妊娠初期症状とPMSの症状がよく似ていて、戸惑ってしまうことはありませんか?
実は私も赤ちゃんが宿ったときにPMSと勘違いして、産婦人科に直行した経験があります。結果は妊娠と、子宮の入り口に良性の腫瘍がある所見でしたが、この記事をお伝えする中で妊娠とPMSの症状から気づく他の要因もあわせて紹介したいと思います。
果たして妊娠初期症状とPMSの症状の違いはあるのでしょうか?それぞれの違いをクローズアップして、セルフチェック方法を検証します!
やっぱり似ている妊娠とPMSの症状!
妊娠初期症状とPMSの症状はともに不定愁訴と呼ばれるもので、頭が重く感じたり、疲れが取れなかったり、下腹部が鈍く痛んだりと、安定しない症状が体のあちらこちらに出るものです。
人によって感覚が違うので、痛みやつらさの度合いがことなりますが、際限なく感じ取る症状があるのは間違いありません。症状は十人十色といわれますが、両者に共通してあらわれる、お悩み度の高い症状をみてみましょう。
PMSと妊娠初期にあらわれやすい症状
- 肌荒れがひどく、ニキビや吹き出物ができる。
- 胸が大きくなったような感じで、乳房が張る。
- 些細なことが気になったり、無意識にイライラする。
- 食べ物の好みが変わる。
- 疲れやすく体がだるく、休んでも疲れがとれない。
- たちくらみや、めまいがする。
- ちょっとしたことで泣けるなど、情緒が安定しない。
- 原因がわからない胃痛がある。
- 鈍く重いような、下腹部と腰の痛みが強い。
- 風邪をひいていないのに微熱が出る。
- 頭が痛くて、何も手がつかない。
- 四六時中、強い眠気を感じる。
このように書き出すと、経験者からみても確かに妊娠とPMSの症状は似ています。
なぜ似ているの?その理由は!?
理由を語るうえで、今一度理解しておきたいのがPMSの存在です。ざっくり、まとめてみます。
PMSは月経前に現れる不快症状で、排卵後から始まるホルモン分泌の変化によって症状が出るプロセスを持ちます。
月経リズムを遡っていくときに、まずは排卵が起こりますが、万が一精子と出会って赤ちゃんができる状態に備えて、この時点から急ピッチで子宮の改装作業が行われます。
この改装作業は視床下部の指令で分泌されたホルモン(プロゲステロン)が細胞に働きかけて、子宮内膜を厚くしたり、快適な環境にするために体温を高めるなど、赤ちゃんを受け入れる準備を万端にします。
そして妊娠が成立しないと、この真逆の現象が起こり、こんどは出来上がった赤ちゃんの部屋を取り壊す作業=月経がはじまります。
排卵から月経開始まで、体内ではめまぐるしくホルモンバランスの変化が起こっています。一方で体もホルモンバランスの変化に対応する過程で不快な症状を伴って現します。これがPMSなのです。
PMSを理解したところで、いよいよ本題です!
PMSと妊娠初期症状が似ている理由は、お母さんが同じだからです。
えっ!と思われるかもしれませんが、ここでいうお母さんは、月経リズムのこと。PMSも妊娠も同じ月経リズムの中の働きで、分泌されるホルモンの変化(プロゲステロンとエストロゲン)に伴って現れています。
月経とは生命を誕生させるための生殖活動です。そして、PMSは妊娠に向かって頑張っている体からのメッセージなのです。
妊娠初期症状も然りです。症状がつらく感じるときは「大事なときだから無理をしないで」と体がメッセージを発しているのかもしれません。受け取ったら、ゆっくり自分自身を休ませてあげましょう。
症状が同じでも見分けることはできる?2つの違いを発見!
PMSも妊娠も同じような症状で現れ方も多岐にわたるとなると、両者を見分けるのは到底不可能なような気がします。
しかし、実は決定的に違う点が2つあるのです。
それは・・・。
1つ目 症状のおさまる期間が違う!
それぞれの症状がおさまる期間に注目すると、PMSに関しては日本産科婦人科学会用語集にたしかな証拠がありました。
PMSは「月経発来とともに減退ないし消失するもの」と記されています。
妊娠初期症状については、診断報告のまとめなどをみていくと、「月経開始予定日を経過しても症状が継続している」となっています。
妊娠初期症状はPMSと違い、おさまるのに個人差があります。平均して1か月ですが、人によっては安定期に入るまで下腹部痛が続くケースもみられます。
- PMS→月経が始まると、嘘のように症状がなくなる
- 妊娠初期症状→月経開始予定日を過ぎても平均して1か月以上続く
PMSは平均して月経開始1週間前になりますが、ホルモン変化に敏感な女性は排卵時期から症状が現れます。
妊娠初期症状は月経開始予定日の1週間前からあらわれますが、受精卵が着床して妊娠が確定した段階が前提となります。
2つ目 基礎体温が違う!
基礎体温をつけている方ならば、もうおわかりだと思います。
女性の身体は月経開始から排卵までの期間は基礎体温が低温期になります。一方、排卵から月経までの期間は高温期になり、月経周期のなかで基礎体温の入れ替わるプロセスを持ちます。
と、いうことは…PMSは月経がはじまると消失するので、基礎体温は高温期から低温期に。
妊娠初期症状は赤ちゃんのために暖かな体温の維持が必要なので、月経は来ない前提のうえ高温期がずっとつづく結果になります。
- PMS→月経がはじまると高温期から低温期に変わる
- 妊娠初期症状→月経開始予定日を過ぎても高温期が続く
まとめると、妊娠を継続するか、継続しないかの関係性で両者に決定的な違いがあらわれる結論に達します。
しかし、一見して効率的な見分け方にみえる二つの違いは、じっくり周囲の状況と照らし合わせてみると、残念なことに不確かな見分け方に一転する事実があったのです。
確かな違いでもPMSと妊娠初期症状は見分けられない?!
せっかく見つけた決定的な違いでしたが、やはり見分け方には向いていません。
1つ目の症状のおさまる期間からみていきましょう。
PMSに関しては間違いなく、月経開始日には症状がおさまります。しかし、妊娠初期症状はあくまでも目安であって限定できないのです。
PMSもそうですが、症状の現れ方は個人によって違います。不快症状を継続して感じる人もいれば、いったん収束してまた復活というパターンもあるわけです。体質や感受性など、いろんな環境が加味されて症状がおさまっていく過程も違うのです。
2つめ目はどうでしょう。
実際に妊娠を確定するには月経予定日から3週間以上の高温期が前提になりますが、PMSとの区別で捉えたときに、すぐに見分ける方法には至りません。
また、基礎体温が高温期であっても妊娠が答えになるとは限らないケースも潜んでいます。そのケースとは病気です。
よく聞くのが黄体存続症、黄体機能不全、ストレスによる高温期。また、何らかの原因で高温期が毎回違うリズムを持つ方もいるので注意が必要です。
月経が始まれば、見分けるのに一目瞭然では?
PMSと妊娠初期症状の見分け方について、多くの方が「月経が始まればわかるのでは?」と思うのではないでしょうか?
しかし、ここでもまた想定外なケース=子宮の病気も考えられるのです。プライベートな話になりますが、おつきあいください。
基礎体温を普段きちんとつけていない、面倒くさがりやの私も月経が来れば妊娠していない派の一人でした。
しかし、その考えが見事に払しょくされた事件が!?ありました。
上の子を妊娠したとき、折しもPMSの症状がひどく、月経が来たので妊娠を疑っていませんでした。そしてPMSの治療のために産婦人科に出向きましたが、妊娠を告げられて本当にびっくり!
月経が来たのに、なぜ?
実は月経は不正出血だったのです。
たしかに、出血量はいつもより少なかったのですが、原因は子宮の入り口にできた腫瘍のせいでした。
先生がおっしゃるには、妊娠の影響で女性機能も変化していくので、その刺激から出血をしたのでは?との見解でした。
さいわい良性で、サイズが小さく胎児に影響が出る部位ではなかったので、短時間の手術で除去ができ無事に出産できましたが・・・。
今思うと、妊娠に対する考えがずさんだったなぁと、本当に反省一色です。婦人科系の異常は、早急に医療機関にかかるべきですね。
出血を伴う想定外のケースは他にも考えられます。心配しなくても良いものもありますが、何かおかしい、いつもと違う症状を感じたときには産婦人科に足を運びましょう。
月経様出血、子宮頸管ポリープ、胞状奇胎、流産、絨毛膜下出血
妊娠検査薬はチェック方法に有効!?
妊娠を疑う時に、妊娠検査薬を使うのはもっともポピュラーな方法です。では、PMSを疑うときはどうでしょう。
PMSは月経が前提でおこるものなので、あまり適していないかもしれません。なぜなら、妊娠検査薬自体が月経開始予定日の1週間後以降から使用可能だからです。
最近、早期妊娠検査薬が出回っています。こちらは、メーカにもよりますが月経開始予定日の3日前から使えるもの、4日前から、6日前からと、使用可能日がまちまちです。
従来の妊娠検査薬と違って感度が高いので早期に検査が可能ですが、口コミをみていくと従来型よりも正確性に欠けるといったコメントもみかけます。
本来、検査薬に反応する妊娠ホルモンhCGは月経開始予定日のころに尿中にあらわれるものです。そのように考えると、個人的にはPMSか妊娠初期症状を疑う段階での使用は避けるのが無難では?と思います。
ちなみに、早期妊娠検査薬は第一類医薬品扱いなので、ドラッグストアでは薬剤師さんの立ち合いのもと購入するシステムになります。
やっぱり妊娠だった!PMSで悩むママ達が確信した妊娠初期症状とは?
PMSと妊娠初期症状の個人での見分け方とチェック方法は、不透明な部分が多く、確かな答えは見つけられない雰囲気です。
でも、経験者だからこそ、わかることもあります!医学的には証明されていないかもしれませんが、多くのママが妊娠を経験してきた中で、妊娠初期症状とPMSの違いを感じ取っています。
参考になることを祈って、見分ける方法につながるママ達の決定的な妊娠初期症状をピックアップします。
これは核心をついているかもしれません!着床出血といって、妊娠の初期段階におこりやすい現象です。受精卵が子宮内に着床した部分に、まれに傷つくことがあり出血します。
※薄茶色やクリーム色など色は個人によって違いがあるようです。
PMSの下腹部痛は月経痛のように、重く、しみるような、鈍い痛みが特徴です。
妊娠初期症状では、キリキリ、チクチクとした痛みで、何か病気では!と思うようないつもとは違う痛みが出るようです。
私も2人目のときに、今まで感じたことのないキューっと絞られるような下腹部痛があり、思わず近所の氏神様の方向をみて「助けてください!」とお祈りしたほどです。
月経前はバストの張りが気になりますが、妊娠初期症状ではさらに進化しているのか?
あきらかに出産後に向けたバストの張りを感じます。水風船のような硬さとハリを感じるママも。乳首がかゆくなったり、ピリピリすることも多いようです。
妊娠をすると子宮に刺激を与えないように腸の蠕動運動が低下します。このため、便秘になりやすいのでガスが溜まるのはたしかです!
妊娠すると肌が乾燥しやすい傾向にあります。そのため肌のバリア機能がくずれて、ちょとした刺激から肌にかゆみを生じます。
妊娠中期からかゆみがあらわれる場合には妊娠性皮膚掻痒症が疑われます。
妊娠すると、女性ホルモンのエストロゲンが沢山分泌されるので、この影響でおりものの量が増える妊婦さんもみえます。
妊娠時のおりものは、サラサラと水のようなおりもので、ひどいケースではパンティライナーを何度も取り替えるほど量が気になったそうです。
おりものが増える場合には、吸水量の多いタイプのパンティライナーに替えると良いですよ。
PMSでも味覚の変化はありますが、妊娠時の味覚の変貌はやっぱりすごいです。美味しいものをまずく感じたりもします。
ご飯が食べられないという話はよく聞きますが、これまで好きではなかった食べ物が無性に恋しくなるママも多いようです。かつ丼などの高カロリーコテコテ系、スナック菓子系、など色々ですね。
私は辛いミント系のスースーするものが苦手なのですが、フリスクを口にしていないと落ち着かなくなるほど、手放せませんでした。
これは何となくわかるような気がします。自分の身体は自分がよくわかるというか、何だかいつもと違う感覚がして妊娠を確信することもありそうですね。
急に吐き気をもよおすなど、ドラマでもおなじみの光景でしょうか。つわりに関しては月経終了以降からはじまるのが一般的です。
意外に周りの人はよく見ているもので、先ほどあげた勘のようなものが働くのかもしれません。子どもがお腹の赤ちゃんに気づいたり、親しい友達に顔つきが変わったと言われて気づいたり、色々なパターンがあるようです。
PMSと妊娠初期症状の違い・検証結果は!?
PMSと妊娠初期症状の違いを個人で見分けるのは、やはり難しいのではないでしょうか。しいていえば違いを見つけられる状態に普段からしておけば、違いをみいだせられる確率が高くなるのだと思います。
その方法は…
- 基礎体温を毎日測って低温期と高温期のリズムを長いスパンで把握する。
- PMSの症状を毎回記録にとっておく
この、シンプルな2点です。基礎体温は以前はわずらわしい感じがあって、忙しい毎日では毎日続かない傾向にもみえましたが、今はアプリなども充実していて、グラフの記入も簡単になりました。
PMSの症状もスマホのカレンダー機能を使えば、自分流のPMSの記録がつけられます。ここに、先人ママ達の確信した妊娠症状を参考にしてみると、個人でも見分けができそうですね。
短時間で違いを知ろうとするのではなく、じっくりと自分とむきあって月経リズムとおつきあいしましょう。
PMSと基礎体温管理に役立つ、スマホ連携体温計
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