子どもが生まれるとママは24時間フル稼働です。アタフタする日々の中ではパパのサポートが感じられないと、育児や家事に取り組むモチベーションが下がって精神的に参ってしまうものです。
そして、最大の悩みは自分のための時間が持てないこと。こうした子育て中の環境が取り巻くママのイライラやパパへの不満は、最近では産後クライシスという名前で取り上げられるようになってきました。
「どうして私ばかり、こんなに忙しいの?」とふさぎ込んでいませんか?一人で無理をしていませんか?
一方通行の思いで自分がつらくなってしまわないように、パパとの関わりの中でママが前向きになれて、家庭での負担を少なくする方法を体験談や医学的根拠からピックアップしてみました。
それぞれに思うところは違いますが、まずは一呼吸おいて、パパを密かにコントロールするぐらいの心の余裕を持って産後クライシスによるイライラモードを和らげましょう。
ママの気持ちが不安定になる理由・産後クライシスについて
産後クライシスとは
生理の時にイライラしやすくなるように、ママの体は産後もホルモンバランスが大きく崩れるので感情の起伏が激しくなります。このような気持ちのコントロールができない状態で育児や家事をこなすなかで、パパの協力が得られないアクションを受けることでイライラが募り、パパへの愛情が冷めていく現象を産後クライシスと言います。
育児や家事に協力的でないことの他に、産後の状態への理解不足や思いやりの心が持てないなどのパパの関わりが大きな原因となっています。
きっかけと押し寄せるタイミング
出産によって精神面が不安定なママの心はまるでシャボン玉のようにもろく、敏感に物事に反応しやすい状態です。
実家のサポートがある人、産後も仕事に頑張る人などそれぞれ環境は異なっても、自分にとって一番の理解者であるべき夫が向き合った存在でいないと産後クライシスが途端に押し寄せます。
育児で外部との接触が限られ、コミュニケーションをとる相手がパパに限定された生活パターンに変化したママは、特に心の持ち方がしんどい現状に追い込まれやすくなります。
どんなときにつらくなるの?
ママは馴れない育児をほとんど自分一人でこなすため身も心もお疲れ気味なのですが、頼みの綱のパパは家庭を仕事に順じた見方をする傾向にあるのでメンタルな部分まで見つめてくれる余裕がないのが実情です。
そんなパパを見てイライラもつもり、お互いが空回りして夫婦間のコミュニケーションがとりづらくなってしまいます。
体験談などを見ていくと次のような夫への不満を抱くときに、涙があふれ出たりイライラするなどの産後クライシス特有の感情が芽生えるようです。
- 休日に趣味に時間を費やしている
- 話しを聞いてくれない、話をしようとしない
- 食後のお皿を下げるだけの簡単な家事もしてくれない
- 夫の実家絡みのことなど、身内の悩みに取り合ってくれない
- 会社帰りに真っ直ぐに家に帰ってこない
- コンビニでビールや本など自分のためだけの買い物をしてくる
- 子どものお世話はあやすことだけしかしない
- パジャマを床に放ったままで片付けないなど、だらしがない
同じ境遇を経験しているママさんが本当に沢山います。住み慣れない土地で育児をスタートさせているママさんになると、子どもとの繋がりで1から友人を作る義務感のような悩みも加わって、産後クライシスもさらに酷くなる傾向に。パパのサポートは本当に大切なのです。
パパはどうしてママをイライラさせてしまうの?
考え方の違いが出る原点は未来の見つめ方
男の人と女の人は基本的に生き物としての構造が違います。そして、考え方も当然のことながら異なり、先に向いていく未来の見方にも違いが出ているのです。
子どもを持ったばかりの夫婦に聞いた、家庭に思う未来への心配を尋ねるアンケートでもそれは明確に現われています。
1・家のローン
2・家族を養っていくこの先の不安
3・教育にかかるお金の工面
1・ちゃんとうまく育ててゆけるか
2・子どもをとりまく人間関係がうまくゆくか
3・きちんとした教育を子どもに受けさせたい
子どもが誕生することでパパは養っていくという金銭的な実際問題に思うところが大きく、ママは子どもの成長を案じる気持ちを強く持っていることがわかります。
勿論全ての方がこの考えと該当はしないのですが、考え方の相違がことさらに産後のママのストレスに寄り添えない形を作り、イライラモードを加速させる原点となっているようです。
あさイチで実態が解明された「ガキ夫」が一番のイライラのネック!?
先日放映されたあさイチで「ガキ夫」についての談義が世のママの話題をさらいました。
「ガキ夫」とは少年の心を持ったパパのこと。一見、純粋で素朴なイメージを受けますが、実態はママもお馴染みの手のかかる男の子という状態です。
片付けをしない、手伝わない、すねる、大事なことはそっちのけで何かに没頭するなど、心当たりの「ガキ夫」行動がパパにもありませんか?
読んだ本がそのままだったりして何度言っても直らないようなシチュエーションが目につき、育児と家事で忙しいママは産後の心の状態も相まってイライラは増大です!
一方、パパの心理は?
- 仕事を頑張ってきたから家では自由にしたい
- 家ではいたわってほしい
- 自分の気持ちをママに言うと全部跳ね返されてしまう
- 言い返すことをやめるとすねると思われる
- ママの言い方が子どもにいうようできつく、くどく感じる
- 注意されたことは大事だと思えないからなおせない
パパは子どもが誕生したときの実感にママとタイムラグがあるという医学的データーからも、家庭では大きくなった子どものような目線が否めません。
そこでパパに感情的になるのではなく、男性は理論に基づいたことが好きという特性と母性に弱いという心理を理解するのが得策といえます。
「頭ごなしに言いたいことを言うのはやめて、なるべく優しい口調で喋るようにするのがポイントなのよ」とは体験ママ談。
あさイチの中ではイノッチさんが、こうしたガキ夫の心理を理解することがママのイライラを増やさない秘訣であり「あきらめること=理解すること」だと言っていました。
パパ側の視点、ママ側の視点がそれぞれ違うことを実感するストレートなコメントでした。つらいけれど、パパの心理を察する努力も必要なんですね。
産後のママの心の状態を理解してもらう
つらい気持ちを感情だけでパパにぶつけても、理論を重んじる男性の心理にはその意味が伝わりません。筋道だてて産後クライシスについての知識をインプットしてもらうのが一番です。きちんと言いたいことが伝わればパパも理解してくれます。
理解が深められるよう産後の心の状態を夫婦でシェアするために、パパと知識を共有できるお勧めの書籍やサイトを紹介します。子どもが寝てからなど、ちょっと一息ついたときにさりげなく読んでもらうように促してみましょう。できれば、出産前に読んでおくと尚効果的です!
おすすめの本
産後クライシス 内田明香、坪井健人著・ポプラ新書
出典:amazon.co.jp
子どもの誕生によって生じやすい夫婦の危機について見事にわかりやすく解説してあります。あさイチ放送で大反響を呼んだ産後クライシス特集の書籍化です!
産後が始まった! 渡辺大地著・KADOKAWA
出典:amazon.co.jp
助産師も推薦する産後の夫婦の生活を夫目線で描いた作品です。これから赤ちゃんが生まれる方は必読!
AERA with Baby スペシャル保存版 ママの心と体セルフケアBOOK(アエラムック)
出典:amazon.co.jp
ママの体験から産後のつらさを全て網羅したボリューム満載の1冊です。細かく書かれているので、パパも親身になってママの大変さがわかるはずです!
おすすめのサイト
産後クライシスの対処法やがわかりやすく掲載されています。パパ、ママそれぞれの産後における生活面での注意点も見られるので要チェックです!
※どうして妻は不機嫌なんだ?-産後に冷え込む夫婦の愛情(外部ページ)
産後クライシスのネーミングの生みの親である内田明香さんへのインタビュー記事です。男性の目から見た妻の存在を通して、産後の精神状態を理解することができます。
夫と妻の立場で考えたリアルな産後クライシス体験を描いたコミックが紹介されています。マンガ好きのパパにおすすめです!
ママの気持ちを楽にする4つの法則
その1.育児と家事をシェアして家族のつながりを実感する
子どもの成長は早いものです。親である私達は歳月を経てもハタチのままの感覚だったりしますが、わが子が子はいつの間にか成長を遂げて、気づいた時には赤ちゃんから小学生になっていて月日を一気に感じます。そして、子どもは小学2年生ごろになると、どんどん外の世界に飛び出していって自分のエリアを構築しはじめ、一緒に過ごす時間が少なくなります。
だからこそ、育児も家事も直線状にとらえてパパもママもみんなで家族の時間を過ごすことが大切です。義務感から育児や家事をこなすのではなく、家族という形態を意識することで産後クライシスを物ともしないスタンスを確立します。
愛の詰まった家庭を築く素につないでいきましょう!そういった意識をお互いに向けるようにして、できる範囲で家事も育児も無理なくシェアできると良いですよね。
パパは手伝いたいと思っている!
仕事で疲れているパパに実際問題、家事や育児のサポートをお願いするのは何だか気が引ける面もありますよね。でも、意外にパパの中ではガキ夫でありながら、手伝いたい!と思う心理が隠れているのです。
内閣府男女共同参画局「家事場のパパ力」HPによると男性が家事・育児を行うことについてのイメージアンケートに次のような結果が出ています。
男性が家事・育児を行うことについてのイメージ(平成26年度調査による)
出典:gender.go.jp
グラフを見ると70%指数中、男性が「家事・育児を行うと子どもにいい影響を与える」と考えるパパは全体の半分以上。
「仕事と両立させることが現実として難しい」との問いには意外にも約3分の1という数値で、イクメンへの意識が高く持たれていることがわかります。
ママは少々気が引けて「男性が家事も育児も行うことに当然である」の回答に少し遠慮がちですが、対してパパは当然である!との見方を多く持っています。
家の中ではパパもママも平等な立場です。共働き、専業ママの線引きは忘れてお互いが家庭内の役割に関わるようにしましょう。
6歳未満児のいる夫婦の夫の家事・育児時間(1日あたり)
出典:gender.go.jp
この図は夫婦と子ども世帯に限定した、パパの平均的な家事・育児の1日あたりの時間です。
日本のパパのお手伝い時間は1日あたり1時間7分!そのうち育児に39分貢献している現実がわかります。不慣れなお手伝いをシェアするためには育児時間をさし引いた28分は可能であるという結論に達します。
そこでお手伝い経験がまだのパパのケースでは、はじめは短時間勝負のゴミ出しから始めるのが良いと思います。出勤のときに、「朝のバタバタのときにごめんね、お願いできるかなぁ・・・無理だったらいいからね」と言葉を添えると、パパのゴミ出しの役割分担の定着が成功しやすい傾向に。
そして次のステップに洗濯物をたたむ導入。テレビを観ているときなどに、リビングのテーブルの上にどかっと洗濯ものを置いて「パパも一緒にたたもうよ」と声がけして二人で洗濯ものをたたむ習慣をつけます。
ケースバイケースですが、回数を重ねるうちに、たたむ最中にママが席を離れる時間を多くしていくと、自然と洗濯物をたたむ役割はパパになるはずです。
上手に役割分担をしていくためのヒント子どもの年齢や手のかかり具合で、お手伝いをして欲しい内容も異なってくると思います。定期的にどの程度まで育児と家事が可能か話し合っておくのが理想です。
二人共有の卓上カレンダーを置いて、この日のこの時間は無理という内容を記してお互いの役割をサポートして乗り切っていくのも一つの手です。
その2.自分へご褒美をあげるストレスマネジメント対策を活用する
人と会ったり、遠出をした次の日など、子どもを産むとなぜだかちょっとしたことで疲れが出やすくなりませんか?
知らず知らずのうちにストレスがたまっているサインです。ストレスマネジメント対策は、ストレスによって受ける精神的なダメージや体調が悪くなるなどの健康被害を予防したり、食い止める為に医学的根拠から実証された方策です。
その中でも産後ママにピッタリなのが、自分にご褒美をあげるストレスマネジメント対策。イライラモードに発展するまえに、ご褒美の力で心のエネルギーを充電しましょう!
セルフコントロールができる、ご褒美の効果と魅力
自分へご褒美をあげることはストレス解消に大変有効で、岡山大学や久留米大学などでも効果が明らかにされています。
研究によるとご褒美をあげるときには二つのポイントが重要で、定期的にご褒美をすることと自分は頑張っているんだ!と賞賛する気持ちを強く持つことが大切なのだそうです。
では、ご褒美の力はどれぐらい心理面に対する効果を持つのでしょうか?調べてみると研究論文に面白いデータがありました。
原文の抜粋まとめ今度はご褒美のアイスクリームはないという前提で散歩を継続してみた。なぜか散歩の習慣が付かなくなってしまった。そこで再びアイスクリームのご褒美を導入すると、毎日の散歩習慣を維持できるようになった」
自分にとって有効なご褒美アイテムは心をセルフコントロールできることがわかります。まるでリラクゼーションしながら精神力を高めるメディテーション・ミュージックのような感じです。
育児中のママは出産によって変化したホルモンの働きが数年にわたって精神面に作用しやすく、心が敏感になり自分でも驚くほど時に感情的な思いが巡ってしまうものです。疲れた心は頑張っている証拠です。だからこそ、自分にご褒美をあげましょう。
ご褒美パワーが育児中のママにもたらす効果
- 疲れが癒される
- ネガティブな考えが起きにくくなる
- 育児を通して毎日が楽しく過ごせる
- 忙しい自分と向き合い、今の自分も好きになれる
- 心身共に健康を維持できる
- 主婦力が高められる
ママのご褒美にはスイーツが人気!
頑張っている自分へのご褒美、何にしますか?ダイドー働く大人力向上委員会の「ご褒美に関する意識調査・2014」によると、主婦の自分へのご褒美1位はスイーツで63.3%、2位はファッションアイテム12.8%となっています。
ちなみに自分にご褒美をすることで実感することは?との問いに「気分転換、モチベーションアップ、心の余裕など幸せを実感する」との回答が多くありました。
スイーツには幸せホルモンを放出する作用もあるので、ストレス解消のご褒美にもってこいの存在です。でも、食べ過ぎには気を付けないといけませんね。
ご褒美スイーツも時にはお取り寄せで贅沢に楽しみたいですね!おすすめお取り寄せサイトをセレクトしました。
一万人が選んだスイーツランキングは全部制覇したくなります。どれも食べたいものばかり!
美味しい人気のお菓子を定期的にお得に食べるために、量をストックしたいママにおすすめです。最近人気のBROOKSIDEシリーズチョコも数を多くお得にゲットできます!
有名パティシェのお店が参加するお取り寄せサイトは、贅沢の極みです。昨年、インターナショナル・チョコレート・アワーズで金賞をとった小山進さんのスイーツも購入可!
その3.自分に一番近い存在のパパと会話をする
パパと普段から会話をしていますか?ママのストレスをケアするのにはパパとのトークが不可欠という対処法が、産後ママのメンタルケア論では常識となっているようです。
話すということは心理学の先生の間でも、話す=放すといわれるように心を開放する作用があり、効果については、ナイチンゲールの看護学に遡るほど確かなコミュニケーションツールとして医学的にも実証されています。
産後ママの心はパパへの嫌悪感もあって会話に一歩踏み出せないかもしれません。一緒に見ているテレビについてだったり、パパがいないときの子どもの様子などをスマホで撮ったりして今日一日どんなことがあったか、話してみるのも良いですね。
お疲れで話づらいパパには、お仕事お疲れ様と声をかけるだけでも随分パパの反応が違いますよ。
その4.一週間のうち1日だけ育児以外は何もしない日を作る
0歳から2歳の子どもを持つママにメールアンケートを独自で行ったところ、自分のためにしたいことは?の問いにほぼ全員が「ゆっくりする時間が欲しい」との回答をいただきました。
そこで、おすすめの提案です。育児以外何もしない日を作りましょう。この方法は、実家などに子どもを預けられない方にも確実にできて、疲れをいやすことができるスタイルです。
例えば、1週間のうち確実に実行できそうな曜日を設定します。木曜日だとします。少し準備に忙しくなるかもしれませんが、この日は基本的に包丁などの調理器具を使わないご飯を徹底します。子どもの離乳食も、自分やパパの食事も全て前から用意しておいたホームフリージングなどで対応します。
時には外食でも良いかもしれません。洗濯ものは前の晩にすませて室内干しにし、お風呂の掃除も入浴後に先に済ませておきます。パパを上手にコントロールできたら、洗濯物のたたみやお風呂掃除もお願いしましょう!
こうして、木曜日は何もしない日と決めて習慣づけると、驚くほど疲れもストレスも取れて気持ちもリセットできます。毎週決まった手抜き日を作っておくと精神的に楽になり、産後クライシス予防にもなりますよ。
ママが元気だと家族も嬉しい
イライラ気分では思考能力がうまく働きません。落ち着いているときに、どうやったら自分をハッピーにできるか?と考えられる時間を持てたなら、きっとストレスや産後クライシスはその瞬間から癒されていきます。
自分はママである前に、感情を持った人間です。自分を大切にできて、自分を一番理解してあげられるのは、やっぱり自分しかいません。周りの環境に流されないで、嫌なことばかりに気を捉われないで、じょうずに心をコントロールしていきましょう。
TOPICS:ウォーターサーバー導入によるママ&赤ちゃんのメリット・デメリット