切迫早産とは、早産一歩手前の危険な状態。とはいえ、安静に過ごして適切な処置をすれば早産を避けることも可能です。
でも、もしも切迫早産になってしまったら「お腹の赤ちゃんに何か悪影響はないのか」と、心配に思う人もいるでしょう。
そこで今回は、“切迫早産になった時の母子への影響”について調べました。また“どのくらいの妊婦さんが切迫早産になるのか”、そして“予防法にはどんなものがあるのか”についても、併せてまとめてあります。
切迫早産による母子への影響は?
切迫早産自体が、母子の健康に何か悪影響を与えるということは、ほぼないと言えます。切迫早産になった場合でも、早産さえしなければ胎児への影響はほとんどありません。
また、母体への後遺症なども直接的にはありません。医師の指示に従い安静を心掛ければ、あまり心配することはないでしょう。
早産は要注意
ただし、「切迫早産」ではなく「早産」となってしまった場合は、生まれた赤ちゃんへの影響は大きいと言えます。早く生まれてしまうと、それだけ未成熟な状態で外の世界に出るということになります。臓器の機能が未熟な場合は、何らかの病気を発症する危険性を伴います。
特に週数が少ないほど、障害の出る可能性は高くなります。妊娠24週~29週くらいの時期の早産では、後遺症が残りやすいとされています。
逆に30週を過ぎれば、たとえ早産であっても、生まれた後に保育器で数日過ごすだけで後遺症が残らないことも多くあります。
切迫早産になる割合は?
切迫早産になるのは、妊婦さん全体の約15%。早産となってしまうのは、全体の約5%だそうです。
ちなみに、切迫早産になる人は昔より増加傾向にあります。働く妊婦さんが多くなり、ストレスや過労の影響を受けながら妊婦生活を送っている人が増えていることが、増加の理由として考えられています。
また、1人目が早産だった場合は、続く第二子、第三子も切迫早産や早産となる可能性は高いとされています。
切迫早産にならない為の予防は?
切迫早産の原因はさまざまです。中には細菌感染や体質など予防しようのない原因もありますが、冷えや疲れなど、予防可能な原因もあります。
日々の生活の中でちょっと気をつかうだけでも、切迫早産のリスクを減らすことができます。ここでは、簡単にできる切迫早産の予防方法を紹介します。
お腹に力を入れない
重い物を持ったり踏ん張るなど、お腹に力を入れることは避けましょう。お腹に力を入れると子宮の張りを助長させる可能性があります。
上の子がいる場合の抱っこも要注意。想像以上にお腹に力が入ってしまいます。どうしてもという時は、座った状態で膝の上に乗せて甘えさせてあげてください。
冷やさない
冷えるとお腹が張りやすくなります。靴下をはいて過ごす、ひざ掛けを掛ける、腹巻をするなど、体を温めるようにしてください。冷えを感じる前に対策をしておくことがポイントです。
立ちっぱなしを避ける
長時間の立ち仕事は避けてください。立ちっぱなしは、子宮の収縮を促す場合があります。家事をする時は、休み休みするといいでしょう。また、長時間の外出でも立ちっぱなしは避け、休憩をこまめに取るようにしてください。
激しいセックスはしない
妊娠中の激しいセックスはお腹の張りにつながります。パートナーにも、ゆったりと優しいスキンシップをお願いしておくといいでしょう。
また、精子の中には陣痛を促す成分が含まれています。子宮収縮を防ぐためにも、また感染症予防のためにも、コンドームは必ず使用してください。
疲れすぎないようにする
安定期に入ったからと言って、過度に疲れるようなことはしない方がいいでしょう。長時間ショッピングをしたりハイキングをしたりなど、あまりにアグレッシブな行動は避けてください。疲れる前に休憩を取る、ということを心掛けながら行動するようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスはお腹の張りにつながります。ストレスを感じると血流の悪化を招き、子宮も収縮してしまうからです。特に働く妊婦さんはストレスを感じがち。産休に入る前、追い込みのように必死に仕事をこなす妊婦さんも少なくありません。
赤ちゃんと自分の体を第一に考え、あまり無理をしないようにすることが大切です。
骨盤ベルトや腹帯をする
骨盤のゆるみで子宮が下がるのを防ぐため、骨盤ベルトや腹帯をするのもいいでしょう。
「骨盤高位」という姿勢で休み、ベルトを締めると効果的です。この「骨盤高位」とは、仰向けに寝て、お尻と床の間に枕などを入れて腰の位置を高くした姿勢のこと。内臓の下垂を予防するのにも有効です。
骨盤ベルトや腹帯はいろいろな商品が流通していますが、切迫早産の予防をうたっているものの方が安心でしょう。
まとめ
自覚症状なく切迫早産になる人も少なくありません。いつもの妊婦健診を受診したら、そこで切迫早産の診断をされたという人も。
妊婦健診で子宮や胎児の状態を定期的にチェックすることは、早産予防にはとても大切です。妊婦健診は、しっかりと受診するようにしましょう。そして、常に「疲れを感じる前に休む」ことを心掛けてください。
人生の中でも少ししかない貴重なマタニティーライフ。いすれにしても、ストレスや過労は母子にいい影響を与えません。普段は忙しく過ごしている人も、妊娠中はスローダウンしてゆったりと生活できるといいですね。