手で搾乳をする手順は?何かコツはあるの?保存する方法&飲ませ方

女性育児

胸が張って辛い時。赤ちゃんを人に預ける時。症状や問題を解決する方法として進められるのが「搾乳」です。

でも実際にどのようにすれば良いかは、母乳外来などでないとなかなか教えてもらえません。

また、自動の搾乳機もありますが高額ですし、レンタルしようにも時間がかかるのでなかなか手が出せない、というのが本音かと思います。

そこで今回は、自宅でも簡単にできる「搾乳方法」と、意外と知られていない「保存法」について、ご紹介していきます!

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手で搾乳をする手順は?何かコツはあるの?

哺乳瓶

実は私自身、仕事や家庭の事情で生後一か月から搾乳を行っていました。体験の中で実感した「最適な搾乳方法」をここで公開します!

搾乳手順

まずは基本的な「搾乳手順」をご紹介します。

使用物品

母乳を入れる清潔な容器、ティッシュor清潔なタオル(母乳を絞る際に手につく母乳を服もの)、搾乳する手を支えるクッション(授乳クッションなど)

搾乳手順

  1. 洗い、乳輪の周囲も軽く拭いてゴミなどを取り除いておく
  2. 搾乳中に動かなくてよいように、使用する物品を手の届く位置にそろえておく
  3. 授乳クッションなどを使い、搾乳しやすい体制を整える
  4. 搾乳する側の乳輪を出して、親指と人差し指で押し、圧力をかけながら、ゆっくりと乳首に向かって絞る。この際、1方向ではなく、様々な角度や方向から、ゆっくりと絞る。
  5. ある程度絞ったら、反対側も絞り、交互に絞っていく。
  6. 容器を清潔な状態で密閉し、保存する。
  7. 物品を片付け、手を洗い、終了

搾乳時のポイント

ポイントは「清潔」です。本来は赤ちゃんが直接吸う母乳ですが、搾乳では一度外に出て、保存します。

直接あげる母乳と違い、「保存する」という工程を経なくてはいけないため、「いかに清潔な状態で搾乳するか」ということが重要となります。

搾乳にかける時間、間隔

一回の搾乳のうち、かける時間はおおよそ授乳時の時間と同じくらいにします。そのため、10~15分くらいを目安とし、長くても20分以内にするとよいでしょう。

そうすることで、「必要量以上の母乳が新たに作られないように」することができます。

また、間隔も授乳と同様の間隔をあけることで、乳房を傷つけたり、体の負担にならずに行うことができます。

少なくとも新生児期は1時間以上、生後1~3か月ごろは2時間以上、それ以降は3時間以上空けられると、お母さんの負担も軽減でき、なおかつ効率よく搾乳ができます。

一回あたりの目安量

搾乳をする際についやってしまうのが、「量にこだわってしまう」ことです。

たしかに母乳は出れば出るほどよいと思いがちですが、あまりに量が作られすぎてしまうと、かえって胸が張りやすくなってしまい、お母さんにとって負担となってしまいます。

そのため、新生児期は「一回あたりのミルクの授乳量」を目安に搾乳を行い、それ以降については「量よりも時間」を気にするようにしたほうが、お母さんにとっても辛くなくなります。

搾乳時のコツ

搾乳を行う際の一番のコツは、「乳首ではなく乳輪を、押すではなく絞る間隔で搾乳する」です。

搾乳をする際、つい母乳が出る乳首そのものを刺激したくなるのですが、乳首は過度に負担をかけると傷ができてしまいやすくなります。

赤ちゃんも乳輪すべてを含ませるように指導されるのと一緒で、搾乳の際も必ず乳輪から圧をかけるようにします。

圧をかける際も、力いっぱい圧力をかけてしまうと今度は圧力をかけないと母乳が十分に出なくなってしまうので、「痛くはないけど少し違和感がある程度」の圧力で、「押すのではなく、絞るように外側からゆっくりと圧をかける」ことを心がけるとよいでしょう。

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搾乳後の母乳を保存する方法は?

哺乳瓶

母乳は、衛生面に注意しながら搾乳することで、一定期間保存しておくことは可能です。

しかし、ネット上では様々な情報が乱れ飛んでおり、実際にはどうすればよいか迷ってしまう方も多いかと思います。

そこで今回は、母乳の搾乳機を製造しているメーカーである「メデラ」での情報を参考に、各保存方法と母乳の使用期限、実際にやってみてのお勧め度についてまとめていました。

常温(おススメ度:☆)

メデラ内での定義では、常温とは19度~26度であれば、4~6時間は保存可能としています。赤ちゃんがいるお宅では、おおよそ室温はこの温度内で保たれているかと思います。

し かし私の場合、蓋をしっかり閉めていても常温でおいておくのは少し心配だったので、私は直後に飲ませる予定だったり、入浴前に絞って入浴後にあげるのがわ かっているときなど、「すぐに飲ませる予定になっている」時のみ、常温保存をしていました。そのため、おススメ度は☆1個です。

冷蔵庫(おススメ度:☆☆)

メデラでは、4度以下で保存しておけば3~8日保存可能としています。

日本の冷蔵庫は性能が良いので、おおよそ冷蔵庫にて4度以下に保つことは可能かと思いますが、私は心配だったので母乳専用の容器をチルド室に入れて母乳を保存していました

冷蔵庫保存のいいところは、冷凍に比べて温めやすく、すぐに使うことができるということです。

しかし、十分に温めておかないと冷たい母乳を飲ませることになるため、使い勝手としては良いとは言い難いです。そのため、おススメ度は☆2個です。

急速冷凍庫(おススメ度:☆☆☆)

メデラでは、マイナス18度から20度で急速冷凍することで、半年から最長1年は保存可能としています。

2016年現在、日本国内で生産されている冷凍庫はマイナス18度以下が基準となっているので、おおよそメデラで示されている基準はクリアしています。

冷凍する際は、母乳がある程度膨張してしまうため、容器ぎりぎりまで母乳を満たしてしまっていると、容器が破損してしまう恐れがあります。

そのため、母乳を保存する専用の容器または母乳パックを使用することが奨励されています。

私 は冷凍の際、使い捨ての母乳パックを使っていました

冷凍の場合はなんといっても保存期間が長く、お湯をかけ流しすれば100ccほどであれば数分で飲ま せられるくらいに解凍&温めができるため、一番重宝していました。

使い勝手の良さと保存期間の長さから、おススメ度は☆3個です!

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搾乳した母乳の飲ませ方は?

ミルクを飲む赤ちゃん

搾乳し、正しい方法で保存した母乳でも、正しく取り扱わないとせっかくの栄養成分が壊れてしまう可能性があります。

そこで、搾乳した母乳の正しい飲ませ方について、実体験も交えて解説していきます!

保存方法ごとの飲ませ方

冷蔵した母乳の場合

飲ませる際には、37度以下のお湯につけて温めた後、ゆっくりと振って成分をなじませてから飲ませます。

目安としては、哺乳瓶に入れた際に冷たさを感じず、ほのかに暖かさを感じるくらいです。

冷凍した母乳の場合

一 度冷凍した母乳を解凍する際は、使う前日から冷蔵庫に入れてゆっくり解凍した後、冷蔵の母乳同様37度以下のお湯で温めてから使用するか、同じく37度以 下のお湯をかけ流ししながら溶かす方法があります。

電子レンジや熱いお湯で湯煎を行ってしまうと、母乳の中にふくまれている栄養成分の一部が壊れてしまう ため、行わないでください。

哺乳瓶の選び方

搾乳しているお母さんの多くは、完全母乳あるいはミルクとの混合育児をされているかと思います。

以前は母乳よりも哺乳瓶の乳首のほうが弱い力で哺乳することができてしまうため、哺乳瓶に慣れてしまうと母乳がうまく吸えないといわれていました。

しかし、2016年現在では「吸いにくい乳首」が開発され、ある程度の力を咥えないと哺乳できない設計になっているために、哺乳瓶を使っても母乳育児に障害を与えにくくなってきました。

そのため、哺乳瓶を選ぶ際には「母乳育児を推奨している乳首」を選ぶようにしましょう。

「どのメーカーが良いのかわからない」という場合には、産院や病院に連絡を取り、助産師さんがおすすめするメーカーのを使用するのも良いでしょう。

保存カップや容器の選び方

母乳を保存する際、哺乳瓶と同様に迷ってしまうのが「母乳を保存する容器」です。

「この容器でなければ母乳は保存できない」ということはありませんが、特に新生児期や月齢が低い場合には、清潔に保存するためにも、なるべく専用の容器を使われることをお勧めします。

特に冷凍用に作成されている「母乳パック」は、滅菌処理がされており、使い捨てのため清潔を保てるので、保存に適しているといえるでしょう。

私は基本的に母乳パックを使用していましたが、常温や冷蔵保存したい時もあったため、専用の保存容器も一セット購入し、使い分けることで保存していました。

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まとめ

現在、日本では母乳育児が推奨されていますが、働いているお母さんや、用事があって一時的に直接母乳を上げることができない場合、どうしていいか迷ってしまうお母さんが多くいらっしゃるのも事実です。

母乳育児にとって一番よくないのは「お母さんのストレス」です。

「完全母乳だからどこにも預けられないし、どこにも行けない」と思っているお母さんは多いのですが、上手に搾乳し、母乳を保存することで、母乳育児を続けながら赤ちゃんを預けてどこかへリフレッシュに行くことだって十分可能です。

ぜひ、正しい搾乳・保存を行って、ストレスをためずに、母乳育児を楽しんでくださいね。

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