妊娠中にいぼ痔になる原因は?治療法は?痛い時の対処法は?

妊娠

妊娠中は、身体のいたるところに、いつもとは違う症状が出やすいです。個人差はあるものの、体質や体調の変化から、今まででは想像もしていなかったような、治療を受けることがあるでしょう。

中でも、女性にとって人になかなか相談できず、放置しがちなのが「いぼ痔」です。お医者さんに診せること、薬を買いに行くことにも躊躇してしまう人が多いでしょう。しかし、お腹が大きくなり、臨月が近づく度に酷くなる傾向があるので、早めの対処を心がけたいところです。

ここでは、妊婦がいぼ痔になる原因から、薬や手術などどういった治療法があるのかをまとめました。また、いぼ痔で痛い時に自分でできる、対処法は何かあるのかについて見てみましょう。

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妊娠中にいぼ痔になる原因は?

いぼ痔で痛がる女性

妊娠中になぜいぼ痔になるのか、その原因は、大きく分けて3つあります。

便秘

いぼ痔になる主な原因が、便秘です。妊娠中は、様々な要因から便が硬くなりやすく、詰まりやすいです。また、硬い便を無理やり押し出そうとすることで、肛門に圧力がかかってしまい、痔の原因になります。

胎児の成長

妊娠すると、一般的には10か月の間に胎児がどんどんと大きくなります。胎児の成長と共に、子宮が大きくなり、肛門や直腸といった内臓器官が圧迫されます。特に妊娠後期には便の詰まり、うっ血、血行不良、そして痔になりやすくなります。

血行不良

妊娠中は運動不足になりやすく、直腸周辺の血行不良が起こってしまうことがあります。身体の運動不足は、内臓器官の運動とも直接連動しています。特に、普段から運動不足であった人は、妊娠後期にいぼ痔になりやすいです。

妊娠中のいぼ痔の治療法は?

医者

妊娠中にできたいぼ痔の治療は、どのように行えばいいのか、治療法について知っておきましょう。

薬をもらう

妊娠中のいぼ痔の対策には、産婦人科で軟膏を処方してもらうのが一番です。「ネリプロクト軟膏」などは、妊婦さんでも安心して使えるお薬で、即効性があります。痛くて仕方がない場合には、まずは軟膏での改善をしてみるとよいでしょう。

手術をする

症状がひどい場合には、出産前に手術をすることをお勧めされることがあります。これは、出産時に痔が痛いと、うまくいきむことができず、正しい出産を行えないことがあるからです。

また、出産後は、しばらく手術を行うことができません。症状によっては、出産のいきみと同時に、いぼ痔が悪化してしまうことがあります。産婦人科の医師の判断にもよるかと思いますが、手術をするべきか相談をするとよいでしょう。

自然治癒

妊娠中にできた(悪化した)いぼ痔は、症状によってですが、出産後に良くなることが多いです。お腹の中の胎児、ホルモンバランスの乱れなど、妊娠時特有の症状が原因であれば、出産後に自然と改善されていきます。

妊娠中のいぼ痔が痛い時の対策・対処法は?

すっきりしている女性

いぼ痔になって痛い時に、何か自分でできるような対策や対処法はあるのか、いくつかご紹介いたします。

便秘を予防・改善する

いぼ痔になったときには、これ以上ひどくならないように、少しでも改善させるための便秘予防と改善が必要です。

たとえば、食物繊維や水分をしっかりと摂り、適切な硬さの便を作るように促します。トイレは我慢しないのが鉄則で、こまめにトイレに入るようにするのもおすすめです。

リラックスする

リラックスしている女性

妊娠中はマタニティーブルーなどという言葉がある通り、ちょっとしたことでストレスを受けやすいです。身体が疲れると、心も疲れてくるので、ゆったりとした生活を送ることをお勧めします。

ストレスでイライラし、気分が落ち込むと、消化器管に影響が出ます。血行が悪くなり、いぼ痔の原因である、便秘やホルモンバランスの乱れを招きやすくなるので、気を付けましょう。

血流をよくする

妊娠中はおなかの子供が大きくなり、知らず知らずのうちに、身体の一部分のみに負担をかけてしまうことがあります。立ちっぱなし・座りっぱなしなどで、長い時間同じ体勢でいるのは、うっ血の原因となります。

また、リラックスしている時には、下半身を冷やさないようにして、血行を良くすると、肛門周りの血流もよくなります。シャワーだけではなく、半身浴をしたりして、リラックスするのも妊婦さんにおすすめです。

清潔にする

いぼ痔を治すためには、患部を清潔に保つことが大切です。お風呂では丁寧に、やさしく洗って清潔に保つようにしましょう。トイレに入ったら、ウォシュレットを使用するようにして、少ない刺激でやさしく清潔にするのが大切です。

馬油

軽度のいぼ痔であれば、馬油を使用することで、痛みを防ぐことができます。馬油はお風呂上りに少量を手に取り、出ているいぼに塗り、押し込むようにするとよいです。もし日中に痛い時は、おしり拭きなどで清潔にしてからにしましょう。

市販薬

痔で売られている市販薬には、妊娠中の女性の使用におすすめできないものがあります。わかりやすい成分では、”ステロイド”が入っているタイプは、母体と胎児に好ましくないとされています。

ただし、ステロイド入りではない場合でも、できれば医師に相談をしての使用が好ましいです。緊急時でどうしても「市販薬がほしい」という場合には、ドラッグストアの薬剤師に相談をするなどして、適切なお薬を探しましょう。

非ステロイド軟膏一例

ボラギノールM軟膏
出典:amazon.co.jp

※ボラギノールM軟膏

プリザクールジェル
出典:amazon.co.jp

※プリザクールジェル

どちらもCMなどでおなじみの、知名度の高いお薬なので、どちらか1つは売り場で見つけられるはずです。

まとめ

妊娠中に、初めていぼ痔を経験する人は少なくありません。ホルモンバランスが変化、運動不足、胎児の成長に伴って腸の動きがにぶくなり、痔が起こりやすいです。多くの人が妊娠後期に、いぼ痔になるものですが、もともと便秘気味の人は妊娠初期から引き起こしてしまうことがあります。

男性に比べて女性は、便秘になりやすく、いぼ痔になりやすい原因を抱えています。妊娠中はさらに便が出にくく、肛門に力が加わってしまうので、早いうちに改善・対策をすることをお勧めします。

妊娠中は摂取できる薬が限られているのと同じで、外科用の薬でも成分に気を付けなければいけません。

いぼ痔も産婦人科の先生に相談をするのが好ましく、仮に無理な場合でも薬剤師や肛門科・皮膚科の先生に訪ねてみましょう。症状によっては、出産前に手術をした方がよい場合と、そうではない場合がありますので、専門家の判断を聞くようにしてください。

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