、すんでいますか?
出産予定日が近づいてきたら「水通し」をして、いつ赤ちゃんが生まれても慌てなくてもすむように準備をしておきましょう。
ところで、なぜ水通しをする必要があるのでしょうか。その前に、水通しとはどのようなことなのでしょうか。
この記事では、ベビー服の水通しについて、わかりやすくお伝えします。
ベビー服の水通しとは?
ベビー服の水通しとは、赤ちゃんが着るベビー服や肌着などを水洗いすること。文字通り「水に通すこと」をいいます。なぜ着る前に、水に通す必要があるのでしょうか。理由は大きく3つあります。
生地を柔らかくするため
新しい服は、形よくきれいに見せるために糊づけされていることがあります。糊づけされた生地は、かたくてゴワゴワ。赤ちゃんの肌に着せるのは、ちょっとかわいそうです。
ですが、水通しをすると糊が落ち、生地本来の柔らかさが戻ってきます。これなら赤ちゃんも心地好く着られますね。着せるときも、ゴワゴワした状態よりずっと着せやすくなります。
吸湿性を良くするため
買ったばかりの服は、吸湿性が良くありません。新品のタオルを思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか。
おろしたてのタオルで手を拭いても、すっきり水分を吸収してくれない――そんな経験のある方も多いのでは?
赤ちゃんはとても汗っかきです。肌着が汗を吸い取ってくれないと不快ですし、湿疹やかぶれなど、皮膚トラブルの原因にもなってしまいます。
吸水性は、一度水洗いをすれば、ぐんとアップします。汗をよく吸い取る衣類で、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげましょう。
ホルマリン(ホルムアルデヒド)を除去するため
ベビー服を買うと「ホルマリン移染防止のため袋から取り出さないで下さい」という注意書きがされていることがあります。ホルマリンは、ホルムアルデヒドの水溶液のこと。
衣類には、加工の段階でホルムアルデヒドが使われることがあります。ただし、24か月以内の乳幼児用の衣類(ソックス、ガーゼやタオル、シーツなども含む)に関しては、厚生労働省により使用基準が設けられています。
基準が守られているかの検査もあり、合格しないと、製品として出荷することができないのだとか。これは、ホルムアルデヒドが乳幼児にとってよくない影響を及ぼす危険性を避けるためです。
ところが、たとえ検査に合格しても、保管方法や販売方法によっては、ホルムアルデヒドをもらってしまう可能性がないとは言い切れないといいます。ホルムアルデヒドには「空気移染する」という性質があり、布はホルムアルデヒドを吸収しやすいのです。
国によっては、ホルムアルデヒドの規制なくベビー服を作っていることもあるようです。また、そういった服を輸入して、検査を受けることなく販売されている事例も多いのだとか。
そこで水通しです。ホルムアルデヒドは、水洗いをすれば流し去ることができます。つまり、一度水通しをしておけば、どんな服でもホルムアルデヒドの心配をすることなく赤ちゃんに着せることができるというわけです。
ベビー服の水通しはいつ頃すればいいの?
特に決まりはないのですが、妊娠32週~34週を目安にすませておくとよいのではないでしょうか。
臨月間近になると、いつ陣痛が来るかわかりません。大きなお腹では、洗濯をするのも一苦労。体調と気持ちの余裕があるときにすませておくことをおすすめします。
ベビー服の水通しの方法は?
水通しは、手洗いでも洗濯機でも、どちらでしてもかまいません。大人の衣類とは分けて、水道水、またはぬるま湯を使ってすすぎ洗いをする要領で。
汗や汚れがついているわけではないので洗剤を使う必要はありません。もしも使う場合は、赤ちゃん専用の洗剤を使い、すすぎをしっかりとしましょう。
洗濯機の場合
洗濯機を使う場合は弱い水流に設定し、型崩れ防止のためにネットに入れて洗うとよいでしょう。すすぎ1回の設定で水洗いし、その後、脱水します。
もしも洗濯槽の汚れが気になる場合は、事前に洗浄しておきましょう。市販の専用洗剤を使ってもよいですし、重曹と酢を使ってもできます。重曹と酢を使った方法は次の通りです。
- 洗濯槽に最高水位まで水を入れる。
- 重曹と酢を1カップずつ入れる。
- 10分ほど回して撹拌する。
- そのまま半日~1日放置する。
- 黒カビが浮いていたらすくって取り除き、通常コースで運転させる。
- 排水後は、ふたを開けたままにして乾燥させる。
手洗いの場合
洗面器に水かぬるま湯を張り、そっと押し洗いをします。終わったら、よくしぼるか脱水にかけるかして、水気を取り除いてください。
服や肌着はもちろん、赤ちゃん用のシーツやタオル、ガーゼなど、水洗いできる物は水通しを。
肌着のヒモやベビー服のスナップなどは、事前にはずしておきましょう。特にヒモは、水に濡れると結び目がかたくなり、ほどけなくなることがあります。
水通したベビー服の干し方は?
シワをパンパンとよく伸ばし、形を整えてから、物干し竿やベビー用ハンガーなどを利用して、外干しにします。日光消毒もかねて、天気の良い日にお日様に当ててカラッと乾かしましょう。
花粉や空気の汚れが気になる場合は部屋干しでもかまいませんが、その場合は、雑菌が繁殖しないように気をつけて。風通しを良くし、日光が当たるように工夫するとよいでしょう。
洗濯乾燥機や浴室乾燥機を利用してしっかり乾すという方法でもかまいません。ただし、生地によっては縮んでしまうことがあるので、注意が必要です。
ベビー服の水通し後の保管方法は?
ベビー服がしっかり乾いたら、たたんで、湿気の少ない場所に保管しておきましょう。そのときのポイントは、次の4点です。
- 赤ちゃん専用のタンス、衣装ケース、カゴなどに保管する。
- 赤ちゃん専用の場所がない場合は、ビニール袋や紙袋などに入れてホコリを防ぐ。
- 湿気が気になるときは、除湿剤を一緒に入れておく。
- 防虫剤は入れない。
アイロンは、かけてもかけなくても、どちらでも大丈夫です。
あまりにもしわが気になる場合は、もちろんかけたほうがよいのですが、生地によってはアイロンの熱でゴワゴワになってしまうこともあるので、気をつけて。
ベビー服の水通しはいつまで必要なの?
特に決まりはありませんが、先ほどお伝えしたように、生後24か月までの乳幼児衣類には、ホルムアルデヒドに対する規制がかけられています。そう考えると、2歳まではしたほうがよいと言えるかもしれません。
ただ、ホルムアルデヒドに関係なく、水通しをしたほうが、肌触りも吸湿性もぐんと良くなり、着やすくなることも事実。それだったら、習慣としてずっと続けてもよいのでは?実際「自分の衣類も必ず水通しする」というママも多いようです。
お下がりのベビー服の水通しは必要なの?
基本的に水通しはしなくても大丈夫ですが、もちろん水通しをしてもかまいません。一度洗って、お日様のもとで乾かしておけば、着せるときに何も心配せずにすみます。
まとめ
水通しは、赤ちゃんが安全に気持ちよく衣類を身につけるための準備。小さなサイズのベビー服を洗って干していると、ひしひしとママになる実感がわいてきます。
ぜひ体調とお天気のよいときにベビー服に水通しをして、赤ちゃんを迎える準備を進めていってくださいね。