以前は、離乳食と言えば生後2ヶ月になると果汁を与え、3~4ヶ月くらいから始めていた時代がありました。
しかし、2007年に厚生労働省が離乳食の基準を改定し、現在は生後5~6ヶ月頃から始めることを推奨しています。
とは言っても、5ヶ月児と6ヶ月児には大きな差があります。
いつから始めたら良いのか解らない!と悩むママに、離乳食見極めのポイントや離乳食初期の進め方、また調理器具などについてご紹介します。
離乳食を始めるための3つの条件
- 生後5ヶ月~6ヶ月を目安とする
- 完全に首が座っている事
- 腰がしっかりしてきて支えると座っていられる
5~6ヶ月を目安とする意味
例えどんなに大きく元気な赤ちゃんでも、内臓の動きが身体の大きさに比例している訳ではありません。大きいから大丈夫と思わず、5ヶ月を過ぎるのを待ちましょう。
首の座り
首の座りがよく解らないという場合は、赤ちゃんを仰向けに寝かせて手を持ってゆっくりと起します。その時に首がダランとせずにしっかりしているようであれば首は座っています。
腰が座っている状態
支えてあげると座っていられる、バンボなどベビーソファに座れるようになる。または、少しの間一人で座っていられる。(手を前についている状態でも可)
もちろん、寝たままでは食べさせられないと言う理由もありますが、その他にも、この頃になると内臓が食べるものを消化できる力が付いてきている、という理由でもあります。
赤ちゃんの成長はそれぞれ違いますので、6ヶ月を過ぎるケースもあります。
ですが、3つの条件が揃い、寝ている時間、起きている時間など生活リズムが安定した頃になると、赤ちゃんからも徐々に「食べるよ!」のサインが送られて来ます。
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2.食事中の大人の様子をじっと見るようになる。
3.大人が食べている物に手を伸ばすなど食べ物に興味を示す。
4.食べている所を見るとよだれを垂らす。
5.スプーンを口に入れると押し戻さなくなる。
生後間もなくの頃から赤ちゃんにおっぱいやミルクをあげた時、凄い勢いで飛びつくようにして吸い付く様子に驚いた事はありませんか?
これは赤ちゃんが持って産まれた哺乳反射という生きるために必要な能力です。口の周りをツンツンとしただけで指にさえ吸い付いて来ます。
しかし、この反応はママのおっぱいや、哺乳瓶の乳首や、それに似た指のようなものにしか反応しません。
母乳やミルクだけで満たされる時期が終りに近づくにつれ、この反応がだんだん消えていき、7カ月を過ぎた頃になると口の周りを刺激しても全く反応しなくなり、自分の意志で母乳やミルクを飲むようになっています。
哺乳反射が残っている内は、スプーンのような異物を口に入れると、咄嗟に「吸えない物」「おっぱいじゃない!」と判断しますので舌で押し戻してきます。
それが、反射が薄れてきて離乳の準備が出来てくると、スプーンが口に入ってきても「これは何かな?」と舐めてみたり、不思議そうな顔をして考え始めます。
解り易い離乳食のスタートライン
ベビースプーンをお口に入れてみてとっさに押し戻す事がなくなったら、そろそろ離乳食を食べてみようかな、という赤ちゃんの合図です。
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離乳食初期の進め方
「離乳食は10倍粥をペースト状にしたものから始める」と育児書などに書いてありますが、これは、お米自体アレルギーが出づらい事と、日本人であればこの先長く食べ続けていくものですので慣れて貰うという意味があります。
最初に、甘くておいしいりんごの擦りおろしやカボチャペーストを与えてしまうと、味気のないお粥を食べなくなる赤ちゃんもいます。
10倍粥のペーストは消化器官にも負担が少なく刺激もありませんので離乳食のスタートにふさわしい食材だと思います。
ひとさじって小さじ1の事?それともベビースプーン1の事?
離乳食のひとさじとは、小さじ1の事を表します。そうなると、ベビースプーンで3回から5回分になります。
食べない子の場合は、ベビースプーンひとさじでも構いませんが、中にはあげた分だけいくらでも食べる元気な赤ちゃんもいますので、リミットとしてひとさじを「小さじ1」で考えておくと良いでしょう。
赤ちゃんにとって離乳食の初期は、お腹が空いて食べていると言うよりも遊び感覚や興味本位で食べているケースが多く、まだ身体も大量に食事が出来るまでにはなっていませんので食べさせ過ぎに気を付けましょう。
離乳食初期の目安
- 10倍粥小さじ1×2日間
- 10倍粥小さじ2×2日間
- 10倍粥大さじ1野菜ペースト小さじ1×10日間
- 10倍粥大さじ2×野菜ペースト小さじ1を2種類~3種類×2週間
母乳とミルクは欲しがる分だけ充分に飲ませます。
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初期の離乳食で注意する事
新しい食材をあげる時は必ず1品だけにする
新しい食材を食べさせる時は、もしもアレルギーが発症した場合、原因がどの食材にあるのか解らなくなるため、1品ずつ食べさせます。
アレルギーに備えて診察時間内に食べさせる
新しい物を食べさせる時は、もしものアレルギー反応に備えて、かかりつけの小児科が診察をしている時間を考慮して食べさせます。病院のお休みの日や午後休診などの日程もどこかに貼っておくといいですね。
無理して食べさせない・続けない
今まで母乳とミルクだけで育っていた赤ちゃんですから、食べたくない日もありますし、嫌がる日が続く様であれば、まだ時期が早かった、と言う事も考えられます。
一旦休止して、また赤ちゃんの様子を見ながら再スタートしても良いと思います。
初期の段階で栄養は母乳やミルクで足りていますので、無理強いをせず、のんびり進めていきましょう。
赤ちゃんの体調を見る
赤ちゃんの様子やうんちを見ながら、体調が悪そうな時はお休みして母乳またはミルクを飲ませましょう。
NG食材に気を付ける
アレルギー反応を起し易そうなNG食材を挙げると実はキリがないのですが、1歳前に絶対あげてはいけないのが、ハチミツと黒砂糖です。この2つは乳児ボツリヌス症発症のリスクが高い食材です。
もう1つ、お蕎麦も強いアレルギー反応が出る事のある食材ですので、1歳までは控えます。
また、刺激が強く不溶性食物繊維を多く含んだ食材や消化に悪そうな食物も避けましょう。
例としては、ごぼう、パイナップル、きのこ類などです。ドロドロな状態にしても繊維は残っていますので初期の離乳食には不向きです。
まとめ
初めての離乳食は、始める時期や食べさせる量など解らない事だらけの上に、赤ちゃんが食べてくれないことが度々あるので悩んだりイライラしてしまうママが大勢います。
また、離乳食の本やマニュアルもたくさんあり、「あくまでも目安です」と書かれているのを見て解ってはいても、ついつい食べさせなければ!と思ってしまったり、ここで頑張らないと好き嫌いの多い子になっちゃう!と思ってしまったり、家事は増えるし、ママにとっては辛い事の方が多い時期かもしれません。
けれど、初期の段階では食べる事に慣れてもらうだけで、まだまだ母乳やミルクと云った強い味方が付いています!
離乳食期は、長い人生の内わずか数ヶ月間の事です。味付けで失敗しても文句も言われませんし、「もっと可愛いキャラ弁作って」とか?「ゲッ、またこれか」なんてことも言われません。茹でて潰しただけの野菜を無心に食べてくれるなんてこの時しかないのです。
大変ですが、どうか楽しんで離乳食期を過ごして頂ければ、と心から思います。
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