トマトは品種も多く、手軽に入手できる野菜です。β-カロテンやビタミンCのようなビタミンだけでなく、色素成分として含まれているリコピンも身体には嬉しい成分。
いずれも抗酸化作用が期待できますが、ビタミンCのように調理で損失しやすい栄養素と違い、リコピンは熱にも強いところが嬉しい成分です。
小さいころからトマトに慣れ親しんでおくと、お弁当を食べるような年齢になっても、プチトマトをポンと入れるだけでも野菜を手軽に摂取できるようになりますし、きれいな赤い色は何かと食卓を華やかにしてくれます。
離乳食にも使いやすい食材ですので、早い時期からぜひ使ってみてください。
トマトを使う際のポイント
いつから食べさせていいの?
トマトは離乳開始、間もないころからチャレンジできる食材です。
離乳食を始めたばかりの頃は、他の野菜と同様にすりつぶして使います。赤みがきれいなので、白身魚やつぶしがゆなどと合わせても良いでしょう。
選び方は?
一般的にトマトは、おしりに星のように放射線状の筋が入っているものの味が良いとされています。酸味の強いものをあげると、トマトが苦手になってしまうこともあるので、甘いものを選びましょう。
甘さがあるを選ぶコツは赤く色づいていて、おしりに放射線状の筋があるかを見ます。
トマトには生食用のものと、加熱用のものがあります。もし熱を入れて調理する予定であれば加熱用トマトの方がうま味を感じやすいので、薄味で仕上げる離乳食には向いています。
ただし生食には向かないので、用途に合わせて選びましょう。
下ごしらえは?
皮と種は消化があまり良くないので、初めのうちは取り除きましょう。果肉部分のみでしたらやわらかいので、すりつぶしにするのも、あまり大変ではないと思います。
保存はできるの?
きざんだものやすりおろしたものを冷凍保存して使うことができます。ただしビタミンCはデリケートなビタミンなので、保存中や解凍によって損失してしまいます。
ビタミンCの摂取を期待するのであれば、その都度料理をした方が良いでしょう。
冷凍保存の場合には製氷機などに入れて、1回分ずつ解凍しやすいキューブ状にしておくと良いでしょう。自然解凍ではなく、加熱して使用しましょう。
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月例別の進め方
なめらかにすりつぶした状態から始めましょう。皮や種は取り除き、すり鉢やフードプロセッサーでなめらかにしたペーストを使います。
舌でつぶせるかたさであれば良いので、皮や種は取り除きますが、細かいペーストにしなくても包丁で叩く程度で大丈夫です。いろいろな舌ざわりや食感が楽しめるように工夫しましょう。
歯ぐきでつぶせるかたさにしましょう。皮や種は取り除き、食べやすい大きさに切るくらいで食べらえますので、周りの家族と一緒の様相になってきます。
食べにくそうでなければ、皮や種もわざわざ取り除かなくても良いでしょう。プチトマトは丸ごとだとつまらせてしまいますので、他の大きさのトマト同様、食べやすい大きさにカットします。
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月例別のおすすめ簡単レシピ
離乳食初期(5~6ヶ月)
材料
- トマト 15g(ミニトマト1個分くらい)
作り方
- 湯むきして皮を除く。
- カットして種を取り除く。
- すり鉢かフードプロセッサーでなめらかにする。
- 裏ごししてより滑らかなペースト状にする。
離乳食中期(7~8ヶ月)
材料
- トマトペースト※ 50g
- キャベツ 1枚
- ニンジン 20g
- 水 400ml
※離乳食初期で作ったもの。ただし裏ごしせず、すり鉢かフードプロセッサーでなめらかにしただけで充分。
作り方
- キャベツは芯やかたい部分を取り除き、粗みじんにする。
- ニンジンは皮をむき、粗みじんにする。
- 鍋に水、キャベツ、ニンジンを入れ、柔らかくなるまで煮る。
- トマトペーストを入れて味がなじんだら火を止める。
離乳食後期(9~11ヶ月)
材料
トマト寒天- トマト 1個
- 水 500ml
- 粉寒天 5g
- 牛乳 500ml
- 砂糖 50g
- 粉寒天 5g
作り方
トマト寒天- トマトは湯むきをして皮を取り除き、切って種も除く。
- 1cm角くらいの大きさに切る。
- 水を沸かし、沸騰したら粉寒天を入れ弱火で2~3分、しっかり溶かす。
- トマトを入れ、少し熱を通したら火を止め、容器に流し入れ、荒熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める。
- 牛乳を沸かし、鍋のふちがふつふつとしてきたら砂糖を溶かす。
- 砂糖が完全に溶けたら粉寒天を入れ弱火で2~3分、しっかり溶かす。
- 容器に流し入れ、荒熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める。
トマト寒天、牛乳寒天が固まったらそれぞれ2cm角程度に切って、合わせて器に盛る。
離乳食完了期(12~18ヶ月)
材料
- トマト 1/2個
- 卵 1個
- 塩 少々
- 油 適量
作り方
- トマトは1cmくらいの角切りにしておく。
- 卵はよくといておき、塩で味付けをしておく。
- フライパンを熱し、油をひいてなじませる。トマトを入れ、油をなじませるように火を通す。
- 卵を入れ、スクランブルエッグになるようにかき混ぜながら完全に火を通す。
トマトを使う際の注意点
トマトは大きさや種類が豊富で入手しやすいだけでなく、加工品も多くあります。普段の食卓では使い勝手が良いものですが、離乳食の場合には注意が必要です。
トマトケチャップやトマトの缶詰では塩分含量が多いものも少なくありません。ピューレやペーストのなかには食塩不使用のものもありますので、表示をきちんと確認しましょう。
また日頃はあまり塩分を意識していないトマトジュースについても、食塩が入っているものと無添加のものとがありますので、同様に表示で確認しましょう。
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まとめ
トマト売り場が豊富な食料品店は、他の生鮮食品にも期待ができるとよく言われます。それだけトマトは人気食材で、各店取り扱う品種数も多く、力が入っているのです。
けれど実はトマトが嫌いというお子さんも少なくありません。これはこれまでおいしいトマトに出会えず、酸っぱかったり水っぽかったりする印象がついてしまった場合に多いようです。
お母さま方はぜひ、甘いトマトを目利きして、離乳食の初期の頃からトマトに慣れ親しめるような習慣をつけてあげてください。
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