乳児湿疹の適切なケア方法!赤ちゃんのために今日からはじめよう!

女性育児

赤ちゃんの肌は大人の肌よりもずっと薄く、バリア機能も未熟なことから、さまざまな肌トラブルを生じやすいものです。乳児期にみられる湿疹などの肌トラブルを、総じて乳児湿疹と呼びます。

乳児湿疹を引き起こすものには、乳児脂漏性湿疹や乾燥性湿疹、あせもにオムツかぶれなど多くの種類があり、それぞれケア方法も異なります。

湿疹の種類に応じた適切なケアをおこない、赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。

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乳児脂漏性湿疹・新生児ニキビのケア(生後3ヶ月頃まで)

寝ている新生児

乳児脂漏性湿疹や新生児ニキビは、過剰に分泌された皮脂が皮膚の表面に蓄積し、毛穴や汗腺を塞ぐことで生じるものです。

髪の生え際や眉の辺りに黄色いかさぶたのようなものが付着し、おでこや頬に赤い湿疹がみられたりします。

肌を清潔に保つ

乳児脂漏性湿疹や新生児ニキビのケアとしては、皮膚に付着した皮脂をきれいに取り除き、肌を清潔に保つことが最も重要となります。

ワセリンやオイルでふやかす

肌にこびりついた黄色いかさぶた状のものは、皮脂と汚れが固まったものです。これを指で無理に剥がそうとすると肌が傷ついたり、皮脂と一緒に髪の毛が抜けてしまったりします。

肌を傷つけるとそこから細菌が感染する恐れもあるので、なるべく肌にダメージを与えないように取り除くことが肝心です。そのためには入浴前などにワセリンやベビーオイルなどを皮脂の塊にたっぷりと塗り、やわらかくふやかしてあげるとよいでしょう。

頑固な汚れはしばらくラップなどで覆っておくと、よりやわらかくなりやすいです。こうしてふやかした上で洗い流すと、肌に刺激を与えることなく汚れをきれいに落とすことができます。

刺激の少ない石けんを選ぶ

皮脂が原因で生じる皮膚トラブルでは、基本的に石けんを使用したほうが汚れがきれいに落ちるため良いとされています。赤ちゃんの肌に使用するものですから、なるべく香料や添加物が少なく、肌への刺激の少ないものを選ぶようにしましょう。

石けんはよく泡立てる

石けんはよく泡立てたほうが汚れを落としやすく、肌への刺激が少なくて済みます。固形石けんを赤ちゃんの肌に直接擦りつけて洗う方法は、汚れが落ちにくいばかりか、肌への刺激も強くなりますので注意が必要です。

キメ細やかな泡をつくるには泡立てネットを使用すると便利ですが、赤ちゃんを抱っこしながら泡立てる作業を行うのは結構大変なものです。最初から泡状で出てくるソープを使用すれば、片手でプッシュするだけなので泡を作る手間も省けます。

肌を擦らない

赤ちゃんの肌はデリケートですから、汚れを落とそうと肌を強く擦るようなことは、新たな肌トラブルを引き起こしかねません。泡立てた石けんをたっぷりとつけ、指の腹を使ってくるくるとマッサージするように優しく洗ってあげましょう。

保湿はほどほどに

新生児の耳

皮脂が過剰に分泌されて生じるのが、乳児脂漏性湿疹や新生児ニキビです。皮脂には保湿効果がありますから、これがたくさん分泌されている生後3ヶ月頃までは、保湿剤などを使用する必要性は低いといえます。

特にワセリン(プロペト)は皮脂腺や汗腺を塞いでしまいますので、乳児脂漏性湿疹を悪化させてしまうことがあります。保湿剤を使用するのは、赤ちゃんの肌が乾燥してくる生後3ヶ月以降でよいでしょう。

ただし皮脂の分泌量が減ってくる時期には個人差がありますので、肌の状態をみて調整する必要があります。

ひどくなったら病院へ

乳児脂漏性湿疹は肌を清潔に保っていれば、ほとんどが自然に治っていきます。しかし湿疹から滲出液が出てジュクジュクしていたり、顔が湿疹で真っ赤になったりするようなことがあれば病院へ行きましょう。

また乳児脂漏性湿疹は顔や頭にできるのが特徴ですから、顔より下に湿疹が拡がるようなことがあれば受診した方がよいでしょう。

関連記事乳児湿疹の病院での治療は?治療薬の種類は?ステロイド剤は安全?

乾燥性湿疹のケア(生後3~4ヶ月以降)

乾燥肌の赤ちゃん

皮脂の分泌が盛んだった赤ちゃんの肌は、生後3~4ヶ月頃には一転して乾燥肌に転じます。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、湿疹などの肌トラブルを招きやすくなります。

赤ちゃんの成長とともに、脂漏性湿疹から乾燥性湿疹へといつの間にか移行していたということも少なくありません。

お湯のみで洗う

脂漏性湿疹の場合石けんで洗う方法が適切ですが、乾燥性湿疹では石けんを使わずにお湯のみで洗うようにします。

乾燥性湿疹は皮脂が不足して生じるものですから、石けんを使うと肌の保湿に必要な皮脂を落としてしまい、乾燥肌が酷くなってしまいます。

乾燥の強い場所はお湯のみで洗うようにして、汗などがこもりやすい腋の下や陰部などは石けんで洗うようにするとよいでしょう。

保湿はしっかりと

保湿クリーム

肌の乾燥を防ぐため、保湿はしっかりと行いましょう。特にお風呂上りは肌の水分が急速に失われていくため、お風呂から出たらなるべく5分以内に保湿することが望ましいです。

クリームやローションなどの保湿剤を使い、全身をくまなく保湿してあげるようにしましょう。病院で処方された塗り薬がある場合は、保湿剤を塗ったあとに患部に塗るようにしましょう。

赤ちゃんの爪は短く

乾燥性湿疹はかゆみを伴うことが多く、赤ちゃんが自分で掻いてしまうことが多々あります。引っ掻き傷や掻き壊した湿疹に細菌が感染してしまうこともありますので、赤ちゃんの爪は短く切り揃えておきましょう。

赤ちゃんは手で色々な物に触れることで脳の発達が促されるともいわれているため、ミトンの常時着用はなるべくなら避けるのが望ましいです。

アトピー性皮膚炎

アトピーの赤ちゃん

アトピー性皮膚炎はアレルギーによって乾燥性の皮膚症状を生じているものが多く、乳幼児の場合は主に食物アレルギーが関与します。乾燥性の湿疹が2ヶ月以上続き、顔だけでなく四肢や体幹にも拡がってきた場合、アトピー性皮膚炎の可能性があります。

自宅でのケアは乾燥性湿疹と同様で、洗い過ぎて皮脂を落とし過ぎないこと、肌の保湿をしっかり行なうことが重要です。

薬がある場合は使用する

病院では保湿剤に加え、ステロイド剤などの外用薬が処方されることが多いです。

多くの場合2歳頃までには軽快しますが、炎症をきたしている状態が続くと将来的にアトピー性皮膚炎だけでなく喘息や花粉症といったアレルギー疾患を発症しやすくなるともいわれていますので、早めに治してあげるようにしましょう。

アレルゲンの除去

卵と牛乳

2歳以下のアトピー性皮膚炎では卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーが関与しているケースが多いです。そのためアトピー性皮膚炎が疑われた場合、アレルギーの有無を調べる血液検査が行われることがあります。

もしそれらのアレルギーがアトピー性皮膚炎の原因である可能性が高いと判断された場合には、母乳や離乳食からアレルゲンを除去する対応が必要となることがあります。

しかし食物アレルギーがあるからといって、必ずしもそれがアトピー性皮膚炎の原因であるとは限りません。卵や牛乳、小麦などはいずれも大切な栄養素ですから、食物の除去は安易な判断で行わず、必ず医師の指示のもとで行うようにしましょう。

その他の肌トラブルのケア

その他のいずれの肌トラブルも、ケアの基本は皮膚の清潔を保つことです。ひどいものでなければ、それだけで症状は軽快します。薬を塗る場合は、皮膚を清潔にした上で使用するようにしましょう。

オムツかぶれ

オムツ姿の赤ちゃん

オムツの交換はこまめに

オムツの中は排泄物や汗の刺激で、とても肌がダメージを受けやすい環境にあります。オムツはこまめに取り替えるようにし、ギャザーやテープで締めつけ過ぎないように気をつけてあげましょう。

カビが原因となることも

蒸れやすいオムツの中はカビが繁殖しやすく、カビがオムツかぶれの原因になることがあります。かぶれを引き起こすのはカンジダというカビで、この場合抗真菌薬による治療が必要となります。

通常のオムツかぶれの薬では軽快せず、ステロイド外用薬を使用すると悪化するため要注意です。オムツかぶれがよくならない場合はカビが原因かもしれませんので、病院で診てもらうようにしましょう。

あせも

裸の赤ちゃん

汗をかいたらすぐに対処を

汗が分泌されるところを汗腺といいますが、赤ちゃんと大人の汗腺の数はほとんど変わりません。つまり体表面積が小さな赤ちゃんはそれだけ汗腺の密度が高く、あせもができやすい状態にあるといえます。

また赤ちゃんは暑くても訴えることができず、汗をかいても自分で拭いたり着替えたりできないため、周囲が気をつけてあげなければなりません。汗をかいたらこまめに衣服を着替え、汗を拭いたりシャワーで洗い流したりしてあげてください。

汗をかきにくい環境を整える

夏だけでなく、暖房を使用する冬もあせもができやすい季節です。赤ちゃんのいる部屋の室温は適温に保ち、衣類や掛け物を調整して、赤ちゃんが汗をかかない環境を整えてあげることが大切です。

赤ちゃんの体温は高いため、衣服は大人より1枚少なくてよいとされています。

よだれかぶれ

女の子の赤ちゃん

口周りをこまめに拭う

赤ちゃんは生後3ヶ月以降になると唾液が出はじめ、生後6ヶ月頃になるとさらに分泌量が増します。その頃の赤ちゃんは分泌された唾液をうまく飲み込めないため、よだれとなって口の周囲を汚しがちです。

デリケートな赤ちゃんの肌はよだれの刺激でも容易にかぶれますので、そのまま放置せずに清浄綿などでこまめに拭いてあげましょう。

口周りの保湿を

よだれを拭いてばかりいると口周りの皮膚が乾燥しますので、清浄綿などで拭ったあとは保湿剤でしっかりと保湿しましょう。保湿剤が皮膚の表面を覆うことで、唾液の刺激から肌を守ることにも繋がります。

スタイの着用は避ける

スタイは服を汚さずよだれを拭くのにも便利ですが、よだれの多い時期にスタイを着けるとよだれかぶれが酷くなることがあります。スタイを着用すると大抵はよだれの染み込んだスタイで何度も口を拭くことになりますから、唾液を口周りに塗り広げることになります。

また一度よだれを拭いたスタイには細菌が繁殖しますので、それで再び口周りを拭うことはよだれかぶれをさらに悪化させることに繋がります。スタイを着用するなら食事の際だけにし、普段は避けるようにしたほうがよいでしょう。

まとめ

乳児湿疹を引き起こす原因はさまざまで、それぞれ適切とされるケアの方法も異なります。症状だけでは一見して区別がつきにくいことも多いため、ケアを続けても症状が改善しない場合は、湿疹を引き起こしている原因が思っているものと違う可能性もあります。

湿疹の種類によっては自宅でのケアだけでは軽快しないものもあるので、よくならないときには病院で診てもらうようにしましょう。

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