「モラハラ夫」という言葉を耳にしたことがありますか?最近ですと、三船美佳さんと高橋ジョージさんの離婚問題でも話題になっている「モラハラ夫」。
外面がよく世間では「おしどり夫婦」と呼ばれていた2人の間にはどんなトラブルがあったのでしょうか?
今回はそんなモラハラ夫の特徴やその心理、対処法などをまとめてご紹介いたします。
そもそもモラハラって何?
モラハラ(モラルハラスメント)とは、いわゆる暴力です。暴力の中でも言葉によって相手を支配し、行動や尊厳を奪う精神の暴力です。中でも夫が妻に対してモラハラを行う場合、その夫は「モラハラ夫」と呼ばれることがあります。
ただの口喧嘩とは違い、妻の人格を否定するような言葉を繰り返すことによって、夫が妻をマインドコントロールしてしまうのです。
妻は理不尽な要求に対しても「私さえ我慢していれば」という通常では陥りにくい考え方を持つようになります。そのためする側もされる側も自覚することが少なく、発覚が遅れてしまうのです。
また身体的な暴力とは違い身体に残ることはないので、訴えたとしても立証が難しいこともモラハラの難点といえるでしょう。
モラハラ夫の特徴は?
モラハラ夫には、共通した行動や考え方、口癖などがあります。自分の夫がモラハラ夫かもしれない、と思った方は是非参考にしてみてください。まずは、モラハラ夫にありがちな行動や言動をチェックしていきましょう。
- 結婚した途端に態度が急変した
- 家計を妻に握らせない
- 「誰のおかげで生活できているんだ(だから逆らうな)」が口癖
- 妻の買い物には嫌味を言う、もしくは買い物をさせない
- 頻繁に夫の実家へ連れて行かれる
- 妻の実家へは滅多に帰らせない
- 妻の実家への連絡を遮断したがる
- 妻の実家や職場では「優しい夫」を演じる
- 「〇〇家の嫁なんだから」を強調する
- 夫の親族の介護を強制する
- 共働きにもかかわらず家事を一切しない
- 育児に口は出すが協力はしない
- 機嫌が良いときは優しいが悪いときは周りが気を使うほど不機嫌
- 不機嫌なときは物の扱いが乱暴で怖い
- トラウマや不幸な過去で同情を誘う
- 浮気をしても開き直る、逆ギレをする
- 何でも妻のせいにする
- 理不尽なことで子供や妻に八つ当たりをする
- 女というだけで下に見ている
- ターゲット以外の人間には優しく誠実で人当たりが良い
- 友人や子供の前で妻を叱る
- すべての行動は「愛情があるから」「お前のため」だと言う
- 妻が何かを拒むと「お前には愛情がないのか」「やっぱり金目当てか」などと的外れな理由で責める
1つでも当てはまるならモラハラ夫の兆候を疑う必要があるでしょう。それではこうした項目に当てはまるモラハラ夫の具体的な特徴を見ていきましょう。
口が達者で計算高い
モラハラ夫は口が達者で計算高いという特徴があります。ことば巧みに妻をけなし、いかに劣っているかを頭に植え付けさせるのです。また一見理不尽に聞こえることでも、モラハラ夫の手にかかれば是になります。
例えば「なんで俺に断りもなしにそんなことをするんだ!」と怒っておきながら、妻がいちいち行動に許可を求めると「なんでそんなことまで俺に聞くんだ!本当に一人じゃ何もできないやつだな!」と責め立てます。
これを心理学では「ダブルバインド(二重拘束)」といいます。つまり妻がどちらを選んでも夫はその行動を批判できる術を持っているのです。
何をしても怒られ続けるうちに、妻は「自分が至らない」「私が言う通りにしなければ」と考え、自らの意思を持たなくなってしまうのです。
プライドが高く人を見下している
モラハラ夫は頭が良くてプライドが高い傾向にあります。家庭で(例えば長男だからという理由で)甘やかされて育っていたり、学歴や職歴も高い場合が多いです。そのため全く意識することなく他人を見下すことができるのです。
特に年の離れた若い妻の場合「お前は本当ガキだな」「こんなことも知らないのか」と年齢差を度外視した発言をして相手の劣等感を促進させることもあります。
女性蔑視の傾向にある
男尊女卑の家庭で育った男性は、女だというだけで妻を見下してかかることもあります。小さい頃から父親が絶対的権力を握り、母親が虐げられているのを見て育つと「女性や妻には何をしても許される」という偏見を持って大人になってしまいかねません。
また現在ではインターネットの影響で、偏見やネットの情報を鵜呑みにした女叩きに躍起になる男性も存在します。いざ本物の女性を目の前にすると女性蔑視の発言は慎みますが、身内となった妻に対して本性を現すという場合もあるのです。
束縛が激しい
モラハラ夫は、妻が外と関わりを持つことに対してひどい嫌悪感を示します。異性との飲み会どころか、同性同士の集まりや職場の飲み会ですら嫌な顔をして行かせようとしません。こうして周りとの交友を絶とうとするのも、モラハラ夫の特徴なのです。
またモラハラ夫は、妻の行動を1から10まで全て把握したい、支配したいと考えています。そのためスマホのGPS機能で動きをチェックし、少しでも気に障る行動をしたら説明を求めたり不機嫌になったりすることも。
なんでも人のせいにする
モラハラ夫は間違いや自然の理までなんでも人のせいにします。「お前の辛気臭い顔見てるとイライラする」「お前がいるからこんなことになったんだ」モラハラ夫にかかれば、自分のミスも明日雨が降るのも全て妻のせいなのです。
夫がモラハラをする心理とは?
モラハラは何も遺伝によるものでも、ましてや「モラハラがしたい」と思ってやっているものでもありません。モラハラ加害者は、たいていの場合「モラハラをしている」という認識がないのです。
では夫がモラハラをする心理とはどのようなものなのでしょうか。そんなモラハラ夫の心理をご紹介いたします。
モラハラしている父親や祖父を見て育った
モラハラ夫は、幼少期からモラハラを目の当たりにしている可能性があります。父親や祖父が妻や祖母、また自分や兄弟に対して理不尽な言動をする様を見て育ったのです。
幼少期の記憶は人格の根本を生成するのに大きな影響を及ぼします。そのため「妻には何をしても良い」「自分もされたんだから今度は自分がやる番」と心底で思ってしまっているのです。
モラハラ夫はコンプレックスの塊
意外に思うかもしれませんが、モラハラ夫は大きなコンプレックスを抱えている可能性もあります。例えば出世ができない、立場が上の人に媚びなければならないといった社会的抑圧を、自分より立場の低い妻や子どもで発散しているのです。
相手を見下すことでしか自分のプライドを保てない
協調性を重んじる女性に比べて、男性は自分より上か下かを判断しようとする本能があります。自尊心やプライドが高く自己承認欲求の高いモラハラ夫は、下だと判断した人をとことん貶めることで自分のプライドを保とうとするのです。
モラハラ夫が子どもや妻に与える影響とは
そんな独特の特徴と心理を持つモラハラ夫ですが、子どもや妻に与える影響とはどれほどのものなのでしょうか。まずはターゲットにされやすい女性の共通点と、今後心配される子どもへの影響をご紹介いたします。
ターゲットにされる女性側にも共通点がある
モラハラ夫は、誰にでもモラハラを行うようなことはありません。女性の性格を見抜いて支配しやすそうだと思ったら徐々に片鱗を見せ始めるのです。
モラハラ夫のターゲットになりやすい女性は、ネガティブで自己犠牲の精神が旺盛、依存心が強く自尊心が低い傾向にあります。
また優柔不断で人にものを伝えるのが苦手なタイプも当てはまります。スペックは少し地味な見た目で、夫よりも年下であるケースが多いです。
彼女たちはモラハラを受けるうちに自分の意見を持たなくなり、「どうしたら夫を怒らせずに済むか」を最優先に行動するようになります。
子どもの自由や幸せよりも夫のご機嫌を優先してしまうようならば、モラハラ夫の洗脳は完了していると考えてよいでしょう。
大人以上に悪影響が出るのは子ども
人格が完成しきっていない幼少期~青春期における親の影響は計り知れません。
通常の父親ならば「悪いことをしたら怒る」「何かできたら褒める」という具合ですが、モラハラ夫は子どもの行動に関わらず気分で怒ったり機嫌が良くなったりします。そのため「何が良くて何が悪いか」の判断基準が「父親の気分」に依存してしまうのです。
放っておくと周りの顔色ばかり伺う人間になってしまう
父親の気分で怒られる日常を過ごしているうちに、怒られないための術を身につけるようになります。放っておくと周りの顔色ばかり伺う人間になってしまいます。
また目の前で母親が叱られている姿を見ることで「自分が至らないせいで母親が怒られている」「自分は本当にダメだ人間だ」と自己評価を下げてしまうのです。
もしかしたら「自分も大人になればああやってストレス発散ができる」「自分の妻や子どもになら理不尽なことを言っても許されるものだ」と間違った考えを植え付けることにもなりかねません。
モラハラ夫への対処法
モラハラ夫への対処に困っているという方は、焦らず一歩ずつ事を進めることが肝心です。そんなモラハラ夫への対処法をご紹介いたします。
まずは自分の意思をしっかりさせよう
まずは自分がどうするべきか、自分の意思で決めることが大切です。親や友人に離婚を勧められたからといって、安易に従ってはいけません。
モラハラ被害に合っている女性は、誰かに従っていることが1番楽だと思い込んでしまっているのです。それでは強いものに従えばよいモラハラと何らか変わりありません。
そこで「離婚するのか」「裁判をするのか」「親権をどうするのか」など、すべて自分の意思で決断しましょう。
子どものためにも別れを選択する勇気を
しかし中には「子どもには父親が必要だから」と子どものために縁を切れない女性も存在します。しかしモラハラの被害は妻だけにとどまりません。
悪影響でしかない父親のそばにいるくらいならば、別れを選択する勇気を持つことも必要です。自分のせいで離婚せず苦しい状況に身を置いている母親を、子どもが見たいと思うわけがありません。
証拠を集めて離婚の準備を
離婚を決意したからといって、それをすぐモラハラ夫に伝えては意味がありません。自分の正当性を詰めたてさらに妻や子どもへの風当たりが強くなってしまうだけです。そこでまずはコツコツ証拠を集めましょう。
言葉でネチネチ責めてくるのなら、小型のレコーダーを常備しておくと良いでしょう。また病院に行って精神病の検査を受け、診断書をとるのも効果的です。さらに毎日「何をされたのか」「何を言われたのか」などを記録する日記帳なども証拠として有効です。
外面もよく社会的地位のあるモラハラ夫の場合、いくら言葉で訴えても信じてもらえない可能性もあります。そこでこうした地道な証拠集めが役に立つのです。
親や友人、上司などにも協力を求めて
自分だけではどうにも言い負かされてしまう、逃げきれないと判断した場合には第三者を頼ることも必要です。経済的にも制限がある場合は、一時的に支援してもらわなければならないこともあります。
モラハラ被害が深刻な場合、友人や家族との交流も断絶されていることもあるでしょう。しかし説明すればモラハラ夫が原因だと分かってくれるはずです。相談する勇気を持って一歩を踏み出しましょう。
警察や弁護士の介入も視野に
場合によっては警察や弁護士を介入せざるをえなくなることもあります。モラハラ夫に1番効果的なのは、こうした法による制限だからです。
しっかりとした証拠をつかんでいる場合、弁護士に任せれば夫に直接会うことなく離婚まで進めてくれるでしょう。子供や妻への接見禁止令も出し、二度と近づかれないように手を打ちましょう。
モラルハラスメントは有責対象ですので、慰謝料を受け取ることも可能です。新たな人生に不安もあるかと思いますが、我慢して結婚生活を続ける必要は全くありません。
離れることで洗脳が解けることも
精神的に辛くてどうしようもない場合、まずは相手から距離と時間を取ることが肝心です。多くのモラハラ被害者の場合、長く時間を共にすることで洗脳状態に陥っているのです。
そのため少しでも一緒にいる時間を減らし、自由な時間を過ごしてみるのです。「いなくなったら怒られるかも」という気持ちもあるでしょうが、モラハラ夫の権力が及ばない場所でゆっくりしているうちにその考えも徐々に消えていくはずです。
まとめ
いかがでしたか?モラハラ夫はプライドが高くコンプレックスを隠すために妻や子どもを精神的な暴力で追い詰めます。
自分の心と子どもを守るためにも、まずは考え方を改めて自分の意思を持つことが大切ですよ。