にんじんのオレンジ色は皮膚を保護し、免疫力を高めるβカロテンによるもので、その含有量がトップクラスの緑黄色野菜です。
他にも、たんぱく質を体内でエネルギーに変えるために必要なビタミンB6、正しい神経伝達を助けるカリウムも多く含んでいます。
糖質を程よく含むので甘くて食べやすく、オレンジ色で見た目にも食欲をそそるので、離乳食におすすめです。
離乳食初期の進め方については下記のページでご紹介していますので、参考にしてみてください。
→ 離乳食はいつから始めたらいい?見きわめのポイント&初期の進め方
にんじんを使う際のポイント
いつから食べさせていいの?
アレルギーの心配が少なく、食感も柔らかいのでペーストにすることで初期から食べさせることができます。
選び方は?
オレンジ色の鮮やかなものほど、βカロテンが豊富な証拠です。
また、茎の切り口(傷のような部分)が太いものは、真ん中の芯の部分が多く固いので避けるようにしましょう。
下ごしらえは?
にんじんのβカロテンは皮の下に最も多く含まれるので皮は薄めに剥き、加熱して柔らかくします。
鍋を使っての加熱も可能ですが、時間がかかり芯まで柔らかくならないこともあるので、簡単な方法としてレンジと炊飯器を使う方法をご紹介します。
- にんじん 小1本(100g
- 水 大さじ2
- にんじんは皮をむき、小さめの乱切りにします。
- 耐熱容器に①と水を入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ500Wで2分~3分程度加熱します。
裏ごしする場合は熱いうちに行います。
- にんじん 小1本(100g)
人参の皮をむいて適当な大きさに切り、ラップでくるんで炊飯器でご飯と一緒に炊きます。
ゆっくりと長時間かけて加熱するので甘みが増し、裏ごししやすい柔らかさに仕上がります。
保存はできるの?
裏ごしや1回ごとに使いたい切り方にしたものを、製氷機やラップで小分けし、ジップロックなどの密封袋に入れることで、冷凍で2週間程度保存が可能です。
にんじんと相性のいい食材は?
にんじんは甘いので、どんな食材とも相性がよく、彩として少量使うためにストックしておくと便利な食材です。
栄養で考えると、にんじんに含まれるビタミンB6を活かすために、白身魚や鶏肉といったたんぱく質食材と組み合わせるとバランスがよくなります。
また、βカロテンは油と一緒に摂取すると体内での吸収率が上がるので、後期以降は少量の油を使った調理もお勧めです。
[dfads params=’groups=397&limit=1&orderby=random’]月齢別の進め方
最初はにんじんペースト単品から始めてにんじんの味を赤ちゃんに伝え、お粥やパン粥と組み合わせていきます。
裏ごししたにんじんの柔らかさをモグモグできるようになったら、柔らかく加熱した人にんじんを細かく刻んだものにチャレンジしていきます。
飲み込みにくそうな場合は無理をさせず、裏ごし、ペーストに戻り、柔軟に対応することが大切です。
柔らかく加熱したにんじんをやや大きめの形にし、育ち始めた歯茎の成長を促すのがお勧めです。
調味料も少しなら使ってもよいので、大人メニューからの取り分けもできるようになります。
油脂が少量であれば使えるようになるので、にんじんに含まれるβカロテンの吸収を高めるためにも利用し、メニューのバリエーションを増やしていきます。
にんじんの甘みを活かした手作りおやつを作るのもお勧めです。
関連記事:ストローマグの洗い方&頻度は?消毒はした方がいい?
月齢別のおすすめ簡単レシピ
離乳食初期(5~6ヶ月)
材料
- 下ごしらえ済みのにんじん 10g
- お湯 小さじ1
作り方
下ごしらえ済みの人参を裏ごししお湯でのばします。
材料
- にんじんペースト 1回分
- ごはん 20g
- 水 カップ1/2(100cc)
作り方
- ごはんは細かく刻んで深めの耐熱皿に入れ、水を加えてふんわりとラップをかけて電子レンジ500Wで5分加熱します。
- 1をすりつぶし、にんじんペーストをかけます。
離乳食中期(7~8ヶ月)
材料
- 下ごしらえ済みのにんじん 20g
- ブロッコリー(つぼみの部分のみ) 5g
- 調乳済みミルク 大さじ2(30cc)
作り方
- にんじんは裏ごしします。
- ブロッコリーはラップに包んで電子レンジ500Wで20秒加熱します。
- 調乳済みミルクと1を混ぜ合わせ、ブロッコリーを飾ります。
調乳済みミルクは豆乳を代用してもOKです。にんじんでとろみと甘さがつくので、ブロッコリーももぐもぐしやすくなります。
牛乳を代用して調理する場合は、赤ちゃんの消化機能の成長を考慮して後期以降にします。
[/surfing_voice]材料
- 豆腐 30g
- 下ごしらえ済みのにんじん 10g
- かぼちゃ 10g
- だし汁 1/4カップ(50cc)
作り方
- 豆腐とにんじんは細かく刻みます。
- かぼちゃはラップに包んで電子レンジ500Wで30秒加熱し、細かく刻みます。
- 耐熱皿に1と2をいれて、だし汁をかけ、ラップをふんわりとかけて電子レンジ500Wで1分加熱します。
細かく刻みだし汁で水分も多めなので、豆腐は絹ごしでももめんでもOKです。
にんじんとかぼちゃのでんぷん質でとろみが少しだけつきますが、食べにくそうな場合はスプーンで具をつぶして与えます。
[/surfing_voice]離乳食後期(9~11ヶ月)
材料
- にんじん 20g
- 大根 20g
- だし汁 1/4カップ(50cc)
- しょうゆ 少々
作り方
- にんじんとだいこんは皮をむき、3cmの長さのスティックに切ります。
- 小鍋にだし汁と1を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして10分程度煮ます。
- しょうゆで味付けします。
にんじんや大根といった根菜は柔らかく加熱すると育ち始めた歯茎でも噛めるので、つかみ食べができる形状にして食べる意欲を掻き立てます。
わざわざ離乳食用に作らなくても、切り方だけ工夫をして、大人用の煮物を作る際に味付け前に取り分けするという作り方もあります。
[/surfing_voice]材料
- ごはん 50g
- しらす 大さじ1(6g)
- にんじん 15g
- たまねぎ 15g
- しょうゆ 小さじ1/2
- 水 大さじ2
作り方
- 耐熱容器にごはんとしょうゆ、水をいれてラップをふんわりとかけて電子レンジ500wで2分加熱します。
- 玉ねぎとにんじんはみじん切りにして、耐熱容器にいれて水を大さじ2(分量外)を入れてラップをふんわりとかけて電子レンジ500Wで2分加熱します。
- しらすは熱湯をかけて、粗いみじん切りにします。
- 1に2と3をいれて混ぜ合わせ、ラップをせずに電子レンジ500Wで1分加熱します。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
材料
- 下ごしらえ済みのにんじん 1/2本分
- 片栗粉 大さじ1(9g)
- 水 小さじ2
作り方
- ボウルににんじんをいれてつぶし、片栗粉と水を入れて混ぜ合わせます。
- オーブンと天板を180度に予熱し、その間に①をひとくちサイズに丸め、クッキングシートの上に並べます。
- オーブンで15分焼きます。
材料
- 鶏むね肉 30g
- 小麦粉 大さじ1(9g)
- にんじん 10g
- 牛乳 大さじ1
- すりごま 少々
- サラダ油 小さじ1/2
作り方
- にんじんは擦りおろします。
- ボウルに小麦粉、1の擦りおろしたにんじん、牛乳、すりごまを入れて混ぜあわせ、衣を作ります。
- 鶏むね肉は赤ちゃんの一口サイズに切ります。
- テフロン加工のフライパンを熱し、油を敷いて、3に2の衣をつけて両面を揚げ焼きします。
にんじんを使う際の注意点
アレルギーの心配も少なく、消化機能に負担をかけることも少ないため、注意点は特にありません。
但し、便にそのままにんじんが出てきてしまう場合は、赤ちゃんがうまく咀嚼できずにそのまま飲み込んでしまっている可能性があります。
咀嚼できる硬さになるように、下ごしらえの際ににんじんの真ん中にある固い芯の部分を、できるだけ取り除くようにします。
まとめ
にんじんは1年中安定した価格で流通しているので買いやすく、食欲をそそるオレンジ色のβカロテンで見た目と栄養で元気をくれる頼もしい食材です。
βカロテンは皮膚や粘膜を保護に役立つ栄養素なので、赤ちゃんの肌と体を強くしてくれますし、美肌効果もありますのでお母様も一緒に積極的に摂ってほしいと思います。
最近は品種改良により甘みを強くしたものも出回っていますので、にんじんを使って自然の甘みを活かした調理を心がけ、赤ちゃんの味覚の成長を促してあげてくださいね。
下記のページでは、離乳食づくりの際に水道水を使うことで何か影響が考えられるのか、上手な付き合い方についてご紹介しています。