妊婦健診で使える補助券。初めて手にした人は、これはなんだろう? と不思議に思ったのではないでしょうか。
そもそも「妊娠は病気ではない」という考え方から、妊婦健診に健康保険は適用されず全額自己負担が基本です。でもそれではあまりに高額なため、補助券という形で費用を助成しようというのが、この制度の目的。
補助券は母子手帳と一緒にもらえるのが一般的ですが、自治体によってその金額、助成内容も様々です。
“券を使っての助成”という一風変わった助成方法なので、いろいろな疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、補助券について多くの妊婦さんが「知りたい」と思っているであろうことを、まとめました。
ただし、助成内容や金額は自治体によってかなり異なるため、ここでは一般的な例を紹介しています。詳細は自分の住んでいる自治体に確認するようにしてください。
妊婦健診の補助券っていつから使えるの?
妊婦健診の2回目から使用できるのが一般的です。母子手帳と補助券は、「医療機関で妊娠判定されてから」交付される自治体がほとんど。
したがって妊娠判定のために一度は産婦人科を受診する必要があり、この初回分は補助券なしの実費を支払うことなってしまいます。
妊婦健診の補助券が余ったら換金してもらえるの?
補助券が余った場合、助成の申請をすることでお金を返還してもらえる制度があります。ただし、返還に関して例えば次のような条件を設けている自治体も多いようです。
- 補助券が使えない医療機関で健診を受けた場合(里帰り出産など)
- 1回の健診費用が補助券の金額を下回り、補助券が使えなかった場合など
余った補助券を無条件に“換金”できるわけではありませんが、損をしないためにも、対応を役所に確認しておくといいでしょう。
手続き方法は、補助券の余りと受診先の領収書などと一緒に、申請書を提出するのが一般的です。返還の上限金額や、申請の方法も自治体によって異なるため、問い合わせてみてください。
※申請は忘れずに※妊婦健診の補助券が足りない時はまたもらえるの?
補助券は、基本は全部で14回分。足りない分は残念ながら再発行されない自治体がほとんど。
予定日を過ぎた時など、補助券を使い切ってしまった後の健診は自己負担となります。ちなみに、独自に枚数を増やしている自治体もあるようです。
妊婦健診の補助券は転居したらどうすればいいの?
転居した場合は、基本的には元々住んでいた自治体の補助券は使えません。もちろん、同じ自治体内での転居であれば、引き続き使用できます。また、隣接する市の場合は継続して使えることもあるようです。
元の自治体での未使用分の補助券は、新しい自治体の補助券に交換してくれることも。詳しくは、移転先の自治体に問い合わせてみてください。
妊婦健診の補助券分は医療費控除の対象となるの?
妊婦健診費用は医療費控除の対象となります。ただし対象は、実際に負担した分のみ。補助券分を差し引いた金額です。
妊婦健診の補助券をなくしたらどうなるの?
補助券を紛失した場合、再発行はできない自治体がほとんどのようです。
補助券がないと、基本的に妊婦健診は全額自己負担となってしまいます。なくさないようにしておいてください。ちなみに、母子手帳は再発行できます。
入院中の妊婦健診で補助券は使えるの?
妊娠悪阻や切迫早産などで入院中であっても、定期的に妊婦健診は行います。その健診で補助券が使えるかどうかは、自治体の制度により異なります。
補助券が使える自治体が多いようですが、自分の住んでいる自治体ではどうなのか、問い合わせておくといざという時に安心です。
双子だと妊婦健診の補助券は2人分もらえるの?
自治体により、対応はさまざまなようです。2人分の補助券をもらえる自治体もあれば、1人分プラスアルファの助成を行っているところも。
双子の場合は健診回数が多いのが一般的なので、それをカバーするような制度を設けている自治体が多いようです。多胎妊娠の場合にどのような助成があるのかは、住んでいる自治体に問い合わせてみるといいでしょう。
妊婦健診で補助券を忘れたら自己負担になるの?
忘れた当日は、まずは自己負担で支払うことが多いようです。後日、自己負担分を払い戻ししてもらえるかは、自治体や病院によっても異なります。
助産院の妊婦健診で補助券は使えるの?
基本的には、使えると思っていていいでしょう。ただし、助産院での補助券の使用方法については、自治体によって異なるようです。
- 指定の助産院でしか使えない
- 使える補助券の金額が決まっている
など、制限付きの場合も。
まとめ
妊婦の経済負担を軽減させる目的の補助券。その内容は自治体によって千差万別と言えます。なぜ、こんなに自治体ごとに、内容や金額に差が出ているのでしょうか。
妊婦健診の助成に使えるお金は、国から「地方交付税」という形で地方自治体に渡ってます。でもこの「地方交付税」は、自治体が使い道を決められるもの。そのため財政難の自治体は、妊婦健診の助成に使わずに別の用途に使ってしまうことが多いのだそうです。結果、補助される金額や内容が自治体ごとにバラバラになってしまったというわけです。
このような背景からも、詳細は自分の住んでいる自治体に確認するのが一番確実です。何かとお金のかかる妊娠、出産、育児。損をしないように、助成制度は十分に活用したいものです。自治体への確認、情報収集はしっかりと行うようにしてください。