比較的安価で、いつでも入手できるじゃがいもは、でんぷん質を多く含んでいるので甘くて食べやすい野菜の一つです。
でんぷん質が多いので、ごはんなどの主食に近いのですが、お米やパンと違い、ビタミンCを豊富に含んでいます。
また、そのビタミンCがでんぷん質に守られているので、加熱しても失われにくいのが特徴です。
甘くて、赤ちゃんの免疫力アップに効果があるビタミンCを多く含むじゃがいもは、離乳食にもお勧めの野菜です。
じゃがいもを使う際のポイント
いつから食べさせていいの?
じゃがいもはアレルギーの心配が少ないので、初期から水分を加えたペースト状にすれば初期から与えることができます。
選び方は?
次の2点をチェックしましょう
- 表面に張りがあってシワがないもの
- 皮が青緑色に変色していないもの
それと、じゃがいもには大きく分けて男爵とメークインという品種があります。調理方法によって次のように使い分けましょう。
ほくほくした食感で煮くずれしやすい品種です。ポテトサラダなど加熱してマッシュする調理に向いているので、初期からの離乳食に向いています。
しっとりとした食感で煮くずれの少ない品種です。炒め物や揚げ物、肉じゃがやカレーなど形を残したい調理に使います。また、後期以降の離乳食に向いています。
下ごしらえは?
じゃがいもは変色しやすくアクがあるので、皮をむいた後はすぐに水に浸しましょう。また、初期から使うためには加熱してマッシュしたものを用意する必要があります。
加熱方法として、今回は短時間でできるレンジでの方法と、手軽に美味しく作ることができる炊飯器での方法をご紹介します。
【材料】
- じゃがいも 1/4個分(25g)
- 水 小さじ2
【作り方】
- じゃがいもは厚めに皮をむき小さめに切り、水につけておきます。
- 耐熱容器に水気を切った1と水を入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600Wで1分程度加熱します。
- 熱いうちにマッシュします。
電子レンジによって加熱時間は異なるので、できあがりに竹串などを刺して加熱具合を確かめてみてください。
【材料】
- じゃがいも 1個(100g)
【作り方】
- じゃがいもは厚めに皮をむき半分か4等分に切って、5分程度水につけておきます。
- 1の水気を切って、アルミホイルに包み、炊飯時に米の上に入れ、炊飯します。
- ご飯が炊けたらアルミホイルごと取り出し、熱いうちにマッシュします。
炊飯器はゆっくりと長時間かけて加熱するので、じゃがいもの甘みが増し、マッシュしやすい柔らかさに仕上がります。
保存はできるの?
生のじゃがいもは冷蔵庫には入れず、風通しの良いところで保存しましょう。日光に当てると発芽しやすくなり、発芽部分には毒性のあるソラニンという物質が含まれるので注意しましょう。
また、りんごに含まれるエチレンガスには発芽を抑える作用があるので、長期保存したい場合はじゃがいもと一緒に箱に入れるのもお勧めです。
下ごしらえ済みのじゃがいもは、製氷器やラップなどで小分けをすることで、冷凍庫で2週間程度保存ができます。
じゃがいもと相性のいい食材は?
じゃがいもは淡白な甘さなので、いろんな食材と相性がよいのが特徴です。
また、じゃがいもに豊富に含まれるビタミンCは鉄分の吸収を高めてくれるので、鉄分を多く含む肉や魚、豆腐、緑黄色野菜との組み合わせがお勧めです。
月齢別の進め方
じゃがいもは水分を加えてペースト状にして飲み込みやすい状態にしましょう。また、初期は素材の味に触れてほしいので、最初はじゃがいもだけのペーストを与えてみましょう。
初期よりも水分を少なめに加えて、もぐもぐできる程度の状態にしてあげましょう。
歯茎の発達を促すために、じゃがいもを形を残して柔らかくなるまで加熱したメニューがお勧めになる時期です。
また、じゃがいもに含まれるでんぷんによって成型できる点を活かして、つかみ食べができるメニューにも利用しましょう。
じゃがいもの食感や甘さを活かしたメニューをおやつにも取り入れましょう。
月齢別のおすすめ簡単レシピ
離乳食初期(5~6ヶ月)
【材料】
- 下ごしらえ済みのじゃがいも 大さじ1
- お湯 大さじ1~2
【作り方】
- 下ごしらえ済みのじゃがいもをお湯でペースト状に溶きます。
離乳食中期(7~8ヶ月)
【材料】
- 下ごしらえ済みのじゃがいも 大さじ1
- かぼちゃ(皮をむいて) 20g
- 無糖ヨーグルト 大さじ1
【作り方】
- かぼちゃはラップに包んで電子レンジ600Wで30秒~1分加熱し、フォークの背でマッシュします。
- じゃがいも、1、無糖ヨーグルトを混ぜ合せます。
【材料】
- 下ごしらえ済みのじゃがいも 大さじ1
- 豆乳 大さじ2
- ブロッコリー(蕾の部分のみ)15g
- 粉チーズ 少々
【作り方】
- ブロッコリーはラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱し細かく刻みます。
- ボウルにじゃがいも、豆乳、1を入れて混ぜ合わせます。
- 耐熱皿に②を入れて、粉チーズを振ってトースターで3分焼きます。
離乳食後期(9~11ヶ月)
【材料】
- 鶏むね肉 15g
- じゃがいも 1/4個(25g)
- にんじん 20g
- 玉ねぎ 15g
- だし 1/2カップ(100cc)
- 砂糖 小さじ1/4
- しょうゆ 小さじ1/4
【作り方】
- にんじんとじゃがいもはさいの目に、じゃがいもは赤ちゃんの一口大、鶏肉は小さく切ります。
- 鍋にだしを入れてにんじん、たまねぎ、じゃがいも入れて、やわらかくなるまで煮ます。
- 2に鶏肉を入れ、火が通ったら砂糖と醤油で味付けします。
じゃがいもやにんじんといった根菜はよく煮ると歯茎でつぶせる硬さは離乳食後期にぴったりです。
大人の肉じゃがを作る際に、味付け前に取り出し、大きさを赤ちゃんサイズに切って調味するという方法もあります。
[/surfing_voice]【材料】※作りやすい分量なので離乳食4回分
- 下ごしらえ済みのじゃがいも 1個分
- しらす 大さじ2
- 冷凍ほうれんそう 50g
- 牛乳(もしくは調乳済みの粉ミルク)大さじ1
- サラダ油 小さじ1/2
【作り方】
- しらすは熱湯をかけて塩気と抜きます。
- ほうれん草はラップに包んで電子レンジ600Wで30秒加熱し、細かく刻みます。
- ボウルにじゃがいも、しらす、ほうれんそう、牛乳を入れて混ぜ合せます。
- フライパンにサラダ油を敷き、3を小さじで落とし入れて成型し、両面をよく焼きます。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
【材料】
- じゃがいも 1/2個(50g)
- プチトマト 1個
- たまねぎ 10g
- ピーマン 5g
- とろけるチーズ 10g
- オリーブオイル 小さじ1/2
【作り方】
- じゃがいもは細切り、玉ねぎとピーマンは薄くスライスし、プチトマトは4等分にします。
- 玉ねぎとピーマンをラップに包み電子レンジ600Wで30秒加熱します。
- フライパンを中火で熱し、オリーブオイルを敷き、じゃがいもを均等に丸型に乗せ、蓋をして3分焼きます。
- 3をひっくり返し、2とプチトマト、とろけるチーズを乗せ、蓋をして3分蒸し焼きにします。
じゃがいもに含まれるでんぷんの粘着力を利用してピザ生地にします。野菜の甘みをチーズの塩分が活かしてくれるので、ケチャップなどを使っていません。
大きめに作り、赤ちゃんと一緒に楽しむのもお勧めの一品です。
[/surfing_voice]【材料】
- じゃがいも 1/2個分(50g)
- 塩 少々
【作り方】
- じゃがいもはスライサーを使って薄くスライスし、水に付けます。
- 1の水気を切って(キッチンペーパーなどを使ってください)、耐熱皿に重ならないように広げます。
- 2を電子レンジ600Wで3~5分程度加熱して水分を飛ばして乾燥したチップス上に仕上げます。
- 3にお好みで塩を少々振りかけます。
じゃがいもを使う際の注意点
じゃがいもはでんぷん質が多いので、水分が少ないと飲み込みにくくなってしまいます。特に初期は飲み込む力が弱いので、ペースト状にするときはお湯で伸ばしてあげましょう。
また、後期以降のつかみ食べの際も、勢いよく赤ちゃんが食べないように注意してあげましょう。
じゃがいもの発芽した部分には、ソラニンという毒性の物質が含まれています。発芽した分は必ずきれいに取り除くようにしましょう。
まとめ
じゃがいもは手に入りやすく、甘くて食べやすく、ビタミンCの補給源となる食材です。
マッシュしたじゃがいもはポテトサラダやコロッケにも使えますので、赤ちゃんと共有して楽しい食生活に活用してくださいね。
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