子供の原因不明の痛みとして、「成長痛」はよくある症状の一つです。何も原因がわからないというと、成長痛ではないのかという判断をされることが多いです。
小さな未就学児の子供から、高校生くらいの大きな子供が、成長痛の対象となり、痛みは大小ありそれぞれです。
人によっては足を中心とした身体の痛み訴え、酷くなれば寝付けずに困ってしまうなんて言うこともあるでしょう。
そんな子供の時期特有の成長痛ですが、そもそも「成長痛」とはどういった状態の事なのか知っていますか。
ここでは、何か考えられる原因があるのか、痛みについて調べました。また、痛みを和らげる為には何ができるのか、対処法や処置方法についてもあわせて見てみましょう。
成長痛とは?原因は何?
成長痛とはどういった状態の事をいうのか、なぜ起こるのかを見てみます。
原因は何なのか?
成長痛の場合は、検査をしても原因が見つかりません。逆にいえば、原因がわからない痛みが続いたときに、「成長痛」と診断されます。
子供の体はまだまだ未完成で、大人に比べて柔らかいです。筋肉、骨、関節は成長を遂げている段階である一方で、たくさん動き回ることが原因とされています。
たくさん遊んだ後に疲れがたまり、痛みを訴えることが多いとされていますが、骨の異常や骨が成長しているということとは関係がありません。
痛くなる場所は?
成長痛の場合、症例を見てみると、膝が痛いと訴えることが多いです。膝の裏側に痛みが広がりやすく、他には太股、ふくらはぎ、足首となります。
足回りの痛みが一般的ですが、特に小さい子は「どこが痛いのかはっきりわからない」と、訴えることがあります。
いつから起こるの?
成長痛が起こるのは、3~5歳くらいの子供とされています。また、第二成長期である中学生・高校生の時期にも起こりやすく、女の子よりも男の子のほうが多いです。
痛みが起こる時間帯は?
時間帯は、夕方から夜に起こることが多く、夜寝ている間にも痛むことがあります。一方で、朝になると何ともなく、ケロッとした顔で学校に行ける子が多いです。
成長痛の痛みを和らげる為の対処法は?
成長痛の痛みを和らげる為には、どのような対処法があるのでしょうか。
何もしなくても大丈夫
子供の成長痛は、自然と収まることが多いです。成長とともに収まり、今の痛みがずっと続くということはないので、基本的には治療は何もなくて大丈夫です。
気にかけてあげることが大切
成長痛の原因の一つに、子供の精神的要因があることがあります。
例えば、兄弟ができた、親の仕事が忙しくなった、などの環境の変化があるときに、成長痛が出ることがあります。
“周りの人に気にかけてもらいたい”という気持ちの表れであることもあるので、少し甘えさせてあげ、スキンシップをはかりましょう。
遊びの仕方を少し考える
どうしても痛いう時には、昼間の遊びについて、少し考えてみるといいです。昼間の遊びで疲れ過ぎて、成長痛が出ているという場合であれば、1~2日走り回るのをセーブさせるなどしてみましょう。
ただし、活発に動くことは子供らしくて悪いことではないので、完全にやめさせる必要はありません。
自宅療養をする
痛みが続くのであれば、自宅療養を行ってあげます。様子を見て湿布、足湯、マッサージなどしてあげましょう。
これらの簡単なケアで、実際に痛みが和らぐことももちろん、”周りが気にかけていてくれている”という精神的安心が得られます。
心が落ち着くと、身体の自然治癒につながり、薬や通院をしなくても、痛みが治まることがあります。
成長痛を治すことはできるの?
成長痛を治す為には、何か有効な方法があるのか、どうするべきなのかを見てみます。
整形外科に行く
痛みがどうしてもひどい場合には、整形外科に行くようにします。成長痛で痛みがひどい場合には、子供用のシップや塗り薬を処方してもらいましょう。
ただし、まれに成長痛と紛らわしい、股関節の痛みを伴うオスグッドやペルテス病など、思わぬ病気が隠れていることがあります。その場合には、小児科にかかるようにいわれることもあります。
食生活を整える
成長痛での痛みを、食事によって直接取ることは難しいですが、痛みを感じたら食生活を考えてあげることがとても重要になります。
カロリーが高く栄養価も低い食品は、お腹がいっぱいになる一方で、成長期に必要な栄養素が少ないです。
例えば、揚げ物、糖分、お菓子類は、高カロリーで太りやすく、肥満により足に負担がかかって痛みが増えることも否定できません。
とはいっても、たくさん運動をして栄養が必要な時期なので、無理に我慢をさせてしまうのもよくないです。
成長痛が起こるということは、それだけ体が成長しているという証拠なので、親がうまく3度の食事の、バランスを整えることが重要です。
血を作るたんぱく質、骨・筋肉の発達を促すカルシウムをはじめ、栄養価のいい食事を心がけることが何よりも求められます。
サプリメントを補う
骨、筋肉が急激に成長する成長期は、身体に必要な栄養を補うことが大切です。タンパク質であるプロテイン、栄養の吸収を高めるビタミン類、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などを補えるといいです。
ただし、サプリメントはむやみに摂取すると栄養が偏りがちです。味付きタブレット系のサプリメントは、おいしい味だけ子供が勝手に食べてしまう、なんて言うこともあるので、注意が必要です。
子供が野菜をあまり食べてくれない、好き嫌いが多いので栄養をしっかりと摂れているか不安と言う方は、下記のページも参考にしてみてください。
→ 子供の成長期におすすめサプリの選び方&人気商品ランキング
筋トレは控える
成長痛が起こるときは、身長が急激に伸びている証拠です。この時期は骨が柔らかく、じん帯や筋肉が切れやすい状態になっています。
子供が駆け回るような運動なら構いませんが、筋肉トレーニングなどの負荷がかかる運動は、体を痛める可能性が極めて高いです。
まとめ
子供が健やかに成長していることが喜ばしい半面で、時に体の節々が痛む「成長痛」が起こることがあります。特に膝、くるぶし、太もも付近など、股関節に痛みがともなうことがあり、成長期の子供に多くあらわれる症状です。
「成長痛」という名前なので、骨にかかわる異常のように聞こえますがそうではありません。原因がはっきりしない成長期の痛みを「成長痛」と診断することが多く、直接的な治療や療法がなかなかないのが現状です。
成長痛は、骨が柔らかい子供が、昼間の激しい運動により負荷がかかっている身体的な要因と、精神的な要因の2つの原因が考えられます。
どちらにしても、痛みを訴えているのであれば、優しい言葉をかけて、いたわってあげることが大切です。まずは自宅療養で、食事や生活リズムを整えてあげることが優先となります。
一方で、個人差により、成長痛で相当の激痛を伴う場合があります。また、骨のゆがみなどからくる、別の病気が隠れていることがあります。
おかしいと思ったら、まずは整形外科に行き、診断をしてもらいましょう。成長痛の場合でも、皮膚が弱い子供用の、シップや塗り薬を、医師の指導の下で処方してもらえます。
子供と親の安心にもつながりますので、痛い時には無理をせず、お医者さんの判断に頼りましょう。
TOPICS:幼児のうちから色々な経験をさせてあげたいとお考えの親御さんへ