月経前にあらわれるPMSで憂鬱になっていませんか?時には頭痛だったり、イライラしたり、毎回症状の出方が違う不定愁訴にため息が出ます。
でも、我慢は禁物です。もしかすると原因がわかれば乗り越えられるかもしれません。PMSは心身ともに影響をあたえますが、決して重篤な病気ではなく月経リズムの流れの中で必然的に現れるものです。
でも、ある原因が引き金となって心身への感じ方を左右し、症状という形に変えていきます。
その原因とは一体何か?何が悪いのか?そして、おおもととなる原因を知れば、症状を和らげる道が開けます。症状に至るまでのプロセスを交えながら、PMSの原因とその理由をチェックします。
PMSの対策について知りたい方は、下記のページを参考にして頂ければと思います。
PMSは赤ちゃんの部屋を作るために頑張った証!
月経前の不快症状を一概に悪者と決めつけるのはNGです。それは月経前は赤ちゃんを宿す準備のために、体の中が総出で変化を始めているときなので、その反動で様々な症状が出るからです。
PMSはきちんと子宮の環境を整えるためのプロセスで生じるもので、排卵から月経がはじまる直前までのホルモンバランスの変化があるからこそ、次へ向けた妊娠が可能なコンディションが維持されます。
では、月経開始までの流れを少し追ってみましょう。
1.排卵が起こると、妊娠に備えて脳から卵巣へ子宮の環境を整えるために必要なホルモンの分泌が促されます。
2.赤ちゃんを受け入れて生育させるための準備がはじまります。基礎体温を高くしたり、子宮内膜を厚くするなど、快適な子宮作りが急ピッチで行われます。
3.妊娠が成立しないと、準備した部屋を撤収しはじまめす。子宮強化のための女性ホルモンの分泌量が減り、子宮内膜がはがれて月経がはじまります。
ざっくりと流れを追いましたが、PMSは2のところから3に転じる最終的な子宮環境の整備であらわれやすくなります。
体の中に急ピッチで赤ちゃんの部屋を作ったのに、必要でなくなれば一気に片づけ体制の働きが生じる構図です。このとき、子宮内膜をはがすための作用を持つ月経は、エネルギーをたくさん要します。
そこで体力を維持する栄養や水分も必要になり、ホルモン分泌の変化も相乗してPMSの症状があらわれるのです。まさにPMSはお腹の赤ちんの部屋を作るために頑張った証なのです。
どんな症状が出やすい?その理由は?
さて、ホルモンバランスの変化によって月経前に不快な症状が出ることがわかりましたが、どんな症状が実際にPMSのプロセスの中であらわれるのでしょう。主だったものをチェックしてみましょう。
胎児が生育する環境を整えるために、子宮に大量の血液が必要になります。そのため、骨盤まわりを中心に血液が流れ込むので下腹部が重く感じたり、鈍い腰の痛みを感じやすくなります。
月経前になると出産に向けてエネルギーを沢山消費するため、栄養を取り入れる力が働きます。また、羊水など子宮内の環境作りにたくさんの水分が必要になるので、味覚が濃い味付けを好むようにコントロールされ、さらに食欲を増進させます。
ホルモンの分泌が活発になるので代謝も上がり、血糖値があがりやすくなります。このため、体がカロリー補給をしようと糖質を求めるので甘いお菓子についつい手が伸びます。
黄体ホルモンのプロゲステロンは基礎体温を高くして、お腹の赤ちゃん好みの暖かな体温を維持しようと頑張ります。体は代謝が上がるので、まるで運動したような状態になり、普段より汗をかきやすくなります。
妊娠に備えて体が水分や栄養を貯えようとする働きから、最大で通常の1キロほど体重が増える傾向に。また、体内の水分量が多くなるので体もむくみやすくなります。関節が痛むのは、水分が節々の組織にも入り込むためです。
とくに、月経前の黄体期は眠気が強くなるのが特徴です。赤ちゃんを宿すために疲れた体を休めるために、睡眠を促すメラトニンが分泌されることで生じます。
生理のときは下痢をおこしやすくなりますが、月経前はその逆で便秘の症状が出ます。妊娠に向けて体内に水分を取り込む際に、腸管内の水分も奪うのでお通じが悪くなります。
怒りっぽくなったり、小さなことが気になったり。月経前はお母さんになる思考も芽生えるので、防衛本能が出て心がきつくなったように感じられます。
こうしてみていくと、女性の体はやはり偉大ですね!そして、PMSに対する思いも変わってきませんか?
普段私たちは嫌な物事をマイナス思考でとらえがちですが、生命の誕生に向かって月経リズムが存在していると実感できれば、PMSの憂鬱な症状も前向きに受け入れられそうですね。
もしかすると、PMSではなく、違う病気かもしれません。間違いやすい病気との見分け方については、下記のページを参考にしてみてください。
→ PMSはストレス世代が要注意!イライラは病気の関連性も!?
お肌のトラブル期がもっとも要注意!
月経リズムに付随して、PMSの色々な症状が必然的にあらわれやすくなることをここまでお伝えしてきましたが、症状がきつく出る場合には、やはり憂鬱になりますよね。
冒頭でも記しましたが、PMSは何らかの原因が引き金になり、症状を敏感にあらわします。実際に、月経前に不快症状をあまり感じない人がいたり、逆に酷い症状が出て困るといった人もいたりと、感じ方に二面性を持つのはこのためです。
でも、原因を究明するまえに知っておきたい重要なポイントがあります!それは、お肌のトラブル期にPMSの症状の出方が強くなりやすいことです。
お肌のトラブル期は月経直前のおよそ1週間をさしますが、この期間は妊娠をしない状態を察知した脳の視床下部が、ぐんと女性ホルモンの分泌量を減らします。その反動で自律神経の乱れが生じて、PMSの症状が増長するのです。
少々小難しいですが、相対不足と言って自律神経のコントロール機能が乱れることから、必要なホルモン量がわからなくなって、一時的に体がパニックをおこします。月経1週間前にメイクののりが悪くなったら、まったりできる時間を作って体を休めてあげましょう。
PMSがあらわれる原因はどこから来るの?
さて、PMSの原因はどこから来るのでしょう。それは、体が良好なコンディションでないときに押し寄せます。つまり不健康な体からやってきます。
PMSの症状はいつも一定していません。なぜなら月経に関わるホルモンバランスが、その時々の健康状態に大きく左右するからです。
例えば夜更かしをしたり、ちょっと食べすぎたりと自分でもだめだなと思いつつもやってしまうNG行為の翌日は、何となく肌の色がさえなかったり、頭がぼんやりしますよね。これは不規則な生活が血流を悪くした結果、次のような影響が体に出る為です。
- 全身の細胞に栄養や酸素が行き届きにくくなる。
- 血液中の老廃物がスムーズに排泄されなくなる。
- ホルモン分泌をコントロールする視床下部の働きが乱れる。
NG行為は毎日のことでなければ、たいがいすぐにスッキリし、ホルモンバランスへの影響も大きくは出ないのが大半です。でも、毎日のように不規則がたたれば、血液は澱む方向に拍車をかけて、上記にあげた影響が長引き血流の悪さが慢性化します。
この血液の澱みが慢性化する不健康な状態こそが、PMSの症状を強くする一番の原因なのです!
ちなみに、産婦人科医がPMS患者にとったアンケートでは、おおかたの女性が以下の例のように、生活習慣が不規則であると実感しているそうです。
PMSで悩む女性が実感する不規則な生活習慣の例
- 毎晩寝るのが遅く、睡眠不足になっている
- 育児や仕事に追われて休む暇がない
- ご飯は外食で済ますことが多く、栄養バランスが良くない
- いつも甘いお菓子をたくさん食べている
- お酒を飲む機会が多い
- お風呂よりもシャワーが多い
- 食事の時間がいつも不規則
- タバコを吸う
- 冷たいものが大好きで、アイスやコールドドリンクの飲食が多い
- 温度設定の低い環境下にいる時間が長い
- 体を動かすことがほとんどない
- 1日中同じ姿勢で過ごすことが多い
- ダイエット目的で炭水化物の摂取量が極端に少ない
- 生活環境がストレスを感じる風景に一変した
実感例をみていくと、やはり生活習慣の不規則が、PMSに波及しているように思えますね。思い当たる例がないか、普段の生活を振り返ってみましょう。
下記のページでは、栄養面との関連性や対策についてご紹介していますので、普段の食生活で栄養バランスが悪い思う方は、ぜひ参考にしてみてください。
→ ビタミン&ミネラルが不足しているかも!PMSを和らげる食事の秘訣
健康状態は大丈夫!?PMSの原因・血行不良をチェック
生活習慣が不規則で月経前に不快な症状がある場合は、まずは血の巡りが良好なものかどうか、健康状態をチェックすると良いと思います。
では原因となる血行不良をかかえているか?早速チェックしてみましょう。
血行不良チェック
- 体は暖かいのに手足が冷たい
- ぶつけて紫になった部位やケガの治りが遅い
- 貧血や立ちくらみがよくおこる
- 休んでも疲れがとれない
- ふくらはぎの血管が太く、蛇行したように浮き出て見える
- 名前が覚えられないなど、記憶力がさえない
- 体がすっきりしなくて、むくみを感じる
- 便秘が慢性化している
- 食欲が以前よりも落ちてきた
- 皮膚のかゆみや乾燥、くすみなどが気になりだした
- 朝なかなか起きられなくなった
- 今まではなかった肩こりや頭痛、腰痛が頻繁にある
- 頭痛薬などの鎮痛剤が効きにくい
- マイナス思考が多くなった
- 顔の色がさえず、青白い
- 夜中に目が覚めたり、ぐっすり眠れない
- のぼせやすくなった
- 爪に細かな縦スジが多く、割れやすい
- 指先がビリビリしびれる
- 月経痛がひどくなった
- 体温が低く36.2℃を下回っている
いかがでしたか?該当する項目が多いほど血行不良の状態がエスカレートしている可能性があります。そしてチェック項目をみると、ストレスにさらされている状態もわかってきますね。
ストレスは心に負の作用を与えるイメージを強く持ちますが、定義としては不快な刺激によって生じる反応を意味します。
個人によって何も思わなかったり、落ち込むほどダメージを負ったりと感じ方に違いがありますが、本人が良かれと思っていても、無理がたたっているものはストレスとなり無意識のうちに自律神経を乱して、血行不良を招きます。
スマホゲームも、お酒も、つい食べ過ぎてしまうお料理も、楽しい目的であっても過剰になればストレスにつながる恐れがあるのです。ほどほどにセーブすることも必要ですね。
悪いのは!?体をいたわらないことが最大の理由
全ての病気に共通することですが、健康あっての体です。PMSも然りです。月経リズムに伴ってあらわれる必然的な反応が、健康を損ねるとその分、心身にこたえる症状となってかえってきます。
とくにPMSは生殖活動に直結しているデリケートな反応なので、不規則な生活習慣からの影響をダイレクトに受けやすいのです。どんなに栄養価に優れたスーパーフードも食べ過ぎれば効果はでません。
健康状態も同じで、ジョギングなど何か一つ良い行いをルーティンにしていても、生活習慣をトータルで意識しなければ期待通りの効果は得られません。
最近の日本女性は世界中の女性の中で一番睡眠時間が短く、何かと忙しいようです。体は正直にできています。できるところから、体をいたわってあげましょう。
まとめ
私たちは体に辛いところがあると、原因を究明する前に薬などの対処療法に走りがちです。そもそもPMSは月経リズムによるホルモン変化に伴って現れる、ごくあたりまえの体の反応です。
血流を悪くしないコンディションを整えてこそ健康が維持されることを意識して、PMSの不快症状を改善していきましょう。