夕方になると決まって泣き出し抱っこしても、オッパイをあげても泣きやまない、夕飯のしたくもあるのに・・・と、焦る気持ちがいっぱいになり、どうしていいのかわからなくて、途方にくれてしまう・・・。
そんな「黄昏泣き」について、WHOのガイドラインや穀物菜食料理研究家の大森一慧先生の著書「自然派ママの食事と出産・育児」などを参考に対策法をさぐってみました。
黄昏泣きとは?
赤ちゃんが夕方になると決まって激しく泣きだす「黄昏泣き」や「夕方泣き」を欧米では「3ヶ月コリック(colic)」と言うそうです。
泣き始める時刻は個人差があるようですが、昼間に働く交感神経と夜間に働く副交感神経の交代時間あたりが多いようです。
この交代時間はだいたい日没時、つまり黄昏時が目安ですので、季節により泣き始める時刻が多少変わったとしても、自然な反応といえるのでしょう。
生後まもない赤ちゃんは、この「交感神経」と「副交感神経」の交代の感覚に敏感で、慣れない違和感に泣くのかも知れません。
黄昏泣きはいつから、いつまで続くの?
時計と追いかけっこ、のように時間に追われて暮らしていると、「毎日ちょうど忙しい時間帯」に邪魔をされるようで余計にストレスを感じますね。
赤ちゃんの「黄昏泣き」はいつ頃から始まり、いつまで続くのでしょうか?
およそ生後6週間から始まり、3~4ヶ月くらいから徐々におさまっていくことが多いようです。
長い期間続くようなら別の原因を考えてみる
成長の速度はひとりひとり違うので断定はできませんが、あまり長い期間続くようでしたら、他の原因も考えてみることをお勧めします。
たとえば欧米のある調査では「黄昏泣き」と思われていた赤ちゃんの95%が「過飲症候群」だったそうです。
また、ごく稀なケースですが、母乳に含まれる乳糖への耐性が弱い「乳糖不耐症」の可能性もあるようです。
黄昏泣きの対策法は?
では、赤ちゃんの「黄昏泣き」の原因を「交感神経と副交感神経の交代時に感じる違和感」とすると、どのような対策が考えられるでしょうか。
ママの食生活を見直してみる
冒頭にご紹介した大森先生はじめ、自然食や健康食の研究家の多くが、ママの食生活の見直しを勧めています。
- 動物性のものよりも植物性のもの
- 漂白(精製)されたものよりも無漂白(未精製)のもの
- 洋食よりも和食
- 冷凍食品や季節を無視した食品よりも旬のもの
- 肉よりも魚
牛乳から豆乳へ切り替えた、白米から玄米に切り替えた・・・などの単純な切り替えだけでも、ママの食生活の変化→母乳の変化→赤ちゃんの食生活の変化とダイレクトに影響し、母子ともに体も心も穏やかに安定するようになった体験談は少なくありません。
また、人間の食性の観点から「穀物5:野菜2:肉、魚1」の割合の献立を勧める先生方もいます。
いずれにしても、赤ちゃんの成長にかかわる母乳はママの食事がベースですので、これを機会に食事日記をつけて見直してみてはいかがでしょうか。
マッサージをしてあげる
「黄昏泣き」の原因を、赤ちゃんのお腹にたまったガスによる不快感から、とする見方もあります。
ガスや排泄物がおなかにたまりやすいのは、肉食傾向の強い方に比較的多く見られることですが、お肉料理を食べることが多いママの母乳でも同じような作用を引き起こすのかもしれません。
赤ちゃんのおなかをやさしくマッサージすることで、不快感がやわらぎ激しい泣きも徐々にやんでいくかもしれませんので、お試しください。
深呼吸をして赤ちゃんのリズムを整える
さらにシンプルな方法としては、深呼吸が考えられます。呼吸は自分の意志でコントロールできますが、吸う時は交感神経を働かせ、吐く時は副交感神経を働かせています。
赤ちゃんをあやす感じ、楽しく体操しましょう、という感じで、仰向けに寝かせたまま両腕を上下にゆっくりと動かし、深呼吸をうながしてみてはいかがでしょうか。
吸う時よりも吐くときをゆっくり、静かに、長めにとって、数回くりかえしてみてください。
ママの笑顔とゆっくりとしたリズムを全身に感じることで、赤ちゃんは「リラックス効果」と同時に「副交感神経への切り替え」がたすけられて、泣き止み、落ち着きをとりもどすのではないでしょうか。
まとめ
赤ちゃんに咽喉がちぎれそうな激しさで長く泣かれると、本当に心配だし不安になりますよね。
しかし、こうしてみると「黄昏泣き」は確かな成長のしるし、とも考えられます。
生後6週間から3~4ヶ月といえば、脳の神経細胞が人生最大級のスピードと量で増えていく時期の初期でもあります。まずは赤ちゃんと一緒に深呼吸してみませんか。
そして、もし、ママの直感で「違うかも?!」と思ったら「過飲症候群」の特徴がないか調べてみてください。
過飲症候群の特徴は、
- 急速な体重増加は初めだけ
- 激しく泣く
- 母乳を吐く
- 下痢のように便がゆるい
- 便が泡状あるいは緑色に見える
など特に便に異常が起きていることが「黄昏泣き」と異なります。過飲症候群であれば、また対処法は別にあるので、地域の保健所などにご相談ください。
子育ては親育て、とも言います。一日も休まず、どんどん成長していく赤ちゃんに寄り添い、冷静に観察し対応する・・・繰り返していくうちに、本当に素敵な母親になれるかもしれません。
赤ちゃんと二人三脚、旦那さんや周囲の手も上手に借りて、育児を楽しんでくださいね。
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