ささみは、鶏むね肉の裏側についた肉のことで、笹の葉の形に似ていることからこのように呼ばれるようになったそうです。
ささみといえば低カロリー高たんぱく質というイメージですが、実際にささみ1本(約50g)で成人女性が一日に必要なたんぱく質の1/4程度を摂取することができるほどなのです。
また、たんぱく質を体内でエネルギーに変えるために必要な栄養素であるビタミンB6が多く含まれており、こちらもささみ1本で成人女性に1日に必要な量の1/4を摂取することができます。
そして、ささみは肉類の中でも脂質がとても少なく、同じように脂質が低い印象の皮なしの鶏むね肉と比べても、その半分しか含まれていないのが特徴です。
たんぱく質が豊富でありながら脂質が少ないささみは、肉類の中でも離乳食に取り入れやすい食材です。
ささみを使う際のポイント
いつから食べさせていいの?
ささみは脂質が少ないので、肉類の中でも早めのおおよそ離乳食中期の7か月頃からお湯でのばしたペースト状であれば食べさせることができます。
ただし、たんぱく質の消化に慣れておくために、豆腐や白身魚を食べられるようになった後に試すことをお勧めします。
選び方は?
ささみも含めて鶏肉は水分が多く傷みやすい肉なので、スーパーでパック売りされている場合は加工日で新しいかどうかを確かめます。新鮮なささみを選ぶポイントは次の3つです。
身にある程度の厚みがあって、もちもちっとした張りがあり、身が締まっているかどうかを確かめます。身が緩んでいるものは鮮度が落ちており、肉の組織が破壊されているので味も良くないのです。
身が淡いクリームががったピンク色をしていて、つやのあるものは鮮度がよい証拠です。古くなってくると、身の色がだんだんとくすんでいきます。
ぬるっとして肉汁(ドリップ)の出ているものは古い証拠なので避けます。
下ごしらえは?
ささみを離乳食で使う場合は、必ずすじをとります。また、離乳食中期~後期にかけては熱湯で茹で蒸してほぐします。
すじとりの方法
すじとりの方法には包丁もしくはフォークを使う方法がお勧めです。
- ささみの白いすじの両側に、すじに沿うように少し切り込みを入れます。
- すじが下になるようにささみを反転させ、左手ですじをしっかり持ちます。包丁を飛び出ているすじの上に置き、すじを抑えながら包丁をささみの身のほうへ(右側へ)動かします。
- そのまますじが全て出てくるまで、包丁を動かします。
- ささみの白いすじを上にしてささみを置き、フォークの先をすじの下に通し、すじが持ちやすくなるようにすじと身を切り離します。
- 左手ですじをしっかり持ち、フォークの刃の間にすじを入れて、身から引き離します。引き離すときに、はじめに少し力は必要ですが、その後は比較的簡単にすじを取ることができます。
茹で蒸しの方法
茹でるとパサパサとした食感になりやすいので、片栗粉をまぶして、茹で蒸しするのがお勧めです。
片栗粉をまぶすことでささみの加熱しすぎと水分の蒸発を防ぎ、肉質を保ってくれる上、ペースト状にする際に少しとろみがつきます。方法は次の通りです。
- ささみに片栗粉を薄くまぶします。
- 鍋にささみがかぶるくらいの水を入れ、沸騰させます。
- 2に1を入れ、再沸騰(20秒程度)したら火を止め、蓋をして約8分放置します。
- 時間が経ったらささみを取り出し、粗熱がとれたらほぐします。
保存はできるの?
ささみは1回に使い切る量ごとに小分けして、ラップやジッパー付きのポリ袋を使って密封することで、冷凍保存ができます。
金属のバットにのせる、冷蔵庫に急速冷凍機能があれば利用することで、より鮮度が高いうちに短時間で凍らせると肉質を保つことができます。
尚、保存期間は2週間を超えないように注意します。
ささみと相性のいい食材は?
ささみのパサつきを感じさせないために、かぼちゃやじゃがいものマッシュと和える、トマトやかぶといった水分の多い野菜との調理がお勧めです。
栄養価においても野菜類と調理することで、ささみに含まれていないビタミン類が一緒に摂取できます。
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月齢別の進め方
ささみは肉類の中でも脂質がとても少ない部位なので、消化に負担がかかりにくく、離乳食での肉類デビューに適した食材です。
ささみは加熱するとパサパサし、飲み込みにくいのため、お湯やだしで伸ばしてペースト状にします。
最初はささみペーストをおかゆやじゃがいものマッシュにのせる、食べ慣れたお野菜と和えるといった調理方法がお勧めです。
ささみは下茹で後、ほぐした状態での調理可能となります。
バナナ程度の硬さまで食べられるようになる頃ですが、ささみよりもお野菜の方が口当たりがよいので、最初はお野菜を小さく角切りして煮たものにささみペーストを混ぜることから始めます。
お野菜でかみかみすることに慣れてから、ささみの食感を変えていくことをお勧めします。
ささみは下茹でせず、すじとり後にたたきつぶす、みじん切りにし、そのまま加熱調理できるようになります。
ささみは脂質が少ないので消化に負担がかかりにくいため、肉団子や肉類を使った油調理メニューのデビューにお勧めです。
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月齢別のおすすめ簡単レシピ
離乳食中期(7~8ヶ月)
材料
- ささみ 10g(1/5本分)
- お湯 10cc
作り方
下ごしらえ済みのささみをすりつぶし、お湯でのばします。
ささみ1本分をまとめて作り、5回分に小分けし、密封して冷凍保存が可能です。冷凍保存する場合は1週間以内に使い切るようにします。
材料
- ささみペースト 20g
- かぼちゃ(実のみ) 20g
作り方
- かぼちゃはラップにくるみ、電子レンジ500wで20秒加熱しやわらかくします。
- 1を粗つぶしし、ささみペーストと混ぜ合せます。
ささみのもそもそした感じをかぼちゃで優しく包むので、もぐもぐしやすくなります。食べなれた甘いお野菜とささみの組み合わせは、お肉デビューにお勧めです。
かぼちゃだけでなく、いろんなお野菜(ペースト)でアレンジ可能です。
離乳食後期(9~11ヶ月)
材料
- トマト 20g(中1/4個分)
- ささみペースト 20g
- 粉チーズ 少々
作り方
- トマトは湯むきし、種をとり小さく刻みます。(30g→20g程度になります)
- 耐熱の小皿に、ささみペーストに1を加えて混ぜあわせ、電子レンジ500wで20秒加熱します。
- 2に粉チーズをふります。
トマトに食感を残し、かみかみできるようにしています。トマトの湯むきとは、トマトの頭に十字の切り込みを入れ、熱湯でゆで、切り込みがペロンと剥がれてきたら取り出し、皮をむく方法です。
ささみペーストで慣れてきたら、下ごしらえ済みのささみを細かくほぐしたものに替えても良いです。
材料
- かぶ 20g(小1/4個)
- だし汁(昆布) 50cc(1/4カップ)
- 下ごしらえ済みのささみ 15g
- かぶの葉 5g
作り方
- かぶは皮をむき、7mm程度の小さい角切りにします。
- 下ごしらえ済みのささみをすりつぶし、またはみじん切りにします。
- 小鍋にだし汁を入れ、①を加えて沸騰したら弱火で5分蓋をして煮ます。
- 3に2とかぶの葉を加え、ひと煮立ちさせます。
かみかみを促すために、かぶとささみに食感を残します。飲み込みが困難な場合は、水溶き片栗粉を最後に加えてあんかけ風にするのもお勧めです。
かぶ以外にも、にんじんや大根など、煮ると軟らかくなる根菜でアレンジすることができます。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
材料
- 冷凍ほうれん草 5g
- たまねぎ 5g
- 片栗粉 少々(小さじ1/5程度)
- すじを取ったささみ 15g(約1/4本分)
- 塩 少々
- 片栗粉(まぶす用) 適量
作り方
- 冷凍ほうれん草はみじん切りにし、自然解凍させます。
- たまねぎはみじん切りにし、片栗粉を混ぜ合せます。
- ささみは刻んで、包丁でたたきつぶします。
- 2に3を加え、塩を加えて混ぜ合せます。
- 4をベビースプーン1さじ分とり、団子に成型し、片栗粉をまぶします。
- 5に1のほうれん草をのせ、クッキングペーパーを敷いた深さのある耐熱の小皿にのせていきます。
- 小鍋に2センチ程度の水を張り、沸騰したら、6を入れて蓋をし、中火~弱火で8分加熱します。
脂質の少ないささみを油を使わず蒸すので、消化の未熟な赤ちゃんにやさしい肉だんご料理です。
食べる際におしょうゆをつけて味に変化をつけてもよいです。ささみで慣れてきたら、鶏肉のミンチ、豚のミンチに替えてアレンジもできます。
家族用に大量に作る際には、4の工程で離乳食用にとりわけ、残りに酒、しょうが汁、コショウなどで味付けをし、しゅうまいの皮で包みます。
家族用とともに、大量に蒸すときはフライパンを使い、パスタ皿のようなやや深さのあるお皿に乗せて中火で10分蒸します。
材料
- すじをとったささみ 10g (1/5本)
- にんじん 10g(小1/10本)
- 小松菜 10g(1/5把)
- ゆでうどん 50g(1/4玉)
- たまご 17g(約1/3個分)
- サラダ油 少々
作り方
- ささみはみじん切りにします。
- にんじん、小松菜、うどんもそれぞれみじん切りにし、①とたまごで混ぜ合せます。
- フライパンを熱し、サラダ油を敷き、②を流し込んで弱火で蓋をして両面を各7分程度じっくり焼きます。
うどんは主食に分類されるので、手づかみできる軽食メニューです。また、うどんには食塩が含まれているので、調味料による味付けなしで素材の味を楽しめるようにします。
うどん以外でもそうめんで同様に作ることができます。
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ささみを使う際の注意点
すじは取り除いてから使う
ささみについているすじは、硬く噛み砕くことがとても困難な部分なので、離乳食期には必ず取り除くようにします。
食中毒に注意
鶏肉にはカンピロバクターという食中毒を引き起こす細菌が付着していることがあります。
カンピロバクターは十分な加熱で死滅する菌なので、ささみは十分に加熱調理をする必要があります。
また、二次汚染を防ぐために、生のささみを調理後のまな板や包丁などは必ず熱湯で消毒処理することを忘れないようにします。
鶏肉アレルギーに注意
鶏肉にはアレルギーを引き起こす心配があります。ささみを初めて食べさせる時には、一口にし、体調に異変が出ないか注意する必要があります。
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まとめ
ささみは、口腔の発達段階に合わせた食感の変化に対応できる頼もしい食材です。
また、たんぱく質が豊富で脂質が少ないという栄養価での特徴は、産後の体調が気になるお母さんにもおすすめなので、ぜひご家族で一緒に食べてほしい食材です。
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