多くの幼稚園で、春先には親子遠足が行われます。
それは、園児たちにとってはとても楽しみな行事ですが、下に小さなお子さんがいるママにとっては、下の子をどうするかが大きな問題になります。
連れて行った方がいいのか、連れて行かない方がいいのか、それぞれの家庭の状況にも依りますが、悩むところです。
ここでは、親子遠足で下の子をどうするかという問題について、考えられる状況別に対策を提案します。また、もし、連れて行くことになった場合の注意点やポイントについても説明しましょう。
さらに、いくしぇあ事務局で独自調査を行い、親子遠足に下の子を連れていった経験のある方に、注意点などのアドバイスを頂きました。
親子遠足で下の子も連れて行った方がいいの?
親子遠足の案内を幼稚園から受け取ったら、まず考えてしまうのが、「下の子をどうしよう」ということではないでしょうか。下の子を連れて行くにしても預けるにしても、どちらも大変なことには違いありません。
ですが、可能であれば、最善はズバリ、「下の子は連れて行かない」という選択です。
下の子を連れて行かない方が良い理由
なぜ、下の子を連れて行かない方が良いのかは、幼稚園が狙いとしている親子遠足の目的に答えがあります。
親子遠足は主に春に行われますが、それは幼稚園側が考慮してのことです。
- 親同士の顔合わせや交流
- 先生と親との交流
- 親が幼稚園での園児の様子を見る
- 先生が親子の関係を見る
- 親子で楽しむ
親子遠足は、幼稚園が狙いとしている目的のために開催されるため、スケジュールやレクリエーションなど、「1人の園児につき1人の親」ということを基本に考えられています。
ですが、下の子を連れて行く場合には、親は二人の子供を見なければならなくなり、下の子に手がかかってしまうため、どうしても園児にはあまり注目できなくなってしまう可能性があります。
また、下の子がいると、園児と一緒に行うレクリエーションを十分楽しめないかもしれません。
さらに、下の子がぐずって、そちらにかかりきりになってしまった場合には、上の子が一人になってしまわないように、誰かに手を貸してもらう必要がでてきます。
そうなれば、協力してくれた他のママたちに申し訳なく思い、気を使うことにもなりますし、ときには、園児自身も寂しい思いをするかもしれません。
下の子がいる場合、上の子はもっと甘えたいと思っていても、家では何かと我慢することが多いものです。
ママと二人きりになれる機会がめったにない上の子にとっては、数時間であっても、親子遠足の間はママを独り占めできる特別な時間になるのです。
状況別の対策案
ここでは、それぞれの状況別に対策案を挙げてみましょう。
下の子を連れて行かない場合
下の子を連れて行かない方がいいのはわかったとして、そのためには、どのような方法をとれば良いのでしょうか。具体的には4つの方法が考えられます。
パパが仕事を休める場合やおばあちゃんが近くに住んでいる場合には、思いきって下の子はパパやおばあちゃんに預けましょう。ママにとっても上の子と二人きりの時間は、とても貴重な時間になります。
下の子が赤ちゃんの場合には、完全母乳のこともあるでしょう。そうであれば、ママが下の子と離れるのは、難しいかもしれません。
その場合には、ママが下の子とお留守番をして、パパに遠足に行ってもらうのが良いでしょう。パパがどうしても仕事を休めない場合には、おばあちゃんでもかまいません。
親子遠足は、ママじゃなきゃいけないわけではありません。それぞれの事情で、パパやおばあちゃんが行く家庭が他にもあるはずです。
仮に母乳の問題がなくても、赤ちゃんを長時間紫外線にさらしたり、砂埃の多いところを連れまわしたりすることは、望ましくありません。
生後1か月や2か月の首の座らない赤ちゃんなら難しいかもしれませんが、そうでなければ、保育園や託児所の一時預かりを利用するのもひとつです。
地域によっては、一時預かりをしてくれる保育園がなかなか見つからないこともありますが、役所に問い合わせをすれば、教えてもらえる場合もあります。
下の子の月齢が低いために連れて行くことができず、家族も都合がつかない場合には、園児ひとりで親子遠足に参加することが可能かどうかを事前に幼稚園に相談してみましょう。
親代わりになって参加してくれる先生がいる場合もあります。また、仲の良いママがいる場合には、一緒に連れて行ってもらえないか、相談してみてもいいかもしれません。
下の子が熱を出した場合
親子遠足の前日や当日に、下の子が熱を出すなど体調不良になった場合には、予定通りにはいかない可能性が高くなります。
まず、親子遠足に下の子を連れて行くという選択肢はなくなります。この場合の選択肢は、以下の3つです。
普段から慣れているパパやおばあちゃんなら、「熱があっても大丈夫」と言ってもらえるかもしれません。
もし、そうであれば、気にはなるでしょうが、ここは甘えて、ママは下の子を預けて親子遠足に行くとよいでしょう。
小さいお子さんは、体調が悪いとどうしてもぐずりがちで、慣れていないパパやおばあちゃんとのお留守番は、かなりハードルが高くなります。
パパやおばああちゃんも預かるのが不安になり、ママは下の子から離れることが難しくなるかもしれません。
そのような時には、役割を交代して、パパやおばあちゃんに親子遠足に行ってもらうのがベターです。
もともと、誰にも見てもらえないことから、ママがひとりで園児と下の子を連れて親子遠足に行く予定にしていた場合や一時預かりに預ける予定にしていた場合が、一番困ります。
下の子が熱を出してしまうと、ママは遠足に行けなくなります。この場合、「休む」という選択肢も出てくるとは思いますが、一度、幼稚園に相談してみましょう。
先生が面倒を見てくれる可能性もありますし、他にも園児だけが行く家庭があるかもしれません。親しいママがいる場合には、事情を伝えれば、きっとサポートしてくれるでしょう。
「下の子の具合が悪いからママは遠足に行けなくなった」という説明では、園児は納得できないかもしれません。
せっかく楽しみにしていたのに、「下の子のせいで」となると、自分より下の子が大事にされていると思ってしまうこともあります。
わざとらしくてもかまわないので、咳をしながら「ママが風邪をひいた」ということにして、一緒に遠足に行けないことを謝りましょう。
そして、先生やお友達のママが一緒にいてくれることを話して、安心させてあげてください。
帰ってきたら「○○ちゃんのおかげで元気になれたよ。ありがとう」と声をかけてあげることも忘れずに。
今回は見合わせるという選択
赤ちゃんが生後3か月以下で、あらゆる方法を考えても状況的に難しい場合には、「今回は見合わせてお休みする」という選択肢があってもよいでしょう。
親子遠足は一回だけではありませんし、行かなかったからといって、幼稚園の生活に影響が出るわけでもありません。何を優先すべきかを考えると、仕方ないこともあります。
ただし、「次の親子遠足は一緒に行くからね」と約束をするなど、上の子のフォローだけは怠らずにしっかりとしてあげましょう。
親子遠足で下の子を連れていく際の注意点は?
誰にも預けられず、一時預かりも利用できないとなれば、ママひとりで下の子も連れて親子遠足に参加することになってしまいます。
その際には、いくつかの押さえておくべきポイントや注意すべき点があります。
幼稚園に事前の報告や相談をする
園ごとに親子遠足にはそれぞれのルールがあるので、まず、それを確認することが大事です。そのうえで、下の子を連れて行くことを園には事前に報告して、相談しておきましょう。
下の子を預けられない人は他にもいるでしょうし、先生もそのようなことは毎年経験しています。不安に思うことを話せば、きっと何かアドバイスがもらえるはずです。
パパやおばあちゃんが付き添いとして、下の子も連れて親子遠足に一緒に行くというケースがあると耳にします。
園のカラーや地域によっては、比較的そのようなケースが多いところもあるようですが、本来の親子遠足の目的からすると、あまりおすすめではありません。
- 下の子を連れて行く場合の料金や決まりについて(多くは事前の「お知らせ」で確認できます)
- バスで行く場合、ベビーカーを積んでもらえるかどうか
- バスの中など、園児たちがおやつを食べない時間に、下の子におやつを与えても良いか
- 授乳やおむつ交換のために、上の子から離れなければならない場合の対応について
授乳する場所の確認と準備
下の子がまだ授乳が必要な場合には、授乳する場所も事前に考えておく必要があります。園にも確認してみましょう。遠足の行き先に授乳室があるとは限りません。
母乳しかダメな場合には、授乳ケープを持参するのがおすすめです。
お弁当の時間は、上の子がそばにいますし、近くに他のママもいるので、授乳タイムには最適です。授乳ケープがあれば、屋外であっても授乳ができます。
また、行き帰りのバスの中は、授乳には比較的安心ですが、他の園児のパパが近くに座っていることもあるため、バスの中でも授乳ケープが活躍します。
粉ミルクを飲んでくれるのなら、母乳よりは外出先での授乳がしやすくなります。いつもは母乳の赤ちゃんでも、一度飲んでくれるかどうか、事前に粉ミルクを飲ませてみてはいかがでしょう。
携帯に便利なスティックタイプの粉ミルクも売られています。ただし、ふだんミルクを飲んでいる赤ちゃんは、いつもと違うミルクだと飲んでくれないことがあります。
いつもとは違うタイプのミルクを遠足に持参する際には、事前に一度赤ちゃんに試してみてからにしましょう。
下の子のペースを考慮する
1歳や2歳の下の子が、園児たちと同じように行動してしまうと、疲れすぎてしまったり、熱中症になってしまったりする恐れがあります。
そんな時には、下の子を途中で少し休ませてあげる必要があります。その間、上の子を少し見ていてもらえるように、先生やお友達のママに相談して、手助けしてもらいましょう。
動きやすいバッグやスタイルを選ぶ
下の子がまだ赤ちゃんなら、ベビーカーやだっこ紐が必要ですし、年齢に関わらず、当然、下の子用の荷物が増えます。持ち物をリストアップして、忘れ物をしないように持って行くようにしましょう。
下の子の年齢によっても違いますが、お弁当以外にも、ミルクや離乳食、おやつや着替えなど、かなりの量になることを覚悟してください。
遠足の途中で、下の子が飽きてぐずったりしないように、できればお気に入りのおもちゃなども持って行った方がいいでしょう。
ママは、なるべく両手をあけることができるリュックやショルダーなどのバッグを選び、動きやすいスタイルを心がけましょう。
親子遠足に下の子を連れて行かれた先輩ママからのアドバイス
親子遠足に下の子を連れて行かれた経験のある先輩ママさんに、経験者としてこうした方がいい、注意点などアドバイスを答えて頂きました。

お菓子類は機嫌を取るのにかなり役立ちます。ミルクを利用している方は、2本位は作っておいて、保温便に入れておくと便利でした。

大型犬用のトイレシートなので吸水力はあるし、軽いし捨てられるのがありがたい。おしゃれなオムツシーツは遠足には勿体ないですものね。

目的地に着いても集団行動なので、グズって泣いたりしないよう赤ちゃんせんべいや飲み物で機嫌を見ながら一緒に過ごしました。
使い慣れているものと目新しいものを上手く使い、上の子も下の子も快適に過ごせるように、現地をイメージしながら準備していくと良いと思います。

また、上の子供と手をつないだり荷物も持たないといけないので、両手は開けていた方がいいです。

抱っこよりおんぶで無理やり寝させました。とりあえず、ベビーカー可能ならベビーカーと、下の子の機嫌を取れる何かおもちゃやお菓子があるといいと思います。

いざ遠足の日は、やはり下の子のワガママでテンヤワンヤでしたが、ママ友たちが上の子を見てるよ、と言ってくれたり連れてってあげるよ、など声をかけてくれ、助かりました。

私の場合、春に自然公園に行きましたが、夏の様に暑い日で、ずっと下の子は抱っこで汗だく、荷物は倍。
他のお友達がママと思い切り遊んでいる中、上の子に我慢させでしまったり、ママ同士が楽しくお話してる中、下の子のオムツやおっぱいで余裕がなく、全て中途半端になってしまい、後悔しました。

現地までの移動手段、電車やバスの公共機関を利用すると、気を使い現地につく頃にはぐったり…なんてことも。思いきってタクシーで移動しましょう。
無駄な体力や気力を使わないので、親子共に元気に遠足から帰ってこれます。多少出費はしますが、下の子を保育園の一時保育に預けるなどした場合の費用より格安です。
子育て中は、何かと出費が多いものですが、お金は有効に使ってこそ意味があります。多少の出費で多大なストレスを抑えられるので、費用対効果を鑑みて、ひとつの選択肢としてください。

ただ同じものを同じように用意してあげないと自分のだ自分のだと喧嘩が始まってしまうので準備は倍になっていました。
あと、下は知らない子どもばかりだったので、下の子ばかりに目をやっていましたが、結構子どもは子ども同士で何となく上手くいくものなので、あまりきにしなくても大丈夫かなと思います。

親子遠足の時はそれが分かっていたので、同じクラスのお母さんに上の子を少し見てもらえるよう頼んで下の子の確保に向かっていました。
お願いしたのは子供が1人のお母さん(子供が1人なので手が空きやすい)、そして同じく下の子がいるお母さんの2人(お互いの苦労が分かり理解しやすい)。
どちらかには頼める状況を作って参加しました。

お弁当とか荷物があるとで後ろはリュックで前は抱っこ紐って感じです。
突然の雨とかにも抱っこ紐なら下の子も濡れないで済むし、寝てしまう事もあるのでこれは必需品だと思います。

お昼寝もまだする時期だったので、バスの中ではとにかく眠ってもらうように、ぎりぎりまで遊ばせて、バスに乗ったらひそかに授乳しつつ眠ってもらってました。
ぐずった時用のおもちゃ、おやつなどは準備しました。現地では多少騒いでも泣いても大丈夫だと思うので、バスの中だけ退屈しないように工夫すれば案外平気ですし、周りもお母さんとプロの保育士さんですので心配いらないと思います。

下の子の歳にもよりますが、ママとの兼用ではなくて本人用にお弁当箱を用意してあげると、ご機嫌も良かったです。
まとめ
親子遠足に下の子を連れて行くかどうかは、それぞれの家庭の事情以外にも、ママの考え方や幼稚園のカラー、地域性にも依ります。
大切なのは、1人で悩んでいないで、幼稚園はもちろん、仲のいいママや先輩ママなどに相談してみることです。
もし、下の子を連れて行くことになったとしても、周りはみんな子育て中のママなのですから、困ったときはお互い様だと考えてくれます。
サポートをしてもらったら、「ありがとう」と感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
親にとっても園児にとっても、思い出いっぱいの楽しい親子遠足になればいいですね!