結婚した夫婦の約45%がセックスレスであるという事実が話題になっています。
結婚したにもかかわらずセックスレスに陥る夫婦の割合が高いことには、どんな原因があるのでしょうか。
また産後セックスレスの理由や、夫婦のセックスレス解消法をご紹介いたします。
セックスレス夫婦の実態とは?
セックスレスに陥った夫婦の実態とは、一体どんなものなのでしょうか。セックスレスに陥る夫婦の割合や、セックスレスの原因をご紹介いたします。
セックスレス夫婦の割合は「44.6%」
一般社団法人日本家族計画協会が行った「男女の生活と意識に関する調査」によると、婚姻関係にある50歳以下の男女のうち44.6%が「この1ヶ月間全くセックスをしなかった」と回答しています。
なんと半数近くの夫婦がセックスレスであることが分かったのです。
セックスレスの主な原因
同じく日本家族計画協会の調査によると、男性側の意思でセックスレスになる場合「仕事で疲れているから」というのが最も大きな原因としてあげられています。
また男性ほどではありませんが、女性側も仕事を理由にセックスに積極的になれないと回答しています。お互い仕事をしていると、生活にゆとりが持てずすれ違いを生じてしまうことも大きな理由のひとつです。
男性に比べて女性は「面倒くさい」という理由でセックスに積極的になれない割合が多いのが特徴です。
女性は生理周期に合わせて感情や性欲が変化しやすく、性に対して複雑な心理を持っています。その結果「なぜか分からないけれど性欲がない」という状態が起こってしまうのです。
その他にも下記のような事が原因になっているケースもあります。
二世帯同居での結婚生活が原因で、セックスレスに陥ったという夫婦もみられます。近くに相手側の親がいるという状況でセックスが習慣化しずらく、結果だんだんとセックスレスになってしまうのです。
お互い性欲があるにもかかわらずどちらか一方が拒むせいでセックスレスである場合、不倫をしている可能性があります。
もちろん一概にそうとは言えませんが、特に女性の場合はパートナー以外の男性とセックスをすると夫とは関係を結びたくないと考える傾向にあります。
産後にセックスレスになりやすいって本当?
「婚姻関係にある男女でセックスに対して積極的になれない理由」で男女ともに多かったのが「出産後何となく」という回答です。妊娠・出産という大きなイベントを終えた夫婦に訪れる変化について解説いたします。
妊娠・出産を機に「性欲がなくなった」という声
女性側の意見では、妊娠・出産を機に「性欲がなくなった」という声も聞かれます。もちろん出産前後にはセックスからしばらく距離を置く夫婦が大半でしょう。
しかしその後も「何となく」性的な感情が芽生えずにセックスレスが続いてしまうという場合もあるのです。
出産後の痛みや違和感からセックスを拒む妻
出産は女性にとって大きなイベントで、壮絶な痛みを経験する方がほとんどです。陣痛や会陰切開の痛みを思い出し、以前と同じようにセックスする気が起きないという女性も少なくありません。
医学的には、子宮がデリケートな状態である産後1ヶ月以内はセックスを控えた方が良いとされています。また子育ては精神的にも肉体的にも疲労が大きく、夫に構っている余裕がないという本音を抱えている女性もいます。
「女性ホルモン」の変化で夫を異性として見れなくなった
産後の女性の中には「出産後に母としての自覚が芽生え、夫を異性として見られなくなってしまった」という方もいます。これは女性ホルモンの変化が大きく影響していると考えられます。
女性の性欲を高めるホルモンを「エストロゲン」と呼びます。女性ホルモンの代表格で、女性をより女性らしい体にする働きがあります。妊娠すると「エストロゲン」の働きにより子宮が広がり、授乳のため乳房を大きくします。
しかし産後はこの「エストロゲン」が大幅に減少してしまうのです。代わりに母乳の生成を促す「プロラクチン」や、性欲を減少させて子供への愛情を深める「オキシトシン」が分泌されるようになるのです。
産後クライシスがセックスレスにつながることも
「エストロゲン」が減少することで、産後の抜け毛や肌のかさつきが起こり、精神的に不安定な状態が続きます。また出産時に大量分泌される「オキシトシン」は、別名絆ホルモンとも呼ばれ母親の愛情を育てます。
産後クライシスは子供を守る為に他人を寄せ付けさせない「オキシトシン」の働きによるものなのです。この「オキシトシン」は夫を含めた他人に対して攻撃的になるだけでなく、性欲を急激に減少させます。
産後クライシスの時に夫が無理にセックスを要求したり、確執を生むような発言をしたりした場合、女性はそれを忘れることができません。一度生まれた不信感や不安からその後もセックスを拒んでしまうというケースもあるのです。
産後クライシスについては、下記のページで詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
→ 気持ちを楽にする!産後クライシスをプラスに変えるママの法則
夫婦のセックスレス解消法とは?
夫婦が長期間セックスレスである場合、両方にセックスしたいという意思がないのかどちらかはセックスしたいと思っているのかによって対策が異なります。
どちらか片方の意思でセックスレスが継続している場合、相手はストレスが溜まって夫婦関係がこじれてしまうこともあるのです。そこで夫婦のセックスレスを解消する方法を実践し、円満な夫婦関係を目指しましょう。
「なぜセックスができないのか」を話し合う
セックスレスの問題はただ「仕事が忙しいから」「面倒くさいから」「出産後だから」という表面的なものではありません。重要なのは「セックスレスが原因で夫婦の関係まで冷え切ってしまう」ということです。
「なぜセックスができないのか」を話し合うことは、夫婦の根本的なズレを解消することにもなるのです。それは生活リズムの違いであったり価値観の違いであったりします。
根本的な夫婦関係の問題を話し合うことが、セックスレスの解消にもつながることもあるのです。
産後の女性についての知識を夫婦で共有する
産後の女性が急激なホルモン変化に悩まされるという事実を知らない男性は少なくありません。女性もなぜ自分がこんなにもイライラするのか、精神的に不安定であるかをきちんと理解していないこともあるのです。
そこで産後の女性についての知識を夫婦で共有してみることをオススメします。
夫が「出産したんだし、セックス再開できるよね!」と安易に考えている場合など、理解していないことで生まれる問題もあるからです。きちんとした知識を得て、相手を気遣い理解しようという気持ちが大切です。
スキンシップだけは欠かさずにとってみる
スキンシップには癒しの効果やストレス解消、信頼関係を深める効果などがあります。スキンシップをとることで、絆ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されるのです。このオキシトシンは信頼している人と一緒にいることで分泌されます。
しかし産後の場合、信頼していない人には攻撃的になることもあるのです。つまり産後クライシスで夫に攻撃的な女性は、夫を信頼できないような原因があるということです。
「オキシトシン」は別名「幸せホルモン」「信頼ホルモン」とも呼ばれ、本来は精神を安定させて幸せな気持ちを共有できる効果があるのです。もしセックスが嫌だという方は、まずスキンシップでお互いの信頼関係や絆を深めてみてはいかがでしょうか。
セックスなしでも同じ布団で寝てみる
お互いの信頼関係を深めてセックスレスの悪化を防ぐためには、夫婦が触れ合う時間を少しでも習慣化することが大切です。産後は赤ちゃんの夜泣きなどが原因で夫婦が別々の部屋で寝るというケースも見られます。
たとえセックスレスであったとしても、夫婦で同じ布団に寝ることで信頼関係が生まれます。産後に限らず夫婦別室で寝ているという方は、ぜひ同じ布団で寝るようにしてみてください。
セックスレスは短期間で解決出来る問題ではありません。セックスレスに至った原因を共有し、少しずつスキンシップ出来る時間を増やしましょう。
自分の辛抱が持たないからといって、無理にセックスを迫ることのないようにするのも大切です。大事なのはお互いの信頼関係をしっかり育むことなのです。
まとめ
セックスレスに至るのは、夫婦の根本的な原因や産後クライシスなどが考えられます。
そこで単純にセックスレスを解消しようと躍起になるのではなく、相手を思いやる気持ちを持って信頼関係の構築に努めましょう。