ほうれん草は、冬に旬を迎える代表的な緑黄色野菜です。
使い勝手がよくレシピの幅も広く、お浸しや和え物、炒め物など、色々な調理法で使用され、最近ではサラダ用にも使える生食用のほうれん草も登場しています。
彩りが良いのはビタミンが多く含まれている証で、中でもβカロテンの含有量は野菜類の中でもトップクラスです。
他にもビタミンCや鉄分、カルシウムなども豊富に含まれており、様々な面から、赤ちゃんの成長のサポートに役立ちます。
離乳食初期の進め方については下記のページでご紹介していますので、参考にしてみてください。
→ 離乳食はいつから始めたらいい?見きわめのポイント&初期の進め方
ほうれん草を使う際のポイント
いつから食べさせていいの?
ほうれん草は、彩りが良く、離乳食にも多く使われるイメージですが、初期から使用することができます。味に癖がないので、月齢の低い赤ちゃんでも食べやすい野菜の一つです。
栄養価が高いので、まだ食べられる食品が少ない赤ちゃんの貴重な栄養源として活用しましょう。
選び方は?
全体的にみずみずしいものというのがベストですが、特に新鮮なほうれん草は、葉の先がピンと張っています。また、葉肉に厚みがあり、緑色が濃いものを選ぶようにしましょう。
茎が適度に太く、弾力性があり、根元に近い部分から葉が密集していてボリュームのあるものがオススメです。茎の部分が赤いものほど甘みが強くなるので、細かい部分のチェックも忘れずに行いましょう。
冷凍野菜も売っているので、手軽さを求めるのであれば、そういったものを使用するのも良いでしょう。
下ごしらえは?
ほうれん草は土が残っていることもあるので、下ごしらえが大切です。根の先が汚れていたり、乾いていたら切り落としましょう。
ほうれん草をつかんで、根の部分に包丁を使って6~7回ほど縦と横に十字に切り込みを入れ、ため水の中で揉むように洗うと、きれいに汚れが落ちます。
通常の食用では問題はありませんが、ほうれん草にはえぐみの元になるシュウ酸が含まれています。シュウ酸は塩水で茹でて水にさらすと溶け出るのですが、重曹を入れるとはっきりとした緑色に茹で上げることができるのでオススメです。
ほうれん草は切らずに束のまま茹でますが、中央を輪ゴムで縛っておくとその後の作業が楽になります。
鍋に1Lほどのお湯を沸かし、塩を小さじ2、重曹をひとつまみ入れましょう。沸騰しているお湯に、手で持ったまま茎の部分を入れて30秒、その後全体を入れて30秒茹でればOKです。
茹で上がったらすぐに冷水にさらします。熱が取れたら軽く絞って、4~5cmに切り、その後さらにきつく絞りましょう。
[/surfing_su_note_ex]保存はできるの?
生のまま保存をするときは、新聞紙を濡らしてほうれん草を包み、保存用のビニール袋に入れて、葉先を上に向けるように野菜室に立てて保存します。
冷凍保存をするときは、かために茹でて冷水にとり、水気をよく絞ってから1回分ずつ小分けにラップに包みましょう。ペースト状のものを冷凍するときは、製氷機を使っても良いですよ。
ほうれん草と相性のいい食材は?
ほうれん草はそのままで食べても美味しいですが、肉や卵、ご飯などとも相性が良く、彩り以上の役割をしてくれます。ほうれん草に多く含まれているビタミンCは、ビタミンEと一緒に食べると相乗効果でパワーアップします。
赤ちゃんはまだ難しいかもしれませんが、ビタミンEの多く含まれるごまを使用したほうれん草のごま和えは、栄養学的に見てもとてもオススメの料理です。
関連記事:管理栄養士がアドバイス!離乳食での小松菜の使い方/進め方/レシピ
月齢別の進め方
ほうれん草を初期に使うときは、すり鉢で潰したりフードプロセッサーを使用してペースト状にします。
1回に使用する量が少ないときは、すり鉢の方が便利です。下ごしらえをしっかりと行い、えぐみをとってあげてから使用しましょう。
中期は、柔らかく煮て、細かく刻んで使用します。葉物野菜は繊維が多いので、クタッとするくらい柔らかく煮ましょう。
1回に与える量は、他の野菜も含めて20~30gを目安にしてください。大きさは2~3mmが目安です。
後期は歯茎で潰せるかたさが目安となります。このころから1日3回食になるので、1日のどこかで毎日食べさせてあげても良いくらい栄養価の高い野菜です。
1回に摂る量は、他の野菜も合わせて30~40gとし、1日100g程度を目標にして与えてみましょう。大きさは5~8mmが目安です。
食事を通して1日のリズムを整えたり、自分でつかみ食べをして食事の楽しさを知っていく時期です。
かたさの目安は歯茎で噛める程度とし、1回の野菜の量を40~50gにステップアップしていきましょう。大きさは1cm程度が目安です。
[/surfing_su_note_ex]月齢別のおすすめ簡単レシピ
離乳食初期(5~6ヶ月)
材料
- ほうれん草 20g
- だし汁 50cc
作り方
- ほうれん草は下処理を行い、沸騰したお湯で柔らかくなるまで茹でる。
- すり鉢かフードプロッセッサーなどで、だし汁を加えながらペースト状にする。
材料
- ほうれん草 20g
- 冷凍食パン 1/3枚
- ミルク 30cc
作り方
- ほうれん草は茹でてペースト状にする。
- 冷凍食パンはおろし器ですり下ろす。
- ミルクは粉ミルクとお湯で規定の量を作ったものを使う。
- 食パンをミルクでふやかし、ほうれん草ペーストを加えて混ぜる。
離乳食中期(7~8ヶ月)
材料
- ほうれん草 20g
- 豆腐 20g
- だし汁 10cc
- 醤油 少々
作り方
- ほうれん草は柔らかめに茹でて、細かいみじん切りにする。
- 豆腐は軽く茹でて粗熱をとり、手で崩しておく。
- ほうれん草と豆腐を合わせ、だし汁と醤油を加えて混ぜる。
材料
- 玉ねぎ 10g
- 人参 5g
- ほうれん草 5g
- 水 50cc
- コンソメ 少々
- 水溶き片栗粉 適量
作り方
- 材料は2~3mmの大きさに細かくみじん切りをする。
- 鍋にお湯を沸かし、材料を加えて柔らかくなるまで煮る。
- 火を弱めてからコンソメで味を整えて、水溶き片栗粉を加えてよく混ぜてとろみをつける。
離乳食後期(9~11ヶ月)
材料
- ほうれん草 20g
- ツナ缶 10g
- コーン 10g
作り方
- ほうれん草は茹でて5mm程度の長さに切っておく。
- ツナは油をしっかりと切る。
- フライパンに材料を入れて、弱火で炒める。
材料
- スパゲティ 10g
- 人参 5g
- 玉ねぎ 10g
- ほうれん草 5g
- マヨネーズ 小さじ1
作り方
- スパゲティは1/5程度の長さに折り、規定の時間よりも長めに茹でる。
- 人参・玉ねぎ・ほうれん草は、5~8mm程度の大きさにし、しっかりと茹でる。
- 下ごしらえができたら、材料をボウルに入れて、マヨネーズを加えて和える。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
材料
- ほうれん草 10g
- 豆腐 20g
- 卵 1個
- だし汁 20cc
- 塩 少々
作り方
- ほうれん草は茹でてから5mm程度の長さに切っておく。
- 卵をボウルに溶き、手で崩した豆腐と、切ったほうれん草、だし汁、塩を加えて混ぜる。
- 厚焼き卵用のフライパンで、3回に分けて焼きながら巻く。
材料
- ご飯 60g
- ひじき 小さじ1/2
- ほうれん草 10g
- 塩 少々
作り方
- ひじきは水で戻し、ほうれん草は茹でておく。
- 茶碗にご飯と塩を入れてよく混ぜて、ひじきとほうれん草を加えて和える。
- つかみ食べができるように、3等分にし、小さめのおにぎりを作る。
ほうれん草を使う際の注意点
ほうれん草はアレルギーを起こしにくい食品ですが、体質に合わないことがあるかもしれません。初めて食べさせるときには、様子を確認しながら少量ずつ与えてください。
また、ほうれん草は食物繊維が豊富なため、食べやすいようにしっかりと茹で、中期や後期は特に、食べやすい大きさに刻んであげるようにしましょう。
[dfads params=’groups=397&limit=1&orderby=random’]まとめ
ほうれん草は様々な料理の彩りとして活躍してくれることはもちろん、栄養価の優れた野菜なので、赤ちゃんの健康管理や成長のサポートにも欠かせません。
味に癖がなく、赤ちゃんでも食べやすいので、下処理をしっかりと行い、かたさや大きさに気を付けながら食べさせてあげましょう。
下記のページでは、離乳食づくりの際に水道水を使うことで何か影響が考えられるのか、上手な付き合い方についてご紹介しています。