手足口病は、その名の通り手足口に水泡状の発疹(ほっしん)が出来る急性のウィルス性感染症です。
1年中発症しますが、その中でも最も多く発症するのが5月から7月にかけて、正に今時期がピークです。
大人もかかるケースがありますが、その内90%は5歳までの小さな子に発症しており、特に0歳から2歳までの赤ちゃんや小さなお子さんへのリスクが高いです。
何度もかかるのが特徴の厄介な病気で、ウィルスによってはとても怖い物もあります。
手足口病の症状と広がり
発熱すると思われがちですが、発熱は患者さんの3人に1人くらいの割合です。38度までの微熱の場合がほとんどですが、強いウィルスの場合まれに高熱を引き起こします。
発熱した場合、発熱後2日後あたりから水泡(ちいさな水ぶくれ)のようなポツポツとした発疹が手の平、足の裏、口の周りや口内に出来ます。
最初に口内に出来るケースが多く、半日から2日後までに発疹の数が増えることが多いです。
水泡が破れると、それがどこかに接触して自分で感染を広める事もありますし、時間の経過と共にどんどん広がっていきます。
また、乳児の場合は臀部(おしり)、ひざ、ひじなどにも発疹が出易いです。
水泡が黒ずんで乾いた状態になり、見た目には1週間程度で治っているように思えますが、実は腸内に潜伏(せんぷく)していますので完治まで1か月間くらいかかります。
(症状が目に見えて良くなった場合は、登園登校しても大丈夫です。)
手足口病は感染します!感染経路について
飛沫感染
- くしゃみや咳などでウィルスが口から飛び散る。
接触感染
- 水泡(水ぶくれのような発疹)部分に直接触る。
- よだれや鼻水に触れるだけでも感染します。よだれや鼻水に触れた手でオモチャなどに触り、そのオモチャをまた誰かが触ることでも感染します。
- お風呂での感染。お風呂では水泡が柔らかくなり、また洗う事で破れやすくなりますので感染リスクは高まります。
- 石けんも刺激になりますので水泡部分は石けんを使わずにガーゼなどで優しく洗います。ゴシゴシ洗いは禁物です!
- 使ったガーゼやタオルでも感染しますので、本人以外は使わず、消毒・殺菌効果のある洗剤などでその都度洗った方が良いでしょう。
- 発熱時は入浴を避け、熱が下がってもできるだけシャワーにしてなるべくスムーズに済ませましょう。
- お風呂に入る事で手足口病が悪化するケースはありませんが、体温が上がるためかゆみが増します。
- おトイレ同様、お風呂内にもウィルスは残っていますので、換気を良くして空気清浄をしましょう。
糞口感染
- うんちからの感染。うんちに直接触れることはママでもそれほど無いことですが、紙オムツを開いた時にうんちのニオイがします。ニオイと云うのは実は粒子(りゅうし)で出来ています。細かな粒子が鼻の中に入っていますので、うんちに含まれているウィルスも同時に体内に入り込み感染します。
- 小さなお子さん(兄弟・姉妹)が居る場合、オムツ替えの時は離れていてもらいましょう。
- おトイレの中にもうんちをする事によりウィルスが少なからず残っています。換気扇を使うなどして空気清浄を心がけ、その後の手洗いも念入りに行います。
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手足口病・病院は何科の病院に行くのか
普通に内科でも良いと思いますが、個人的には小児科をお薦めします。
小児科へ行く理由!手足口病は先程もお伝えしましたが、赤ちゃんから5歳児までにかかる事が非常に多い病気です。
大人がかかる病院と比べると、小児科の先生の方が手足口病の赤ちゃんやお子さんを圧倒的に多く診ていることになります。
家の近所にある内科医院は12歳以下の子供は診察してくれません。一見、不親切な気もしますが先生の話しでは「専門医に診てもらった方が良いに決まっているからだよ。」とおっしゃっていました。
また、皮膚科に子供を連れて行って「ばい菌による発疹」と診断されたり、内科で「水ぼうそう」と診断された友人がおります。
友人は妙な違和感からその後小児科に行き手足口病と診断されたそうです!
手足口病は何度もかかります
手足口病のウィルスは主にコクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型の2種類が原因となっている症例が多いのです。
その他にもコクサッキーウイルスA4型・A5型・A6型・A9型・A10型などなど、これだけに限らず種類はまだまだあります。
何度も発症する理由特に、幼稚園や保育園など集団行動を共にする施設の中では、1つのウィルスだけが流行するわけではありません。治ったと思っても、また直ぐに違うウィルスに感染するケースもあります。
手足口病になった場合の食事と水分
刺激物はさけ水分不足に注意!- 酸味のある物や、甘みの強い物は口の中に痛みを感じるのでさけましょう。
- 口内に痛みを感じるため水分不足になりがちです。白湯(湯冷まし)や水をこまめに飲ませてあげましょう。
- おかゆ、お豆腐など柔らかい物を食べさせてあげましょう。
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強い発熱などの危険な症状
微熱程度の発熱があると言われている手足口病でも、ウィルスによって39度、40度くらいの高熱を出すケースもありますし、死に至るケースはめったにありませんがリスクはゼロではありません。
特に注意が必要な危険な症状!- 強い発熱
- 頭痛
- 立って居られない
- 座っていられない
- 嘔吐(おうと)
- 顔面蒼白(がんめんそうはく)顔色が異常に悪い
- 痙攣(けいれん・ひきつけ)
重症例の多くは3歳未満の小さな子に多く、特に赤ちゃんの場合などは頭痛がしていても、どこが痛いのか気づいてあげられません。
赤ちゃんに限らず、上記した事項の他にも明らかにいつもと違う状態と判断した場合はすみやかに病院へ行きましょう!!
高熱が出た場合、熱性痙攣(ねつせいけいれん)などを起す事もあります。
けいれんと座薬についての体験談
長男は(当時2歳半)熱性けいれんで椅子から真後ろに倒れ、頭を強く打っていた事もありかなり動揺しました。
土曜日の午後の出来事で、かかりつけの小児科は休診です。慌てて救急車を呼んだのですが、頭の中はもう真っ白!見事に自宅の住所が言えず自分でも驚きました。
もしもの時に備えて住所などのメモを用意しておくと良いかもしれませんね。
また、解熱剤でも失敗がありまして、次男が(当時1歳)39度超えの発熱をした時に長男のけいれん事件を思い出し、市販の座薬を使ったところ体温が下がり過 ぎて体温計に体温表示が出なかったことがありました。
その時は病院に電話して「とにかく温めて!」と言われて事なきを得ました。
発熱した場合、座薬は子供の体重に合わせて処方されますので、子供さんが小さい内は特に病院で診断してもらった方が良いと思います。
どちらもその後に手足口病の発疹が出てきましたが、長男はその後の診察で違う夏風邪を併発していたと言われました。
40度近い発熱や、初めて痙攣を目の当たりにするとかなり慌てますが、落ち着いて対処して下さいね。
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まとめ
手足口病は5月から始まり7月にピークを迎えます。
赤ちゃんの場合は免疫力がなく夏風邪に勝つ体力がないせいですが、幼稚園に通うくらいのお子さんの場合は、入園と共にお友達と触れ合う事が多くなり、気温が高くなるにつれ手足口病の子が増えてきます。
夏休みに入るとお友達との接触が減るため、感染は一時的に中断され納まりを見せます。
が!その後夏休みが終わると再び集団生活が始まるため9月頃になると手足口病第2のピークが訪れます。
手足口病は、夏風邪の一種ですので季節が変わり寒くなってくると自然とウィルスが姿を見せなくなり大人しくなりますが、存在自体なくなっているわけではありません。
手足口病の予防は何と言っても衛生管理なのですが、うがいなどは子供にとって難しいものです。
徹底した衛生管理が出来ない事が原因でなくならない病気ですが、ちょっとずつ免疫を付けて強くなっている事も確かです。
何度もかかるので慣れてしまいがちですが、怖しい一面もありますので、気の抜けない病気である事を忘れないで下さいね。