小さな子供から成長期の中高生まで、子供の身長の伸び方や体重の増え方など、成長の具合はどうしても気になるものです。
子供の成長が遅い場合やスポーツを習わせる場合の栄養補助として、体作りのサプリメントとして有名なプロテインを食事に取り入れたいという方も多いのではないでしょうか。
最近では子供用のプロテインも販売されていますが、プロテインを子供に飲ませることでどのような効果が期待できるのでしょうか?
また、子供の成長への影響や、大人用のプロテインと子供用のプロテインの違いなど、今回は子供用サプリメントとしてのプロテインについてまとめました。
プロテインを子供に飲ませる事で期待できる効果は?
プロテインはタンパク質を主成分とした栄養補助食品ですが、子供に飲ませることでどのような効果が期待できるのでしょうか。
体作りの土台を支える
タンパク質は筋肉や骨を作る栄養素のひとつです。一日あたりのタンパク質必須量は、運動をしない場合でも除脂肪体重1kg当たり1gと言われています。
食事だけでこの量のタンパク質を摂取しようとすると、炭水化物やエネルギーを摂り過ぎてしまうのが現状です。
また、好き嫌いがあったり、食が細い子供の場合は、日々の食事だけでは十分なタンパク質が摂取できていない可能性もあります。
プロテインを日々の食事に加える事で、不足しがちな栄養素を補い、体作りの土台を支えることができます。
スポーツ時のエネルギー源や筋肉の修復に使われる
スポーツ前にプロテインをとることでトレーニング中のエネルギー源として使われ、疲れにくくなります。
また、大人と同じように、スポーツ後の子供の体の修復にはタンパク質が使われます。
スポーツ後やトレーニング後の30分以内には成長ホルモンが分泌されるため、プロテインを摂ることで筋肉の修復や発達が期待できます。
プロテインを子供に飲ませる事で悪い影響はあるの?
プロテインを子供に飲ませることで成長にどのような影響が出るのでしょうか。
身長の伸び方に大きな影響はない
「プロテインを飲むことで筋肉がつき、骨の成長を妨げるために身長が伸びない」という噂を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
成長期の筋肉と骨の成長では骨の成長の方が上回ると言われており、筋肉が多少ついたからといって身長が伸びにくくなるということはありません。
タンパク質は体作りを支える栄養素のひとつですが、身長の伸び方には遺伝など他の要因も大きく関係しています。
子供の頃からプロテインを摂っていたからと言って必ずしも高身長になるとは限りません。
子供の身長が伸びない原因は、実は遺伝以外にもっと大切な理由があるのです。
下記のページで解説していますので、お子さんの身長が伸びないと心配されている方は参考にしてみてください。
→ 小学生で身長が伸びない理由は?伸びる時期ってあるの?測り方は?
子供にプロテインを飲ませる際の注意点
子供の成長には何よりも日々の食事が大切です。
プロテインはあくまでも栄養補助食品(サプリメント)ですので、食事との置き換えなどはせず、不足しがちな栄養素を補うための間食や補食に使いましょう。
製品によって異なりますが、ジュニアプロテインでは一食当たりのカロリーが、水で溶いた場合は50~80kcal、牛乳で溶いた場合には180~210kcalになります。
子供でも摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れると肥満の原因になります。
運動を取り入れたり、菓子類を多く与えているのであれば、おやつの内容を見直すなどエネルギーの過剰摂取にならないよう注意しましょう。
子供の肥満への影響は色々あって、どれも見逃せないものばかり。
下記のページで紹介していますが、健康面以外に精神面への影響もありますので、気を付けて頂ければと思います。
→ 小学生の子供が肥満になることによる生活面&健康面への影響まとめ
プロテインの主成分であるタンパク質は、体内に入ると小腸でアミノ酸に変換され、肝臓へ運ばれます。
脂質や糖質と違い、タンパク質は体内に蓄えておくことが出来ない栄養素ですので、体内で使われなかった分は腎臓を経て尿として体外へ排出されます。
このように、プロテインの過剰摂取によりタンパク質が過度に余ると、腸・肝臓・腎臓など消化吸収に携わる器官に負担が多くかかります。
“除脂肪体重1kgあたりタンパク質1g”を摂取量の目安にし、運動量や食事内容に合わせて加減するようにしましょう。
プロテインの子供用と大人用の違いは?
子供用のプロテインと大人用のプロテインにはどのような違いがあるのでしょうか。大人用のプロテインを子供に飲ませても問題ないのでしょうか。
ジュニアプロテインの特徴
子供用のプロテインとして販売されているジュニアプロテインには、子供に不足しがちな“ビタミンB群”“鉄”“カルシウム”などの栄養素が添加されています。
大人用のプロテインにもタンパク質以外の栄養素が添加されていますが、鉄を含む製品は少ないため、子供の鉄不足が気になる場合にはジュニアプロテインがおすすめです。
ただし、摂取量は子供の体重や運動量に合わせてきちんと調節しましょう。
プロテインの選び方
最近では子供用から大人用までいろいろな種類のプロテインがあります。フレーバー、栄養素、カロリー、プロテインの種類から子供に合うものを選びましょう。
ここでは代表的な2社のジュニアプロテインの特徴をご紹介します。
出典:amazon.co.jp
ホエイタンパクを原料に、カルシウムと共に骨の健康を支えるマグネシウムが添加されています。
一食分14g当たり、エネルギーは50~52kcalと控えめです。タンパク質は一食当たり6.0g。フレーバーはココア味と無果汁のマスカット風味があります。
出典:amazon.co.jp
ザバスに比べカルシウムとビタミンDが多く添加されています。
一食分20g当たりのエネルギーは74~78kcal、タンパク質は8.4g。フレーバーは大豆タンパクが原料のココア味と、ホエイタンパクが原料のヨーグルトドリンク味の2種。
動物性のタンパク質であるホエイプロテインは吸収が早く、筋肉の合成を促すBCAAというアミノ酸が多く含まれています。
植物性のソイプロテインには中性脂肪を下げる働きがあり、肥満が気になる場合におすすめです。
プロテイン以外のおすすめの栄養補助食品
まだ小さい子供にプロテインを飲ませることに抵抗のある場合には、栄養補助食品として麦芽飲料のミロがおすすめです。
出典:amazon.co.jp
プロテインではないのでタンパク質は含まれていませんが、カルシウム、鉄、ビタミン類など骨の成長を助ける栄養素がバランスよく含まれています。
子供の成長には日々の食事と睡眠が重要
子供の成長にはひとつの栄養素を多く摂ることではなく、日々の食事でいろいろな栄養素をバランスよく摂ること、成長ホルモンが盛んに分泌される入眠後の3時間に質の良い深い眠りをとることが重要です。
プロテインなどの栄養補助食品に頼りすぎず、低身長、低体重が気になる場合にも、焦らずじっくりと食べられるものを増やす、少量でも栄養の高いものを食べさせるなど食事内容にも気を配りましょう。
まとめ
プロテインはあくまでもサプリメントですので、子供に飲ませたからといってすぐに体重が増えたり身長が伸びたりという急激な変化はありません。
子供の成長のためには日々の食事をバランスよくとること、睡眠時間をしっかりととることなど、体作りのための環境や生活習慣を整えてあげることが重要になります。
食事量が足りない場合には間食を増やす、おやつは菓子類ではなくおにぎりやサンドイッチなどの軽食を与えるなど、出来る限り食事で栄養素を多くとるようにし、プロテインは補助的に使いましょう。